
22日の参議院総務委員会で民進党の那谷屋正義(なたにや まさよし)議員が、高市早苗総務大臣の「還付金詐欺」疑惑を追及した。
高市氏は、約300万円の還付金を受け取ったことを認めた。その理由として、政党支部の財政が悪化して、私財を寄付した事情などを説明した。
しかし、「違法性はない」と述べた。そのうえで今後は、還付金を受けない旨を約束した。
コメント一覧 (毎日放送)

本日(22日)の午前10時から、参議院総務員会で、民進党の那谷屋正義(なたにや まさよし)議員が、高市早苗総務大臣の「還付金詐欺」疑惑を追及するもようだ。メディア黒書で既報したように、筆者と志岐武彦氏(元会社役員)が行った高市大臣に対する詐欺容疑の刑事告発を3月9日に奈良地検が受理した。それを受けての質問である。
【メディア黒書】高市早苗総務大臣によるマネーロンダリングの手口を解説する、大臣辞任が妥当
【産経新聞】高市早苗総務相を詐欺罪で告発、奈良地検が受理…所得税還付金絡みで
【朝日新聞】高市総務相への告発受理 還付金不正受給疑い、奈良地検
注:3月25日の段階で、リンク先にアクセスできなくなっている。
参議院総務委員会は、次のチャンネルで放送される予定だ。
総務省の高市大臣の次は、内閣府の裏金疑惑を審議すべきだろう。
◇議員定数の削減論にみる政治家の劣化
日本の政治家の劣化が止まらない。その背景として複数の原因が推測できるが、まず、最大の悪癖は小選挙区制である。定数が1人なので、とにかく金を使ってでも票を集めなければならない。そこで政治家が自分の政党支部へ自分で寄付して還付金をだまし取るなどの「マネーロンダリング」が横行するようになったのだ。
小選挙区制の選挙では、政治家個人の主張をPRするよりも、なるべく多くの有権者と握手することを選挙戦術にしている政治家も少なくない。その典型はタレント候補である。逆説的に言えば、これは有権者をバカにした戦術だ。
また、日本の政治家の見識のなさを痛感するのは、彼ら(全員ではないが)が、議員定数の削減を主張していることだ。国会の原理が分かっていないとしか言いようがない。議員定数を減らせば、国民の参政権は縮小する。その一方で国会で取り上げなければならない問題が山積みになっている。と、なれば議員自身の仕事はどんどん増える。現在の段階でも、ほとんど処理する余裕がないのに、議員定数を減らせば、さらに負担が重くなるだろう。
議員定数を減らすよりも、むしろ増やしたうえで、内閣府をはじめ省庁で横行しているずさんな国家予算の支出をやめる必要がある。それだけで、議員報酬分ぐらいは十分に捻出できる。
本日、参議院総務委員会で高市早苗総務大臣の「還付金詐欺」疑惑を追及

メディアの歴史をさかのぼってみると、ひとつの権力を手に入れた者が、次のステップとしてメディア支配を企てることがままある。世論誘導の道具に利用できるからである。
その典型的な例としては、読売新聞社に乗り込んだ元特高警察の高官・正力松太郎と博報堂の支配を企てた右翼の児玉誉士夫の例がある。
児玉と博報堂の関係を検証する際に、どうしても無視できないのが、博報堂事件である。これは昭和47年11月30日に、創業家の3代目である瀬木庸介社長を福井純一副社長が追放して、社長に就任した事件である。
日経新聞などの報道によると、福井氏は博報堂を私物化するために、みずからの資金で「亜土」を設立して、「博報堂の持ち株会社『伸和』の株を庸介氏から買い取ったり」「違法な方法で新株式割り当てなどで、『伸和』の株式83.5%を支配下に収めた」。伸和は「博報堂の発行済み株式の30%を保有」しており、博報堂は実質的に福井社長の支配下に置かれたのである。ちなみに福井氏は後に、特別背任容疑で逮捕され有罪になっている。
このお家騒動の時期に「伸和」に乗り込んできたのが、児玉氏の側近であり、等々木産業(株)の代表取締役である太刀川恒夫氏らだった。
◇児玉に協力を求めた博報堂
伸和は後に博報堂コンサルタンツに社名変更するのだが、このあたりの事情について、当時の『週刊サンケイ』(1976年)は次のように書いている。
特に、「伸和」が昨年7月に「博報堂コンサルタンツ」に社名変更した時に、太刀川が取締役に就任したことが、児玉ファミリーのマスコミ支配のための″博報堂進出″とみられている。
博報堂も児玉との関係を認め、『週刊サンケイ』に対して次のようにコメントしている。
「博報堂乗っ取りとか、児玉が何を狙っているとかいろいろいわれているけれど、まったくナンセンス。博報堂コンサルタンツの取締役になってもらったのは、僕の方から頭下げてきてもらったんですからね。将来いろんなことやってくうえで、いつ、何をということなく、必要になった時、考え方などを聞かせてほしい、そういうために役員になってもらったんですよ。福井さんと児玉さんが関係あると言われていますが、あれだって社長就任時に記念品をもって挨拶に行ったんで、何百人と回った中の1人ですよ。ええ、わたしも同席しました」(広田隆一郎、前博報堂取締役、前博報堂コンサルタンツ社長<肩書きは1976年同時>)
広田氏の言葉を借りれば、博報堂の側から、児玉氏に協力を求めていったのである。
その後、福井前社長の逮捕などもあったが、博報堂コンサルタンツは社名を変更しながら存続する。博報堂コンサルタンツの次は、日比谷コミニュケートコンサルタンツとなる。そして2001年(平成13年)に博報堂に合併したのだが、興味深いことに日比谷コミニュケートコンサルタンツの時代の会社登記簿に現在の博報堂の舵を取っている人々の名前が確認できる。たとえば次の方々である。
戸田裕一(博報堂代表取締役)
沢田邦彦(博報堂前取締役副社長・降格され現在は取締役)
児玉らが「乗り込んできた」時代の博報堂と現在の博報堂の接点については、今度、検証する必要があるが、少なくとも次の重大な事実が確認できる。
意外なことに内閣府の官僚や警察関係者の天下りは、この時代から始まって、現在まで続いているのである。極めて長期にわたる癒着なのだ。(続)

中米エルサルバドルのロメロ大司教が亡くなって、3月24日で37年になる。ロメロ大司教は、軍部が幅をきかせ、人間としての最低の生活権すらも奪われていたエルサルバドル民衆の声を代弁する人だった。常に貧しい人々の側に立っていた。
そのために政府は言うまでもなく、カトリック教会の上層部内でも批判の対象となった。ミサの場では、公然とエルサルバドル軍による暴力を非難した。いわるゆ「解放の神学」の先駆的な実践者である。
1980年3月24日、ロメロ大司教はミサの最中にエルサルバドル軍の傭員に狙撃され亡くなった。しかし、軍の暴力はこれで終わったわけではなかった。首都の大聖堂で行われたロメロ大司教の告別式に集まってきた人々の群れに向かって、無差別に銃を発砲したのである。
紹介したYouTubeは、その時の様子を映像ジャーナリストが撮影したものである。貴重な記録だ。
わたしはこの事件がエルサルバドル内戦(1980年~1992年) の引き金になったと考えている。もちろんそれ以前から、極端な社会的格差など内戦を誘発する客観的な条件はあったのだが、この事件で平和的な社会問題の解決が不可能であることが明らかになったのである。
この画像で最も興味深いのは、最後の1分(8:00)あたりからである。ラテンアメリカの人々の気質を典型的に示す場面が映っている。ピストルを持った人々が、ただちに反撃の体制を敷いているのが確認できる。
この年の10月、5つのゲリラ組織が統一して、FMLN(ファラブンド・マルティ民族解放戦線)を結成した。そして首都へ向かって大攻勢をかけたのだ。エルサルバドルは内戦状態に入ったのである。
FMLNは1992年に和平が成立した後、合法政党に生まれかわった。そして2009年に大統領選挙で勝利して政権の座についた。現政権は2期目である。

環境省から驚くほど簡素化された見積書の内訳が開示された。しかし、総見積額10億円を超える金額の使途は不明。国会予算の恐るべき不透明性が露呈した。
発端は、筆者が環境省に対して、2015年度に博報堂が環境省と交わした全ての業務契約に関する書面(契約書、見積書、請求書)を開示するように求めたことである。これに応えて環境省は、5件のプロジェクトの契約書・見積書・請求書を送付してきた。
ところが見積書の内訳が開示されていなかった。たとえば次の書面は、「平成27年度炭素社会づくり推進事業委託業務」と題するプロジェクトの見積書である。見積額は、8億6285万円。金額の内訳が分からない。
契約額が高額なので、筆者が内訳も開示するように求めたところ、環境省は「検討する」と回答した。数日後、内訳が送られてきた。期待して封を切った。それが次の書面である。
これでは内訳を情報開示したことにはなっていない。一体、博報堂がどのような仕事をしたのか全く分からない。このような見積書で湯水のように国家予算が支出されているのだ。
◇書面番号がない見積書と請求書
さらに驚くべきことに、博報堂が環境省に送付した見積書・請求書には、書面番号が付番されていない。これは公式の会計システムに則した経理処理が行なわれていない可能性が示唆する。
通常、見積書は番号を付番して、コンピュータで管理する。そのために請求書を発行する際にも、見積書と共通の番号がプリントアウトされる。それにより見積書と請求書を整合させることで、経理の透明性を確保しているのである。
上場企業と連結主要子会社はシステム監査が義務づけられており、見積書、請求書、納品書を管理するナンバーがつけられて見積書の有効期限を含めて厳密に管理されるのが普通だ。オリンパスや東芝の例にみられる不正会計事件以降は、粉飾決算防止のために特に会計監査が厳しくなっている。
プリント用紙に企業のロゴが入っていることは言うまでもない。
こうして見積から請求、納品までのステージを管理していくのが民間企業の間では常識になっている。
ところが環境省から開示された博報堂の見積書・請求書には番号が付番されていない。納品書があるのかどうかも分からない。外見から判断するとワードで作成されている。もちろんロゴも欠落している。
環境省へ流れた10億円を超える国家予算の使途を徹底検証する必要があるのではないか?なにしろ2007年ごろには、3年間で約90億円が環境省から博報堂へ支払われている事実があるのだから。
【参考記事】内閣府だけではない、環境省からも博報堂へ3年で約90億円の国家予算を注入、調査対象が文科省、総務省、環境省へ拡大

新聞販売店と新聞社のトラブルが増え続けている。こうした状況を踏まえて、先日、関東圏のある大手新聞の販売店主に新聞の未来について尋ねてみた。
・・・現在の販売網はこの先、何年ぐらい維持できると思いますか?
店主:5年から6年で専売店制度は崩壊すると思います。次々と販売店が統合されて、店の軒数が減っています。そのために1店あたりの配達エリアがどんどん拡大して、配達作業そのものが過酷になっています。
・・・外国人が配達している店が多いと聞きましたが。
店主:うちでも3人使っています。ベトナムの人ですが、よく働いてくれます。
・・・毎日新聞の販売店が激減していると聞きますが。
店主:この地域では、ほとんど消えました。
・・・読売新聞はどうですか。
店主:読売新聞の販売店は件数が減りません。おそらく販売店に補助金を出してでも、販売網も崩壊させない方針があるのだと思います。他の新聞社の販売網が崩壊したときに、自分たちが配達を引き受けて生き残ろうという戦略ではないかと見ています。
・・・貴店の「押し紙」の実態はどうですか?
店主:全部切ってもらった(無くしてもらった)ので、今はすっきりしています。しかし、今なお多量の残紙がある店もあります。残紙があれば、経営が成り立たなくなってきたので、新聞社も以前ほど威圧的ではありません。販売店を強制改廃しても、後継者がなかなか見つかりませんから、結局、新聞社が自分で管理せざるを得なくなるからです。
・・・公正取引委員会が「押し紙」問題にメスを入れませんが、これについてはどう思われますか?
店主:あの組織を信用している店主は誰もいないでしょう。○○社と○○社に対しては、取り締まらないという噂です。

筆者は、内閣府や省庁が博報堂に発注してきたPR業務(公共事業)の検証を進めてきたが、唯一、解明が進んでいない分野がある。それはテレビCMだ。内閣府や省庁は、公共の新聞広告だけではなく、国策プロパガンダを目的としたテレビCMも博報堂に制作させている。
筆者が調査したいと考えているのは、テレビCMを本当に放送しているのかという点である。読者からは、「あまり見たことがない」という声が寄せられている。
新聞や雑誌の広報、あるいはインターネット広告は、なんらかの形で「成果物」を確認することができるが、テレビCMだけは、簡単に「成果物」を確認することができない。CMを放送したテレビ局には、放送の記録(動画)が残っているはずだが、広告代理店が関与した事件の取材に協力してくれるほどの寛大さはないので、まず「成果物」の確認は期待できない。
と、なれば放送確認書だけが頼りになる。
放送確認書とは、CMが放送されたことを証明する一種の証書である。重い意味を持つ。テレビCMを制作する際に、コンピューターにコードを入力すると、実際にCMが放送された際に、CMコードがデータとして記録される。放送局は、それをプリントアウトして、広告代理店を通じてスポンサーに届ける。人的な手を加えずに、コンピュータが書面を発行することで、「CM間引き」を監視するのだ。
CMコードは、現在ではほぼ全放送局が導入している。
筆者は、内閣府から2015年度の放送確認書を入手している。その数量は膨大なものになる。これらの放送確認書には、CMコードも付番されている。従って常識的には、政府CMは制作・放送されたことになるが、それですべてがクリアーになったわけではない。
◇民間企業を舞台として怠慢業務
もともと筆者が内閣府や省庁における博報堂の業務を検証しはじめたのは、昨年、民間企業・アスカコーポレーション(本社・福岡市、化粧品の通販業)における博報堂のいわくつき業務の実態(たとえば、過去データのパクリ)や職能レベルを調べていて、同じような業務姿勢が公共事業の分野でも応用されていると感じたからだ。
アスカを取材する中で、筆者は、コンピュータ管理されているはずの放送確認書が、代筆されたり、偽造されていたことを知った。その実態については後述するが、放送確認書の代筆や偽造が民間企業を対象とした業務の中で行われていたからには、同じことが内閣府でも行われている可能性を疑わざるを得ない。
改めて言うまでもなく、偽造した放送確認書では、公式には放送されなかったことになる。いわゆるCM間引きである。
もちろんこうした犯罪的な行為については、慎重に検証してから結論を出す必要があるが、調査に関しては、少なくとも次のことは言えるのではないか。筆者が専門家の協力を得て調査する以前に、内閣府と博報堂、それにテレビ局が、実際に放送された画像を開示するべきではないだろうか。政府CMは国会予算で制作されたものであるからだ。「成果物」は公共のものである。
◇自社の住所を誤記入する愚
さて、アスカコーポレーションを取材する中で知った放送確認書の偽造事件について説明しよう。これについては、メディア黒書で繰り返し報じてきたが、新しい読者のために再度紹介しよう。博報堂が偽造したのか、放送局が偽造したのかは分からないが、博報堂が代理店の役割を果たしていたのだから、責任はまぬがれない。
この偽造事件は、チャンネルMnet(CJE&MJapan株式会社)という衛星放送局を舞台に行われた。最初に偽造された放送確認書を示そう。この中に3カ所、とんでもない「偽造ミス」があるのだ。クイズを提供するわけではないが、読者にはその3カ所を捜してほしい。

まず、第1に放送局の住所が間違がっている。CJE&MJapan株式会社の正しい住所は、「港区西新橋2-7-4」であるが、「西新橋」が欠落し、「港区2-7-4」と記している。しかも、同じ「ミス」を何度も繰り返しているのだ。もし、放送確認書をCJE&MJapanが作成したのであれば、自社の住所を間違うはずがない。
第2のミスは、2014年5月29日付け放送確認書に、5月30日と31日にCMが放送されたとする記載がある点だ。[参照:上記書面の赤の①②の部分]あり得ないことだ。
第3のミスは、もっとも滑稽なもので、ブラックユーモアを誘う。放送確認書の一覧表に注意してほしい。これはウィンドウズの画面である。ウィンドウズ画面の右上には、常に、「-」「□」「×」のマークが表示されるが、上記の放送確認書にも、それが確認できる。コンピュータが自動的に作成する放送確認書の中に、ウィンドウズが混入することなどあり得ない。これは偽造の際に、貼り付けた証である。
ちなみに正常な放送確認書は、次のようなものだ。
◇放送確認書は、本当に信頼できるのか
民間企業で放送確認書の偽造が確認された以上、博報堂が内閣府からの受注で制作したテレビCMの録画を、内閣府に対して情報開示請求せざるを得ない。民放連などが2000年に導入した放送確認書は、本当に信頼できるのか、再検証する必要もあるのではないか。IT技術の発展はめざましく、「抜け穴」がある可能性も否定できない。
参考までに、テレビCMの不正に関する記事を何本か紹介しておこう。いずれもアスカコーポレーションを舞台に博報堂が行ったことである。
【写真】博報堂における過去データのパクリの一例。アスカの情報紙。

高市総務大臣に対する刑事告発が受理された。
筆者らの刑事告発を奈良地検が受理したのである。高市氏による「マネーロンダリング」の手口を、奈良地検は詐欺罪として受理したのである。。
なぜ、「マネーロンダリング」なのか?具体的な資料を示しながら、それを解説しておこう。
繰り返しになるが、高市氏がやっていた不正は還付金制度を悪用したものである。次のような仕組みだ。
議員が代表を務める地元の政党支部へ有権者が政治献金を行った場合、税務署で所定の手続きをすれば、寄附した金額の30%が戻ってくる。たとえば1000万円を寄付すれば、300万円が戻ってくる。
高市議員はこの制度を悪用して、自身の政党支部へ献金を行い、還付金を受けていたのだ。しかし、租税特別措置法の41条18・1は、還付金の例外事項として、「その寄附をした者に特別の利益が及ぶと認められるものを除く」と定められている。つまり議員がこれをやれば違法行為である。それが地検の見解だ。
高市氏は、「投資資金」の一部を、自身の政党支部から調達していたのである。つまり資金を還流させ、その還流のプロセスで還付金を受けていたのだ。計画性があって極めて悪質といえよう。
◇資金の還流を検証する
次に示すのが、高市氏の政党支部(自民党奈良県第2選挙区支部)から、高市氏が受けた寄付を示す証拠である。
2009年8月10日に580万円、8月28日に200万円の寄付を受けている。これを原資とし、その他の「資金」も加算し、2009年度に「山本早苗」の名前で、総額約1620万を自分の政党支部に寄付している。
この寄付を根拠として、高市氏が受け取った還付金は約485万円である。その証拠は、次の還付金を受けるための手続きを示す書面だ。
計画的に資金を還流させることで、約485万円の還付金を手に入れたことになる。
◇「客観報道」すら放棄
こうした行為に違法性があるかどうかは意見が分かれているが、地検は違法と判断したのである。それ自体がニュースである。政治家の倫理として問題があるのは間違いない。新聞・テレビは、この事件を報道すべきだろう。一国の総務大臣に対する刑事告発が受理された事実は、極めてニュース性が高い。
報道しないようであれば、マスコミ関係者が常に口にする「客観報道」すら実行していないことになる。「客観報道」が神話・幻想であることを認めたも同然だ。
高市氏は、総務大臣を辞任すべきだろう。

内閣府や一部の省庁が博報堂に発注したPR業務には、不可解な点がまま見受けられる。社会通念から逸脱していて、その中にはブラックユーモアを伴うものもある。国家事業であるから大問題だ。
博報堂が発行している請求書もそのひとつの例である。内閣府に対して同社が発行している請求書が、エクセルで作成されているとしか思えないことは、繰り返し報じてきたが、それよりも杜撰で、失笑をかう請求書が防衛省で使われている。
次に示すのがその実物だ。

この請求書は、昭和時代に個人事業主が使ったレベルである。おそらくワードで作成したものである。
第一、請求書そのものが会計システムに則したものではない。通常、企業が発行する請求書は、前段の見積書と整合性をもたせるために共通の番号を付けてコンピューターで管理するが、その番号も付番されていない。
博報堂のあずさ監査法人は、どのような監査をしているのだろうか?博報堂DYホールディングスが上場している東証も調査すべきだろう。
また、普通の企業は、社のロゴが入った公式の請求書を使うものだが、博報堂と防衛省の取り引きでは、誰でも作成できるタイプのものだ。その請求書で、湯水のように国会予算を博報堂へ注入しているのだ。
ウエブサイトの制作や管理に年間1000万円を超える資金が支出されているのも異常だ。しかも、次の年も同じ用途で1000万円を超える国家予算を支出している。団体向けの価格であるとしても、300万円から400万円が限度だろう。個人向けであれば、50万円である。常識的に考えれば、ウエブサイトに1000万円の支出は、背任の疑惑がある。
国家公務員として、「お金」のチェックをしていない証である。金銭感覚がおかしくなっている。
民主党が政権を取った時期、国家予算の無駄遣いを厳しく検証したが、自民党政権に戻って、杜撰な実態に逆戻りした。
その一方で自民党は議員定数を削減することで、国家予算の無駄使いをなくそうとしている。順番が完全に間違っているのだ。軍艦を作る金も不要だろう。
それに議員定数を減らせば、国民の参政権が狭まり、ますます省庁での腐敗が進むだろう。議員定数は、大幅に増やす必要があるのだ。
◇内閣府への請求書、エクセルで作成か?
内閣府に対して博報堂が発行している請求書は、繰り返しになるがエクセルで作成されている。これも会計システムに則したものではない。請求書の番号も発行の日付も入っていない。
以下に示すのが、その実物だ。

筆者と沢田(仮名)氏が行った高市早苗総務大臣に対する刑事告発が受理された。この事件の構図を説明しておこう。
あまり知られていないが、この事件の背景には、政治献金の還付金制度がある。次のような制度である。
議員が代表を務める地元の政党支部へ有権者が政治献金を行った場合、税務署で所定の手続きをすれば、寄附した金額の30%が戻ってくる。たとえば1000万円を寄付すれば、300万円が戻ってくる。
高市議員はこの制度を利用して、自身の政党支部へ献金を行い、還付金を受けていたのだ。資金を動かすだけでお金が膨れ上がる一種のマネーロンダリングを行っていたのである。
還付金制度は租税特別措置法の41条18・1で定められているが、例外として「その寄附をした者に特別の利益が及ぶと認められるものを除く」と定められている。つまり議員がこれをやれば違法行為である。議員が自分の政党支部へ寄付した場合は、還付金を受け取る手続きをしてはいけないのだ。
◇資金の流れ
高市議員は、次のようなステップで還付金を受けた。
①2012年11月20日と12月17日に高市早苗総務相(奈良2区)が代表を務める「自由民主党奈良県第2選挙区支部」から高市氏に計1220万円を移動させた。
②このうちの1000万円を、12月25日に同支部へ「寄付」。
③還付金を受ける手続をして約300万円を手に入れた。
自分の選挙支部へ1000万円を寄付しているわけだから、この資金は政党支部で自由に使えるうえ、さらに還付金300万円が加算される。結果、1300万円に「軍資金」が増える。
今回、告発の対象にしたのは、2012年度分であるが、実は同じ手口を過去にも行っていた。たとえば2009年度の政治資金収支報告書によると、約1620万円を自分の政党支部に寄付している。受け取った還付金は約485万円である。額が大きく極めて悪質だ。
◇高市氏、新聞業界からの政治献金も
ちなみに高市氏は、新聞業界と親密な関係にある。新聞特殊指定(再販制度)を守るために2006年には、特殊指定の運用権限を公正取引委員会から国会へ移すための議員立法を提案した人物でもある。業界紙は当時の高市氏の発言を次のように伝えている。
「独禁法の改正案として2本作りましたが、最終的には法制局の審査を両方とも通った。状況がいい方(特殊指定維持)に変わり、今は日販協(日本新聞販売協会)に法律案そのものを渡してあります。今後何か起きたら、その時はいつでも提出できる安全パイを持てたことは良かった」(『新聞通信 2006年8月3日付け)
その一方で、新聞業界から政治献金を受けている。たとえば2009年度の政治資金収支報告書によると、日本新聞販売協会から50万円。次に示すのが裏付け資料である。
◇国勢調査の政府広報、まびき問題
メディア黒書で報じてきたように総務省は、2015年、博報堂に国勢調査のためのPRプロジェクトを6億円で発注した。ところが政府の新聞広告の半分以上が間引きされていた。右派の高市大臣に責任があるかどうか、博報堂との関係も含めて検証してみる必要があるだろう。契約者は、高市氏ではないが、総務省の総責任者である。
下記の記事を参考にしてほしい。
■博報堂による6億円事業、H27年度国勢調査の新聞広告の間引き、架空請求の決定的な証拠
◇新聞・テレビはジャーナリズムではない
総務大臣に対する刑事告発が受理されたのだから、これは重大なニュースである。ところがこの事件をメディアはほとんど報じていない。インターネット上のニュースを調べたところ、報じたのは朝日新聞(電子)と産経新聞(電子)だけである。
日本の新聞・テレビは、朝日と産経を除いてもう「終わっている」のではないか。

【臨時ニュース】
奈良地方検察庁は、高市早苗総務大臣がみずからの政党支部にみずから献金して、還付金を受け取ったとして、筆者とA氏が提起した刑事告発を受理した。奈良地方検察庁から、9日の午前、A氏に連絡があった。事件番号は、「平成29年検第393号。詳細は後日。
下記の記事で説明した森裕子議員のケースとまったく同じ手口である。

【押し紙についての質問は、53分20秒から】
福岡県行橋市の小坪慎也議員が、3月の定例本会議で「押し紙」問題を追及した。「押し紙」問題が地方議会で取り上げられるのは、筆者が知る限りでは全国ではじめてである。今後、他の自治体にも、「押し紙」問題が飛び火しそうだ。
行橋市は2015年度に2件、16年度に4件、新聞広告を出している。(折込広告か紙面広告かは不明)。メディア黒書で繰り返し報じてきたように、新聞のABC部数と実配部数には差異があり、折込広告の料金が必然的に水増し状態になっていることが、水面下で問題になってきた。
小坪議員が市に対して、広告出稿に先立ち、ABC部数と実配部数の差異を確認したかを質問したのに対して、市側は、
「実際に(部数を新聞社側から)提示をされたものが3件ございます。その3件につきましては、ABC協会のインターネットで公表(部数)を確認したところ差異はございませんでした」
と、返答した。
つまりABC部数を基準として発注部数を決めていたということだ。この中には、後述するように「押し紙」が含まれている。
実際に出稿した先の新聞社や広告代理店は次の通りである。
【2015年度】
西日本新聞:2件(黒薮注:2件は紙面広告と思われる)
【2016年度】
読売西部IS
西日本新聞社広告デイリーインフォメーション
西日本新聞広告社・九州
デイリーインフォメーション九州(黒薮:4件は折込広告と思われる)
小坪議員の質問により、今後、行橋市は新聞広告を出稿する際は、新聞販売店(市内に13店舗)に直接部数などを問い合わせるなどの措置を取ることになった。
◇西日本新聞の内部資料(佐賀県全域の押し紙)を公開
九州地区で最も有力な新聞は、西日本新聞である。西日本新聞の「押し紙」については、メディア黒書に同社の販売店から内部資料が送付されている。次のエクセルである。
この内部資料は次のように読み解く。
1、表の最左の縦列は、佐賀県下の新聞販売店を示している。
2、最上段の列、左から4枠目にある「8/3数」は、新聞販売店が西日本新聞に注文した部数を意味する。たとえば鳥栖中央店では、1,802部を注文したことを意味する。
3、「8/3数」の右隣りの枠にある「8/6数」は、新聞社が実際に搬入した部数を示している。鳥栖中央店のケースでは、2,158部である。
つまり鳥栖中央店は、1802部を注文したにもかかわらず、新聞社は注文部数を超えた2,158部を搬入したことになる。
ちなみに「前年数」も「前月数」も、「8/3数」も同一の数字(鳥栖中央店のケースでは2,158部)になっているの事実から察すると、注文部数が固定化されている可能性が高い。
次のバックナンバー記事も参考にしてほしい。
■「押し紙」の決定的証拠、西日本新聞の内部資料を公開、佐賀県下の販売店ごとの「押し紙」部数が判明
念を押すが、データは行橋市がある福岡県ではなく、佐賀県のものである。しかし、ひとつの参考にはなるだろう。
なお、読売ISの親会社にあたる読売新聞は、「押し紙」は一度も行ったことがないと、法廷(対新潮社・黒薮裁判)で証言している。質問しているのは、読売の代理人弁護士で自由人権協会代表理事の喜田村洋一氏である。
■裁判の議事録(読売の宮本友丘専務・平成22年11月16日)
なお、真村訴訟の福岡高裁判決は、読売新聞の「押し紙」政策を認定している。次の判決である。
◇なぜ、左派と右派が共闘か?
小坪議員は、右派系の地方議員として全国的に有名だ。筆者は、ラテンアメリカの左派のシンパである。既報したように、「NO残紙キャンペーン」は、思想信条を超えて残紙を排除する運動である。自由法曹団の弁護士らも参加している。
なぜ、右派と左派が共闘できるのかという問い合わせが時々来るが、答えはいたって簡単だ。右派も左派も、新聞社の「押し紙」政策は誤りだと考えているからにほかならない。
他人の言論を暴力などで封じない限り、こうした共同行動も可能になるのだ。何よりも大事なのは、言論表現の自由である。
筆者としては、今後、内閣府や省庁からの天下り問題や国家予算が湯水のように博報堂へ流れ込んでいる問題についても、共闘の道を探っていきたい。





