横浜・副流煙裁判と訴権の濫用&反撃

横浜・副流煙裁判は取材すればするほど不可解な部分が浮上してくる。取材当初は創価学会が背後で糸を引いているのではないかと疑っていたが、学会の組織的な関与はない。ただ、原告一家が創価学会の会員である事実は判明している。
裁判への関与が疑われるのは、日本禁煙学会である。日本禁煙学会は、わたしの電話取材に対して、副流煙の被害者に対して裁判提起を奨励していることを認めた。横浜副流煙裁判もこうした脈絡の中で提起された可能性が高い。【続きはウェブサイト】


横浜・副流煙裁判は取材すればするほど不可解な部分が浮上してくる。取材当初は創価学会が背後で糸を引いているのではないかと疑っていたが、学会の組織的な関与はない。ただ、原告一家が創価学会の会員である事実は判明している。
裁判への関与が疑われるのは、日本禁煙学会である。日本禁煙学会は、わたしの電話取材に対して、副流煙の被害者に対して裁判提起を奨励していることを認めた。横浜副流煙裁判もこうした脈絡の中で提起された可能性が高い。【続きはウェブサイト】

原告の勝率が高い裁判の代表格は、名誉毀損裁判である。その最大の原因は法理にある。日本の名誉毀損裁判では、訴因となった表現が真実であること、あるいはおおむね真実に相当することを証明する責任が、原則として被告側に課される。
たとえば「B新聞社の『押し紙』は30%ぐらいある」と書いた場合、書いた側がそれを立証しなければならない。数値が推測によるものであることを強調するために「噂によると」という表現を付してから、「B新聞社の『押し紙』は30%ぐらいある」と表現しても、そんなものは通用しない。事実の摘示として処理される傾向がある。「押し紙」問題のように、公益性が極めて高い問題でさえも、裁判所は同じような扱いにする。
このような日本の法理に対して、たとえば米国の名誉毀損裁判では、原則として原告の側に立証責任が課される。そしてスラップと判断された場合は、入り口の段階で却下され、逆に原告にペナルティーが課せられる。
日米の法理の違いと、日本の名誉毀損裁判の問題点は昔から指摘されてきたが、依然として改善されていない。その結果、最近になって重大な問題が新たに浮上している
2020年02月05日 (水曜日)

昨年、産経新聞と毎日新聞が消費生活センターから景品表示法違反で行政指導を受けた。景品表示法違反は、新聞拡販の際に新規購読契約者に対して提供する景品類の金額に制限を加える法律である。
最高額は6カ月分の購読料の8%である。中央紙の場合、2000円程度になる。6カ月以上の契約をしても、それを超える額の景品を提供することは禁止されている。限度額を超過すれば景品表示法違反である。
この景品表示法に違反するとして産経新聞社と毎日新聞社が措置命令を受けたのである。当然、読者は次のような疑問を抱くに違いない。中央紙のうち産経と毎日以外の新聞は、景品表示法違反を守っているのかという疑問だ。
この点を検証するために、わたしはまず2月1日付けのマイニュースジャパンに読売による景品表示法の運用実態を検証する記事を掲載した。次の記事である。
■景品はバイアグラに女性紹介、半年契約で現金2万円提供…読売の元セールス員が語る違法な拡販実態
この記事では、読売による景品表示法違反の疑惑を指摘した。新聞セールスチームでは、この法律が遵守されていないのではないかというのがわたしの感想だ。
それでは読売の「ライバル紙」朝日新聞は、景品表示法を遵守しているのだろうか?メディア黒書の読者から次のような情報提供があった。

神戸大学の教員が約3年前にマイニュースジャパンが掲載した記事に対して、名誉を毀損されたとして、330万円の損害賠償を求めた事件の続報である。教員の代理人・清水陽平弁護士に対して、取材を申し入れているが、なんの返答もない。次に示すのが、受領メールである。
黒薮哲哉 様
この度は、法律事務所アルシエンへお問い合わせいただきありがとうございます。
以下の内容にて受付させていただきました。
【お問い合わせ内容】
清水先生
フリーランスライターの黒薮哲哉と申します。
神戸大学の●●教授が提起されました裁判を取材しています。つきまして原告の主張も取材したいと考えています。出来れば本人、もしくは清水先生に面談のかたちで取材させていただけないでしょうか。
これまでのわたしの活動等については、次のウエブサイトをご覧ください。
http://www.kokusyo.jp/
よろしくお願いいたします。
2020年02月01日 (土曜日)

昨年2回、産経新聞と毎日新聞が、新聞拡販の際に使う景品が法律で決められた上限額を超えているとして、大阪府消費生活センターより処置命令を出された。偽装部数(押し紙)と強引な新聞拡販で巨大化してきた新聞社にとっては、将来展望を閉ざす行政指導であった。
そこで筆者が、昨年まで現役だった読売の元セールス員とYC元従業員を直接取材したところ、読者サービスとして「バイアグラをあげたり、女性を紹介した」との証言を得た。景品の代わりに2万円程度の現金(6カ月契約の場合)を分割で渡した、とも述べた。
2020年の賀詞交換会で読売・渡邉恒雄主筆は「今年中に1000万部を挽回しようじゃないですか」と語ったが、販売現場からは失笑が漏れている。新聞拡販の現場はどうなっているのか。初めてセールス員の景品置き場に、ジャーナリズムのビデオカメラが入った(会員限定で視聴可)。【続きはMyNewsJapan】

訴訟の取材に新しい事件が加わった。神戸大学で2015年に起きた大学院入試問題の間接的漏洩の疑惑を報じたマイニュースジャパンの記事を、当事者である大学教員が名誉毀損で訴えた事件である。請求額は約330万円。しかし、名誉を毀損されたとされる記事の削除は求めていない。記事自体は読んでもかまわないということである。
公式の提訴日は、2019年12月24日。マイニュースジャパンの事務所に訴状が届いたのは、2020年の1月になってからだという。
事件の概要や原告についての情報は、神戸大学から必要な情報を入手したうえで、必要な情報については明らかにする。昨日、わたしは神戸大学の広報室とコンタクトを取り、内部調査に関する情報提供を求めた。担当者もそれに応じ、来週中に報告を受けることになった。
マイニュースジャパンの記事は、この内部調査の結果を受けて、関係者を取材したうえで事件を評論したものである。記事が掲載されたのは約3年前。長いブレイクを経て、突如として東京地裁へ訴状が提出されたのである。
この事件の原告代理人は、清水陽平弁護士(法律事務所アルシエン)らである。事務所のウエブサイトによると幾つかの専門分野がある。そのひとつに、「ネット中傷被害」のページを開いてみた。冒頭に次のような記述がある。
インターネット上で誹謗中傷などを受けている場合、その記事を削除したり、書き込んだ人を特定することができます。たとえば、ブラック企業であると書かれているのを発見した、何年も前の不祥事のニュースがいまだだに表示されている、住所氏名などが晒されてしまった、ネットストーカーをされて困っている、ネット炎上に巻きこまれてしまったがどのような対応を取れば分からない、このような相談を多数解決しております。
ネットによる名誉毀損や中傷は急増しているらしく、弁護士の需要は増えている。対処方法も手短に説明されている。そして次のような費用のリストが掲載されている。
メディア黒書に日本禁煙学会の作田学氏に関する情報提供があった。「盛岡地裁の受動喫煙訴訟不当判決に抗議する」と題する作田学氏が執筆した抗議文がネット上に掲載されているというのだ。文書の日付は、「平成24年10月10日」。肩書は、「NPO法人 日本禁煙学会 理事長 」となっている。
盛岡地裁が審理した受動喫煙裁判の概要は、岩手県の職員が「公用車(注:の内部で)の受動喫煙による化学物質過敏症を発症させられた」として賠償を求めたものである。盛岡地裁は原告の訴えを棄却した。
作田氏による抗議文の内容は次の通りである。
2020年01月29日 (水曜日)

最近、わたしは折込チラシの水増し詐欺を取材している。国会図書館で、折込チラシの水増し事件に関する裁判の判例を検索してみると、何件かヒットした。驚いたことにこの種のトラブルを訴因とする裁判は、予測していたよりもはるかに前の時期、1989年(平成元年)に起こされている。原告は、ジャパンエンバ株式会社で、被告は広告代理店・読売インフォメーションサービスである。
ジャパンエンバ株式会社は、 毛皮製品の小売業者である。 読売インフォメーションサービスを通じて折込チラシを新聞販売店に卸していたが、チラシ水増しに関する手口を週刊誌報道で知り、支払いをストップした。これに対して読売インフォメーションサービスが支払いを求めて提訴したのが発端だった。
その後、ジャパンエンバも読売インフォメーションサービスを反訴した。過去の水増し分も含めて、水増しされたチラシの手数料を返済するように求めたのである。
ジャパンエンバは事業規模が大きいこともあって、億単位の取引をしていた。読売が請求した額は、約1億円。ジャパンエンバが反訴で請求した返済額は、約1億5000万円だった。

■横浜副流煙裁判とは何か?
◇被告と原告の関係
この事件は、同じマンションに住む住民が、煙草の煙で化学物質過敏症などに罹患したとして、隣人に対して自室での喫煙の禁止と約4500万円の損害賠償を求めて、横浜地裁へ提訴したものである。提訴日は、2017年11月21日。第一審では、原告の訴えはすべて棄却された。
裁判は2020年10月に東京高裁で確定した。藤井さんの全面書訴である。
被告にされた藤井さんはミュージシャンで、自宅マンション(1階)の一室を仕事部屋にあてている。その部屋は音が外部にもれない構造になっている。当然、煙草の副流煙ももれない。しかも、仕事柄、自宅にいないことが多く、自宅で仕事をする際も喫煙量は少ない。空気清浄機も使う。
原告のA夫・A妻・A娘は、藤井さんと同じマンションの2階に住んでいる。ただし藤井さん宅の真上ではない。真上マンションの隣に位置するマンションだ。つまり原告と被告の位置関係は、1階と2階を45度ぐらいの直線で結んだイメージになる。

全国の新聞の総発行部数を示す日本新聞協会の最新データによると、2019年度の新聞の総発行部数が大幅に落ち込んで37,801,249部となった。18年が39,901,576。17年度が42,128,189。
つまりこの2年間で400万部を超える新聞が消えた計算になる。19年度の減部数率は、過去最高だった18年度に並ぶ5.3%だった。新聞業界の没落が明白になった。
こうした状況の下で新聞各社も大幅にABC部数を落としている。最新のABC部数(19年12月)によると、朝日新聞と読売新聞は、年間で約40万部の減部数となった。中央紙の部数の詳細は次の通りである。
朝日:5,284,173(-396,682)
毎日:2,304,726(-222,809)
読売:7,901,136(-382,197)
日経:2,236,437(-121,851)
産経:1,348,058(-53,694)

横浜副流煙裁判の訴状に記された「請求の趣旨」は2項目ある。第1項目は、原告による4500万円の金銭請求である。高額さゆえに注意を惹く。
第2項目は第1項目の陰になって、若干その異常さが議論の対象になりにくいが、こちらの請求も前代未聞の変な内容だ。次の請求である。
2、被告は、自宅(神奈川県横浜市◆◆)において、喫煙してはならない。
なぜ、この請求が常道を逸しているのだろうか。これについては説明を加えるよりも、類似した請求例を提示する方が手っ取り早いだろう。以下、わたしが便宜上、作成した架空の請求内容である。
・ 被告は、自宅(神奈川県横浜市◆◆)において、ニンニクを食べてはならない。
・ 被告は、自宅(神奈川県横浜市◆◆)において、お経を読んではならない。
・ 被告は、自宅(神奈川県横浜市◆◆)において、音楽を聴いてはならない。
実際に、原告が藤井さんに提示した請求項目、「 2、被告は、自宅(神奈川県横浜市◆◆)において、喫煙してはならない」は、法律の支配から除外されたところに位置している請求内容なのである。それに対して司法判断を求めているのである。【続きはウエブマガジン】

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