
東京地裁は今年2月、スカパーで有名なスペースシャワーネットワーク社(社長は伊藤忠出身の清水英明氏)などが新人ジャズシンガー「Shima」のCDを廃盤にしたあと、著作権を無視して音楽配信ビジネスなどを展開していた、として約50万円の支払いを命じる判決を下した。
Shimaは2011年2月に初のCDを発表したが、約1月後に突如として廃盤に。理由は「契約違反行為があった」「苦情があったから」とされたが、それを裏付ける証拠は裁判所に提出されていない。
一方、スペース社などは、廃盤後もCDをレンタルに出したり、国内外の100を超える配信会社に配信して違法に利益を得ていた疑惑があり、裁判所は違法ダウンロード数を207回と認定したが、デビット・マンなど著名なミュージシャンが参加したこのCDの曲が世界中で207回しかダウンロードされていないのはいかにも不自然だ。音楽著作権が盗まれる事件は続発しており、そのあり方が問われている。廃盤から裁判に至るShimaの日々をレポートした。(判決文はPDFダウンロード可)
【Digest】
◇他人の著作権を無断で
◇日本レコード協会の元会長に対する刑事告訴
◇ジャズ発祥の地
◇「廃盤にすることが唯一の手段」
◇成城署に刑事告訴
◇灰色の日々
ひとりの女性ジャズシンガーが法廷に立っている。芸名はShima。優れた歌唱力を持ちながら、不条理の渦に翻弄され、ステージから消えた。【続きはMyNewsJapan】
日本のマスコミが隠してきた2つの「偽装」。それは、新聞部数の「偽装」とテレビ視聴率の「偽装」である。新聞部数の「偽装」については、メディア黒書で指摘してきた「押し紙」問題、つまり新聞の公称部数をかさ上げして、紙面広告の媒体価値をつり上げる手口である。広告代理店が紙面広告の営業で悪用する。
一方、テレビ視聴率の「偽装」は、CMが組み込まれてる番組の視聴率を「偽装」することにより、広告代理店がクライアントに対して、優位にCM営業を展開するための「道具」として悪用される。もちろん、この手口は、CMだけではなく、通販番組などの営業でも使われる。
テレビ視聴率の「偽装」問題は、2003年に起きた日本テレビのケースなど過去にも表面化したことはあるが、その後の実態はベールに包まれてきた。
このほどメディア黒書は、博報堂と広告料金をめぐる係争を取材する中で、この問題を考える上の格好の資料となる詳しいデータを入手した。
まず、その資料をエクセル化したものを紹介しよう。
まず、一覧表の一部を示そう。
この表の基礎資料となったのは、博報堂の担当員・清原(仮名)氏がアスカコーポレーションに提示した番組提案書と、アスカ社がその後、独自に入手したビデオリサーチ社の視聴率データである。各番組ごとに上段が博報堂・清原氏が提示した視聴率(黒文字)で、下段がアスカコーポレーションがビデオリサーチ社から入手した視聴率(赤文字)である。
次に一覧上部のバーの部分にある「M1、M2、M3、F1、F2、F3」について説明しよう。これは性別・年代別の視聴率である。次のように分類される。
M1=男性20~34歳、M2=男性35~49歳、M3=男性50歳以上
F1=女性20~34歳、F2=女性35~49歳、F3=女性50歳以上
アスカコーポレーションは化粧品を主力商品とする通販会社なので、CMや通販番組のターゲット層はF1とF2あたりになる。F1層とF2層の視聴率が偽装されていないかどうかが、ひとつの注目点となる。
ちなみに黄色の箇所は、視聴率が高く偽装されていることを示し、紫の部分は
逆に低く偽装されていることを示している。博報堂、あるいは清原氏が個人的に低く偽装した理由については、本人に質問しなくては分からない。ただ、数値そのものは番組提案書からの転載なので否定のしようがない。
なお、清原氏が提示した番組提案書の中には、ビデオリサーチのデータよりも低く「偽装」されている箇所(紫)もある。これも紛れのない事実である。
◇2つの視聴率データ
念を押すまでもないが、データを提示する際には、その出典を明確にするのが常識である。清原氏が提示した番組提案書には、データの出典であるビデオリサーチ社の名前を記したものも一部あるが、少なくともここで紹介した数値に関してはいずれも出典が明記されていない。
通常、番組提案書には、資料の根拠を明記する。事実、電通など他社の番組提案書には、視聴率の出典としてビデオリサーチ社の社名が記されている。
清原氏が提案した番組提案書だけに限り、出典が記されていないものがあるのだ。しかし、清原氏がビデオリサーチ社のデータを把握していたことは、次の2点で論証できる。
①ビデオリサーチ社のデータと清原氏が提示したデータが、正確に一致している箇所もかなり見受けられる事実。F1~M3までの全数値を、ビデオリサーチ社のデータとは異なるものに変更したのではなく、一部については、そのままビデオリサーチ社の視聴率を使っているのだ。
②今回、視聴率の偽装が疑われている番組が放送された期間、視聴率の調査をしていた機関はビデオリサーチ社を除いて他にはなかった事実。
◇0.1%の偽装の意味
視聴率が及ぼす影響を読み解く場合、たとえば「0.1%」の偽装をどう評価するのかという問題がある。数値そのものは、極めて小さいように見えるが、広告関係者はそのような見方をしない。
1000万人がテレビを視聴している場合、その0.1%は1万人である。従って1%のかさ上げで、10万人。ほんの些細な数値の水増しでも、クライアントが番組提案書を承認するかどうかに決定的な影響を与える。
◇テレビ局も広告代理店と一体化
視聴率のかさ上げによって利益を得るのは、広告代理店だけではない。視聴率が上がればCMや番組の放映料が高く設定できるわけだから、放送局の収益も増える原理になる。それはちょうど、新聞人が新聞の公称部数を偽装して、広告料金を荒稼ぎしている手口によく似ている。
◇BPO (放送倫理・番組向上機構)
筆者は、BPO (放送倫理・番組向上機構)に今回の視聴率の偽装問題についての見解を問うたが、見解は聞けなかった。BPOは、番組の内容を検証する機関なので、視聴率に関しては見解も述べなければ、調査もしないとのことだった。
しかし、BPOは、2003年12月に日本テレビが起こした視聴率偽装事件で、次のような見解を出している。
日本テレビで起きた視聴率操作事件は、放送の自律と放送文化の質の向上を目指す「放送倫理・番組向上機構」[BPO]にとっても、重大な問題を提起した。テレビ局のプロデューサーが担当番組の視聴率を上げるために、制作費を使って視聴率調査対象者に金品を贈るようなことは、放送・広告関係者だけでなく、視聴者や社会を欺く背信行為と言わなければならない。
メディア黒書は、反論を歓迎する。反論があれば、掲載することもお約束したい。
5月4日に防衛省に対して請求した情報公開請求を一旦、取り消した。請求内容は、次のようなものだった。
自衛隊のPR活動・隊員募集に支出した金額の明細と支出先。
これに対して防衛省の担当者から電話で、もう少し具体的な指示を出してほしいとの要請があった。そこで話し合った結果、次のように変更した。
陸・海・各自衛隊が行っているPR活動・隊員募集に支出した全額の明細と支出先。(公共広告・イベント等の広告代理店が行っているもの。最新の一年分。)
陸・・・・283
海・・・・284
空・・・・285
上記の内容で合意したが、その後、再び防衛省の担当者から電話連絡があった。文書の数が膨大になるので、印紙代もバカにならないと暗に情報開示の自粛を求めてきた。費用は問題ないが、開示までどの程度の日数を要するのかを尋ねたところ、
「2年ぐらいはかかります」
と、言った。公務員の仕事がのろのろしていて、民間企業が1日で出来る仕事に1月ぐらいを要することは周知していたので、
「それで結構です。2、3年かけて開示してください」
と、答えた。それでも開示に消極的なので、何が問題なのかをずばり質問すると、資料が膨大なので、大変な作業になるのだという。
「ですから2年から3年でやってください」
それでも大変だと繰り返すので、作業が簡素化できるように次の提案をした。
「電通と博報堂から防衛庁が受け取った全請求書ということにしましょう。これなら簡単でしょう」
「陸、海、空をあわせると膨大になりますよ。それに各駐屯地に送付されたものもありますし」
「大丈夫です。問題ありません。2年ぐらいで開示してください。2年で大丈夫ですか?」
「はい、1年ぐらいで大丈夫だと思います」
わたしは情報公開の請求書を一旦取り下げて、改めて新しい請求内容で請求することにした。内容は、既に述べたように、防衛省が電通と博報堂から受け取った全請求書の開示を求めるものである。
さらに防衛省だけではなく、他の省庁、岩手県など大手広告代理店が不祥事を起こしたことがある地方自治体に対しても電通と博報堂の請求書の開示を求めていく。
2016年06月29日 (水曜日)

このところ電話会社による携帯電話基地局の設置をめぐるトラブルが多発している。6月25日、東京中野区2丁目にあるマンション、「ライオンズシティ中野ファースト」の屋上に、KDDIが基地局を設置する計画を承認する決定を、同マンションの理事会が下した。これに対して、近隣の住民らから激しい怒りの声があがっている。
反対派の住民らは、基地局設置に反対する「2丁目の環境を守る会」を結成。250名の署名を集めて、KDDIに対しても交渉を申し入れていたが、「ライオンズシティ中野ファースト」の理事会の決定により、基地局の設置が決まった。
KDDIは昨年から今年にかけて、東京豊島区でも住民とのトラブルに巻き込まれた。豊島区のケースでは、基地局が設置された後、近隣住民が鼻血や不眠などの健康被害を訴えるようになり、撤去を求める声があがった。結局、KDDIと住民は基地局を別の場所に移すことで合意した。
しかし、たとえ基地局を移転させても、今度は移転先の住民が携帯基地局のマイクロ波に24時間被曝するので、根本的な解決にはならない。最悪の場合は、住民の間に対立を招く事態にもなりかねない。
幸か不幸か、中野区のケースはまだ計画の段階だ。反対派の住民たちは、今後、弁護士の支援を得ながらKDDIと「ライオンズシティ中野ファースト」の理事会と交渉を進めていく方針だという。訴訟になる可能性もある。
◇携帯電話のマイクロ波とガンの関係
携帯電話の通信に使われるマイクロ波が人体に及ぼす影響は、研究が進むにつれて徐々に明らかになってきた。
つい最近も米国政府が取り組んでいるNTP(National Toxicology Program、毒物研究事業)で、携帯電話のマイクロ波にラットを被曝させたところ、オスのみに腫瘍が発生することが判明した。
■携帯電話のマイクロ波とラットの発癌に正の相関が見つかる、米国政府のNTPが実験結果を公表
2011年5月には、WHOの外郭団体である世界ガン研究機構がマイクロ波に発ガン性の可能性があることを認定した。
マイクロ波を含む電磁波による人体影響が問題になりはじめたのは、1980年代に入ってからである。小児白血病と低周波電磁波の因果関係が、疫学的に立証されたのを皮切りに、調査や研究が進んで、現在ではガンマ線やX線はいうまでもなく、全ての電磁波(広義の放射線)が人体に悪影響を及ぼすとする説が有力になっている。
◇電磁波とはなにか?
そもそも電磁波とは何だろうか。最低限必要な範囲で、電磁波の正体を説明しておこう。
電磁波の「電」とは電気のことである。その電気が空間に放たれたものが電波である。しかし、電気や電波には、その影響が及ぶ領域がある。炎に手を近づけていくと、熱を感じる領域があるように、電気や電波にも、影響が及ぶ範囲がある。この領域を「電場」という。
電波は、われわれの生活に利便性をもたらした。携帯電話やスマホはその典型と言えよう。通信の革命と言っても過言ではない。が、その背景にある負の側面、あるいは「闇」の部分は、マスコミによってすっかり隠されている。
マスコミの大口広告主である電気・通信業界の権益がからんでいるからである。
電波による交信で絶対に欠くことができないものがある。それはアンテナである。電波は
アンテナから発せられ、アンテナで受け止められる。それゆえに携帯電話の普及には、携帯基地局の設置が絶対的に必要になるのだが、この基地局が住民と電話会社のトラブルのもとになっているのだ。
次に電磁波の「磁」について考えてみよう。「磁」は何を意味するのだろうか。「磁」とは磁気、あるいは磁場を意味する。磁石が鉄を引き寄せることは周知であるが、その際に働く吸引力が「磁気」で、磁気が及ぶ範囲のことを「磁場」という。
電流が流れると、その周りには「電(場)」と「磁(場)」が発生する。電磁波とは、電気によって生じる「電場」と「磁場」を伴った波のことである。電波の形状と性質をより厳密に描写した言葉ということになる。
ちなみに単純に電磁波=電波と理解しても許容範囲である。枝葉末節にこだわりすぎて、物事を複雑に解釈すると、かえって電磁波問題を理解する妨げになりかねない。
電磁波問題とは、人体が電磁波(電波)を被曝し続けたときに生じる被害を公害の観点か
ら指摘することである。広義に捉えれば、電磁波による人体影響だけではなく、生態系への影響も電磁波問題の範疇に入る。
電磁波問題の検証作業には1年、2年、あるいは5年、20年という長い歳月を要する。短期間の電磁波被曝では影響が現れなくても、長期にわたる被曝により影響が現れる場合もあるからだ。携帯電話の普及が始まったのち、長い歳月を経て、ようやく基地局の危険性が指摘されるようになったのも、安全性の検証には、長期の被曝による人体影響を調べる必要があったからである。
電磁波はエネルギーが低いものでは、家電機器などから漏れる「低周波電磁波」がある。また高いものでは、レントゲンのエックス線や原発のガンマ線など、さまざまな種類がある。従来は、ガンマ線やエックス線などエネルギーが高いものについては、遺伝子に対する毒性があると考えられてきたが、既に述べたように、最近では全ての電磁波に毒性があるという見解が主流になってきた。
このあたりの事情について、電磁波研究の第一人者である荻野晃也氏は、『携帯電話基地局の真実』の中で次のように述べている。
これらの電磁波のうちで、原爆の被爆者・被曝者などの研究から、「電離放射線(黒薮注:電離放射線とは、ガンマ線やX線を指す。詳しくは後述する。)が特に発癌の危険性が高い」と思われてきたのです。ところが、最近の研究の進展で「電磁波全体が危険な可能性」があり、「共通した遺伝的毒性を示す」と考えられるようになってきたのが、現在の「電磁波問題」の本質だといってよいでしょう。
また、北里大学の名誉教授・宮田幹夫氏らがまとめた『生体と電磁波』にも、次のような記述がある。
エックス線もガンマ線も電磁波である。人工の電磁波に比べてエネルギーが非常に大きいため、物質への浸透性が強く、生体へのダメージも非常に大きい。しかし、極低周波から超高周波まで、人工電磁波も生体へのダメージは大きく、身近にある場合は障害を生じる。放射線と電磁波はメカニズムが異なるが、同じように体内にフリーラジカルを生産し、DNAを破損してがんの原因を作る点では、同じような環境汚染源としてみることができる。
広島と長崎に投下された原爆の影響で、癌や白血病が増えたこともあって、かねてからガンマ線と癌の関係は定説となってきたが、実はマイクロ波など他の種類の電磁波でも、遺伝子に対する見解が変化してきたのである。
◇電磁波の分類
既に述べたように電磁波には、ガンマ線、X線、マイクロ波など様々な種類があるが、これらは何を基準に分類されているのだろうか。結論を先に言えば、それは電波の波打ちの頻度である。1秒間に打つ波の頻度、つまり周波数の違いにより、電磁波は分類され、ヘルツという単位で分類される。
波打ちの頻度が多ければ多いほど、周波数が高いことになる。少なければ少ないほど周波数が低いことになる。
たとえば電力会社が供給する電気の周波数は、東日本で50ヘルツ(一秒に50回)、西日本では60ヘルツ(一秒に60回)である。一方、携帯電話(第3世代)の周波数は、2000MHz(メガヘルツ)である。これは一秒間に20億回の波打ちが発生することを意味している。この領域の電磁波は、マイクロ波という呼び方で分類されている。
さらにガンマ線の周波数は、「10の19乗」から「23乗ヘルツ」にもなる。
従来から、ガンマ線やX線など極めて周波数の高い電磁波は、電離放射線と呼ばれている。「エネルギーが高く、分子や原子を構成する電子を『バラバラに離してしまう(「電離」といいます)』」(荻野晃也著、『携帯電話基地局の真実』)電離作用を伴うからだ。それが遺伝子を傷つけたりする。
これに対して、赤外線、マイクロ波、低周波電磁波など、ガンマ線やX線に比べるとはるかにエネルギーが低い電磁波は、電離作用を伴わないので非電離放射線と呼ばれる。
現在、電離放射線に遺伝子に対する毒性があることを否定する研究者はいない。それはすでに定説となっている。
これに対してマイクロ波など非電離放射線の毒性については論争がある。既に述べたように、すべての種類の電磁波が人体に悪影響を及ぼすという考えが有力になってきたものの、現在の時点では論争に決着が着いているわけではない。
従って「予防原則」に基づいて、危険性を想定した対策を取っておかなければ、後に、取り返しがつかない悲劇を生む可能性がある。
次に示すのが電磁波の分類図である。
携帯電話に使われているのは、マイクロ波と呼ばれる領域の電磁波である。たとえば広く普及している第3世代携帯電話の周波数は、2000メガヘルツである。これは1秒間に20億回の周波が観測されることを意味する。電子レンジは、約25億回。とてつもない波の動きが熱エネルギーを発生させる。
こうした高周波の電磁波を携帯電話の受話器から直接に、あるいは携帯基地局の周辺で長期に渡って浴び続けたとき、人体影響が生じるリスクがないのかを考えるのが、俗にいう携帯電話の電磁波問題である。従って、パナウエーブ(白装束集団)の考えとはまったく性格が異なる科学である。
当然、長期にわたる科学的な観測が不可欠になる。たとえば10歳でスマホを使い始めた子供が、30歳になったとき、あるいは40歳に、さらには老齢に達したとき、電磁波被曝による負の影響を受けていないか、というような長期の問題なのだ。
◇安全基準
長期にわたる被曝を前提としているのか、電磁波問題に敏感な欧米では、地方自治体が独自に電磁波強度の基準を設定している。そのうちのいくつかを、日本の総務省が定めている基準値と比較してみよう。対象は1800メガヘルツ以上の基地局である。5Gの対象になる。
日本:1000μW/cm2
イタリア:10μW/cm2
スイス:9・5μW/cm2
欧州評議会:0.1μW/cm2(勧告値)
ザルツブルグ市:0.0001W/cm2(室内目標値、現在は廃止)
この数値を見ただけで、総務省がいかに電話会社のビジネスに貢献しているかが明らかになる。数値の大きな差異から異常な実態と言っても過言ではない。ちなみにザルツブルグ市の値でも、通信は可能だ。
◇携帯電話基地局の周辺で奇形
携帯電話の基地局が設置された後、直近の場所に次々と奇形植物が出現したという報告が複数ある。
そのうち筆者が直接取材した長野県木曽町で撮影した写真(奇形のヒマワリ=地元住民が撮影。奇形のナスビ=黒薮が撮影)ものを紹介しよう。
電柱の上に基地局を設置した後、設置場所の畑や近くの民家の庭で奇形植物が表れた。同じ現象が毎年続き、基地局が撤去された後、出現しなくなったので、原因が基地局のマイクロ波だった可能性が高い。
【参考資料】
■講演要旨(馬奈木昭雄弁護士)『人体実験を許すな。~携帯電磁波の危険性~』
■『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 』(黒薮哲哉、花伝社)
2016年06月28日 (火曜日)
新聞販売店の元店主から、新聞チラシの「折り込め詐欺」の実態を話してもらった。2000年代の初頭の話である。
※動画:折込広告の回収の光景。段ボール箱の中身が折込広告
・・・・販売店の経営は、今も昔も、ほとんど折込広告の収入で成り立ってきました。折込広告の需要が多かった時代は、販売店はよく儲かる商売で、熱海のフジヤホテルの別館を借り切って○○会(同系統の販売店主で組織した会)の総会を開いていました。A社の新年会は、帝国ホテルで開いていました。ヨットを持っている店主もいましたよ。
・・・・店主として独立させてもらい、ビルを建てるのが、新聞販売店で働く者の夢でした。決して悪い商売ではありませんでした。
質問:「押し紙」の実態は?
・・・・本社(新聞社)が一方的に過剰な新聞を押し付けてきたことは事実ですが、それで必ずしも販売店が被害を受けるということではありません。たとえば新聞1部の原価が月額2000円としますね。これに対して1部の新聞から月額2600円の広告収入が発生するとします。この場合、「押し紙」の仕入れ代金を差し引いてもまた600円が手元に残るわけです。それに搬入される新聞の総部数に対して補助金がもらえますから、「押し紙」があれば、あるほど商売が繁盛するような仕組みがあったのです。
ただ、折込広告が少ない地域では、「押し紙」が販売店の負担になっていたはずです。
質問:本社(新聞社)は、販売店で新聞が過剰になっていることを知っているのですか。
・・・・もちろん知っているはずです。表向きは、たとえば1梱包分の新聞が販売店に残れば店主を首にするなどと言ってきますが、担当員が販売店を回っている上に、配達員の人数を把握しているわけですから、よほどのバカでない限り、実配部数を把握していないはずがありません。「押し紙」回収業が産業として成り立っていますしね。
質問:「押し紙」があれば、それに伴い折込広告が水増し状態になりますが、余った多量の折込広告を捨てることに罪悪感はありますか?
・・・・折込広告がなければ、販売店の経営が成り立ちませんから、これは必要悪ですね。本社がそういうビジネスモデルを導入しているわけですから、これだけはどうすることも出来ません。しかし、こうした制度はおかしいと言っている販売店主も数多くいます。しかし、「押し紙」を断ると、新聞社は嫌がらせをしてきます。典型的なやり方は、折込広告の割り当て枚数を、新聞の実売部数よりも減らすことです。補助金も減らします。そして最終的に自主廃業へ追い込んでしまうのです。その手口は、悪質です。
・・・・規模の大きな販売店は、株式会社化して何店舗も持っています。わたしが知っている販売店で1日に3万部の新聞を仕入れている店がありました。3万部のうち1万部は「押し紙」でした。ですから、廃棄する「押し紙」と折込広告の量はものすごかったです。折込広告の収入が、1日に250万円とか300万円のレベルになります。しかし、その一部は広告主からだまし取っているわけです。
・・・・以前、回収した折込広告の束が、トラックから落ちて、中身がパチンコ店の折込広告であることが分かって、問題になったこともあります。
質問:解決策は?
・・・・新聞の販売収入と補助金だけで、販売店を経営できる体制を作ることです。今、これをやらなければ、日本の新聞社は崩壊すると思います。そこまで危機的な状態にあります。

博報堂VSアスカコーポレーションの係争は、CMの「間引き疑惑」にも発展しそうだ。
CMコードは、テレビでスポットCM(コマーシャル)が放送されたことを示す証明書である。CMコードのない放送確認書は原則として無効。
メディア黒書が入手したCMコードがない放送確認書の枚数を放送局別に分類したところ、(株)スーパーネットワークのものが38枚あることが分かった。1枚の放送確認書には、放送対象となったスポットCMについてのデータが、月ぎめで、放送された順番にプリントアウトされている。従って放送確認書の枚数がCMの本数ではない。
それを念頭にCM本数を調べたところ、「間引き疑惑」がかかっているCMの本数は、スーパーネットワークだけで934本にもなる。この数字を分析したところ、新たな検証点が浮上してきた。
まず、最初に934本の月別の内訳を示そう。

この一覧表の「赤→」と「青→」の部分に注目してほしい。「赤→」は、2013年12月のデータでCM本数は33本。この時期までは、多い月でも50本程度である。
その後、2014年1月から8月までの8カ月間は、CMは放送されていない。
この間の放送確認書が紛失している可能性も若干あるが、当時、アスカは経営が悪化したことや、CMのPR効果が著しく低下したこともあり、テレビを使ったPR作戦を取りやめる方向性を打ち出していたので、放送確認書が発行されていない公算の方が高い。
実際、全体的にみても、2014年はCM本数が減っている。
ところが不思議なことに、「青→」の部分が示すように、2014年9月、突如としてCMが100本放送されたことになっている。驚愕させる数字である。しかも、その前8カ月の間は0本である。
◇CMコード=放送証明
改めていうまでなく、2014年9月のCM100本には、CMコードが印字されていない。「間引き疑惑」がかかるゆえんである。
もともとテレビ業界がCMコードを採用するようになった背景には、静岡第一放送などでCM間引き事件が発覚(1999年)したことなどがある。これを防止するために、CMが放映されると自動的にCMコードが刻印されるシステムが開発されたのである。
従ってCMコードがないものは、放送されていないと解釈するのが原則である。とはいえ例外は常にあるので、それを覆すためには、説明が必要だ。
しかし、CMを仲介し請求書を発行した肝心の博報堂は取材を拒否している。係争を理由に説明責任を回避している。
◇博報堂が株式の50%を所有-(株)スーパーネットワーク
そこでメディア黒書は、調査の新段階として、CMコードがない放送確認書を作成した(株)スーパーネットワークについて調査を始めた。その結果、この会社の株式を博報堂が50%所有していることが、博報堂の有価証券報告書で分かった。また、役員の兼任も確認された。
つまりCMの仲介をした博報堂が、実質的に運営にかかわっている(株)スーパーネットワークに対して、2014年9月、100本の疑惑CMを割り当てたともいえる。この100本が、本当に放送されたのか否かが今後の検証点のひとつになる。
【参考記事】
朝日新聞:「岩手県施設、指定管理者(博報堂)が入館者数を水増しバイト使い」
産経新聞:津波記録誌で「怠慢」編集 岩手県大槌町、東北博報堂との契約解除
2016年06月24日 (金曜日)

参議院新潟選挙区から野党統一候補として立候補している森裕子氏の政治資金収支報告書を精査したところ、森氏がマネーロンダリングを続けてきた疑惑があることが分かった。
有権者が政党支部に寄付を行った場合、税制上の優遇措置を受けることができる。税制上の優遇措置とは、還付金(寄付金の30%をバックしてもらうこと)を受けることである。
たとえば有権者のAさんが1000万円を、特定の政党支部に寄付したと仮定する。この場合、税還付の手続きを経ると、1000万円の30%にあたる300万円をバックしてもらえる。
※このような仕組みを租税優遇措置という。租税特別措置法41条の18。
ところがこの特別措置には、例外がある。寄付行為によって、寄付した者に「特別の利益が及ぶ」と認められる者は、還付金を受けることができない。
つまり政治家がみずからの支部に自分で寄付金を振り込んだ場合、「寄付者」であり、同時に政党支部の支部長である自分自身に、「特別の利益が及ぶ」ので、還付金を受ける資格を失う。
これが租税優遇措置が例外的に適応されないケースである。対象となるのは、おもに政治家だ。
かりに例外が適応されなければ、次のような不合理が生じる。たとえば政治家Aが自分の政党支部に対して、みずから1000万円を寄付したと仮定する。この場合、例外が適応されなければ、政治家Aは1000万円の手持ち資金を「投資」して、還付金300万円を得られる。手持ち資金は1300万円となる。これではマネーロンダリングになるから、租税優遇措置の例外があるのだ。
◇「今後は議員が直接、資金管理団体に寄付する」
読売新聞(2013年4月23日付け、電子)の報道によると森裕子氏は、2009年から2011年の3年間で総計2190万円を自分の政党支部(民主党新潟県参議院選挙区第1総支部)に寄付して還付金を受けた。
2190万円の30%は657万円。この金額が森氏に還付されたことになる。参考までに読売の記事を引用しておこう。
政治家が政党支部と資金管理団体を使い寄付金を還流させ、所得税の還付を受ける「迂回うかい寄付」問題で、生活の党代表代行の森裕子参院議員(57)(新潟選挙区)が、2009~11年に代表を務めていた「民主党新潟県参議院選挙区第1総支部」に計2190万円を寄付し、所得税還付を受けていたことがわかった。
政治資金収支報告書によると、同支部は09~10年、森氏の資金管理団体に計210万円を寄付していた。森氏の事務所は意図的な行為ではないとし、「今後は議員が直接、資金管理団体に寄付する」としている。
◇2013年度もみずから600万円を寄付
森事務所は読売に対して、「今後は議員が直接、資金管理団体に寄付する」とコメントしているので、念のために、その後の森氏の政治資金収支報告書を調べてみた。結果は、次のPDFの通りである。
森氏は、生活の党新潟県参議院選挙区第一総支部へ600万円寄付している。
森氏が還付金を受ける手続きをしたという確証はないが、少なくとも森事務所が読売に対して出したコメント、「今後は議員が直接、資金管理団体に寄付する」という約束は守っていない。政治資金を透明にする努力はしていない。
従来と同じようにみずからの政党支部に、自分で寄付金を振り込んでいたのである。
ちなみに森氏は、2013年に一市民に対する高額訴訟を提起して敗訴している。言論封じ目的の裁判との評価もあり、政治家としての資質が問題になっていた。

ほとんど無報酬の集金業務、弁当代のピンハネ、給料未払いでも支払いに応じない――そんな毎日新聞奨学生のブラックな労働実態を実際の体験者が告発した、2008年5月掲載のスクープ記事。8年たった2016年6月10日、「毎日育英会」(上田繁理事長=毎日新聞グループホールディングス専務)が突然、「事実と全く異なる」と主張し始め、記事の削除を要求する通告書を送付してきた。削除を行わない場合は然るべき法的措置を講じるという。
過酷な労働環境などの影響から奨学生の数が激減したため、募集の妨げになる報道記事を消そうと企んだとみられる。新聞社が、自社媒体で反論できないまま、自らに都合の悪い記事の削除要求を通告するなど、言論・報道機関として自殺行為だ。
検証したところ、当時の内部告発と証拠資料に基づき綿密な取材を行って記事化したもので、削除どころか修正すべき点も見当たらない。言論封殺を狙う毎日新聞社の恥部、“ブラック育英会”の実態を報告する。
【Digest】
◇恥ずかしい通告書
◇企業でも財団でもない毎日育英会
◇ジャーナリズムへの挑戦状
◇奨学金という名の“人材紹介”
◇15年前の4分の1に激減した学生数
◇記事を再検証①給料の未払い
◇記事を再検証②新聞奨学生の労働長時間化
◇記事を再検証③弁当代のピンハネ
◇「朝刊 発証数の推移」
◇偽装部数は世界一
◇訴権の濫用と言論封じ
「毎日育英会」を名乗る組織よりMyNewsJapanに対して、6月10日付の通告書が内容証明で届いた。2008年5月11日に掲載した記事「新聞奨学生が内部告発 給料未払い、食費ピンハネの実態」の削除を求める内容だ。なんと8年も前の記事について、今ごろになってはじめて文句を言ってきたのだった。【続きはMyNewsJapan】
■参考記事
「ある新聞奨学生の死」(『週刊金曜日』1998年4月10日)PDF
読売新聞の上村過労死事件のルポルタージュ。奨学金に縛り付けられ、重労働を課せられても離職できない。18年前の実態。本当に改善されているのか、今後、検証する。
奨学生の大半は、働きながら勉学に励む真面目な人材だ。「ならずもの」が紛れ込んでいることもある販売店の中では、大きな戦力になる。それゆえに心ない販売店主の下に配属されると、悲劇が待っている。勉学どころではない。
重労働の結果、交通事故も多い。
こうした実態が新聞奨学生の激減を招いている。15年前の4分の1になっている。その結果、現在では、ブローカーを通じて海外から「奨学生」をリクルートして働かせる実態もある。人身売買と表現するのは、誇張になるだろうか?
新聞社の足元でこんな前近代的なことが横行しているのだ。「押し紙」と同じぐらい深刻な問題だ。本来、これも新聞人が光を当てるべき大問題なのだ。

通販のアスカコーポレーション(福岡市)が自社で保管していた放送確認書(CMなどが放送されたことを示す証明書で、放送されたCMについては、CMコードが自動刻印される。)に、最も肝心なCMコードが刻印されていないものが多量に発見されたのに続き、大手広告代理店・博報堂が「代筆」した番組放送確認書も数多く存在することが分かった。
※CM=コマーシャル、厳密にはスポットCM
※番組放送確認書=通販番組などの放送確認書
代筆の番組放送確認書の依頼元とされているのは、朝日放送(大阪)である。次に示すPDFが、代筆 の番組放送確認書である。全22枚を紹介しよう。
◇CMコードが意味するものは?
テレビ画面を通り過ぎていくCMの数はおびただしい。番組の切れ目に、30秒ほどの間隔で、次から次へとベルトコンベヤーのようにCMが流れる。そのCMをカウントする視聴者はだれもいないだろう。
1990年代は、CMの広告主が自社のCMが本当に放送されたかどうかを確認する作業には大きな限界があった。地元の放送局が流すCMであれば、テレビを「ON」にして放送の有無を直接確かめることもできたが、たとえば広告代理店を通じて遠方のローカル放送局にCMの放送を依頼した場合、現地まで社員を派遣してまで、CMをモニターするわけにはいかなった。
それが原因で静岡第一放送局、福岡放送局、山陰放送局などで、CM「間引き」事件が発覚した。
そこで放送関係者が開発したのがCMコードである。CMコードは、CMが放送されると自動的に放送確認書に刻印される。従ってなにか作為的な謀略でも行われない限り、実際にCMコードが刻印されている放送確認書については、一応、CMが放送されたと見なすことができる。
逆にCMコードが不在の場合は、放送されていないことになる。
◇代筆の番組放送確認書
現段階でのもうひとつの検証点は、代筆された番組放送確認書が多数存在する事実である。もちろん「通販番組」であるから、CMコードは刻印されないこともある。それ自体が不正常というわけではない。
しかし、問題はなぜ朝日放送が自社で番組放送確認書を発行せずに、博報堂が「代筆」しているのかという点である。番組放送確認書に記された注意書きによると、「朝日放送は放送確認書が出力されない為」となっているが、放送局に放送確認書を発行するシステムがないというのは、常識的にはおかしい。
筆者は「代筆」について複数の専門家を取材した。情報源は明かさないが、「あきらかに異常」とする見解ばかりだった。
ちなみに博報堂は取材を拒否している。
【おわび】本稿の一部を訂正しました。通販番組にもCMコードが自動的に刻印されるとの誤解に基づいた記述だっために、一部内容が不正確になっていたことを読者と関係者におわびします。
『新聞凋落』というムックが宝島社から出版された。新聞に対する評論に加え、多くのページを割いて、中央紙の発行部数が激減している実態や「押し紙」問題をレポートしている。このようなムックの出版は、新聞というメディアの没落を象徴する現象である。
こうした状況のもと、筆者のもとに新聞販売店か「押し紙」に関する情報が数多く寄せられている。引退した「大物店主」から、内部告発したいとの申し出も受けている。近々にメディア黒書にこの元店主のインタビューを掲載することになるだろう。
一方、新聞社の幹部から筆者に対する抗議も増えている。相変わらず「我が社には、『押し紙』など1部も存在しない。名誉毀損で訴えるぞ」などという昔ながらの常套句を繰り返している。
新聞社に30年も40年も勤務して出版文化の環境にいながら、この程度の人格しか持ち合せていないのだ。現場へ足を運べば、「押し紙」の実態はすぐに分かる。大変な社会問題であることがただちに判明する。新聞人は自分たちの先輩たちが構築した新聞のビジネスモデルを恥じるべきだろう。
筆者に対する抗議文の質は、元新聞記者とは思えないほどレベルが低い。論理の破綻、他人の文章のパクリ、文法の誤り、そして誤字。なかには箸にも棒にも掛からないものもある。本当に取材して書いたのかと疑いたくなる代物もあるのだ。
それでも差出人の肩書きだけは、「部長」、「室長」、「弁護士」など立派なものになっている。いずれインターネットで原文をそのまま公開することになるかも知れない。
◇録音テープが立証する「押し紙」の証拠
筆者の対抗策としては、公取委に「押し紙」関連の資料をすべて提出することである。販売店主らが新聞の搬入部数を減らすように要求している事は、担当員との録音テープを聞けば分かる。録音テープは決定的な「押し紙」政策の証拠である。
それに最近は、「押し紙」の実態を伝える動画も増えている。たとえば次の動画。
「押し紙」回収を撮影したこの動画を見るだけで、「押し紙」が大変な社会問題であることが分かる。
「押し紙」は単に独禁法の新聞特殊指定に抵触しているだけではなく、紙資源の無駄遣いという環境問題でもある。新聞関係者は、大変な過ちを犯して来たのである。

2011年の東日本大震災の直後、通販番組を放映してないにもかかわらず、番組を仲介した広告代理店・博報堂がクライアントから料金を徴収していた事が分かった。大震災の直後からCMが自粛され、放送が中止になったり、AC(公共広告機構)に差し替えられたことは、読者も記憶しているだろう。。「番組(スポットCMを含む)の休止→料金の請求」は、震災のどさくさの中で発生したようだ。
この不正徴収が発覚する引き金となったのが、博報堂が発行した1枚の書面である。アスカコーポレーション(本社・福岡市)に宛てた書面で、「東日本大震災に伴う特別編成による番組休止のご報告」というタイトルになっている。
博報堂はアスカコーポレーションに対して、この書面を送付し、2011年3月15日の「27:42~28:12分」の時間帯に放送予定だった「噂のお買い得セレクション」(朝日放送)の放送を休止したことを伝えた。
ところがアスカコーポレーションへ宛てた3月31日付けの「請求書」では、3月15日の当該番組が請求対象になっている。請求額は100万円。
※「御見積書」となっているが、これは請求書を併用したものである。通常、「御見積書」は、企画の段階で提示するものだが、博報堂は事後に提出して請求書を兼ねていたという。実際、3月放送分の「御見積書」の日付けが3月31日になっている。
不測の事態でスポットCMや番組が放送されたなかった場合、通常は他の時間帯に振り替えられることが多いが、アスカコーポレーションによると、放送されないまま広告代理店から料金だけを徴収されていた例がほかにも多数あるという。
◇CMコードの持つ重要な意味
クライアントはスポットCMや番組が放送されたかどうかを、テレビ局が発行する放送確認書によって確認する。放送確認書にCMコード(CMを流した順番に自動的に作成される)が入っていれば、放送した証明になり、CMコードがなければ、放送されていなことになる。
テレビ業界がCMコードのシステムを導入したのは、過去にスポットCMを間引きする事件が静岡第一放送などで発生したのを受け、それを防止する目的があった。そのためにCMコードの刻印を、人的な操作から切り離し、IT技術に頼った経緯がある。
従って、CMコードが刻印されていない放送確認書が、クライアントに送付されてきたなら、それは当該のスポットCMは放送されていないことを通知していることになる。
「噂のお買い得セレクション」の放送確認書について筆者が取材したところ、不思議なことに、放送確認書が存在しないことが分かった。その理由として、スポットCMを仲介した博報堂は前出の書面、「東日本大震災に伴う特別編成による番組休止のご報告」の中で、次のように説明している。
※朝日放送は放送確認書が出力されない為、局との確認後弊社が代筆し作成しております。
◇放送確認書の代筆
「朝日放送は放送確認書が出力されない」というのだ。にわかに信じがたい話なので、アスカコーポレーションに問い合わせたところ、上記の文言が入った博報堂の書面は、他にも複数あることが分かった。
朝日放送に関しては、震災時の「休止→請求」が発覚した番組の放送確認書だけではなく、博報堂が代筆で作成したスポットCMの放送確認書が複数ある。代筆の理由は、やはり「朝日放送は放送確認書が出力されない為」である。次に示すのがその一例だ。
もちろん、放送確認書には、CMコードは刻印されていない。博報堂は放送局ではないので、現在の放送確認システムの下では、当たり前のことだが、これでは当該のスポットCMが本当に放送されたか否かを確認しようがない。代筆では、放送確認にはなっていないのである。
システム上の不具合が原因でこのような珍事が発生した考えるのもおかしい。と、いうのも2009年2月から2012年8月までの期間、大量の「代筆」放送確認書が発行されているからだ。一時的な不具合は発生しても、放送確認書の発行が困難な時期が3年半も続くことはあり得ない。
「朝日放送は放送確認書が出力されない」とする博報堂の文言そのものが、不自然と言わなければならない。
【参考記事】
岩手県施設、指定管理者(博報堂)が入館者数を水増し バイト使い
博報堂による「過去データ」流用問題、編集の実態、アスカ側は情報誌のページ制作費だけで7億円の過剰請求を主張
昨日(16日)発売された『週刊実話』が「博報堂のテレビCM『巨額水増し請求』を暴く」と題する記事を掲載している。
博報堂と通販のアスカコーポレーション(福岡市)の係争は、メディア黒書でも重点的に報道して来た。博報堂がアスカから請け負っていた通販情報誌に多数のデータ流用(バックナンバーからのパクリ)が発見された事件を皮切りに、昨日付けの記事では、CMコードが刻印されていない放送確認書が多数発見された件などを伝えた。
◇視聴率21.9%で番組制作を提案
『週刊実話』の記事は、新たに視聴率の偽装を報じている。視聴率のデータは通常、ビデオリサーチ社のものを使用する。番組(CM/通販番組)の制作提案書に同社のデータを明示して、「しかじかの視聴率が期待できるので、この時間帯にCMを流しましょう」と提案するのだ。
『週刊実話』は、実際にはあり得ない数字が提示されていたと伝えている。実は、不自然な視聴率の問題に関しては、筆者もアスカから若干の資料を入手している。それによると極端なケースでは、21.9%の視聴率を提示して、番組企画が提案されている。この数字を参考にしても『週刊実話』の記事は、信憑性が高い。
ちなみに『サンデー毎日』(6月14日号)に、主要放送局の視聴率比較表が掲載されている。次の数値である。
博報堂がアスカに提示したとされる視聴率21.9%は不自然だ。参考までにNHKの紅白歌合戦の視聴率を示そう。こちらはさすがに高視聴率だが、それでも40%(2015年度)には満たない。出典は、ビデオリサーチ社。
◇テレビ「視聴率」の偽装と新聞の発行部数の偽装
日本のメディアが隠している2大問題は、テレビ「視聴率」の偽装と新聞の発行部数の偽装である。
博報堂が関与した放送番組の問題は、必然的にテレビ局のあり方に連動するので、テレビ局と系列関係にある新聞社も報じない。逆説的に考えるとなかなかジャーナリズムの光が当たらない領域であるがゆえに、内面が暴露されたときには、とんでもない実態になっているようだ。
【参考記事】博報堂による「過去データ」流用問題、編集の実態、アスカ側は情報誌のページ制作費だけで7億円の過剰請求を主張



