M君リンチ事件の第5弾、『真実と暴力の隠蔽』が発売、M君支援に出版人の良心

28日に発売されたばかりの本書は、「M君リンチ事件」を追う鹿砦社特別取材班の調査報道の第5弾である。しかし、冒頭にM君の手記を掲載するなど、はじめてこの事件に接する読者に配慮した構成になっている。
3月に判決が出た損害賠償裁判(原告はM君)の判決に対する批判、鹿砦社が李信恵氏を訴えた名誉毀損裁判の背景、さらにはしばき隊を離れていった人々へのインタビューなど、最新の情況を報告しながらも、同時にこれまでの経緯を総括する内容になっている。
この事件は、在日外国人に対するヘイトスピーチなど差別に反対する市民運動に参加していたM君が、集団暴行を受けて、瀕死の重傷を負い、コリアNGOセンターの仲裁が功を奏せず、やむなく加害者に対して損害賠償裁判を起こしたというものである。従って第1審判決は、M君にとっても、支援者にとっても重要な意味を持っている。
しばき隊(現C.R.A.C. )「男組」の組長が死亡、なぜ公表までにひと月半も要したのか?

精神科医の香山リカ氏が、しばき隊(現C.R.A.C. )の「男組」組長の添田充啓氏の死を伝えている。カウンター運動の同志の死と、偲ぶ会を告知したものである。
【訃報】高橋直輝こと添田充啓さん、病気療養中のところ容態が急変し、4月に不帰の人となりました。享年45歳。葬儀は近親者のみで執り行いました。みなさまへのお知らせが遅れましたこと、おわび申し上げます。「偲ぶ会」は下記の通り行われますので、ご縁があった方にお集まりいただきたく存じます。 pic.twitter.com/4zmqrUlCXn
13:00 - 2018年5月26日 ■出典(注:入れ墨の写真が含まれています)
添田氏は、2016年8月25日に、沖縄の高江ヘリパッド建設工事現場で沖縄防衛局職員に暴行を加えて現行犯逮捕された。10月には傷害罪と公務執行妨害罪の容疑で起訴された。判決は、懲役1年6か月、執行猶予5年。
筆者がはじめて添田氏の名前を知ったのは、今年の2月、『反差別と暴力の正体』(鹿砦社)に収録された寺澤有氏のルポルタージュ「合田夏樹強迫事件-有田芳生参議院議員が沈黙する理由」を読んだ時だった。寺澤氏は「男組」と高橋氏について次のように述べている。
李信恵氏が「反訴」を取り下げて別訴を提起、鹿砦社の名誉毀損裁判、ヘイトスピーチ対策法の危険性

『カウンターと暴力の原理』(鹿砦社)など4冊の書籍の販売禁止や550万円の損害賠償などを鹿砦社に求めて、李信恵氏(文筆業)が大阪地裁に提起した「反訴」事件に新しい動きがあった。23日に「反訴」を取り下げ、新たに別の訴訟を起こしたことが分かった。別訴の内容は、現時点では明らかになっていない。
この裁判の発端は、2017年9月に、鹿砦社が李氏に対して、ツイッターなどで名誉を毀損されたとして、300万円と謝罪広告などを求める裁判の提起である。これに対して李氏は、2018年4月に「反訴」していた。今回、この「反訴」を取り下げ、別の裁判を起こした。さらに別訴と、本訴の併合審理を希望している。
【参考記事】鹿砦社通信
この裁判の発端は、2017年9月に、鹿砦社が李氏に対して、ツイッターなどで名誉を毀損されたとして、300万円と謝罪広告などを求める裁判の提起である。これに対して李氏は、2018年4月に「反訴」していた。今回、この「反訴」を取り下げられ、別の反訴状の提出を提出した。これにより、新たな請求内容で係争が持続することになる。
前田朗氏がM君リンチ事件の大阪地裁判決を批判、被告弁護士らにも苦言、「人権侵害を許さない職業倫理をどう考えるのか」

『救援』(5月10日号)に、東京造形大学の前田朗教授(日本民主法律家協会理事、在日朝鮮人人権セミナー事務局長)が、一文を寄せている。「M君リンチ事件」の大阪地裁判決(3月19日)についての評論である。
その中で前田氏は、判決を厳しく批判すると同時に、被告弁護士らに対する不信感を露わにしている。
周知のようにこの裁判は、在日韓国人に対する差別に反対している広義の「しばき隊」、あるいはカウンターグループの内部で起きたリンチ事件の被害者Mさんが、現場にいた5人の「隊員」に対して、損害賠償を求めたものである。判決では、損害賠償が認められMさんの勝訴だったが、共同不法行為は認められなかった。そのために原告側は、実質的には敗訴と受け止めている。
Mさんが受けた暴行のすさまじさは、「しばき現場」の音声記録として残っている。身の危険を感じたMさんが、秘密裏に録音していたのである。
なお、M君がリンチを受けた原因は、組織内の金銭疑惑をめぐるトラブルである。隊員の1人が極右グループから金銭を受けたとする噂である。
裁判の争点は次の通りである。前田氏の評論から引用しておこう。
M君リンチ事件に見る言論抑圧・抑制の実態、だれが言論の自由を殺すのか?

自分と対立する言論に対して、「裁判を起こすぞ!」と恫喝する行為が、もはや日常の一齣になっている。特に、ツイッター上でその傾向が顕著になっている。これは社会病理である。背景には、名誉毀損裁判では訴えた側、つまり原告に圧倒的な法理になっている事情があるのだが、それはさておき、このような風潮は、言論を萎縮させ、最終的に法律で言論活動をがんじがらめにする危険性を孕んでいる。
司法制度を利用した言論の抑圧を狙ったツィートの具体例を紹介しよう。下記のツィートの投稿主C.R.A.C.は、反差別の市民運動を展開している団体だ。前身は、しばき隊などである。
心の自由を規制する誤り、ゴールは全体主義、セクハラ報道からヘイトスピーチまで、深刻な社会病理

このところメディアで盛んに報じられている問題のひとつに、セクハラがある。TBSの元記者からレイプされたとする伊藤詩織氏による内部告発が引き金となり、レイプの域を超えて、それよりもハードルが低く材料が多いセクハラが問題視されるようになったのだ。
と、いうよりもかなり前から蔓延していた実態を、メディアがようやくクローズアップしたために、女性に対する人権侵害事件が近年急増しているような、イメージが広がったと言ったほうが適切かも知れない。
伊藤氏の事件について、ジャーナリスト・片岡健氏が興味深い指摘をしている。
伊藤氏が山口敬之氏を相手取って東京地裁に起こした民事訴訟について、その記録を「取材目的」で閲覧していた者は今年1月の段階でわずか3人だった。■出典
主要なメディアは豊富な人員がいながら、正確な裏付け調査を行わないまま、報道してきたということである。
反差別運動に参加している極右は本当に存在するのだろうか? 「差別撤廃 東京大行進」の動画の分析が不可欠

M君リンチ事件の続報である。独自にこの事件を取材している。その中で正確に確認しておかなければならない事柄がいくつかある。たとえば、「しばき隊」の現在である。
この事件に詳しい方は、恐らくこうした初歩的な情報は把握しておられると思うが、メディア黒書の読者には、なるべく筆者が自分で確認した情報を届けたいと考えている。
「しばき隊」の現在はどうなっているのか?既に出版されている記事などでは、「しばき隊」の現在は、「C.R.A.C」という組織とされる。「C.R.A.C」は、Counter-Racist Action Collectiveの略である。
はからずも筆者は、C.R.A.Cによる次のようなツィートを発見した。(注:太字は黒薮)
李信恵氏が鹿砦社を反訴、『カウンターと暴力の原理』など4冊の書籍の販売禁止などを求める、誰が言論出版の自由を殺すのか?

李信恵氏(文筆業)が、16日付けで、鹿砦社に対し、同事件を記録した『カウンターと暴力の原理』など4冊の書籍の販売禁止や550万円の損害賠償などを求める裁判を大阪地裁に提起した。
発端は、2017年9月に、鹿砦社が李氏に対して、ツイッターなどで名誉を毀損されたとして、300万円と謝罪広告などを求める裁判である。今回の李氏による提訴は、それに対する反訴である。代理人は上瀧浩子弁護士と、自由法曹団常任幹事で元「しばき隊」の隊員の神原元弁護士である。
神原元弁護士には、『ヘイトスピーチに抗する人々』(新日本出版社)というタイトルの著書があり、在日韓国人に対する反差別運動にもかかわっている。また、植村隆氏が櫻井よしこ氏を訴えた裁判では事務局長を務めている。
写真が露呈した民族差別反対「市民運動」のでたらめぶり、立憲民主・有田芳生の写真も確認、国際感覚の欠落か?

「レイシストしばき隊」という言葉で写真をインターネット検索してみると、好奇心を刺激する写真が次々と現れる。もちろんインターネット検索で表示された写真の中には、検索のキーワードとは、直接関係のないものも含まれるので、表示された全写真が「レイシストしばき隊」を撮影したものとは限らないが、少なくとも広義のカウンターグループを撮影したものだと推測できるものが複数含まれている。
筆者は、写真を見ながら、ある種の怒りに駆られた。このようなカウンター運動が国際的にどのような評価を受けるのか、心配にもなる。
一枚の写真を紹介しよう。このページの左上、あるいは次ページの冒頭の写真である
検察が在特会元幹部を名誉毀損で在宅起訴、人間の内心を法律で規制する危険性、ヘイトスピーチを逆手に取った言論規制の強化

共同通信が、4月23日付けで、「ヘイトに名誉毀損罪初適用」「在特会元幹部を在宅起訴」と題する記事を掲載している。短い記事なので、まず、全文を掲載しよう。
拡声器を使って朝鮮学校の社会的な評価をおとしめる発言をしたとして、京都地検が名誉毀損罪で、在日特権を許さない市民の会(在特会)の西村斉元幹部(49)=京都市右京区=を在宅起訴していたことが23日、分かった。20日付。
学校側の弁護団によると、ヘイトスピーチ(憎悪表現)を巡る刑事事件で名誉毀損罪が適用されるのは初。
京都朝鮮学園が昨年6月、西村被告の発言はヘイトスピーチにあたるとして京都府警に告訴、その後地検が任意で捜査していた。■出典
起訴の理由は、名誉毀損である。しかも、民事ではなく刑事事件である。


