2017年08月02日 (水曜日)

食費を切りつめてまでNHK記者の高給待遇を支援する義務はあるのか、放送受信契約は「片務契約」、違憲訴訟が必要

NHKが受信料の支払いに応じない家庭(テレビがない家庭も含む)に対して、「すぐに開封いただき内容をご確認ください」と記した封筒をポスティングしていることをご存じだろうか?

封筒には複数の書面が入っている。そこに書かれていることは、HNKは公共放送だから、受信料を支払うことが法律で義務づけられている、支払わなければ、最終的には、「裁判所を通じた法的手続きの実施」を断行するというものである。

これでは学生や母子家庭は、大変な精神的負担を感じるだろう。なかには、自分の食費を切りつめて、なぜ、NHK職員の尋常ではない高給待遇をサポートする義務があるのかと疑問を持つ人も多いのではないか。NHKの記者が、自分の生活を犠牲にしてジャーナリズム活動を展開しているIWJの岩上安身氏のような方ばかりだとしても、特定のメディアを強制するのは押し売りである。

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2017年08月01日 (火曜日)

毎日新聞の2店、「押し紙」70%の決定的証拠、実際の全国総部数は150万部前後か?

読者にとっては、にわかに信じがたい数字かも知れない。ある新聞販売店に搬入される新聞の約70%が「押し紙」だった事実を示す決定的な書面を紹介しよう。毎日新聞の資料で、2007年のものである。10年前には、すでに大量の「押し紙」があった証拠である。

紹介する書面は、毎日新聞の蛍ヶ池店(池田市)と豊中店(豊中市)の2店を経営していた故高屋肇氏からあずかった資料の一部である。

冒頭の書面(次ページ)は、2007年(平成19年)に、高屋氏が蛍ヶ池店と豊中店を廃業した際に、毎日新聞社と交わした書面である。書面に示された部数が、後任者に引き継がれた。

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2017年07月31日 (月曜日)

【動画】「もったいないキャンペーン」の毎日新聞、自らの足下「押し紙」回収現場を撮影される、池上彰氏ら「開かれた新聞委員会」は「押し紙」問題に沈黙

このところ「押し紙」回収の現場がビデオで秘密裏に撮影されるケースが増えている。これは「押し紙」問題が一般市民の間に浸透してきた証にほかならない。インターネット上に、毎日新聞の「押し紙」回収を撮影した画像がアップされている。

メディア黒書で既報したように、毎日新聞の部数は、4月から5月にかけて約4万6000部減っている。このペースで減部数を続けると、年間で約55万部減ることになる。

かつて同社は、「もったいないキャンペーン」を展開しており、「押し紙」問題との矛盾を指摘されてきた。

【参考記事】いよいよ危ない毎日新聞、ひと月で4万6000部減、試算で年間55万部減、産経は1,2年で倒産の危機、5月のABC部数

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2017年07月28日 (金曜日)

ロッキード事件の担当検察官は今、「天下り」が経済事件の公平な捜査・裁判をさまたげる

1976年の7月27日、東京地検特捜部は田中角栄を逮捕した。ロッキード社の航空機売込みに便宜を図った際の贈収賄容疑による逮捕だった。

田中邸へ赴いたのは、松田昇という検察官だった。松田氏は同じ事件でやはり逮捕された児玉誉士夫(元内閣参与で政界フィクサー)の取り調べも行っている。

ロッキード事件の発覚から41年。読者は、松田氏が現在、どのような地位にいるかをご存じだろうか? 結論を言えば、さまざまな企業の役員として再就職しているのだ。元検察官が特定の大企業と特別な関係を持つことが、公正に経済事件を取り締まる際の障害になる可能性が高いことはいうまでもない。

松田氏が関係している企業と役職は次の通りである。なかには不祥事を起こしている会社もある。

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2017年07月26日 (水曜日)

内閣府と中央省庁、それに博報堂の裏金づくり疑惑をシミュレーションする、毎日新聞社のケースと類似

裏金づくりは、まれなことなのだろうか。筆者は、水面下に隠れているだけでかなり広く、大手を振って行われていると見ている。特に珍しいことはない。

メディア黒書で報じてきたように、大手広告代理店・博報堂と内閣府・中央省庁の間の取引で発行された請求書には、インボイスナンバーが外してあるものが含まれている。こうした請求書の額面総計は次のようになる。

内閣府:64億円(2012年度~2015年度)
防衛省:(陸上自衛隊):約9億円(2008年~2015年度)
文部科学省:約9000万円(2015年度)
復興庁:2000万円(2015年度)
農林水産省:約300万円(2015年度)
環境省:1000万円(2015年度)

メディア黒書で既に公表している数字で、これを見た読者から次のような質問が寄せられた。それは、これらの金額がすべて裏金になっているのかという質問である。結論を先に言えば、裏金になっている可能性があるのは全額ではなく、一部である。

裏金づくりの構図をシュミレーションで説明する前に、実際に裏金工作の存在が確定したある例を紹介しよう。裏金づくりの構図を考える参考になるだろう。

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2017年07月21日 (金曜日)

NHKが起こしたスラップ裁判、被告「NHKから国民を守る党」に対して 損害賠償命令

NHKがある奇妙な裁判を起こし、勝訴したことを伝える記事を、日経新聞(7月19日付け)が掲載している。記事のサマリーは次の通りである。

2015年8月、NHKが千葉県内の女性宅を訪問して、受信料の支払いを求めた。女性はこれを拒否。

女性は、「NHKから国民を守る党」の立花孝志氏に電話で相談した。

その2日後、女性は、HNKに対して慰謝料10万円の支払いを求めて、松戸簡易裁判所に提訴した。

松戸簡易裁判所は、この事件を千葉地裁へ移送した。千葉地裁は、女性に敗訴の判決を下した。

これを受けてNHKは、「NHKから国民を守る党」の立花氏らに対して、「勝訴の見込みがない裁判を女性に起こさせた」として、東京地裁で弁護士費用など54万円の支払いを求める裁判を起こした。

東京地裁は立花氏らが「NHKの業務を妨害するため訴訟に関与しており、裁判制度を不当に利用する目的があった」と指摘して、請求通り54万円の支払を命じる判決を下した。【出典】

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2017年07月20日 (木曜日)

ニカラグア革命38年、多国籍企業の海外での活動と「日本軍」の海外派兵の関係を考える

中米ニカラグアは、7月19日に革命から38年をむかえた。フランスの人々が1789年7月14日のフランス革命を祝うように、ニカラグアの人々は、7月19日を盛大に祝う。2日前の17日には、「歓喜の日」も設けられている。

これは、当時、ニカラグアを支配していた独裁者ソモサが、早朝、自家用ジェットでマイアミへ亡命した日である。明け方の空に独裁者が永遠に消えたのだ。ソモサ一族は、約43年に渡りニカラグアの政治から軍、それに産業までを支配していた。ラテンアメリカの歴史の中でも、最も非道な独裁者のひとりである。

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2017年07月19日 (水曜日)

第5世代移動通信システム に東電が参入、懸念される高周波電磁波による人体影響

「G5」とは、第5世代移動通信システム のことである。携帯電話は1990年代から普及がはじまり、世代が進むごとに「進化」してきた。最初は電話機能だけだったが、静止画や動画が送れるようになり、通信のスピードもどんどん上がっていった。そしていま、本格的にG5導入への動きが始まった。

こうした動きに東電が便乗しよとしているのを読者はご存じだろうか。「5Gの基地局を設置する場所として、電力を送る鉄塔を貸し出す事業に本格的に乗り出す方針」(NHKニュース)を固めたという。

しかし、この計画に関して、日本のメディアがほどんど報じない重大問題がある。それは電磁波による人体影響である。欧米では当たり前に報じられている電磁波のリスクが、おそらくは大口広告主である電話・電気・電力関連の企業への配慮から、日本ではほとんど報じられていない。

国民は重大なリスクに晒される。

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2017年07月15日 (土曜日)

海上自衛隊が博報堂へ8年で5回もHPの再構築を発注、インボイスナンバーを外した「手作り」請求書で1000万円を請求

昨日(14日付け)に続いて、防衛省から入手した博報堂によるPR活動で発生した請求金額(2016年度分)を紹介しよう。今回は、海上自衛隊である。(陸上自衛隊については、14日付けを参照

下記のデータは、博報堂が海上自衛隊へ送った請求書から拾った数字である。

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2017年07月14日 (金曜日)

博報堂が作成した陸上自衛隊向けの「手作り」請求書の異常、H28年度分を公開、HPコンテンツの改修で1420万円の高額請求、裏金の疑惑も?

防衛省から、2016年度(平成28年度)に陸上自衛隊が博報堂へ発注した業務の見積書・契約書・請求書を入手した。

業務件数は5件。このうち1件は請求書が欠落している。次に示すのが、4件の業務内容と請求額である。

 

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2017年07月12日 (水曜日)

小池知事の電磁波問題に対する驚くべき無知ぶり、懸念されるLEDやスマホによる人体影響

東京都の小池知事が「家庭内の白熱電球を発光ダイオード(LED)電球と無償で交換する事業の受け付けを始めた」という。

小池百合子知事は都庁でセレモニーを開催し、歌手のピコ太郎さんと共に取り組みの推進を呼び掛けた。

ピコ太郎さんはセレモニーで「私の家の電球も(LED電球に)替えようと思う」とあいさつ。ピコ太郎さんと交換手順を説明した小池知事は「交換することで家の中の電気がどうなっているか、もう一度点検してほしい」と話した。

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2017年07月11日 (火曜日)

いよいよ危ない毎日新聞、ひと月で4万6000部減、試算で年間55万部減、産経は1,2年で倒産の危機、5月のABC部数

2017年5月度のABC部数が明らかになった。それによると、朝日新聞が前年同月比で約32万部の減部数、読売新聞が約20万部の減部数となった。朝日・読売の2大紙の低落傾向にはまったく歯止めがかかっていない。

一方、ゆるやかな没落傾向にあった毎日新聞と産経新聞も、ここひと月で大きく部数を減らしている。前月比で、毎日は約4万6000部を減らし、産経は約7万4000部を減らした。この数字を12倍して1年に試算すると、それぞれ55万2000部の減、88万8000部の減ということになる。両社の経営規模からすれば、極めて深刻な実態といえるだろう。

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