1. MAGAを救うには、トランプがロシア、イラン、中国と大きな取引を結ぶしかない

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2026年11月06日 (金曜日)

MAGAを救うには、トランプがロシア、イラン、中国と大きな取引を結ぶしかない

(MAGA Can Only Be Saved By Trump Cutting Grand Deals With Russia, Iran, & China)

 

執筆者:アンドリュー・コリブコ

トランプがロシア、イラン、中国と互いに譲歩し合い、それぞれの国が特に重視する要求をある程度受け入れる合意を結ばなければ、3カ国はいずれも米国の生活費を高い水準にとどめ、2028年の選挙でMAGAに打撃を与えることができる。こうした合意が実現すれば、米国の外交政策は大きく転換し、現在形成されつつある世界秩序も根本から変わることになる。

共和党は先の選挙で惨敗したが、トランプが過去1年間に急上昇した生活費を引き下げなければ、2028年にも同じことが繰り返される恐れがある。生活費の上昇は、第三次湾岸戦争によって引き起こされたものだ。

以前の記事「MAGAが2028年に勝つ可能性を残すには、トランプは欧州へのエネルギー輸出を制限しなければならない」では、欧州向けのエネルギーを米国内に振り向ければ、燃料価格をより早く引き下げられると指摘した。また、世界のエネルギー市場を徐々に安定させるためには、第三次湾岸戦争とウクライナ紛争を終わらせることも重要だ。

しかし、仮にこれら3つがすべて2027年初めまでに実現し、その後1年間で燃料価格が大幅に下がり、2028年の選挙までに生活費が低下したとしても、中国が選挙前に新たな貿易戦争を仕掛ければ、それまでの努力が無駄になる可能性がある。

習近平は、MAGAが2028年に壊滅的な敗北を喫するのを避けたいトランプの弱みにつけ込み、大きな譲歩を引き出せると考えるかもしれない。トランプも、MAGAが生き残る可能性を少しでも高めるため、追い詰められた末に中国の要求を受け入れる可能性がある。

中国から見れば、共和党の大統領が再び誕生するよりも、民主党の大統領が誕生する方が比較的望ましい。民主党は共和党ほど中国に厳しくなく、中国の封じ込めよりもロシアの封じ込めを優先する傾向があるためだ。したがって、こうした展開は中国にとって合理的であり、実際に起こり得る。

つまり、MAGAの将来は、トランプがロシア、イラン、中国と大きな取引をまとめられるかどうかにかかっている。その目的は、次の選挙までに米国の生活費を引き下げるとともに、3カ国のいずれにも生活費を再び押し上げるような行動を取らせないことだ。そのためには、互いに譲歩し合い、3カ国が特に重視する利益をある程度満たす必要がある。

もし3カ国が提示された合意内容に満足しなければ、より有利な条件を引き出そうとして合意を拒否するかもしれない。あるいは、米国の生活費を高いままにするためにそれぞれが可能な手段を使い、MAGAを歴史の舞台から退場させることに力を貸すかもしれない。3カ国には、いずれもそれを実行する能力がある。

トランプもこのことを理解している。そのため、MAGAが復活する可能性を残すためなら、3カ国との交渉に応じる用意があるかもしれない。ロシアは、ウクライナによる製油所への攻撃が続くなか、国内への供給を優先してエネルギー輸出を制限することができる。そうなれば、世界の燃料価格はさらに上昇する。イランは、ホルムズ海峡の封鎖を完全ではないにせよ続けることで、同じように燃料価格を押し上げることができる。一方、中国は新たな貿易戦争を始めることができる。

こうした事態を防ぐには、米国がウクライナ、湾岸地域、台湾をめぐって、それぞれロシア、イラン、中国の利益に配慮する必要がある。それは米国の外交政策の大転換であり、形成されつつある世界秩序を根本から変えることになる。

ロシアについては、別の記事で説明した戦後の欧州の安全保障体制と経済体制の構想が、ロシアの重要な利益をある程度満たし、前述の事態を防ぐための最も現実的な妥協案となる。イランについては、米国がエネルギー関連の制裁を解除し、湾岸地域から軍を撤退させる必要がある。さらに、イスラエルがイランに対して新たな戦争を始めた場合、米国はイスラエルを支援するために介入しないことを明確にしなければならない。中国については、米国が台湾への支援を完全に打ち切る必要がある。そうなれば、台湾は中国本土に復帰することになる。

この提案のうち、ロシアに関する部分については、すでに実現に向けた動きが進んでいると報じられている。一方、イランについては、米国が同様の案を検討する姿勢を見せたことはあるものの、トランプにそれを実行する政治的な意思があるかどうかは、はっきりしない。

トランプは、台湾が米国の半導体産業を奪ったと批判したこともある。しかし、台湾を事実上、中国に引き渡すだけの政治的な決断ができるかどうかは疑わしい。それでも、こうした合意がMAGAを救い、自らの政治的な功績を後世に残すための唯一の方法だとトランプが確信すれば、最終的にはすべてを受け入れるかもしれない。そうなれば、トランプは誰もが認める世界的な平和の実現者として、歴史に名を残すことになるだろう。

筆者紹介:アンドリュー・コリブコ(Andrew Korybko)
モスクワ在住のアメリカ人政治アナリスト。MGIMO(モスクワ国際関係大学)で博士号を取得。著書に『ハイブリッド戦争―カラー革命からクーデターまで』

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MAGA Can Only Be Saved By Trump Cutting Grand Deals With Russia, Iran, & China