押し紙弁護団、「押し紙」制度のからくりを解明 毎日新聞の対応に注目 第12準備書面を提出

毎日新聞の「押し紙」裁判を担当する押し紙弁護団は、2026年6月25日、第12準備書面を裁判所へ提出した。第11準備書面は、23日に提出された。次の記事を参照にしてほしい。
【参考記事】毎日新聞「押し紙」訴訟 補助金処理のグレーゾーンが浮上、原告が請求根拠を変更
この裁判は、兵庫県阪神地区の毎日新聞元販売店主が、「押し紙」による損害を受けたとして、毎日新聞社に約1億6000万円の損害賠償を求めているものである。
発端は、元店主が販売店を廃業する際、毎日新聞側から「押し紙」により生じた未払い金は、認証金や販売店譲渡代金と相殺するとの説明を受け、納得できずに押し紙弁護団へ相談したことにある。
裁判の中で、重大な事実が浮上した。「押し紙」が原因で未納となった新聞仕入れ代金について、毎日新聞が補助金の未払い金として経理処理していたことが判明したのである。
それは、「押し紙」の仕入れ代金を、折込広告収入と補助金によって相殺される仕組みがあることを意味する。新聞代金の未払いとして処理されていなかった背景には、「押し紙」が独占禁止法の新聞特殊指定で禁止されている事情がある。「押し紙」は存在しないというのが、新聞業界の主張であるから、経理処理もそれに整合させる。その結果、「押し紙」の未払い金を、補助金の未払い金として処理していたのである。
従って、原告は請求内容を変更し、現在は毎日新聞に対して、補助金の未払い金を支払うように求めている。
第12準備書面では、未払い補助金の累積の実態を詳細に分析している。
なお、新聞仕入れ代金の未払いを補助金の未払いとして経理処理する商慣行の存在が、毎日新聞側の具体的な資料によって立証されたのは今回が初めてである。押し紙弁護団は、これによって「押し紙」制度の仕組みが解明されたとしている。
この裁判が新聞業界全体に与える影響は小さくないとみられ、今後の毎日新聞の対応が注目される。
