高市政権の改憲路線はどこから来たのか――原点は石破茂氏の『アジア版NATO』構想

高市早苗政権が改憲へのプロセスに踏み出すなど、政治の極端な右傾化が進んでいる。こうした状況の中で、石破茂前首相こそが右傾化に歯止めをかけることができるリベラルの代表であるかのような印象を、メディアが拡散している。
たとえば、2025年10月18日付の東京新聞は、次のように報じている。
しかし、石破氏のこれまでの軌跡については、慎重に検討する必要がある。
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2025年11月17日、約30か国のNATO加盟国大使らが訪日し、防衛省や外務省、自衛隊基地などを視察した。高市政権が発足したのは同年10月21日である。発足からわずか20日余りで、ウクライナ戦争を背景にロシアと対峙する軍事同盟であるNATOが、日本との親密な関係の構築に向けた動きを本格化させたのである。これは、「アジア版NATO」構想を現実に近づける動きにほかならない。
あまり知られていないが、この「アジア版NATO」を提唱したのは、当時首相だった石破茂氏である。2024年のことである。
実は、石破氏は米国のCSIS(戦略国際問題研究センター)とも親密な関係を維持してきた。CSISは、アメリカ合衆国ワシントンD.C.に本部を置くシンクタンクである。
このシンクタンクは米国政府の機関ではない。しかし、元国防長官、元国務次官、元軍幹部、元外交官らが研究員や上級顧問を務めることも多く、米国政府との結び付きが強いことで知られている。
【参考記事】米国CSIS(戦略国際問題研究センター)と日本の右派の間に日本経済新聞社が介在、日本版シンクタンクに石破茂、前原誠司、リチャード・アーミテージら
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高市政権が強行しようとしている憲法改正の背景には、石破氏が打ち出した「アジア版NATO」構想があるのではないかと、わたしは考えている。単に高市首相個人の極右的な政治思想に基づくものではなく、改憲路線そのものが石破前政権から継承されたNATO化の政策である可能性が高いと見ている。
仮に「アジア版NATO」が現実のものとなれば、その中核を構成するのは、日本、オーストラリア、ニュージーランド、韓国となる可能性が高い。
写真:NATO事務総長のマーク・ルッテ氏と握手する石破氏。出典はNATOのウエブサイト。
