サンデーモーニング(TSB)が30年遅れで新自由主義をクローズアップ

2020年最初のサンデーモーニング(TSB)が、新自由主義による弊害を取り上げた。ソ連が崩壊したあと、西側諸国が資本主義の国境を取り払い、グローバル資本主義が登場したという趣旨の単純な説明が行われた。詳細な部分では間違いもあるが、おおむね世界経済の流れの概要を説明している。
TBSが新自由主義を取り上げたのは、富裕層が富めばそのおこぼれが中間層や低所得層にも波及して、相対的に国民の生活水準を押し上げるという新自由主義の理想どうりにはならなかった事情があるようだ。格差がもはや修正不可能なまでに拡大して、「報道」のTBSとしてもメンツを保つために新自由主義をクローズアップせざるを得なかったのだろう。
日本で新自由主義の導入が始まったのは、1996年に成立した橋本内閣(自民)の時代である。しかし、当時のメディアは新自由主義という言葉をほとんど使わなかった。新自由主義のかわりに規制緩和という言葉を使ったのである。なぜ、彼らが新自由主義という言葉を使わなかったのかと言えば、おそらく新自由主義という言葉そのものを知らなかったか、知っていても新自由主義という言葉にこの経済政策に対する批判的なニュアンスがちん入する可能性を警戒したからではないかと思う。
新自由主義という言葉のかわりにマスコミが採用したのは、規制緩和であった。規制を緩和して経済を活性化するというプロパガンダを展開して、橋本内閣の経済政策をサポートしたのである。新自由主義という言葉を大マスコミが使いはじめたのはここ数年である。


















































