2020年01月16日 (木曜日)

冤罪が確定した横浜副流煙事件に関与していた斎藤実警視総監(1月17日に就任予定)が、昨年の12月26日に安倍首相と会食していたことが分かった。

【注】警視総監(けいしそうかん、英称:Superintendent General)は、都警察の本部である警視庁の長の職名且つ日本の警察官の階級の最高位の名称。定員は1名。(ウィキペディア)

朝日新聞の「首相動静」によると、昨年の12月26日の午後6時ごろから、「警察庁の栗生俊一長官、松本光弘次長、北村博文交通局長、大石吉彦警備局長、警視庁の三浦正充警視総監、斉藤実副総監」が会食した。裏付けは次の通りである。

 午後5時56分から同6時29分まで、山口那津男公明党代表。同37分、官邸発。同38分、公邸着。警察庁の栗生俊一長官、松本光弘次長、北村博文交通局長、大石吉彦警備局長、警視庁の三浦正充警視総監、斉藤実副総監と会食。同8時25分、全員出た。
(出典:首相動静)

◆◆
既報してきたように横浜副流煙事件では、被告の藤井将登さんが提訴(請求額は4500万円)される前に、神奈川県警が2度出動している。特に問題なのは、2017年12月27日に県警が藤井さん宅で実施した事情聴取である。

当時の神奈川県警本部長は斎藤実氏だった。その斎藤実氏に対して、煙草の副流煙による健康被害(妄想の可能性が高い)を訴えていたAさん一家の代理人を務めていた山田義雄弁護士が、「大変恐縮でありますが(警察としてどこまで関与しうるかは大変難しいことは十分に承知の上で)善処をお願いする次第です」と県警の出動を要請する書簡を送った。これが12月21日である。

これを受けて12月25日に、横浜市の青葉警察署の山本署長が、山田弁護士に電話した。山田弁護士によると、その中で、山本署長は次のような趣旨のことを述べている。

 斎藤県警本部長からの指示があったので、近く対応したい。ご本人に直接連絡してもよいか。(略)場合によれば傷害罪になり得るかも知れない。
 
実際、それから2日後の12月27日に、藤井さんの自宅に2人の警官が現れた。この時期は、藤井さんはすでに提訴(民事)されていたので、刑事・民事の両面から攻められることになり、大変な衝撃を受けたのである。

◆◆◆
昨年、藤井将登さんの妻である藤井敦子さんが、この事件を担当した望月刑事に電話取材を行った。その中で、次のことが判明した。

1、告訴状は受理どころか提出すらされていなかったが、県警が動いた事実。

2、こうした不自然な動きの背景に、上司の指示があったとする証言。

参考までに、藤井敦子さんによる望月刑事へのインタビューを紹介しておこう。

斎藤実警視総監は、この不自然な事件について説明すべきだろう。

 

【写真】同じ病名を間違って2度記した診断書

2020年01月15日 (水曜日)

警視庁の新総監に、横浜副流煙事件に関与した斉藤実(元神奈川県警本部長)が就任したことが分かった。14日付けの各メディアが報道した。この冤罪事件に関与した人物が警視庁の最高幹部になったことで、物議を醸しそうだ。

周知のように、横浜副流煙事件は、昨年の11月28日に判決があり、被告として法廷に立たされていた藤井将登さんが完全勝訴した。原告が控訴しなかったので、判決も確定した。

この裁判が提訴される前の時期、被告の藤井将登さんと妻の敦子さんは、二度にわたり神奈川県警の取り調べを受けた。しかも、最初の取り調べでは、4人もの刑事ら警察関係者らが事前通知なしに、藤井家に押しかけたのである。部屋の写真撮影を行った。

2度目は二人。原告3人が当時、神奈川県警の本部長だった斎藤氏に対して手紙を書いた事実が明らかになっているうえに、原告の山田義雄弁護士も斎藤実氏と書面などで連絡を取っており、2回にわたる不当な取り調べの背景に斎藤氏の関与があった可能性が高い。

次に示すのが、山田義雄弁護士が斎藤本部長へ宛てた文書の一部である。

■お願い(要請書)

 

原告・藤井将登さんの妻・敦子さんは、その後、取り調べを担当した望月刑事をジャーナリズムの視点から追及した。その結果、県警が出動した背景に当時の上司が関与していた可能性も認めた。

横浜副流煙事件は冤罪事件であり、原告が裁判所へ化学物質過敏症などの証拠として提出していた作田学医師の診断書のうち1通は、診療しないまま作成していた事実も分かっている。これは医師法20条違反である。医師免許の取り消しが妥当という声もある。

普通、煙草のトラブルぐらいでは刑事は出動しない。ある意味では、横浜副流煙冤罪事件は特殊な事件である。その背景に何があるのか、メディア黒書は解明を進めている。

【写真出典:あなさんズ 】

 

2020年01月13日 (月曜日)

「置き勧(おきかん)」という新聞業界の用語がある。これは新聞拡販の際に勧誘員が景品がわりに現金を手渡して新聞の購読契約を結ぶ手口で、これまで当り前に行われてきた。たとえば現金1万円を手渡して6月契約を締結する。

6カ月の契約を締結するのに1万円を出費していたのでは割に合わないようにも思えるが、たとえば契約を締結した際に販売店が拡張員に支払う謝礼が1万8000円であれば、拡張員は8000円の儲けがある。
販売店も部数が増えれば折込広告の収益が増えるという計算がある。景気が好調な時代は、経営にとって何の問題もなかった。

わたしはこれまで「置き勧(おきかん)」の手口は、新聞拡販の際だけに使われるものだと思ってきた。ところが最近、販売店の元店員から話を聞いたところ、別の意味での「置き勧」もあることが分かった。

拡販の際に景品として現金を提供するだけではなく、毎月、現金を読者に持参しているケースがあるというのだ。読者はその持参金で新聞の購読料を支払う。

俗に「6カ月の無料サービス」などとよくいうが、これは販売店が読者に6カ月のあいだ現金を届け、その金で購読料を払ってもらう形式を取っているものを言う。新聞代金を販売店から読者に手渡し、その金で新聞購読料を払うのだ。いわばお金を循環させているのである。現金を渡しても、その金は購読料として戻ってくるわけだから、損害は発生しない。

なぜ、こうした手の込んだことをするのかと言えば、経理上、新聞の商取引が正常に行われていることを公文書の上で証明しておく必要があるからだ。新聞を無料で提供する行為は、法律でも禁じられている。そこで形のうえでは、読者が販売店に購読料を支払ったことにしておかなければならない。(ただし、こうした経費が何の名目で支出されているのかは不明だ)【続きはウェブマガジン】

2020年01月12日 (日曜日)

昨年に発表され、30ケ国語に翻訳された5Gの停止を求める「国際アピール-地上と宇宙での5G廃止に向けて 」( International Appeal to Stop 5G on Earth and in Space )」をうけて、1 月 25 日には世 界 20 か国以上で5Gの導入停止を求めるアクションが行わる。

日本では、環境ジャーナリストの加藤やすこ氏らのグループが、1 月 24 日午後、参議院議員会館で院内集会を開いて、総 務省、環境省、厚生労働省との意見交換を行い、アピール文を提出する。 参加ご希望者は、1 ⽉ 21 ⽇(⽕曜)までに、加藤やすこ氏( vocemf@mbn.nifty.com)へ連絡する必要がある。

2020年01月11日 (土曜日)

佐賀新聞の小城販売店が起こしていた「押し紙」裁判が、昨年12月に和解解決していたことが分かった。

この事件の発端は2016年4月にさかのぼる。店主が佐賀新聞社に対して提出が義務づけられている部数に関する報告書に、「仕入れ部数2550部お願いします」と記載したが、佐賀新聞はそれを認めず、従来からの搬入部数2980部を送り続けたことである。

この時点で、差異の430部が1日あたりの「押し紙」となっていた。これを仕入れ価格に換算すると、約86万円(月額)になる。店主は、この86万円の納金を拒否した。

4月以降も佐賀新聞は、店主が発注した搬入部数を認めず、「押し紙」を続けた。店主の方も、「押し紙」に相当する仕入れ代金については、支払いを断った。

そして12月の時点で、「押し紙」部数に相当する未払い金は、約705万円になったのである。

この時点で佐賀新聞は、小城販売店との商契約を打ち切る旨(契約の更新拒否)を通知した。そこで店主は、地位保全の仮処分を申し立てた。佐賀地裁は、販売店の申し立てを認めた。明らかな「押し紙」であったからだ。ただし、地位保全の期間は1年に限定された。

◆弁護団声明

この事件は仮処分申立てのほか、本訴にも発展していた。おりしも佐賀新聞では別の「押し紙」裁判も進行していた。吉野ヶ里販売店が原告になった「押し紙」裁判である。

佐賀地裁は、これら二つの係争を統合した。

今回、和解解決したのは小城販売店の係争である。和解条件などは公開されていないが、原告の江上武幸弁護士は、次のような声明を出している。

 

佐賀新聞押し紙訴訟支援者各位 殿

2019年(令和元年)12月27日 

                佐賀新押し紙訴訟弁護団
                       弁護士 江 上 武 幸

各位におかれましては年の瀬を迎え、慌ただしい日々をお過ごしのことと推察申し上げます。

佐賀新聞社の小城販売店並びに吉野ケ里販売店の押し紙訴訟に対し、物心両面にわたり皆様方から多大なご支援とご協力を頂いており感謝の申し上げようもありません。とりわけ、去る11月1日と15日に両日にわたり行われました佐賀地裁での証人・本人尋問期日には法廷傍聴に多数ご参集いただき、まことにありがとうございました。裁判所に対し、押し紙問題の重大性と世論の関心の高さを十分理解してもらうことが出来たのではないかと考えております。

ところで、訴訟と並行して裁判所主導による和解の話し合いを重ねて参りましたが、12月26日、小城販売店につきましては佐賀新聞社と和解の合意が成立しましたので、皆様にご報告申し上げます。小城販売店経営の小山社長並びに私ども代理人弁護士ともども納得のいく解決が出来たものと自負しております。

なお、和解条項については、双方とも第三者には開示しないことになっておりますので、結果のみをご報告させていただくことになりましたことを、深くお詫び申し上げます。

他方、吉野ヶ里販売店に関しましては一致点を見出すことが出来ませんでしたので、予定通り来年の1月10日(金)に結審し判決期日が指定されることになっております。吉野ケ里販売店に関しましても、裁判所は私どもの主張に十分耳を傾け前向きに受け止めてくれているものと期待しています。

引き続き皆様のご支援・ご協力をお願いして ご報告とさせて頂きます。

その後、判決は4月24日(金)午前10時に決まった。

佐賀新聞「押し紙」裁判に関する全記事

 

 

2020年01月10日 (金曜日)

もう10年近く前になるが、水俣病など環境問題に取り組んできたある著名な弁護士から、
「黒薮さん、住民運動と市民運動の違いは分かりますか?」

と、質問されたことがある。わたしは分からないと答えた。

この弁護士によると、住民運動は住民自身の生活や生命をかけた生死の戦いであり、市民運動はあるテーマに関心があるひとが集った組織にすぎないものなのだと言う。だから後者は運動に対して無責任な傾向があるという。

その後、わたしは断続的に住民運動と市民運動の違いを考え続けた。そして同じ社会運動にしても、両者の間に天地の違いがあることに気づいたのである。問題を起こしているのは常に市民運動と言っても過言ではない。【続きはウェブマガジン】

 

2020年01月07日 (火曜日)

三宅雪子氏の死をメディアが報じた。自殺だという。自殺の原因を特定することほど困難を極める作業はなく、たとえそれを試みたところで他界した本人に真実性を確認することはかなわないので、所詮、自殺についての論考は推論ということになってしまう。しかも、原因が重なっていることもある。

わたしは彼女の自殺の背景には、明らかにネット社会の病理があると考えている。彼女が熱心なツィッターのユーザーであったことは周知の事実である。それが引き金となって、三宅氏と元支援者らが相互に批判を繰り返したこともよく知られている。ネット上の言動が原因で法的係争も次々に起きた。

「炎上」現象の火花は、当事者ではないわたしにも及んできた。三宅氏の投稿に便乗するかたちで熱心な支援者が、「黒薮」が逮捕されたという嘘の情報を流したのである。わたしは「ネットの闇」の取材者だったので、痛痒を感じるどころか、むしろ好奇心を刺激された。ツィッターはここまで人を狂わせるのかと。

「ネット戦争」の中で三宅氏に最も打撃を与えていたのは、みずからが起こした虚偽告訴事件である。これは三宅氏が、5人の元支援者に対して、名誉毀損で告訴した旨をツィートしたことに端を発する。その結果、5人は耐え難い恐怖心に見舞われる日々を送ることになる。

Aさんは、電話の受話器が取れなくなった。呼び出し音に反応して、警察からの呼び出しではないかという想像が脳裏をよぎるからだ。Bさんは精神科へ駆け込んだ。

5人は2年近く苦悩したあげく、弁護士の支援を得て真実を突き止めた。その結果、「告訴」したというのはすべて嘘だったことが判明した。5人は、それぞれのツィッターでこの事実を公表した。プロフィールの欄に、次の声明文を貼り付けたのである。タイトルは、「私たちは元衆議院議員・三宅雪子の虚言で生活を破壊されました」。

「私たちは元衆議院議員・三宅雪子の虚言で生活を破壊されました」

 

この文書が延々とネット上にさらされることになった。それは想像以上に重い意味を持っていた。この声明文がある限り、三宅氏を公認する政党は現れないからだ。

三宅氏が自殺したことが判明すると、この声明文も削除された。それは故人に配慮した正しい措置だろう。しかし、重要な事実関係は正確に記録しておかなければならい。

ネット社会の闇は想像以上に深い。

 

三宅雪子氏関連の全記事

2020年01月05日 (日曜日)

2020年最初のサンデーモーニング(TSB)が、新自由主義による弊害を取り上げた。ソ連が崩壊したあと、西側諸国が資本主義の国境を取り払い、グローバル資本主義が登場したという趣旨の単純な説明が行われた。詳細な部分では間違いもあるが、おおむね世界経済の流れの概要を説明している。

TBSが新自由主義を取り上げたのは、富裕層が富めばそのおこぼれが中間層や低所得層にも波及して、相対的に国民の生活水準を押し上げるという新自由主義の理想どうりにはならなかった事情があるようだ。格差がもはや修正不可能なまでに拡大して、「報道」のTBSとしてもメンツを保つために新自由主義をクローズアップせざるを得なかったのだろう。

日本で新自由主義の導入が始まったのは、1996年に成立した橋本内閣(自民)の時代である。しかし、当時のメディアは新自由主義という言葉をほとんど使わなかった。新自由主義のかわりに規制緩和という言葉を使ったのである。なぜ、彼らが新自由主義という言葉を使わなかったのかと言えば、おそらく新自由主義という言葉そのものを知らなかったか、知っていても新自由主義という言葉にこの経済政策に対する批判的なニュアンスがちん入する可能性を警戒したからではないかと思う。

新自由主義という言葉のかわりにマスコミが採用したのは、規制緩和であった。規制を緩和して経済を活性化するというプロパガンダを展開して、橋本内閣の経済政策をサポートしたのである。新自由主義という言葉を大マスコミが使いはじめたのはここ数年である。

◆◆
なぜ、橋本内閣が新自由主義の導入に踏み切ったのか。それは小沢一郎氏らが打ち出した政治改革路線(実は、この言葉もトリックで中身は新自由主義の導入)が財界の支援を受け、新自由主義の導入に舵を切らなくては財界から絶縁されかねない危機感があったからだ。焦った自民党は、橋本内閣の下で新自由主義の導入へと舵を切ったのである。

しかし、橋本内閣を次いだ小渕内閣と森内閣は、新自由主義の導入にもたついた。そこへすい星のごとく登場して、ドラスチックに新自由主義を導入したのが小泉純一郎氏だった。

小泉構造改革とは、急進的な新自由主義の導入策のことなのである。このあたりの事情は、政治学者・渡辺治氏の『構造改革政治の時代』(花伝社)に詳細に記録されている。

◆◆◆
TBSの新自由主義報道に接して、ようやく新自由主義という言葉が、日本でも表舞台に現れたという思いと同時に、釈然としないものを感じた。これまで盛んに「構造改革」や「政治改革」をあおった報道を展開していながら、何の反省もないからだ。

本来、新自由主義の批判は、1993年に小沢一郎氏が政治改革を叫び始めた時期に始めるべきだったのだ。30年も報道が遅れたことになる。これでは絶望的というより言葉がない。

日本のマスコミは、あまり大事ではない個人のプライバシーの暴露などは極端に早いが、肝心の問題は30年、あるいは50年の規模で遅れる。「押し紙」問題は40年を経てもまだ報じない。

 

2020年01月04日 (土曜日)

昨年ほど「村社会」という病理現象が思索の中に入り込んできた年はなかった。

たとえば滋賀医科大病院事件の背景には、研究者(医師)の上下関係やメンツを患者の命よりも重んじる古い価値観がある。それは日本の農村や漁村で観察される価値観と共通している。それは戦前・戦中には歴然と存在し、戦後も払拭されないまま残った。

他人の業績をバカな上司が盗む行為が公然と行われていることが判明したのだ。しかも、だれもそれを止めない。村八分という刑罰があるからにほかならない。

横浜副流煙事件の裁判の中でも、医学界の古い体質が浮き彫りになった。日本における禁煙学の「大先生」とされる作田学医師が、医師法20条(無診察による診断書の作成)に違反するずさんな医療活動を行っていることが司法認定されたのだが、何の制裁も受けていないようだ。それどこか、医師法20条違反の司法認定は「いいがかりだ」と開き直っている。【続きはウェブマガジン】

2020年01月01日 (水曜日)

昨年の夏ごろから折込チラシの水増しが内部告発により表舞台へでてきた。とりわけ地方自治体の広報紙を「押し紙」と一緒に廃棄している実態の内部告発が続いた。

こうした状況の下、新年早々に新しい情報が送られてきた。上の写真がそれだ。(青シートの右は「押し紙」)告発者のPさんによると、お正月の新聞には大量の折込広告が折り込まれるので、必然的に大量の水増しが発生するという。そのために販売店は余った折込広告の保管場所に苦慮する。

写真のケースでは、販売店の敷地に余った折込広告を積み上げ、その上に青のビニールシートをかけて公衆の視線を遮っているという。告発者のコメントは次の通り。

「新聞屋さんは年末年始の余剰チラシが倉庫に収まらないので苦肉の策として敷地内に置いてブルーシートで隠しています」

折込チラシの水増し行為で販売店が得た黒い収入は、「押し紙」(新聞の偽装部数)の「仕入れ代金」として、新聞発行本社へ「上納」される。新聞販売店は、「押し紙」で発生する損害を相殺するために、折込チラシの水増し行為をせざるを得ない。いわば新聞社のビジネスモデルの歯車として、折込チラシの水増し行為が日常化しているといっても過言ではない。

◆ビジネスモデルの崩壊、恫喝事件も発生

折込チラシのPR効果という観点からいえば、折込チラシはポスティングされるチラシよりもはるかに効果が高い。ポスティングされるチラシの9割ぐらいはポストからゴミ箱へ即座に捨てられるが、折込チラシは新聞に折り込まれたままほぼ全部が室内に持ち込まれるからだ。読者の目にふれる機会が多い。

しかし、新聞の実配部数そのものが激減しているので、需要は徐々に減っている。今後、折込チラシの水増しが社会問題として浮上してくれば、クライアント離れが加速して販売店も新聞発行本社も壊滅的な打撃を受けるだろう。

昔から、「販売店の経営はチラシの水増しで成り立っている」と言われてきた。そのビジネスモデルがいよいよ窮地へ追い込まれている。

新聞の没落が進むなかで、昨年は内部告発者に対する恫喝事件も発生した。裁判記録が東京地裁に保管されているので、調査することになる。

日本新聞販売協会の元会長のKがKDDIに対して、Pさんのウエブサイトに関する情報を開示するように求めて裁判を起こし勝訴した。その後、弁護士を通してKさんを恫喝したというのがおおまかな筋書きである。

2019年12月30日 (月曜日)

2019年7月17日、夫妻に扮した一組の男女が、JR渋谷駅のバス停から日本赤十字社医療センター(東京・広尾)へ向かった。副流煙裁判の被告・藤井将登さんの妻・敦子さんと、支援者のМさん(仮名)だ。原告側が裁判所に提出した診断書に不可解な点が次々と浮上するなか、診断書を作成した作田学医師の診察方法を検証するための潜入取材だった。

Мさんは診察を想定して下着を新調していたが、作田医師がМさんの体に触れることはなかった。「脈が飛ぶ」と不整脈を訴えると、聴診器をあてることなく、診断書に「不整脈」と記した。Мさんが衣服の繊維に対するアレルギーを執拗に訴えても、診断書には「受動喫煙症レベルⅢ」と記された。この事件は、神奈川県警も2度にわたって藤井さん一家を取り調べたが汚点はなく、民事でも藤井さんの勝訴が確定。横浜地裁は、作田医師の医師法20条違反(患者を直接診察せずに診断書を作成)を認定した。

【Digest】
◇防音構造の部屋で喫煙
◇作田医師による医師法20条違反を認定
◇訴権の濫用を認定?
◇聞き書きまがいの診断所見
◇真っ白な下着を新調したが
◇疑問視される不整脈の診断
◇日本禁煙学会と禁煙運動
◇花王裁判では2000万円の賠償命令
◇裁判と日本禁煙学会の関係
◇告訴状不受理のまま捜査を開始
◇神奈川県警が冤罪事件に介入
◇横浜副流煙裁判の資料集

煙草の副流煙が原因で受動喫煙症などに罹患(りかん)したとして、隣人が隣人を訴えた裁判の判決が2019年11月28日、横浜地裁で言いわたされた。原告のA家は、被告の藤井家に対して、約4500万円を請求していた。しかし新谷晋司裁判長は、A家の請求を棄却する判決を下した。訴訟費用(法廷使用料など)も全額を原告の負担とした。

裁判は藤井家の完全勝訴だった。

午後1時10分、3人の裁判官が法廷正面の「壁穴」から入廷してきた。しかし、この時間帯になっても、原告席に山田義雄弁護士の姿も山田雄太弁護士の姿もなかった。敗訴を予測して出廷しなかったのではないか?わたしはそんな推測をした。

一方、被告席には被告でミュージシャンの藤井将登さんが平然と着席している。頭部に崔の角(つの)のように髪を束ねた独特のヘアスタイルも、そのままだ。将登さんは弁護士を解任していたので、当然、弁護士の姿はない。たったひとりで判決を受け止めることになったのである。

裁判長が判決の主文を読み上げた。

「1、原告らの請求をいずれも棄却する。2、訴訟費用は原告らの負担とする。」

法廷に、拍手が起こった。司法を利用した「禁煙ファシズム」に審判が下った瞬間であった。同時に、藤井さん一家の冤罪(えんざい)が晴れた瞬間でもあった。

だがこの瞬間、裁判に執拗に関与してきた作田学博士にとっては、悪夢の訪れであり、そのことを知る者はだれもいなかった――。判決の中で、作田学医師の医師法20条違反が、明確に認定されていたのだ。

3人の裁判官が退廷すると、傍聴席の最前列にいた被告・将登さんの妻・敦子さんが立ち上がり、傍聴席にいたひとりの老紳士を指さして、

「作田、恥を知れ!」

と、一喝した。「作田」と呼ばれたその男性は、一瞬、はっとしたように眼を大きく見開いた。作田博士は日本禁煙学会の理事長であり、日本における禁煙学の権威である。杏林大学の教授で、渋谷区広尾にある日本赤十字社医療センターでも月曜日と水曜日に禁煙外来を開くなど、煙草を吸う輩を啓蒙する運動の先頭に立ってきた偉大な「先生」である。

作田博士は、A家3人(原告A夫、原告A妻、原告A娘)のために、受動喫煙症や化学物質過敏症などを病名とする診断書を作成していた。裁判の書面作成にも協力するなど、原告を全面的に支援してきた.....【続きはMyNewsJapan】

2019年12月23日 (月曜日)

大阪府の消費生活センターは、12月10日、毎日新聞の販売店を経営する中野宅視氏に対して、吉村洋文知事の名前で景品表示法に基づく措置命令を下した。景品表示法とは、新聞の拡販活動の際に販売店が購読契約者に提供する景品類に制限を課す法律である。景品価値を金銭に換算したときに6ヶ月分の新聞購読料の8%が最高限度額となる。したがって毎日新聞の場合は1937円が上限で、それを超えると景品表示法に違反したことになる。

中野氏は、大阪府内で3店の毎日新聞販売店を経営している。消費生活センターが措置命令を下したことで、今後、1937円を超える景品を使った新聞拡販活動ができなくなった。

措置命令は次のように違反の事実を認定している。

本件販売店は、一般消費者との毎日新聞の購読契約の締結に際し、クレジットカード会社が発行するギフトカードや、スーパーマーケットが発行するお買物券などの商品券(額面3千円から1万円)を提供していたほか、スポーツ紙の無料提供や毎日新聞の購読料の割引、毎日新聞の購読料を無料とする月の設定などを行っていた。

◆3月には産経新聞販売店に対して措置命令

実は今年3月にも大阪府の消費生活センターが新聞販売店に対して措置命令を下した。対象としたのは産経新聞の3店である。これについての参考記事も紹介しておこう。

終末期迎えた産経新聞 新聞拡販の景品にテレビ月50台、ニセの購読契約書で350万円の不正…「公序良俗」に背く手口のオンパレード

江上武幸弁護士が、産経新聞による景品表示表違反事件の顛末を『消費者法ニュース』でレポート、産経新聞が訴訟を取り下げた深刻な理由

◆何が日本の新聞社を巨大化させたのか?

改めていうまでもなく、日本の新聞社が世界に類を見ないほど巨大化した背景には高価景品を使った新聞拡販活動があった。 新聞拡販活動と「押し紙」政策が車の両輪として噛み合い、新聞を売り物にしたジャーナリズム企業を急成長させたのだ。

残念ながら欧米の新聞社のようにジャーナリズムの質を高める努力をすることでメディアとしての影響力とステータスを得たのではない。企業の柱は新聞販売であってジャーナリズムは枝葉末節に過ぎない。これが紛れもない事実である。

産経新聞の販売店に続いて毎日新聞の販売店にも消費生活センターのメスが入った事実は、従来の新聞のビジネスモデルに公権力が疑義を唱え始めたことを意味する。新聞がいよいよ崩壊する前兆と考えるべきだろう。少なくとも近々に大きな変化が起きるだろう。

ちなみに読者の中には、なぜ消費生活センターも公正取引委員会もこれまで景品表示表違反を摘発しなかったのかという疑問も残る。高価な景品を使った新聞拡販は、産経新聞と毎日新聞だけではなかったはずだ。ビール券や洗剤の大量提供と引き替えに新聞の購読契約を取り付けるのが、新聞業界の慣行となってきたことは周知の事実である。

景品表示表違反を黙認してきた。

今回、産経新聞と毎日新聞が処置命令を受けたことで、朝日新聞と読売新聞は逆に拡販活動に拍車がかかるのではないか。産経新聞と毎日新聞が新聞社の「任務」を終えたあとに予想される朝日新聞と読売新聞による読者争奪戦に消費生活センターが「審判」として介入するかどうかにも注目すべきだろう。