2018年10月29日 (月曜日)

5G(第5世代移動通信システム)の準備が着々と進んでいる。これが構築されると大量のデータを短時間でやり取りすることが可能になる。当然、スマホで視聴する動画の質も従来よりも格段によくなると期待されている。

5Gに関するメディア報道をみると、5Gの登場によって、われわれはとてつもない利便性を手に入れることができるかのような印象を受ける。それは真実なのだろうか。利便性の裏側には、負の側面があることが多いものなのだが。

米国の『マイクロウエーブ・ニュース』(電子)は、英国で携帯電話のマイクロ波が原因と思われる脳腫瘍が、ここ20年から30年の間に急増していることを伝えている。指摘されている脳腫瘍はグリオブラストーマという悪性のものである。

大脳前頭葉と頭頂葉での発癌頻度は、1995年を起点として、2014年には、3・4倍に増えている。その他の脳部位でも、若干増えている。■出典

脳腫瘍以外の癌も相対的に増えている。特に、若い人が癌になるケースが目立つ。当然、マイクロ波との関係を考察してみなければならない。

筆者は、電磁波問題を取材している関係で、時々、マイクロ波を測定する。近くに携帯電話の基地局がなくても、スマホで通話すると、マイクロ波の密度は急にあがる。少なくとも、EUの提言値(0.01μW/cm2(室内)の10倍ぐらい、瞬間的には100倍ぐらいになることもある。

つまりたとえ自宅近くに基地局がなくても、スマホを使っていれば、マイクロ波に被曝するのだ。電車の車内などは、受動喫煙と同じ原理の状態になっている。本来、公共の空間では、煙草と同じように、スマホの使用を禁止すべきだろう。

◇5Gとマイクロ波による被曝

ところがマイクロ波による人体影響は、日本ではほとんど報じられない。背景に電話会社や電力会社、それにメディア企業の巨大なビジネスがあるからにほかならない。この問題を報じないことによって、マイクロ波は安全という世論を形成しているのだ。これは報じないことで世論を誘導しているわけだから、副次的なフェイクニュースともいえるだろう。

5Gが稼働すれば、マイクロ波による被害が増えることは明らかだ。その被害は、癌の増加などによって顕著になるだるろうが、不幸なことに患者はその原因を認識しないまま、闘病することになる。抗がん剤の投与を受けながら、スマホの動画を見て、心を癒すということにもなりかねない。

旧世代の公害は、黒煙とか、汚水とか、油とか、目に見えた。しかし、新世代の公害は目に見えない。それゆえにジャーナリズムによる警鐘が必要なのだ。

 

【冒頭写真】出典は、NTTドコモのウエブサイト

 

2018年10月27日 (土曜日)

11月1日(木)に『「押し紙」を考える全国集会』を開くことになりました。メディア関係者(新聞・テレビ・フリーランス・ブロガー・雑誌・ネットメディア)の皆さまに取材をお願いしたいと思い、プレスリリースを掲載します。

プレスリリース

開催概要

日 時:平成30年11月1日

開演:17:00(開場16:30)

場 所: 衆議院第二議員会館 第一会議室(地下1階)
東京都千代田区永田町2-1-2

主 催: NO!残紙キャンペーン

 

急なご案内ではありますが、もし都合がつくようでしたらご取材をお願いします。

※入館の際に、議員会館のロビーで入館証をお受け取り下さい。不明な点があれば、黒薮までご連絡(090-8431-7317)ください。

 

2018年10月26日 (金曜日)

産経新聞の「押し紙」を示す新しい内部資料を入手した。「平成28年7月度 カード計画表」と題する資料で、その中に大阪府の寝屋川市、門真市、箕面市、四条畷市など(北摂第3地区)を地盤とする21店における「定数」(搬入部数)と、「実配数」が明記されている。

店名は匿名にした。「定数」(搬入部数)の総計は、4万8899部。これに対して「実配数」は、3万5435部である。差異の1万3464部が残紙である。予備紙として社会通念上認められている若干の部数を除いて、残りは「押し紙」ということになる。残紙率にすると28%である。

理由が不明だが、新聞は搬入されているが、配達していない店もある。赤のマーカーで示した店だ。今後、産経に理由を問い合わせることにする。

この内部資料が外部にもれたのは、販売店を訪問した産経の担当員が店にこの資料を置き忘れたことである。

次に示すのが資料の実物である。

 

2018年10月25日 (木曜日)

マンションの2階に住む一家3人が、斜め下にあたる同1階に住む家族による煙草の副流煙が原因で化学物質過敏症になったとして、1階に住む男性に対して約4500万円の損害賠償を求める訴訟が、横浜地裁で起こされたことがわかった。ベランダでの喫煙を規制した判例はあるが、自宅での喫煙を裁判所がどう判断するのか、注目だ。

煙草の副流煙をめぐるトラブルが発生した後、複数の刑事が被告宅を2回も訪問して事情聴取し室内を写真撮影、という異例の事態にも発展。警察署長が、原告代理人・山田義雄弁護士に「場合によれば傷害罪になり得るかも知れない」とも伝えたという。だが化学物質過敏症の原因は、副流煙以外にも数多くあり、特に欧米では、いわゆる「香害」の原因物質でもある「イソシアネート」が主要原因とされる。その他、塗料や柔軟剤、内装材など、その用途は極めて多岐にわたり、日常生活に入り込んでいる。原因を副流煙だけに特定して高額訴訟を起こすことは、訴権の濫用に該当しないのか――。

化学物質過敏症をめぐる近隣トラブルの経緯をレポートする。【続きはMyNewsJapan】

2018年10月23日 (火曜日)

メディア黒書でたびたび報じてきたM君事件の控訴審判決が19日に、大阪高裁であった。エルネスト金氏に対して賠償金113万円の支払いを命じたことを除いて、その他の請求は棄却された。賠償金の額は若干増えた。

詳細については、判決文を読んでから改めて論評するが、恐るべき判決である。延々とM君を殴り続け、現場にいた「仲間」もそれを放置して、瀕死の重傷を負わせながら、エルネスト金氏を除いて責任を問われなかったことになる。

筆者は、この裁判は、「報告事件」ではないかと推測している。大阪高裁の元判事で現在は弁護士の生田暉雄氏が著した『最高裁に「安保法」違憲判決を出させる方法』(三五館)によると、裁判所の内輪で「報告事件」と呼ばれている事件が存在するらしい。これは最高裁事務総局が暗黙のうちに判決の方向付けをする事件のことで、提訴しても最初から勝ち目がない。いわば原告をペテンにかけている裁判のことである。

「報告事件」に指定されると書記官など裁判所の職員が、裁判の経過を最高裁事務総局に報告する。そして国策にそぐわない判決がでそうな雲行きになると、判事を交代させるなどして、判決の結果を方向づけてしまうのだ。いわば軍事裁判と同じレベルのことが水面下では進行しているのである。

 

◇言論抑圧の国策と整合

なぜ、M君の裁判が報告事件の可能性があるのかといえば、次のような推測が成り立つ。広義しばき隊などが展開する「反差別運動」を逆手に取れば、言論を抑圧する体制を構築しやすいからだ。現に東京都では、デモが著しく規制されるようになっている。4箇所あったデモの出発点(公園)が、1箇所に規制されてしまった。

特定秘密保護法や共謀罪法の成立に象徴されるように、政府は言論の自由を抑圧する国策を打ち出している。その方向性と整合するように、「反差別運動」が暴徒化するのを放置し、言論を規制する法整備の口実にする構図になっている。

差別を肯定する人間はほとんどいない。それゆえに「反差別運動」を客観的に把握して、負の側面を指摘し、批判することは、世論の激しい反発を受けるリスクを伴う。その不安が、M君事件では、著名人らの「沈黙」という形で浮彫になった。いちいち名前はあげないが、音声記録まで残っているこの事件について、「知らぬ」、「そんな事件はなかった」としらを切る者が後をたたなかったのだ。

野党の中には、広義しばき隊のシンパも多く、それが野党共闘の調和を乱したくないという心理にさせるのか、共産党までが事件を黙殺するという信じがたい状況が生まれた。そのために共産党は、多くの支持者を失った。

 

◇鹿砦社の調査報道

この事件を本格的に取材したのは、鹿砦社の取材班だった。これまでに5冊の本を出版している。典型的な調査報道で、事件の全容を解明した。小さな出版社が、これだけ綿密な調査報道を手がけた例は、筆者が知る限りでは、他にない。しかも、M君の裁判を支援する徹底ぶりだった。

ところがその鹿砦社に対しても、著名な人々が相当口汚い罵倒を浴びせ続けた。その一方で鹿砦社の活動に感謝している人々も増えている。たとえば筆者が、『紙の爆弾』にオリンピック選手村の建設予定地(都有地)の不正取引疑惑の記事を書いたところ、東京都庁のOBらで組織している住民運動が、ミニコミ紙で『紙の爆弾』を紹介した。他にこの事件を取りあげるメディアがないからだ。住民運動に注目されるのは名誉なことである。数こそ少ないが、物事を正しく評価している人々もいるのだ。

M君の事件を通して、筆者は、日本の民主主義の牛歩ぶりを痛感する。司法も、メディアも、市民運動もどこかおかしくなっている。

2018年10月22日 (月曜日)

放送確認書の調査に関して、鹿児島テレビ放送から、計3回に渡って回答が送られてきた。記録するという意味もあり、PDFで紹介すると同時に、今後の検証ポイントを考えてみよう。質問も合わせて紹介する。

1,社印の位置が1ミリほど左右にずれている理由。

2,異なる放送確認書の発行番号が同じになっている理由。

3,貴社が博報堂を通じて制作されたCMの広告主を公開してください。

これに対して、鹿児島テレビ放送から次の回答が来た。

質問1~3の質問に対する回答

その後、「2」についての補足の説明が送付されてきた。

「2」についての補足説明

さらに、

[3]についての補足説明。

 

◇今後の検証ポイント

① 朱の社印と黒の背景文字の位置関係が、それぞれの放送確認書で一致していない事実。

鹿児島テレビは、社印とその他の部分を別々に印刷しているために誤差が生じると説明した。今後、検証する必要があるのは、印刷方法の検証である。

たとえば預金通帳や卒業証書は、朱印と黒の背景文字の位置関係がそれぞれの書面で一致している。預金通帳は、通帳の更新をロボットがやるが、朱印の位置は1ミリの狂いもない。

今後は、印刷の専門家を取材する必要がありそうだ。また、用紙の科学鑑定も必要だろう。

②同じ番号の放送確認書が存在する理由

鹿児島テレビの説明では、番号は、「書類番号」ではなく、「契約番号」ということだった。同じ契約で同じ内容なので「契約番号」が同じだということだ。

今後の検証点は、放送確認書の成立要件に、書類番号(インボイスナンバー)は含まれていないのかという点である。

2018年10月20日 (土曜日)

新潟地検は、森裕子参議院議員(自由党)に対する志岐武彦氏と筆者による4度目の刑事告発を受理した。理由は、みずからの政党支部に自己資金を「寄付」して、30%の還付金を受け取ったというものである。

告発状は次の通りである。

  ■告発状

森氏は、平成25年に600万円を、平成27年に605万円を自らの支部に寄付して、還付金を受け取った。政治家がこれをおこなえば所得税法違反に当たるというのが、告発人の主張である。

次のPDFが森議員によるマネーロンダリング一覧である。

2018年10月19日 (金曜日)

新聞は文化的商品であり、国民にとっての必需品だから、消費税の軽減税率の適用対象になって当然という新聞関係者によるプロパガンダが拡散している。この理屈は果たして真実なのだろうか?それを新聞社のビジネスモデルの観点から考えてみると、まったく別の不純な側面が輪郭を現してくる。

結論を先に言えば、それは「押し紙」に消費税がかかって、新聞社と販売店の経営を圧迫することを、新聞人が恐れている結果にほかならない。

「押し紙」に消費税がかかる理由は、「押し紙」にも読者がいるという偽りのリアリティーを前提に、経理処理が行われているからだ。独禁法は、「押し紙」を禁止している。その結果、PC上に架空の配達地域を設け、それに準じて、架空の読者を設け、帳簿上で販売収入と「読者数」の整合性を保つ必要が生じる。当然、「押し紙」にも消費税がかかることを前提に帳簿を作成する。

さもなければ会計監査が通らない。粉飾ということにもなりかねない。

しかも、都合の悪いことに、「押し紙」には読者がいないわけだから、購読料はいうまでもなく、消費税も販売店と新聞社が負担することになる。

消費税率の引きあげによって新聞社と販売店がどれほど過酷な負担を強いられるかを試算したものを2つ紹介しよう。

◇河内孝氏による試算

『新聞社』(新潮新書、河内孝著)の中で河内氏は、2004年度のABC部数を基礎データとして使い、消費税が5%から8%になった際の消費税負担の変化を試算している。結果は、次の通りだ。

 読売新聞社:108億6400万円
 朝日新聞社: 90億3400万円
毎日新聞社: 42億6400万円
日経新聞社: 38億7100万円
産経新聞社: 22億1800万円

◇黒薮による試算

筆者も拙著『新聞の凋落と「押し紙」』(花伝社)の中で、新聞に対する軽減税率の適用問題を取りあげ、毎日新聞の「押し紙」に課せられる消費税額(河内氏の試算は新聞全体が対象)を試算している。基礎資料としたのは、同社の内部資料「朝刊 発証数の推移」である。それによると2002年10月の段階で、毎日新聞の「押し紙」は、全国で約144万部。「押し紙」率は36%。誇張を避けるために月極の購読料を3000円で計算した。

5%の場合:25億9200万円
8%の場合:41億4720万円
10%の場合:51億8400万円

詳細については、『新聞の凋落と「押し紙」』の138ページ、「驚くべき販売店の税負担」を参考にしていただきたい。

「押し紙」は経営上の汚点である。この汚点を公権力は知っている。当然、この汚点を摘発すれば、新聞社は決定的な打撃を受ける。こうした力学の原理が働いているから、日本の新聞社は「発表ジャーナリズム」、あるいは「パック・ジャーナリズム」に徹し、調査報道ができないのである。

2018年10月18日 (木曜日)

放送確認書に関する取材の中で、取材先から公式の回答が寄せられているので、紹介したい。鹿児島テレビと博報堂DYアイ・オーからの回答だ。

◇鹿児島テレビ

鹿児島テレビに対する問い合わせは次の3点だった。

1,放送確認書によって社印の位置が微妙に異なる理由。

2,同じ「発行番号」の放送確認書がある理由。

3,博報堂を通じて制作したCMスポンサー。

回答は次の通りである。

1 質問事項1について

社名と印の刷位置が微妙にずれている理由は、あらかじめ社印だけを刷刷した紙に放送確認書を印刷するためです。

2 質問事項2について

(1) ご指摘の 番号は「発行番号」ではなく、「契約番号」です。

(2) 同じ契約番号で複数の放送確認書が存在するケース は、放送期間毎に発行した場合や、複数の番組で放送した場合など いくつか 考えられます。

ご指摘のケースについて回答の正確を期するために、 黒藪様がご指摘された 2通の確認書について全体を写した画像お送りください。それらを確認したうえで質問にお答えいたします。

(3) なお、 黒藪様のwebサイトに「同じ発行番号の異なる放送確認書の存在が判明、鹿児島テレビ放送へ公開質問状」と題する記事が掲載されていますが、上記のとおり契約番号を発行番号と誤解されたことに基づく誤った内容になっていますので、速やかな訂正を求めます。

3 質問事項3について

弊社は博報堂を通じてCM を制作しておりません。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
回答に対して筆者は反論があるが、取材で得た結論がまだ確定したわけではないので、鹿児島テレビの要望に応じて、過去の記事の一部を暫定的に訂正・修正した。同時に同じ社印の問題を含む記事(岩手朝日テレビ、山陰中央テレビ)を暫定的に削除した。仙台放送については画像を交換した。報道の順序に若干の誤りがあったことを認め、テレビ局4社には謝罪する。調査は継続予定。

なお、高知放送については、放送確認書の10桁CMコードが欠落しているので修正しない。FOXについても、同じ時期に放映されたとされるCMにもかかわらず放送確認書の発行日に著しい隔たりがあるので、修正しない。

■「弊社は博報堂を通じてCM を制作しておりません」

今回の回答を通じて、筆者がもっと注目したのは、鹿児島テレビが「弊社は博報堂を通じてCM を制作しておりません」と解答した点である。しかし、次のPDFでも明らかなように、放送確認書の発行元は鹿児島テレビで、その書類には広告会社として、「博報堂DYメディアパートナーズ」の名前がある。

制作はしていないが、仲介者が博報堂ということか?これについては、博報堂にも確認する必要がある。

博報堂が発行したとされる放送確認書PDF

 

◇博報堂DYアイ・オー

博報堂DYアイ・オーに対する質問は次の通りである。

貴社のウェブサイトで、放送確認書に関連した業務を確認したところ、次のような記述がありました。文中に意味がよく分からない部分があるので、問い合わせさせていただいた次第です。

「CMが放送された後、各テレビ局が発行する放送確認書と広告主が購入したCM枠が契約通りに放送されたかを確認・照合・修正する業務です。この業務で確認した放送確認書は非常に重要な証憑となり広告主に届けられます」
  
 文中に「放送確認書と広告主が購入したCM枠が契約通りに放送されたかを確認・照合・修正する業務」とありますが、「修正」とは具体的に何を意味しているのでしょうか。放送確認書は、一種の証明書であり、コンピュータにより自動的の出力されるものですから、本来、人が手を加える「修正」作業は行ってはいけないはずですが、具体的にどのような「修正」をされているのでしょうか。

解答は次の通りである。

 ご指摘の弊社ウェブサイトで記載しております「放送確認書と広告主が購入したCM枠が契約通りに放送されたかを確認・照合・修正する業務」の「修正」とは、放送確認書に修正を加えるということではございません。
 
テレビ局が発行する放送確認書と、弊社システムに登録されている契約CM枠とを確認し、弊社システムでの登録時にインプットミスがあった際には、そのミスを修正するということを意味しております。
 
弊社ウェブサイトに誤解を招くような記載があったことをお詫びいたします。
何卒、ご理解を賜れますようお願い申し上げます。

2018年10月17日 (水曜日)

テレビのローカル局で、偽造が疑われる放送確認書が多数みつかった。偽造の放送確認書に基づいて、請求書が発行されるわけだから、当然、「中抜き」したCMが請求対象になっていたり、発注していないCMを放送したことにして、その料金を請求するなどの不正が行われてきた疑惑が生じる。

繰り返し述べてきたように、1990年代の後半に、テレビCMの「まびき」事件が、岩手朝日放送などのローカル局で多発し、その防止策として、現在のコンピューターと連動したシステムが導入されたのである。

従って、コンピュータが出力した放送確認書は、手を加えることなくそのままの形でCMのクライアントの手に渡らなければならない。

ところが放送確認書を、放送局が直接、クライアントに届けるのではなく、広告代理店を通じて、クライアントに届ける慣行がある。

こうしたシステムの下では、放送確認書の偽造を誰が主導しているのかという点を検証しなければならない。3つの可能性がある。①テレビ局、②広告代理店、③テレビ局と広告代理店の共犯。

 

◇誰に偽造の疑惑があるのか?

放送確認書の偽造疑惑がある放送局のうち何社かに質問状を送付したが、回答はない。参考までに、鹿児島テレビに対する質問状を紹介しておこう。

鹿児島テレビに対する質問状PDF

広告代理店については、博報堂DYアイ・オーに次のような問い合わせを行い、回答待ちの状態だ。

貴社のウェブサイトで、放送確認書に関連した業務を確認したところ、次のような記述がありました。文中に意味がよく分からない部分があるので、問い合わせさせていただいた次第です。

【質問箇所】
CMが放送された後、各テレビ局が発行する放送確認書と広告主が購入したCM枠が契約通りに放送されたかを確認・照合・修正する業務です。この業務で確認した放送確認書は非常に重要な証憑となり広告主に届けられます。出典
  

 文中に「放送確認書と広告主が購入したCM枠が契約通りに放送されたかを確認・照合・修正する業務」とありますが、「修正」とは具体的に何を意味しているのでしょうか。放送確認書は、一種の証明書であり、コンピュータにより自動的の出力されるものですから、本来、人が手を加える「修正」作業は行ってはいけないはずですが、具体的にどのような「修正」をされているのでしょうか。

 

【冒頭写真】偽造の疑惑がある高知放送の放送確認書。社印の朱のラインと「8」の接続点が、明らかに異なっており、コンピューターから自動的に出力されたものではない可能性が高い。

2018年10月16日 (火曜日)

筆者は、15日、日本新聞協会に対して、同協会が『新聞協会報』に掲載し、その後、ウエブサイトに転載した、「読売への損害賠償、黒藪氏の請求棄却 福岡地裁」と題する記事の訂正を申し入れた。

6年前の2012年7月19日付け(ウエブサイト)の記事で、前日に知人から記事の存在を知らされ、内容を確認したところ、事実関係に誤りがあったからだ。少なくとも読者に誤解を招き、それが記録として残ってしまう懸念があったからだ。

交渉の結論を先に言えば、日本新聞協会は暫定的に筆者が指摘した記事を削除した。筆者から削除を求めたのではなく、編集部の判断で削除したのである。次の記事である。

 フリージャーナリストの黒藪哲哉氏が言論抑圧を目的に不当に裁判を起こされたなどとして、読売の東京・大阪・西部各本社などに損害賠償を求めた訴訟の判決が7月19日、福岡地裁であった。田中哲朗裁判長は、「紛争の解決を裁判所に求めるのは法治国家の根幹で、訴えを提起するのが違法行為になることはない」として請求を退けた。

 黒藪氏は2007年、自身のウェブサイトに西部本社法務室からの文書を掲載。これに対し読売西部は削除を求め、削除しない場合は法的手段をとると文書で通知した。黒藪氏は文書によって脅迫を受けたなどと主張した。
                     
 読売側は、法的手段をとるとの記載を通常、脅迫と受け取ることはないと反論していた。

 読売新聞グループ本社広報部は「当方の主張が全面的に認められており、妥当な判決と考える」とのコメントを出した。

◇「一連一体の言論弾圧」

読売との係争は、記事の通り2007年に始まった。読売の江崎法務室長が筆者に対して、メディア黒書(当時は新聞販売黒書)に掲載した読売の内容証明文書(名義は江崎氏)の削除を求めてきたのが発端だ。その後、この事件は著作権裁判にエスカレートした。

ちなみに筆者は、この著作権裁判を皮切りに読売から、約1年半の間に3件の裁判を起こされた。請求額は総計で約8000万円。本来であれば、廃業に追い込まれていたが、福岡県の江上武幸弁護士らが弁護団を結成して、全くの無報酬で、東京地裁や埼玉地裁まで支援に来てくれて、危機を乗り切ったのである。

読売が仕掛けてきた3件の裁判の結果は次の通りだった。

1,著作権裁判:地裁から最高裁まで筆者の勝訴

2,名誉毀損裁判(メディア黒書の記事):地裁、高裁は筆者の勝訴。最高裁で読売が逆転勝訴。

3,名誉毀損裁判(週刊新潮の記事):地裁から最高裁まで読売の勝訴。

これら3件の裁判に対して、筆者は、「一連一体の言論弾圧」という観点から、読売3社を提訴したのである。

◇内容証明文書の名義を偽って黒薮を提訴

筆者が問題とした新聞協会の記事で事実関係が誤っているのは、第2段である。再度、引用しておこう。

黒藪氏は2007年、自身のウェブサイトに西部本社法務室からの文書を掲載。これに対し読売西部は削除を求め、削除しない場合は法的手段をとると文書で通知した。黒藪氏は文書によって脅迫を受けたなどと主張した。

この段落は、著作権裁判についての記述である。「黒藪氏は文書によって脅迫を受けたなどと主張した」と書かれているが、私が恫喝だと主張したのは、読売による3件の「一連一体裁判」に対してである。

著作権裁判で筆者が問題にしたのは、「恫喝」や「脅迫」ではなく、読売が虚偽の事実を前提に裁判を起こしたことである。

読売の江崎法務室長は、メディア黒書に筆者が掲載した文書(筆者あての内容証明文書)は、自分が書いたみずからの著作物であるから、削除するように求めてきたのである。(厳密に言えば、著作者人格権を理由に文書の削除を主張したのである。)

ところが裁判の中で、問題の内容証明文書は、江崎氏が執筆したものではなく、読売の代理人の喜田村洋一自由人権協会代表理事の執筆である高い可能性が認定されたのだ。それを根拠に、門前払いのかたちで江崎氏らは敗訴したのである。江崎氏が著作者人格権の所有者ではないので、もともと、著作者人格権を根拠とした提訴権はなかったのだ。

著作権裁判で筆者が脅迫を受けたと感じたかどうかは、枝葉末節であって本質的なことではない。筆者の主張は、内容証明文書の作成者が江崎氏であるという虚偽の事実を前提に裁判を起こした行為を断罪すべきだというものだった。そのための「反訴」だったのだ。

著作権裁判で地裁判決が出た後、筆者の弁護団が発表した声明を再度紹介しておこう。江崎氏や喜田村氏が何をやったかがよく分かる。

弁護団声明

知財高裁の判決

◇弁護士懲戒請求

その後、喜田村弁護士に対して弁護士懲戒請求を行った。次のような内容である。

懲戒請求の準備書面(2)

【参考記事喜田村洋一弁護士らによる著作権裁判提起から10年、問題文書の名義を偽って黒薮を提訴、日弁連はおとがめなし①

【参考記事】喜田村弁護士に対する懲戒請求、第2東京弁護士会の秋山清人弁護士が書いた議決書の誤り②

 

2018年10月13日 (土曜日)

東京オリンピックの選手村建設用地の土地取引をめぐる「叩き売り」疑惑で、東京都を提訴している「晴海選手村土地投げ売りを正す会」は、2日、東京都庁で記者会見を開き、問題になっている用地の鑑定評価書を公表した。

それによると評価額は、1611億1800万円だった。これまで「正す会」が推定していた約1300億円よりも、約311億円高かった。

「正す会」は、従来は約1200億円の「叩き売り」事件としてきたが、それよりも遥かに割り引き幅が大きかったことが判明した。

東京都は、これまで用地の価格額について、「正す会」が示していた額は推論であり根拠に乏しいと主張してきたが、第3者による鑑定結果が明らかになったことで、主張の根拠が崩れたことになる。今後、小池知事は、別の観点から値下げの根拠を示さなければならない。

次回の裁判は、10月26日(金)、午後3時から東京地裁419号法廷で開かれる。