
佐賀新聞販売店の元店主・寺崎昭博さんが起こした「押し紙」裁判の控訴審・第1回口頭弁論が、15日午後、福岡高裁で開かれた。裁判所は、双方に対して和解を提案した。
それに先立って、一審原告側が口頭で意見陳述を行った。
江上武幸弁護士は、「押し紙」を柱とした新聞の商取引きの仕組みについて解説した。佐藤潤弁護士は、控訴理由書の要旨を説明した。さらに原告の寺崎さんは、「押し紙」でみずからが受けた被害について述べ、「もうこれ以上同じような思いをほかの人にして欲しくありません」と締めくくった。
佐賀新聞弁護団からは、寺崎さんが陳述書の中で佐賀新聞販売店には「積み紙」の概念がないと記述している部分について反論があった。佐賀新聞の主張は、地区新聞公正取引協議会の規約(昭和60年)などに、「押し紙」と「積み紙」を禁止する条文が存在するというものである。
和解のプロセスは、寺崎さん側が10月15日までに和解案を提出する。その内容は現時点では不明だが、双方が合意に至らない場合は、11月5日に第2回口頭弁論を開き、結審する可能性が高い。
寺崎さんの弁護団が陳述した意見書は次の通りである。
【参考資料】
2020年09月15日 (火曜日)

城山公園へのKDDI基地局設置について、筆者はKDDI本社の責任者の所属部署と担当者名を繰り返し質問してきた。しかし、現在の窓口であるKDDIエンジニアリングの藤田氏からは、「窓口は、KDDIエンジニアリング」という答えしか返ってこない。質問に噛み合った答えが返ってこない。以下、それを示すメールのやりとである。
【8月27日】
藤田様
お世話になります。
LDDIエンジニアリングが地域住民に対応するということですが、何か問題が起きたときには、LDDIエンジニアリングが責任を持って対処すると考えて間違いありませんか。YESかNOで回答ください。
黒薮
【8月28日】
黒薮様
KDDIエンジニアリング(株)
藤田です。
周辺にお住まいの方への対応として連絡させていただいております。
城山公園に設置する基地局に関して頂いたお問合せについて回答させて頂きます。
本基地局に関して、周辺にお住まいの方のお問い合わせ窓口は、KDDIエンジニアリングです。
お問い合わせいただいた内容については、責任を持って対処させていただきます。
ご理解の程よろしくお願いいたします。
【9月1日】
藤田様
KDDIエンジニアリングが全責任を負うということですね。
何度も言うように、まず、YESかNOで回答してください。
黒薮
【9月4日】
黒薮様
KDDIエンジニアリング(株)
藤田です。
周辺にお住まいの方への対応として連絡させていただいております。
城山公園に設置する基地局に関して頂いたお問合せについて回答させて頂きます。
本基地局に関して、周辺にお住まいの方からいただいたお問い合わせ内容については、KDDIエンジニアリングにて責任を持って対処させていただきます。
ご理解の程よろしくお願いいたします。
【9月14日】
わたしから藤田氏に対する返答
藤田様
今後の係争について、裁判なども含めてすべてKDDIエンジニアリングが責任を負うと解釈してもよろしでしょうか。
黒薮
【9月18日】
藤田氏からわたしに対する返答。
黒薮様
KDDIエンジニアリング(株)
藤田です。
周辺にお住まいの方への対応として連絡させていただいております。
城山公園に設置する基地局に関して頂いたお問合せについて回答させて頂きます。
本基地局に関して、周辺にお住まいの方からいただいたお問い合わせについては、KDDIエンジニアリングにて責任を持って対処させていただきます。
仮定のご質問にはお答えいたしかねます。
司法機関への対応については、内容に応じて適切に対処いたします。
ご理解の程よろしくお願いいたします。

佐賀新聞の「押し紙」裁判の控訴審は、15日の13:30分から福岡高裁の1015号法廷で開かれる。これに先だって、一審原告の寺崎昭博さんは、10日、裁判所へ陳述書を提出した。
この陳述書は、佐賀新聞の販売局員の陳述内容と原審被告の控訴理由書に対する寺崎さんの反論である。その中で、寺崎さんは佐賀新聞による優越的地位の濫用がどのようなものであるかを具体的に述べている。「押し紙」の手口、新聞の供給部数と折込広告の関係、販売店に対する威圧的な指導、寺崎さん個人に対する誹謗中傷などの実態を取り上げている。
◆◆
特に注目すべき点は、原審判決が販売店に対する新聞の供給部数を佐賀新聞が決めていることを認定しながら、その一方で十分に踏み込まなかった新聞の供給部数と折込広告の関係について、寺崎さんみずからが説明していることだ。
折込広告の定数(供給される枚数)は、新聞の供給部数に一致させる基本原則がある。たとえば新聞の搬入部数が2000部の場合は、折込定数も2000部に設定するのが従来の原則だった。従って「押し紙」にセットになっている折込広告は、配達されていないにもかかわらず料金だけは徴収される。それが実態とされてきた。
しかし、実際の折込広告の取り引き実態を確認すると、公共広告は例外として、民間企業の折込広告は、新聞の供給部数よりもはるかに少ない傾向が生まれている。
ところが佐賀地裁の1審判決はこの点を考慮せず一般論を採用して、単純に「押し紙」部数を基数として折込広告料金の水増し分を計算し、損害賠償額から控除している。供給部数と実配部数の差異を、折込広告水増しの温床となる「積み紙」と判断したのである。
これについて寺崎さんは、陳述書の中で説明している。それによると、佐賀新聞の販売店には、そもそも「積み紙」の概念がないという。
これは地方紙の販売店にはありがちなことである。と、いうのも地方都市では、折込広告の需要そのものがかなり少ないので、「積み紙」で販売店が利益を得ることは原則的にはあり得ないからだ。
折込広告の需要が多い都市部を拠点とする中央紙とは、事情が異なる。従って、地方紙は、「押し紙」率が相対的に低い。もっとも現在では、中央紙も供給部数に応じて折込広告の枚数が決められる状況にはない。折込広告の需要そのものが激減しているからだ。残紙が販売店に損害を与えているというのが、現在の普遍的な状況なのである。
◆◆
「押し紙」率は廃業時には最高で17%にもなっていた。部数にすると約500部である。しかし、予備紙は供給部数の2%で十分であるというのが、寺崎さんの主張である。これに関して、寺崎さんは次のように述べている。
1日に配達漏れ等と必要な部数の平均は多くて1~2部であり、それ以外の40部以上を営業紙として使用できます。
独禁法の新聞特殊指定に忠実な「押し紙」の定義は、販売店が必要としている部数(実配部数)に必要な予備紙を加えた部数をこえる新聞部数である。寺崎さんの販売店では、必要な予備紙は、供給部数の2%、40部程度だった。そして原審判決もその主張を認めたのである。
ちなみに佐賀県に隣接する熊本県の熊本日々新聞は、予備紙率を供給部数の1.5%と決めている。これは社の方針である。熊本日々新聞は、「押し紙」がない数少ない新聞社のひとつである。
新聞社を相手にした裁判では、よく相手方に対する誹謗中傷が行われる。佐賀新聞は寺崎さんに対しても、高級車に乗っているとか、遊び人であるとか、裁判の争点とは関係もなければ、根拠もない主張をしている。これに対しては、寺崎氏は具体的にこれまで使用した車種を示すなどして、反論している。
◆◆◆
陳述書に記されていることは、多くの地方紙の実態でもある。その意味で、今後の多発が予想される「押し紙」裁判の争点になりうるポイントなのである。
写真出典:Wikipedia

チリの軍事クーデターから、9月11日で47年の歳月が過ぎた。チリでは、クーデターの犠牲者(写真はアジェンデ大統領)を追悼する集会が各地で開かれた。長い歳月を経ても、当時の記憶を呼び戻して、後世へ伝える試みは、ちょうどわたしたちが広島・長崎の記憶を継承する試みと同じだ。
チリの人々は、9・11の記憶を脳裏から消し去ることはできない。
当時のチリは、ラテンアメリカの中では議会制民主主義が発達した先進国だった。イギリスから導入した議会制民主主義が成熟していたのである。もっとも、他のラテンアメリカ諸国と同様に貧困という社会問題を抱えてはいたが。そこに社会主義を目指すUP(人民連合政府)が成立する基盤があったのだ。
◆◆
クーデターの犠牲者を追悼する集会は、ピノチェット将軍による独裁が終わった1990年からのちは、全土で合法的に行われてきた。昨年も、平和裏にさまざまな集会やデモが行われた。
ところが今年は、チリ各地で行われた集会を、警察が催涙ガスや放水によって解散させようとした。TelSURなどラテンアメリカの一部のメディアが報じている。【続きはウェブマガジン】

2020年7月度のABC部数が公表された。それによると新聞発行部数の急減にはまったく歯止めがかかっていない。
朝日新聞は、この1年で約44万部の減部数。500万部のラインまで約1万3000部となり、8月部数で400万部台に転落する可能性が高くなった。このひと月で、約4万4000部を減らしている。
読売新聞は、この1年間で48万部を減らした。1年以内に600万部台に後退する可能性が高い。
7月度の部数内訳は次の通りである。()内は、前年同月比。
朝日新聞:5,013,399(-436,688)
毎日新聞:2,117,818(-227,630)
読売新聞:7,498,690(-475,480)
日経新聞:2,069,670(-229,851)
産経新聞:1,284,320(-80,558)
◆◆
全国の日刊紙の発行部数は、3137万部である。この1年の減部数は約214万部である。東京新聞社(約42万部を発行)が5社消えた規模の減部数である。
しかも、これらの部数には相当数の残紙が含まれている。実配部数が3000万部を下回っていることはほぼ間違いない。
2020年09月08日 (火曜日)

KDDI(au)が埼玉県朝霞市の公有地である城山公園に、月額360円(年間4300円)の賃借料で通信基地局を設置した問題の続報である。朝霞市のみどり公園課の説明によると、KDDIに公有地への基地局設置を許可した根拠は、都市公園法の7条1であるという。次の法律である。
第七条 公園管理者は、前条第一項又は第三項の許可の申請に係る工作物その他の物件又は施設が次の各号に掲げるものに該当し、都市公園の占用が公衆のその利用に著しい支障を及ぼさず、かつ、必要やむを得ないと認められるものであつて、政令で定める技術的基準に適合する場合に限り、前条第一項又は第三項の許可を与えることができる。
一 電柱、電線、変圧塔その他これらに類するもの
携帯基地局が、「電柱、電線、変圧塔その他これらに類するもの」に当てはまるのか、今後、検討する必要があるが、たとえそうであっても朝霞市の条例では、危険なものは例外的に設置できないことになっている。
朝霞市は、総務省の電波防護指針(1000 μW/c㎡ )を遵守するので、安全性に問題はないと公言しているが、総務省の電波防護指針は、たとえば欧州評議会の電波防護指針(0.1μW/c㎡ )に比べて1万倍もゆるく設置されている。
数値を決めた年は、1989年である。当時は、欧米も日本なみに高い数値を設置していたが、その後、マイクロ波の遺伝子毒性が明らかになり、自治体が独自に規制を強化していったのである。言葉を替えると、総務省の電波防護指針は、遺伝子毒性を考慮に入れていない数値だなのだ。
従って一般常識からすれば、通信基地局は危険物である。予防原則に従って設置を厳しく規制すべきなのだ。
◆◆
公有地の賃料を360円に設置した理由については、「朝霞市道路占用料徴収条例(昭和45年朝霞市条例第30号)」を根拠にしているという。この条例については、今後、調査するが、基地局の賃借料の相場は、わたしが取材した限りでは、月額で6万円から10万円程度である。360円は、常識的にはありえない。
基地局設置場所(朝霞市岡3丁目)周辺の賃借料相場を調査した上で、来年の市長選公示前までに行政訴訟を提起する必要があるだろう。
以下、朝霞市のみどり公園課とのメールの交信である。
【8月17日】
黒薮哲哉 様
令和2年8月6日付けでご質問いただきました内容につきまして、次のとおり回答させていただきます。
KDDIが朝霞市に支払う土地賃借料を決定した部署と職員名、さらにK
DDI側の担当部署と担当者名を公表してください。
【回答】
都市公園の占用許可については、みどり公園課で行っています。占用料の額については、朝霞市都市公園条例第12条第2項に定められております。
KDDIの担当部署及び担当者名については、朝霞市情報公開条例の非公開情報に該当するため公表は差し控えさせていただきます。
基地局が電柱に該当するという法的な根拠を教えてください。
【回答】
携帯電話基地局については、その公共性及び形状に鑑み、都市公園法第7条第1号の「電柱、電線、変圧塔その他これらに類するもの」に該当するものとして占用の判断を行っております。
令和2年8月17日
問合せ 朝霞市都市建設部みどり公園課長 大塚 繁忠
【8月20日】
大塚様
朝霞市都市公園条例第12条第2項のURLを教えてください。または
条文の全文をお知らせ下さい。
黒薮
【9月1日】
大塚課長から次の返信があった。
黒薮 哲哉 様
令和2年8月20日付けでご質問いただきました内容につきまして、次のとおり回答させていただきます。
朝霞市都市公園条例第12条第2項のURLを教えてください。または条文の全文をお知らせ下さい。
【回答】
朝霞市都市公園条例第12条の条文は以下のとおりです。
(占用料)
第12条 法第6条第1項又は第3項の許可を受けた者は、占用料を納めなければならない。
2 前項の占用料の額については、朝霞市道路占用料徴収条例(昭和45年朝霞市条例第30号)の例による。
なお、朝霞市の条例や規則は市ホームページに例規集として掲載しています。
令和2年9月 1日
【写真】富岡勝則朝霞市長

佐賀新聞の元店主・寺崎昭博さんが佐賀新聞社に対して起こした「押し紙」裁判の控訴審が、9月15日に福岡高裁で開かれる。詳細は次の通りである。
日時:9月15日 13時30分~
場所:福岡高裁、1015法廷
※だれでも傍聴できる。
第1審(佐賀地裁)は、原告・寺崎さんの勝訴だった。佐賀地裁は、佐賀新聞社に対して、「被告の原告に対する新聞の供給行為には、独禁法違反(押し紙)があったと認められる」と認定して、1066万円の支払いを命じた。
【参考記事】佐賀新聞「押し紙」裁判、判決の公開と解説、佐賀新聞社の独禁法違反を認定
第1審判決に対して原告と被告の双方が控訴している。
【解説】
1審原告・寺崎さんの弁護団(江上武幸弁護士ら)は、佐賀地裁が佐賀新聞社による独禁法違反を認定したことについては高く評価している。しかし、その認定に整合した法的判断が行われていない箇所については判決を見直すこと、寺崎さんが受けた損害額の計算方法を見直すこと、さらには「押し紙」そのものが契約書違反に該当することなどを主張している。
控訴理由書の全文は、次の通りである。
以下、特に重要な3点をクローズアップしてみよう。
①公序良俗違反
民法90条は、「公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする」と述べている。ここで言う「法律行為」とは、法律に則して「権利」や「義務」を行使することである。
この民法90条を根拠として、原告は「押し紙」と、それに連動しているABC部数の偽装工作などが公序良俗違反に該当すると主張している。
ちなみに、「独禁法違反となる行為が、公序良俗に反する場合は(個別の契約など、私法上の効力も)無効」となるというのが過去の判例である。
つまり1審原告は、「押し紙」の独禁法違反認定だけではなく、さらに公序良俗違反に認定するように求めているのである。その理由として、「押し紙」が、「不当・違法に仕入代金」を徴収する手口であること、不正な広告料収入を得るための手段であること、それにこのようなビジネスモデルの中でABC部数の改ざんが公然と行われていることなどをあげている。
また、「押し紙」裁判で和解勝訴した別の佐賀新聞販売店の内部資料を、3年以上前に公正取引委員会に提出して対策を取るように求めているにもかかわらず、今だに何の対策も取っていない事実や、国会で「押し紙」問題が議題になり、公正取引委員会が対策を講じることを確約したにもかかわらず、実際には無視されている事実を前提として、「独禁法の規定する措置に委ねたのでは、その目的が十分に達成られない」ので、民法90条を適用すべきだと主張している。
②折込広告収入の計算
折込広告の定数(供給される枚数)は、新聞の供給部数に一致させる基本原則がある。たとえば新聞の搬入部数が2000部の場合は、折込定数も2000部に設定するのが従来の原則だった。従って「押し紙」にセットになっている折込広告は、配達されていないにもかかわらず料金だけは徴収される。それが実態とされてきた。
しかし、実際の折込広告の取り引き実態を確認すると、公共広告は例外として、民間企業の折込広告は、新聞の供給部数よりもはるかに少ない傾向が生まれている。
ところが佐賀地裁の1審判決はこの点を考慮せず、単純に「押し紙」部数を基数として折込広告料金の水増し分を計算し、損害賠償額から控除している。1審原告は、「新聞の供給部数=折込広告の搬入枚数」という従来の構図が事実ではない証拠を具体的なデータで示して、裁判所が損害賠償額から控除した金額を、再計算に基づいて訂正するように求めている。
③「押し紙」そのものが契約違反
原告は、新聞販売店契約の付随義務を果たすことは販売店だけではなく、佐賀新聞社にとっても、本来的な責務であると主張している。両者の商契約の2条によると、新聞販売店は労働基準法や新聞公正競争規約などの関係法規を順守しなければならない。販売店が関係法規を順守しなければ、新聞社に不利益を及ぼすからである。
と、すれば当選、新聞社が関係法規を順守しない場合は、販売店に不利益を及ぼすことになる。このような一般常識を前提に原告は、「契約当事者の一方にのみ、関係法規等の順守義務を課すことは不合理である」と主張している。
関係法規の中には、「押し紙」の禁止規定なども含まれている。つまり「押し紙」をはじめとする優越的な政策は、新聞社と販売店の商契約そのものに違反している、と主張している。

鹿砦社に対する言論弾圧事件から今年で15年になる。2005年7月12日の『朝日新聞』朝刊の第一面は、「出版社社長に逮捕状」「名誉毀損の疑い」という見だしで、同社の松岡利康社長の逮捕を視野に入れた神戸地検の動きを「スクープ」した。
実際、この日の早朝に松岡社長は、自宅に押しかけてきた検察官に逮捕された。以後、神戸地検は、松岡社長を192日にわたって拘留した。理由は次の2点である。
①阪神のスカウトの変死事件で、遺族が執筆した記事を掲載した。その記事は、事件に球団職員が関与した可能性を示唆している。
②パチスロ機メーカー「アルゼ」のスキャンダルを暴露した。
松岡社長は、刑事裁判にかけられ、懲役1年2カ月(執行猶予4年)の判決を受けたのである。出版社の社長が刑事事件というかたちで言論弾圧されたケースはまれた。【続きはウェブマガジン】

世の中に氾濫している情報には、バイアスがかかっている場合が多い。いくらメディアリテラシーを身に着けていても、テレビやインターネットを通じて接する洪水のような情報に接していると、真実が見えなくなることがある。
先日、このブログでニカラグアのサンディニスカ政権が、独裁政権に変質したとする『週刊金曜日』の報道を紹介したが、これも「西側報道」である可能性が高い。もっともわたしは、現地を取材していないので、推論でしかないが、まったく別の見方もあることを紹介しておこう。
◆◆
ベネズエラにTeleSurという放送局がある。TeleSurというのは日本語に訳すと「南テレビ」という意味である。つまり南アメリカ放送というニュアンスである。ラテンアメリカで最も有名なメディアのひとつである。左派色が強い。
このTeleSurが2年ほど前に、ニカラグアのFSLN(サンディニスタ民族解放戦線)政権に対する学生たちの反政府運動を取り上げた。この運動がエスカレートして、現在、ニカラグアは混乱に陥っているだ。『週刊金曜日』は、FSLNのオルテガ大統領が独裁者であるとまで書いている。【続きはウェブマガジン・全文公開】

千葉県内の元販売店主が起こした「押し紙」裁判(東京地裁)が9月8日に結審する。この裁判は、既報したように本人尋問と証人尋問が終わった後、裁判所が産経新聞に対して和解を勧告していたが決裂。そのまま結審の予定になっていたが、コロナウィールスの感染拡大で裁判所が閉鎖され、日程も未定になっていた。
6か月の空白があり、その間に3人の裁判官のうち2人が異動になった。
原告の元・店主は、産経新聞のほかに毎日新聞と東京新聞も配達していた。毎日新聞については既に損害賠償(結審直前の和解で、推定3500万円)を勝ち取っていた。産経新聞に対する裁判提起は、毎日新聞の和解勝訴を受けて行われたのである。
毎日新聞に関していえば、わたしが取材した東京地裁と大阪地裁の裁判は、すべて販売店側の和解勝訴で終わっている。
◆◆
「押し紙」裁判は、数年前から和解というかたちであるが、販売店勝訴の流れが出来ているので、販売店はどんどん訴訟を提起するのが得策だ。特に販売店が集団で訴訟を起こしたケースでは、わたしが知る限り、和解というかたちですべて販売店が勝訴している。販売店が「泣き寝入り」する時代は終わっている。
現在の日本新聞協会会長は、読売新聞社の山口 寿一社長である。山口会長は、増え続ける「押し紙」裁判や、深刻になる残紙問題をどう考えているのだろうか。同時代の重要なテーマである。
日本新聞協会に対する責任追及も今後の課題になる。

既報したようにYC門前駅前(読売新聞・販売店)の元店主が、8月7日に、「押し紙」の損害賠償を求める裁判を起こした。読売が店舗の残紙が「押し紙」であるとは認めていないので、本稿では単純に残紙という言葉を採用するが、その割合は、搬入部数の約5割にも達していた。
しかも、読者数が変動していたにもかかわらず、搬入(供給)部数は一定にロックされていた。
裁判では、当然、これらの残紙が「押し紙」なのか、それとも予備紙なのかという点がひとつの争点になると思われるが、ジャーナリズムの観点からいえば、別の問題もある。仮に店舗に残っていた残紙が予備紙だとすれば、読売新聞社は免責されるのだろうか?
と、言うのも残紙はABC部数に反映される制度になっているので、ABC部数と実配部数に乖離があることを知らない広告主が、紙面広告や新聞折込をPR媒体として採用した場合、PR戦略を誤るリスクが高くなるからだ。広告主との関係で、残紙問題を問題をとらえると、公序良俗に違反する問題なのである。
また、このようなABC部数の実態が公になると、広告媒体としての新聞の信用が失墜して、新聞社も販売店もクライアントを失うことになりかねない。いわば過剰な部数を発生させることは自殺行為に等しい。
◆◆
以下、読売新聞における過去の残紙の実例と実態を紹介しておこう。いずれも訴訟になったケースである。裁判所は、残紙が「押し紙」であると認定していないが、大量の新聞が余っていたことは紛れのない事実である。
《YC大牟田明治》(2007年10月ごろ)
搬入部数:約2400部
残紙:920部
《YC大牟田中央》(2007年10月ごろ)
搬入部数:約2520部
残紙:900部
《YC久留米文化センター前》(2007年11月)
搬入部数:2010部
残紙:997部
《YC久留米中央》(1996年の開業時)
搬入部数:2235部
残紙:405部
《YC小笹》(1998年5月の開業時)
搬入部数:2330部
残紙:946部
※半年後に残紙率は10%程度に下がっている。
※YC大牟田明治とYC大牟田中央は途中で訴訟を取り下げ、その後、廃業した。
YC久留米中央は和解した。YC久留米文化センター前とYC小笹は、判決を受けたが敗訴した。裁判所は、これらの販売店における残紙の性質が「押し紙」ではないと判断したのである。
◆◆
比較的新しいデータもある。次に示すのは、YC蟹江(愛知県)の実態である。これも極端に残紙が多い例である。
《YC蟹江》2010年3月の開業時
搬入部数:304部
残紙:128部
搬入された部数の42%が残紙になっていた。ただ、この販売店の店主は、その後、営業努力を重ねて、実配部数を大幅に増やしている。
さらに最新の例として、冒頭で紹介したYC大門駅(広島県)の残紙に言及しよう。2017年1月の部数内訳と、その1年後の2018年1月の部数内訳である。
《YC大門駅》2017年1月
搬入部数:2280部
残紙:1106部
《YC大門駅》2018年1月
搬入部数:2280部
残紙:1066部
◆◆◆
参考までに「押し紙」は存在しない主張してきた読売の論法を紹介しておこう。読売の宮本友丘専務(当時)が、「押し紙」裁判(被告・新潮社、黒薮)の法廷で行った証言(2010年11月16日、東京地裁)である。喜田村洋一・自由人権協会代表理事の質問に答えるかたちで、宮本氏は次のように証言した。
喜田村弁護士:この裁判では、読売新聞の押し紙が全国的に見ると30パーセントから40パーセントあるんだという週刊新潮の記事が問題になっております。この点は陳述書でも書いていただいていることですけれども、大切なことですのでもう1度お尋ねいたしますけれども、読売新聞社にとって不要な新聞を販売店に強要するという意味での押し紙政策があるのかどうか、この点について裁判所にご説明ください。
宮本:読売新聞の販売局、あと読売新聞社として押し紙をしたことは1回もございません。
喜田村弁護士:それは、昔からそういう状況が続いているというふうにお聞きしてよろしいですか。
宮本:はい。
喜田村弁護士:新聞の注文の仕方について改めて確認をさせていただきますけれども、販売店が自分のお店に何部配達してほしいのか、搬入してほしいのかということを読売新聞社に注文するわけですね。
宮本:はい。
◆◆◆◆◆
しかし、真村訴訟の福岡高裁判決は、読売新聞の「押し紙」を認定している。次の判例である。補足として参考文書も紹介しておこう。
■読売の滝鼻広報部長からの抗議文に対する反論、真村訴訟の福岡高裁判決が「押し紙」を認定したと判例解釈した理由
情報提供窓口:048-464-1413

ビニール梱包が解かれていない新聞束を、1日に10包装も20包装も古紙回収業界に回収させる行為が日常的に行われるようになったのは、おそらく1980年代からである。当然、「押し紙」とセットになっている折込広告や自治体の広報紙も廃棄されている。
それにもかかわらず日本新聞協会は、「押し紙」の存在そのものをいまだに否定している。延々と従来の商慣行を放置している。その結果、いまや「押し紙」回収業がひとつの産業として成り立っている。
この社会問題を理解するための最初のステップは、まず、「押し紙」回収の現場を見ることだろう。以下、現場を撮影した2本の動画を紹介する。その異常な実態が即座にわかる。
次の画像は、段ボールに梱包した折込広告を廃棄している場面である。
