1. 写真で見る博報堂によるデータの流用(パクリ)① メディア黒書が内部資料を入手

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2016年05月11日 (水曜日)

写真で見る博報堂によるデータの流用(パクリ)① メディア黒書が内部資料を入手

大手広告代理店による業務の実態を示す資料を紹介しよう。

博報堂と通販のアスカコーペレーションの係争を取材する中で、メディア黒書は、アスカコーペレーションから内部資料を入手した。アスカが毎月発行している通販情報誌の制作費、制作内容などに関する資料である。

博報堂はアスカのPR活動を独占的に請け負っていた。しかし、請求内容に疑義が生じて係争になった。昨年、博報堂がアスカに未払金を請求する訴訟を起こしたのに続いて、アスカも近々に博報堂に対して、不正請求などを理由に損害賠償を請求する大型の訴訟を起こす予定。

取材に応じたアスカから入手した資料を精査したところ、通販誌誌『ASKA』の制作過程で過去テータの流用(俗にいうパクリ問題)が行われていたことが分かった。

◇データ転用(パクリ)の実態

具体例として取り上げるのは、通販情報誌『ASKA』(2011年)の11月号と12月号である。両者を比較する中で、博報堂の業務の実態が浮上した。

12月号のページ内訳は次のようになっている。

新規制作ページ   :63ページ (完全に新しいページ)
リライト・リデザイン:52ページ  (2分の1以上を変更)
表紙        :1ページ    (完全に新しいページ)

上記の制作条件からすれば、12月号の各ページは、11月号と比較したとき、少なくとも50%以上の変更点が確認できなければ、契約に違反していることになる。

実際に2つの号を比較してみよう。左が11月号の「第2ページ」で、右が12月号の「第2ページ」である。(図をクリックすると拡大される)

11月号の「2ページ」と12月号の「2ページ」を比較してみると、ほとんど同じであることが分かる。12月号には11月号からのデータの転用が観察できる。しかも、このような転用が確認できるページは、12月号だけに限って検証しても少なくとも15ページを超えている。

◇震災の被災地でもデータの転用が発覚

ちなみに、東北博報堂は昨年、岩手県大槌町から請け負った津波記録誌の編集事業で、「怠慢」などを理由に契約を解除されている。その際、別の記録誌からのデータの流用(パクリ)も発覚している。

また、博報堂エルグは、「低料第3種郵便物の割引制度」(障害者団体の定期刊行物を、格安な郵便料金で送るための優遇制度。)を不正利用した事件を起こして、逮捕者を出している。

これは2008年10月に朝日新聞のスクープによって明らかになった事件で、企業がPR活動などの手段として利用するダイレクトメール(広告の一種)を、障害者団体の定期刊行物と偽って、違法な低価格で発送していたというものだ。