2016年04月22日 (金曜日)
「押し紙」と折込広告の水増し、 瀬戸大橋を渡って消えた「折り込め詐欺」のトラック
日本新聞協会と新聞各社が「押し紙」は1部も存在しないと公言してきた背景にどのような論理があるのか、読者はご存じだろうか?
結論を先に言えば、「新聞社が販売店に搬入する新聞は、すべて販売店からの注文に基づいた新聞なので、押し売り行為に該当しない。従って『押し紙』ではない」という3段論法である。

2016年04月22日 (金曜日)
日本新聞協会と新聞各社が「押し紙」は1部も存在しないと公言してきた背景にどのような論理があるのか、読者はご存じだろうか?
結論を先に言えば、「新聞社が販売店に搬入する新聞は、すべて販売店からの注文に基づいた新聞なので、押し売り行為に該当しない。従って『押し紙』ではない」という3段論法である。
今週発売された週刊誌2誌が「押し紙」問題を取り上げている。『週刊ポスト』(月曜日発売)と『週刊新潮』(木曜日発売)である。タイトルは、前者が「朝日新聞危機?! 『押し紙問題』怪事件」(ポスト)で、後者は「『朝日新聞』部数水増しで『大新聞』の明日」(新潮)。
このうち『週刊新潮』の記事では、黒薮もコメントしている。
2つの記事が扱っているのは、朝日新聞社が「押し紙」問題で公正取引委員会から注意された事件である。
2016年04月19日 (火曜日)

熊本県と大分県を中心に多発している地震をめぐり、メディアによる世論誘導が進行しているようだ。今回の地震を引き起こしたとされる断層の延長線上には、愛媛県佐田岬半島の付け根にある伊方原子力発電所が位置している。
実は、この付近でも地震が多発しているのだが、それはほとんど報じられていない。福島で原子力発電所が大惨事を引き起こしたわけだから、本来、危険を警告するのがジャーナリズムの役割のはずなのだが。
気象庁が公表している次のマップによると、ちょうど伊方原子力発電所がある佐田岬半島の付け根に青の円(●)が印されている。これは震度2を示している。
『紙の爆弾』(4月号)の記事をPDFで紹介しよう。タイトルは、「訴えた者勝ちで乱発される巨額訴訟 『日本の裁判』を問う」。執筆者は、メディア黒書の黒薮。このところ深刻な社会問題になっているスラップに関する記事である。
この記事で取り上げた裁判は次の通りである
このところ朝日新聞の販売店に公正取引委員会が「押し紙」問題で査察に入っているという情報がソーシャルメディアで流れている。これについて私の見解を求める問い合わせも来た。
たとえばツイッターによる次のような問い合わせである。
押し紙に詳しい黒薮哲哉さん@kuroyabuにわかったら教えてもらいたい。
@haigujin なぜ安倍政権になって朝日だけ公取が?読売も産経も指摘なし。この論は販売店が被害者とみなすが単純ではない。折込収入を加味すると販売店が要求している面もあり本社との共同正犯だ。また雑誌・・
「これからどんどん店主の自殺が増えるでしょう」
こんな訴えが、新聞販売店の店主からあった。新聞の没落が止まらないなか、販売店主らの間に絶望感が拡がっている。元凶は、「押し紙」である。
折込広告の需要が好調だった時代には、販売店は「押し紙」があっても、折込広告の水増しで「押し紙」の損害を相殺できたので、なんとか経営を維持できた。
たとえば1000部の「押し紙」があっても、折込広告を(一種類につき)1000枚水増しすれば、「押し紙」の損害を相殺できていた。ところがその折込広告の需要が低迷して、新聞販売店の経営基盤そのものが揺らいでいる。
しかし、新聞代金の納金を怠るわけにはいかない。怠れば、たちまち新聞社から担当員がやってきて、しつこく入金を迫る。期限までに入金しなければ、容赦なく新聞の供給を止めてしまう。
新聞は「味覚期限」が1日であるから、在庫品を配達するわけにはいかない。その結果、新聞販売店は入金を履行するために、借金まみれになったあげく、一方的に廃業に追い込まれる。自殺者もでる。
実態は昔からなにひとつ変わっていないが、最近は店主の方から「こんなばからしい仕事はできない」と言って、みずから廃業するケースが増えている。
2016年04月11日 (月曜日)
この4月から電力の供給が自由化された。これまでは地域ごとに電力供給を受ける電力会社が決められていたが、その垣根が撤廃されて、各戸が自分で電力会社を選択する制度となる。
この電力自由化に連動して浮上してきたある大問題がある。メディアでは報じられていないこともあって、ほとんどの人が認識していない問題である。
それは新しい電力会社との契約には、スマートメーターの設置が大前提になっている事実である。ウィキペディアによると、スマートメーターとは、「従来のアナログ式誘導型電力量計と異なり、電力をデジタルで計測し、メーター内に通信機能を持たせた次世代電力量計。ここでは、主に電気メーターをスマートメーターと呼んでいるが、ガスや水道などの同様の計測機も含むもの」である。
アナログの時代は、計測員が計測器の数値を確認していたが、電力自由化の流れのなかで、マイクロ波による測定システムが導入されようとしているのだ。
メディア業界の「闇」の領域-外部からではなかなか見えない謎のひとつが大手広告代理店による広告関連業務から発生する費用の見積もりの実体である。彼らは何を基準として、広告制作費などの価格を設定しているのだろうか。
たとえばわたしの手元に(株)朝日広告が最高裁に対して送付した請求書の写しがある。業務の名目は、「裁判員制度広報のメディアミックス企画及び実施業務」である。これはわたしが情報公開制度を利用して入手したものである。
裁判員制度をPRすることを目的とした広告制作に関する請求だ。
総額は6億8663万7400円(2008年4月のデータ)。
2016年04月06日 (水曜日)
民進党の山尾志桜里政調会長が、多額のガソリン代を計上していたことが問題になっている。約240万円。これは『夕刊フジ』によると、車で地球5周分に相当する金額だという。
が、驚くなかれ。もう一段格上の人がいる。
今夏の参院選に新潟選挙区から野党連立候補として出馬する公算が強くなっている森ゆうこ議員がその人だ。2012年に公開された政治資金収支報告書(2011年度、新潟選管管理分)によると、「高速ガソリン代」として、山尾議員を上回る294万8885円を計上している。
しかも、支払先はすべて(株)ジェーシービーである。
裏付け資料は次の通りだ。
広告代理店が起こした事件の代表格といえば、「低料第3種郵便物の割引制度」(障害者団体の定期刊行物を、格安な郵便料金で送るための優遇制度。)を不正利用した事件である。2008年10月に朝日新聞のスクープによって明らかになった。
具体的な不正利用の中身は単純で、企業がPR活動などの手段として利用するダイレクトメール(広告の一種)を、障害者団体の定期刊行物と偽って、違法な低価格で発送していたというものである。
当然、この障害者を対象とした優遇措置を得るためには、障害者団体であることの証明が必要だ。その便宜を図ったのが厚生労働省の職員であった。事実、虚偽公文書作成罪などに問われた。
このような方法で、企業は総額数十億単位の経費を削減したと言われている。
ジャーリズムのメスが入らない領域のひとつに広告代理店がある。新聞社の「押し紙」問題も、新聞社に対する遠慮から、なかなか取材対象にならないが、広告代理店はその比ではないかも知れない。
広告に依存しているメディアにとって広告代理店は、自社の実質的な営業部門としての性格を有しているからだ。ただ、圧倒的に規模が大きい電通を除けば、まっく報道の対象になっていないわけではない。
たとえば産経新聞は、昨年の12月に、「津波記録誌で「怠慢」編集 岩手県大槌町、東北博報堂との契約解除」と題する記事を掲載している。
メディア黒書に折込詐欺に関する問いあわせが相次いでいる。この種の情報を伝えてくるのは、かつては新聞販売店の従業員だった。それから新聞販売店の店主になった。そして最近は広告主からの情報提供も増えている。
なぜ、新聞販売店の店主が折込広告が水増しされている実態を告発するようになったのだろうか?答えは簡単で、折込広告の水増し分が特定の販売店(証言によると新聞社の直営店)に割り当てられ、販売店にとってはあまりメリットがなくなってきたからである。
折込広告の搬入枚数を店別に決めているのは、広告代理店である。新聞社系の広告代理店が、新聞社の直営販売店に対して多量の水増し広告を不正に割り当てても不思議はない。

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