1. 「トランプ第2期政権による対ロシア消耗戦が本格化する前に、ロシアはウクライナに勝利しなければならない」

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2026年06月24日 (水曜日)

「トランプ第2期政権による対ロシア消耗戦が本格化する前に、ロシアはウクライナに勝利しなければならない」

執筆者:アンドリュー・コリブコ

この厳しいシナリオの中で、ロシアに残された選択肢は二つしかない。ひとつは、特別軍事作戦の目的どおりウクライナを完全に無力化し、そこから生じるNATOの脅威を根本的に取り除くこと。もうひとつは、「安全保障の保証」と引き換えに、天然資源産業などロシアの重要産業の持分をアメリカに売却することである。

昨年秋には「アメリカはロシアに対する代理的な消耗戦をさらに強化しようとしている」と指摘されていた。そして今、トランプ大統領が、自ら署名したG7共同声明に沿ってロシアへの圧力を強める姿勢を示したことで、そのシナリオが現実になりつつある可能性がある。

『ウォール・ストリート・ジャーナル』によれば、その戦略は大きく三段階から成る。第一に、ウクライナのドローン能力をロシア以上に強化すること。第二に、二次制裁を拡大すること。第三に、ロシア国内の不安定化を促すことである。

ウクライナはこれまで、サンクトペテルブルクやモスクワ、さらにはチュメニ州のエネルギー関連施設を長距離ドローンで攻撃してきた。さらに月曜日には、ヴォロネジの電子機器工場とモスクワ州の衛星通信センターも攻撃した。

その二日前には、クリミア当局が政府関係者以外への燃料販売を停止した。これは、ウクライナによるドローン攻撃がクリミアの物流や供給体制に深刻な影響を与えていることを示している。

ウクライナが現在行っているエネルギー施設や重要インフラへの攻撃は、9月に予定されているロシア下院(ドゥーマ)選挙を意識したものだと考えられている。

与党の統一ロシア党は、2021年選挙で得た約50%の得票率を維持できないかもしれない。そうなれば、共産党系あるいは民族主義系の野党との連立を余儀なくされる可能性がある。

プーチン政権に敵対する海外勢力は、この状況によってロシアが弱体化すると考えており、その実現を後押ししようとしている。

こうした攻撃と並行して、ゼレンスキー大統領はベラルーシのルカシェンコ大統領に対し、国境地帯の防空システムやドローン中継施設を撤去するよう要求した。応じなければ、ウクライナ側が攻撃すると警告している。

ある分析によれば、もしゼレンスキー大統領が、ウクライナ軍が特定したとされるベラルーシ国内の500か所への攻撃を承認した場合、プーチン大統領には抑止力を回復する機会が生まれるという。

抑止力が回復されれば、ロシアは戦争の主導権を維持し、ウクライナを敗北させて戦争を早期に終結させることができるかもしれない。

しかし逆に、ロシアが抑止力を回復できなかった場合や、戦争そのものが長期化した場合には、トランプ政権による「消耗戦」が本格化し、ロシアの重要目標が一つずつ継続的に攻撃される可能性がある。

元ロシア情報機関幹部のアンドレイ・ベズルコフは最近、「スターリンクが重要インフラ攻撃を支援する状況に対して、我々は準備不足だった」と認めている。そして、すべての重要施設をできる限り早急に防護すべきだと主張した。

しかし、ロシアほど広大な国で重要施設を完全に守ることは容易ではない。

もしトランプ政権がウクライナの戦略的ドローン攻撃能力を大幅に強化すれば、これまでロシア側が期待していたように「時間がロシアの味方になる」という前提は崩れるかもしれない。

現在、ウクライナの補給網は事実上NATOの核抑止力に守られている。そのため、ロシアが第三次世界大戦の危険を承知で補給拠点を攻撃しない限り、小さな損害を積み重ねられ続けて徐々に弱体化していく可能性がある。

この状況でロシアが取り得る道は、ウクライナを軍事的に打ち破るか、それともアメリカに対して天然資源産業などの権益を譲り渡すかのどちらかだ、と筆者は主張している。

ただし後者の場合、トランプ大統領はそうした資産を極めて安い価格で売却させ、さらには経営権まで要求する可能性が高い。それは事実上、ロシアの主権を損なうことになる。

だからこそ筆者は、アメリカ主導の消耗戦が本格化する前に、ロシアはウクライナを打ち負かさなければならないと結論づけている。

筆者紹介:アンドリュー・コリブコ(Andrew Korybko)
モスクワ在住のアメリカ人政治アナリスト。MGIMO(モスクワ国際関係大学)で博士号を取得。著書に『ハイブリッド戦争―カラー革命からクーデターまで』

Source: https://eestieest.com/russia-must-defeat-ukraine-before-trump-2-0s-war-of-attrition-really-gets-going/