2026年11月03日 (火曜日)
コロンビアとマイアミの距離を縮める女性

執筆者:ロベルト・トロバホ・エルナンデス
「アメリカに住んでいなくても、アメリカで不動産を購入できるのだろうか?」――。優秀で大胆な行動力を持つコロンビア人女性の経済専門家は、この問いを出発点に、家族や投資家たちを支援する仕事に人生を捧げてきた。一見するとささいな質問でも、その裏には数え切れないほどの疑問や不安が隠れていることがある。
「アメリカに住んでいなくても、アメリカの不動産を購入できるのだろうか?」
多くの人にとって、この疑問はさらに別の疑問へとつながっていく。「何から始めればいいのだろう?」「誰の言うことを信じればいいのだろう?」フロラルバ・ヌニェス(Floralba Núñez)の仕事の歩みは、まさにこうした人々の疑問や不安に向き合う中で形づくられてきた。
この勇気ある女性がフロリダ州の不動産市場に足を踏み入れた当時、アメリカで不動産投資をすることは、まだ一部の限られた人にしかできないことだと、多くの人が考えていた。
しかし彼女は、顧客がマイアミにやって来るのを待つのではなく、自分から顧客のもとへ出向き、両者を結ぶ架け橋になろうと決意した。各地を訪れ、説明を重ね、質問に答え、顧客にとってなじみがなく、難しく感じられる不動産購入の手続きを理解できるよう手助けしたのである。私が彼女の歩みに注目する最大の理由は、まさにそこにある。
彼女の仕事は、単に不動産を売ることではない。外国の不動産市場の仕組みを人々にわかる言葉で説明し、複雑に見えることを理解しやすくする。そして、本人や家族の将来を左右する重要な決断をしようとしている人に寄り添うことなのだ。
フロラルバ自身も、これまでの経験について語っている。彼女もまた、自分が慣れ親しんだものとは異なる制度の中で、自ら道を切り開かなければならなかった。その制度のルールを学び、人々からの信頼を築いていく必要があったという。こうした経験から、彼女の中に一つの思いが生まれた。それは、一見すると単純だが、だからこそ力強いものだ。
「ほかの人たちには、何もかも不可能だと感じてほしくない」
彼女は仕事を始めた当初から、アメリカでの不動産購入に関心を持つコロンビア人の家族や投資家たちに助言を行ってきた。人々にわかりやすく説明したいという彼女の思いは、著書『Miami al alcance de todos(誰にでも手が届くマイアミ)』にも表れている。
この本は、フロリダ州南部の不動産市場について、より多くの知識を得て、不安を減らしながら理解を深めたいと考える人々のために書かれたものだ。不動産投資の機会や法律・規則、税金、保険、さらには不動産の購入、売却、賃貸に関する実務的な事柄までを解説する手引書となっている。その題名には、一種の約束のような響きがあると同時に、人々への呼びかけも込められている。
情報を得ることが、それまで自分には手の届かないと思っていた道を、現実の選択肢として思い描くための第一歩になるかもしれない、ということだ。不動産業界では、数字と同じくらい信頼が重要である。そして、仕事にどのような姿勢で向き合うかも大切だ。彼女は、称賛に値する一つの考え方を掲げている。
それは、単に自分が受け取る仲介手数料のことだけを考えるのではなく、顧客が何を必要としているかを第一に考えて助言する、という姿勢だ。
フロラルバにとって、十分な準備をすること、忍耐強く対応すること、そして相手の話に耳を傾けることは、何よりも大切なことである。
これらは決して華々しい言葉ではない。しかし、難しい決断を迫られたとき、誰もがそばにいてほしいと願う専門家の姿を、最もよく表している言葉なのかもしれない。
彼女のこれまでの経歴には、国際的な活動を裏づける数々の実績もある。
2017年には、マイアミ不動産協会(Miami Association of Realtors)から「インターナショナル・アウトリーチ賞(International Outreach Award)」を授与された。
この受賞は、不動産業界誌『South Florida Agent Magazine』が公表した受賞者一覧にも掲載されている。また、全米不動産業者協会(National Association of Realtors)のコロンビア担当連絡役も務めた。さらに2019年には、ドバイの不動産市場に関する国際的な認定資格も取得している。しかし、役職や資格だけでは、彼女の歩みのすべてを語ることはできない。
本当に重要なのは、そうした実績が人々のために生かされたとき、どのような意味を持つかということだ。彼女の経験は、人々が進むべき方向を見つける助けになる。彼女の知識は、人々がより的確な質問をできるようにする。
そして、彼女がそばにいることで、国境を越えて進めなければならない複雑な手続きも、一人きりで立ち向かうものではなくなる。だからこそ、フロラルバ・ヌニェスについて語るとき、私は彼女を「架け橋」にたとえたい。
コロンビアとマイアミを結ぶ架け橋。好奇心と情報を結ぶ架け橋。そして、遠い世界の話のように思えたアイデアと、それを十分な知識を持って検討できる可能性とを結ぶ架け橋である。
もちろん、どんな不動産投資も、すべての人に適しているわけではない。また、成功が保証されているわけでもない。不動産投資も、ほかのあらゆる金融上の決断と同じように、一つ一つのケースを慎重に検討する必要がある。それでも、どのような選択肢があるのかを理解すれば、人はより確かな判断ができるようになる。
そして、おそらくそこにこそ、彼女が果たしてきた役割の核心があるのだろう。それは、人々の夢が必ず実現すると約束することではない。
人々が自ら疑問を投げかけ、状況を理解し、自分自身で決断できるよう手助けすることなのだ。誰かのために扉を開くということは、必ずしも、その人に代わって扉の向こうへ進んであげることではない。
そこに扉があることを教え、その扉がどのように開くのかを説明すること。そして、その先に続く道が本当に自分にふさわしいものなのかを見極めようとする人に、寄り添い続けることなのである。
筆者紹介:ロベルト・トロバホ・エルナンデス(Roberto Trobajo Hernández)
世界ジャーナリスト評議会(GJC)ラテンアメリカ・カリブ地域ディレクター、AL PRESS代表(CEO)。キューバ出身、コロンビア在住。劇作家、ジャーナリスト。ラテンアメリカ・ジャーナリスト賞、アントニオ・ナリーニョ全国報道賞等を受賞。著書に『Teatro Clandestino(地下演劇)』、『Sobrevivimos(私たちは生き延びた)』。

