
東京都板橋区の小豆沢で起きているNTTドコモの携帯電話の基地局設置をめぐるトラブルは、住民たちの撤去要求にもかかわらず、すでに稼働しているようだ。住民側がNTTドコモに基地局の稼働を確認したという。
今後、訴訟が起こされる可能性もある。
既報したように、基地局の設置に最も強く反対しているのは、基地局が設置されたビルの直近にある高齢者マンションの住民らである。このマンションは板橋区の福祉施設で、住民の大半は経済的にはあまり恵まれない人々である。
マイクロ波を遮るシールドクロスを購入しようにも、その資金がない。
今後、1日24時間、人生の幕を閉じる日まで、基地局直近からマイクロ波に被曝することになる。
反対運動を進めようにも、高齢による体力の衰えが大きな障害になっている。つまりNTTドコモの強引なやりかたに対して、正面から対峙できない弱者なのだ。働きざかりの人々が反対運動を展開するのとは状況が異なる。
たしかに、この地域には携帯電話が通じにくい場所があり、そこの住む住民の一部は、基地局の稼働を歓迎しているという複雑な事情もある。
だからと言って人命にかかわるリスクがある携帯電話・基地局を、十分な話し合いを経ることなしに、一方的に稼働させてもいいという論理にはならない。これではエコノミック・アニマルである。近くには、高齢者住宅だけではなく、児童施設もあり、基地局の稼働により、不特定多数の人々がマイクロ波を被曝することになるからだ。
その影響が、10年後、あるいは20年後にどう浮上するのか、誰も分からない。影響が表れても、マイクロ波との因果関係を立証できるとは限らない。
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