2026年08月26日 (水曜日)
私たちは生き延びていく

機と分断の時代を、私たちはどう生き抜き、次の世代にどのような社会を残すのか。求められているのは、個人主義や利己主義、目先の利益にとらわれた発想を超え、連帯と協力によって未来を切り開くことだ。著者は、まだ生まれていない世代の声にも耳を傾け、長期的な視野で政治や社会のあり方を問い直す必要があると説く。未来に恥じない選択をするために、今こそ私たち自身が変わり、行動するときだと著者は提言する。
執筆者:ロベルト・トロバホ・エルナンデス
私たちの存在はつかの間のものだ。しかし、消えることのない足跡を後世に残すことができれば、私たちは自らの存在を超えて生き続けることができる。私たちが乗り越えてきた危機もまた、他者への共感を育む糧となり得る。
人は、鳩にもなれば蛇にもなる。それは一人ひとりが何を選ぶかによって決まる。そして私たちは、望みさえすれば、互いに協力することのできる存在だ。
私たちのアキレス腱、すなわち弱点は、個人主義や利己主義、自分のことばかりを考え、他者のことをほとんど顧みない傾向にある。こうした負の価値観は、何世紀にもわたって私たちの内に染みついてきた。しかし今、私たちは新たな千年紀の、新たな世紀を生きている。
私たちを襲う問題を解決するためには、多くのことを、そして自らの行動を変えていかなければならない。どれほど苦く、過酷なものであったとしても、経験から得た知恵は、やがて実を結ぶだろう。
壊れたもの、破壊されたもの、終わってしまったものは、すでに過ぎ去った道の途中に置いてきた。そして、再び私たちの人生に戻ってくるものがあるとしても、それは以前とは異なる姿、異なる形で戻ってくるだろう。
違う実りを得たいのなら、これまでとは違う種をまかなければならない。奇跡はひとりでに起こるものではなく、人間の働きかけを必要とする。しかし、そのためには私たち自身が進化し、成長しなければならない。この厳しい時代に、立ち止まっている余裕などないからだ。ましてや、私たちは立ち直ることを切望している。
だからこそ、前へ進まなければならない。素早く、力強く、私たちにふさわしい世界、私たちが必要とし、切望する世界へと歩みを速めるのだ。それこそが、生き延びるために不可欠なのだ。
次の点には注意を要する。社会や政治のあり方が時代に合わせて刷新されず、変わらないままであれば、各地で社会的な爆発が起こる可能性がある。私たちは進化しなければならない。そのためには、人間を一面的に見るのではなく、一人の人間を丸ごと捉えなければならないという自覚が必要だ。そして、人々が自らの可能性を広げたい、解放されたい、成長したい、よりよく生きたいと願っていることに目を向けなければならない。
成功できるかどうかは、私たちが連帯し、協力できるかどうかにかかっている。そのためには、曖昧な態度を捨て、分断や二極化から離れ、しっかりと手を携えて歩んでいかなければならない。
私たちは、汚れたものに染まることなく、人と人との間に橋を架けることができれば、生き延び、再び立ち上がり、生まれ変わることができる。自分たちの運命を動かしていくのは、ほかならぬ私たち自身だ。そうすることで勝利を手にし、人生をより楽しみ、よりよい新しい時代を迎えることができるだろう。
自己中心的な者、他者を排除する者、人々を分断する者に居場所はなくなっていくだろう。そうした者たちは退けられることになる。なぜなら、生き延びるために人々が必要としているのは、連帯であり、協力であり、一人ひとりが力を合わせ、結びつくことだからだ。
もし私たち一人ひとりが皆のものであるならば、私たちの何かが他者の中に残る。そうして私たちは、時を超えて生き続けることができる。それは、自らの存在に意味を与えるために、私たちがいつも心の奥に抱いている願いでもある。
そして、個人として何かを成し遂げるためには長期的な展望が必要なのだから、これまで私たちに多くの害をもたらしてきた短絡的な思考を捨てなければならない。
選挙のことしか見ていない政治家に未来はない。人々が必要としているのは、本物のリーダーだ。長期的な視野を持ち、現実的に考え、人々のために働き、変革のプロセスを導く人だ。すべての人のために、そしてすべての人とともに歩むリーダーが求められている。
世界はすでに変わった。今、ひとつの再生が始まっている。そして、その復活を実現するためには、変化を切望する多数の人々の声を、何よりも大切に受け止めなければならない。
私たちは、不死鳥のように再び立ち上がらなければならない。
自ら行動し、自分たちを乗り越え、さらに成長し、発展していくことのできる変化を実現するために。
政治のあり方そのものを変えていかなければならない。未来の世代にも声を与える必要がある。なぜなら、私たちが今日行うことは、明日の世界に影響を及ぼすからだ。
日本では、「フューチャー・デザイン(未来設計)」と呼ばれる手法が取り入れられている。これは、アメリカ先住民の共同体に古くから伝わる考え方をもとにしたもので、何かを決定するとき、その決定がこれから先の七世代にどのような影響を及ぼすのかを十分に考慮するというものだ。
日本では、人々を二つのグループに分けて議論する。一方を「現在を生きる住民」、もう一方を「2050年以降を生きる人々」と位置づける。とりわけ興味深いのは、約30年後の未来を生きていると想定した人々から、地域社会をよりよくするための、非常に前向きで革新的なアイデアが生まれることだ。
多くの社会が、民主主義を活性化し、新たな形へと生まれ変わらせるために、このような方法を取り入れるべきだろう。人間が豊かに持っている想像力を生かし、まだ生まれていない未来の世代にも「声」を与えるのだ。
現在、世界にはおよそ83億人が暮らしている。これから何世紀もの間に、さらに数百億もの人々が生まれてくると推定されている。その中には、私たちの孫やひ孫、玄孫、そしてその友人たちもいるだろう。人々の暮らしをよりよくする機会を手にしていた私たちが、そのとき何をし、何をしなかったのか――未来の人々は、私たちをどのような目で見るのだろうか。
私たちは、自己中心的な愚か者、視野が狭く、成長することのできない人間としてではなく、「立派な人々だった」と記憶されるに値する生き方をすべきなのだ。
人間の脳には、長期的な未来を思い描く能力が備わっている。他の多くの生き物は、人間ほど遠い未来を見通して考えることができない。それができるということ自体、私たち人間の驚くべき能力だ。それほど素晴らしい能力であるにもかかわらず、私たちは怠惰や愚かな自己陶酔のために、それを使おうとしないことが少なくない。
遠い未来について考えることは、私たちを行動へと駆り立てる力になる。そして、それによって私たちは、よりよい方向へ、力強く行動することができる。
私たちが経験している危機から、これまで何を間違えてきたのかを学ばなければならない。そして、自分たちのあり方を改めて問い直し、前へ進むのだ。
私たちには、自らの力をさらに高め、より創造的になり、よりよい存在へと成長していく機会がある。
筆者紹介:ロベルト・トロバホ・エルナンデス(Roberto Trobajo Hernández)
世界ジャーナリスト評議会(GJC)ラテンアメリカ・カリブ地域ディレクター、AL PRESS代表(CEO)。キューバ出身、コロンビア在住。劇作家、ジャーナリスト。ラテンアメリカ・ジャーナリスト賞、アントニオ・ナリーニョ全国報道賞等を受賞。著書に『Teatro Clandestino(地下演劇)』、『Sobrevivimos(私たちは生き延びた)』。
■Fuente: https://www.actualidadglobalinternacional.com/post/sobrevivirnos


