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2012年10月19日 (金曜日)

読売VS七つ森書館の仮処分・保全抗告審 司法の舞台に不公平感 元知財高裁所長が読売側のTMI総合法律事務所へ再就職

読売新聞東京本社が『会長はなぜ自殺したか』(七つ森書館)の著作権を主張して、販売禁止を求めた仮処分の保全抗告審で、知財高裁は15日、七つ森書館の抗告を棄却した。これで東京地裁の決定と異議審に続いて高裁でも読売の主張が認められたことになる。

裁判に圧倒的に強い読売の姿が浮き彫りになった。しかし、裁判の舞台を検証してみると、ある重大な問題が存在している。それは今回の保全抗告審の舞台になった知財高裁の元所長が、読売の代理人を務めている弁護士らが多数所属するTMI総合法律事務所へ顧問として再就職している事実である。

裁判は表向きは中立公正に行われるとはいえ、少なくとも法廷に立たされた当事者にとっては、不公平感を払拭できないのではないか?

TMI総合法律事務所に再就職している元所長とは、塚原朋一弁護士である。同氏は2007年5月に知的財産高等裁判所長に就任して、2010年8月に定年退官している。その後、東京弁護士会に弁護士登録を行い、TMI総合法律事務所に顧問弁護士として再就職し、現在に至っている。

裁判の公平中立な舞台という観点からすれば、元判事が弁護士事務所へ再就職する行為は問題を孕んでいる。合法的な行為であっても、それにより副次的な問題が生じる。かつての職場である裁判所と弁護士事務所の間に人脈が形成される結果、判決にも影響を及ぼしかねない。

ちなみにTMI総合法律事務所には、元最高裁判事も三名再就職している。次の方々である。敬称略。

※今井巧

※泉徳治

※才口千晴

さらに東京地裁の民事8部で進行している読売と清武英利氏の裁判では、民事8部の元判事・高山崇彦氏がTMI総合法律事務所の弁護士として登場し、読売をサポートしている。このようなケースでは、弁護士として訴訟に参加するのを辞退するのが良心ではないか。

◇七つ森書館の主張

七つ森書館は、社長名で次のようなメールを関係者に配信した。

10月15日に、知的財産高等裁判所第2部(塩月秀平裁判長)は、『会長はなぜ自殺したか──金融腐敗=呪縛の検証』に関する東京地裁の出版差止仮処分異議決定に対して当社が申し立てていた保全抗告を棄却するという決定を出しました。

この決定は、読売新聞側の主張を「鵜呑み」にした東京地裁民事40部(東海林保裁判長)の決定および異議決定をなぞっただけという、恐るべき不当なものです。裁判所は、読売新聞側の明白な詭弁を見抜けないのです。

七つ森書館と読売新聞の間でまったく正当に結ばれた出版契約書の効力を否定したばかりか、「職務著作権」の成立範囲を自社著作物以外に拡張し、メディア関わる人びとの表現の自由を著しく侵害するものです。このような「職務著作権」の拡張解釈は憲法違反です。

よって、最高裁判所へ特別抗告します。

2012年10月12日 (金曜日)

東京都の朝日、読売、毎日の販売店数、10余年で平均17%減、渋谷区と荒川区からは毎日店が消えた

東京都内の新聞販売店(専売店)の数が、ここ10年余で平均17%減少していることが分かった。
1999年版の『新聞販売便覧』に掲載されている販売店名簿をもとに、東京23区と多摩地区の系統別の専売店数を割り出し、2011年版の『新聞販売便覧』に基づきた販売店数を比較したところ、専売店の大幅な減数が確認された。

たとえば渋谷区と荒川区の毎日店は、2011年の段階ですべて消えている。

次に示すのは、朝日、読売、毎日の店数の変化である。左の数字は、1999年のデータ。()内は、2011年のデータ。

【朝日新聞】

千代田区:4(4)

中央区:9(6)

港区:11(7)

新宿区:12(9)

文京区:9(7)

台東区:6(4)

墨田区:7(5)

江東区:12(11)

品川区:12(9)

目黒区:13(8)

大田区:25(19)

世田谷区:34(32)

渋谷区:11(8)

中野区:14(8)

杉並区:23(18)

豊島区:9(7)

板橋区:18(12)

練馬区:20(21)

荒川区:7(4)

北区:14(11)

足立区:17(14)

葛飾区:13(11)

江戸川区:20(13)

多摩地区:159(127)

合計:479(375)

【読売新聞】

千代田区:3(3)

中央区:6(5)

港区:7 (5)

新宿区:11(10)

文京区:8(7)

台東区:4(3)

墨田区:11(9)

江東区:14(14)

品川区:13(10)

目黒区:11(7)

大田区:23(22)

世田谷区:24(21)

渋谷区:8(7)

中野区:10(7)

杉並区:17(15)

豊島区:14(10)

板橋区:18(17)

練馬区:24(25)

荒川区:9(9)

北区:11 (10)

足立区:16(16)

葛飾区:17(10)

江戸川区:30(26)

多摩地区:146(144)

合計:455(412)

【毎日新聞】

千代田区:3(3)

中央区:3(4)

港区:9(5)

新宿区:10(9)

文京区:8(7)

台東区:4(3)

墨田区:6(5)

江東区:12(10)

品川区:9(7)

目黒区:6(3)

大田区:23(19)

世田谷区:20(14)

渋谷区:5(0)

中野区:8(6)

杉並区:24(14)

豊島区:4(2)

板橋区:11(10)

練馬区:13(10)

荒川区:7(0)

北区:15(14)

足立区:12(10)

葛飾区:11(5)

江戸川:19(18)

多摩地区:120(105)

合計:362(283)

2012年05月24日 (木曜日)

25日に読売関連の2つの裁判の判決 真村裁判、藤興・喜田村弁護士の裁判

25日に読売に関連した2つの裁判の判決が下される。

まず、第1は13時10分に下される真村訴訟(第2次)の高裁判決。真村訴訟の第1次は、真村氏の完全勝訴だった。2007年12月、最高裁が真村氏の販売店主としての地位を保全した。

ところが、その半年後に読売が真村氏を強制的に解任。真村氏が再び提訴して第2訴訟に入った。仮処分命令は1審からすべて、真村氏の勝訴だった。

しかし、本訴の地裁判決では、読売側が完全勝訴している。

この裁判は、裁判官により判決が大きく異なってきた経緯がある。

もうひとつの判決は、読売の販売政策をサポートしてきた喜田村洋一弁護士が被告になった裁判。藤興については、13時10分に名古屋地裁岡崎支部で判決が下される。

この裁判は、喜田村弁護士の立会のもとで、パチスロ業者・藤興へ1億円の融資(融資契約書には、1億5000万円と虚偽記載)を実施したAさんが起こしたもの。1億円は、最終期限が過ぎて2年を過ぎた現在も、ほとんど返済されていない。裁判でAさんは藤興と喜田村弁護士の責任を問うている。

藤興・喜田村側は、短い答弁書の他には書面を提出しておらず、藤興については5月11日に早々と結審になった。

Aさんは喜田村弁護士に対して弁護士懲戒請求を申し立てており、判決の内容によっては、懲戒請求の採決にも影響しそうだ。

ちなみに喜田村弁護士は、七つ森書館を被告とする裁判でも、読売側の代理人を務めている。【全文公開】

 

2025年11月22日 (土曜日)

新聞社の世論調査は本当に信用できるのか ——収益構造から読み解く支持率報道の裏側

新聞各社が発表する内閣支持率は、政治状況の判断材料として大きな影響力を持つ。しかしその数字は本当に信頼できるのだろうか。高市内閣をめぐっては、批判が強まっているにもかかわらず支持率が上昇するという不可解な傾向が続く。本記事では、世論調査そのものを直接否定するのではなく、新聞社の収益構造──とりわけ「押し紙」による莫大な利益──に着目することで、世論調査の数字が客観的かつ中立なデータとして扱えるのかを検証していく。

日本のメディアが定期的に公表している世論調査に、正確な裏付けはあるのだろうか。10月に新聞各社が公表した高市内閣の支持率は次の通りである。

朝日新聞 68%

産経新聞 75.4%

毎日新聞 65%

日経新聞 74%

読売新聞 71%

共同通信 64.4%

ところがその後、台湾をめぐる発言で国内外から激しい反発を受けたにもかかわらず、支持率は高くなる傾向があるようだ。たとえば11月16日付の毎日新聞は、支持率が69%になったと報じている。国民の約7割は高市内閣を支持しているというのだ。

当然、これらの数字が高市内閣の方向性を支持しているとなれば、強引に日本の右傾化を推し進める根拠になる。世界から批判の的になっている高市首相にとっては、願ってもない数字である。

が、肝心の数字に根拠はあるのだろうか。

この記事では、新聞社の収益構造の観点から数字の信ぴょう性を検証してみよう。数字そのものが信用できないことについては、次の記事を参考にしてほしい。世論動向を推測する目的に最も合致した国政選挙の比例区における各党の得票率と、メディアが公表する数字に整合性がない点を指摘した記事である。

【参考記事】中央紙の年間の「押し紙」収入420億円から850億円──内閣支持率82%? マスコミ世論調査を疑う背景と根拠

◾️新聞社の収益構造から見る信ぴょう性

メディアの性質を解析するときに、最も重要な項目のひとつは、だれがメディア企業を運営するための資金の提供者なのかという点である。資金源が枯渇すると、メディア企業が成り立たなくなるからだ。

「押し紙」と呼ばれる新聞がある。これはごく簡単にいえば、新聞社が新聞販売店に対してノルマとして買い取りを強制する新聞のことである。たとえば3000部を3000人の読者に配達している販売店に4000部の新聞を搬入すれば、1000部が過剰になる。新聞の破損を想定して若干の予備紙を必要とするものの、ほぼ1000部がノルマである。この部数が「押し紙」といわれるものである。

改めて言うまでもなく、販売店は「押し紙」の代金を新聞社に納金しなければならない。

※厳密な定義については別にあるがここでは言及しない。

この「押し紙」により、後述するように新聞社は莫大な利益を上げているのだが、「押し紙」は独禁法で禁止されている。ところがおかしなことに、行政機関も裁判所も「押し紙」を容認している。取り締まりの対象にはなっていない。

◾️「押し紙」の実態と規模

全国にはどの程度の「押し紙」があるのだろうか。「押し紙」の量を裏付けるデータは、これまで度々明らかになっている。たとえば2004年に毎日新聞の内部資料が社外へ流出し、その中で販売店に搬入される新聞の約36%が「押し紙」であることが判明した。

内部資料をもとに試算した「押し紙」による販売収入は、年間で約295億円になる。詳細については、次の記事を参考にされたい。

【参考記事】国策としての「押し紙」問題の放置と黙認、毎日新聞の内部資料「発証数の推移」から不正な販売収入を試算、年間で259億円に

朝日新聞の「押し紙」の実態も明らかになっている。たとえば2014年に同社が実施した調査によると、「押し紙」率は次の通りである。

・「朝刊・夕刊のセット版」:29%

・「朝刊単独版」:25%

これらの数字が判明したのは、やはり内部資料が外部へ流出したことが原因である。

読売新聞や産経新聞の場合は、この種の内部資料が外部へ漏れたことはないが、これまで新聞販売店が繰り返し「押し紙」による損害賠償を求める裁判を起こしてきた関係で、かなり「押し紙」の実態が明らかになっている。

メディア黒書が行った裁判の取材によると、読売新聞と産経新聞の場合は、おおむね3割から4割が「押し紙」である。

◾️中央紙が得ている収入規模

「押し紙」による新聞社の不正な販売収入は、想像以上に巨額である。2025年8月時点で、中央紙(朝日・毎日・読売・産経・日経)の発行部数は約1180万部とされている。

このうち「押し紙」の割合を20%と仮定すると、約236万部になる。新聞1部あたりの卸価格を月額1500円(すべて朝刊単独版と仮定)とすれば、1か月あたりの「押し紙」販売収入は約35億4000万円、年間では約424億8000万円にのぼる。

もし「押し紙」率が40%に達すれば、年間収入は約850億円にもなる。販売店に対して様々な補助金を支出しているとは言え莫大な「純利益」を得ている。

しかも、この試算は控えめな前提条件に基づく。「朝・夕刊」セット版の場合、卸価格が2000円程度に上がるため、収入はさらに増加する。筆者の試算に誇張はないといえる。

◾️「押し紙」が広告収入にも影響

しかし、「押し紙」制度の大罪はこれだけではない。

「押し紙」により新聞の公称部数(ABC部数)は水増しされる。その結果、何が起こるのか? 答えは簡単で、紙面広告の媒体価値が上昇することである。それにより広告収入も増える原理になっている。

逆説的に言えば、新聞社は、ABC部数をかさ上げするために、販売店に対して補助金を支出してまで、「押し紙」を買い取らせているのである。

このような手口は、一種のマネーロンダリングではないか?

もっとも最近は、新聞の公称部数に「押し紙」が含まれていることが公けになってきたこともあって、紙面広告の価格交渉で部数の大小が重視されなくなっている側面はあるが、少なくとも広告価格を設定するときの基礎資料になっていることは議論の余地がない。

◾️公権力機関はなぜ、「押し紙」を取り締まられないのか

既に述べたように、「押し紙」は独禁法に違反しており取り締まりの対象になる。それを立証するための資料の存在も明らかになっている。が、公権力はこの問題だけは絶対に踏み込まない。弱小な地方紙にメスが入ったことはあるが、中央紙の場合は逆に公権力が「押し紙」制度を保護しているのが実態だ。

なぜ、公権力機関は新聞社を保護するのだろうか。

それは「押し紙」の汚点を把握しておけば、それを新聞社との取引材料として使うメディアコントロールが可能になるからだ。世論誘導に利用できるからに他ならない。

メディアコントロールは、経済のアキレス腱を握ることで可能になる。この原理は、実は戦前・戦中から変わっていない。戦前・戦中、政府は新聞用紙の配給制度を逆手にとって新聞をプロパガンダ機関に変質させたのである。今はそれが「押し紙」の黙認に変わっているに過ぎない。

2025年、高市政権の下でも同じ構図が構築されている。新聞社の世論調査が嘘だとする確証はないが、少なくとも新聞社の収益構造を検証する限りでは、信頼できる数字でない。

ちなみに高市首相は、新聞業界から政治献金を受けていた経緯がある。次の記事を参考にされたい。

【参考記事】高市早苗の政治献金とマネーロンダリングに関する全記事

https://www.kokusyo.jp/?s=%E9%AB%98%E5%B8%82

2025年09月17日 (水曜日)

公正取引委員会に対して異議申立て、「押し紙」関連の公文書の大半を不開示に

今年4月21日、筆者は公正取引委員会に対し、「押し紙」問題に関する公文書の公開を求めて情報公開請求を行った。しかし、該当文書の大半が不開示とされた。

そこで筆者は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)に基づき、公正取引委員会の茶谷栄治委員長(冒頭写真)に対して異議を申し立てた。

以下に、異議申立書の全文を掲載する。申し立てに至る経緯については、次の記事で詳しく紹介している。

■公取委が「押し紙」に関する公文書を黒塗り、情報公開請求で新聞協会との談合疑惑が浮上、迷宮の中、新聞特殊指定を骨抜きにした理由

異議申立書

茶谷栄治・公正取引委員長殿

                   埼玉県●●市●●町、号
                          黒薮哲哉

行政不服審査法(平成26年法律第68号)の規定に基づき、公正取引委員会が令和7年6月27日付けで筆者に通知した「行政文書開示決定通知書」の内容に異議を申し立てる。わたしは、平成7年4月21日付けで、公正取引委員会の原一弘・経済取引局取引部長に対して、情報公開請求を行ったが、意図的な情報隠蔽が行われた。請求内容は次の通りである。

「『1998年(平成10年)1月に公正取引委員会が下した(株)北國新聞社に対する「押し紙」の排除勧告の後、1999年(平成11年)8月に公正取引委員会が新聞特殊指定を改訂して、従来の「注文部数」を「注文した部数」に変更(「新聞業における特定の不公正な取引方法」の箇所)するまでの期間に、公取委と新聞公正取引協議会(黒薮注:日本新聞協会)の間で行われた話し合いの全記録。』」

請求の趣旨を端的にいえば、おおむね「1998年(平成10年)1月」から「1999年(平成11年)8月」の期間に、「公取委と新聞公正取引協議会の間で行われた話し合いの全記録」の情報開示である。しかし実際に公正取引委員会が開示した文書は、平成10年3月3日付けの「新聞業の景品規定の見直しについて」と、それに付随するメモ書きの1件にとどまった。

ところが、「1998年(平成10年)1月」から「1999年(平成11年)8月」の期間に「公取委と新聞公正取引協議会の間で行われた話し合い」は、複数回に及んでいることが業界紙各紙で明らかになっている。1998年10月以降に限っていえば、日本新聞協会が発行する『新聞経営』(1999年3月号)にも、両者が話し合いを行った日程が記録されており、この期間だけでも12回行われている。

【該当日程】
•1998年:10月8日、12月1日
•1999年:2月9日、3月5日、3月18日、4月21日、4月28日、5月12日、5月13日、5月17日、5月27日、8月9日

当時、日本新聞協会の「新聞再販と特殊指定に関するプロジェクトチーム」の座長であり、読売新聞社の渡邊恒雄社長の腹心であった滝鼻卓雄氏も、『新聞経営』(日本新聞協会発行、1999年3月号)の中で、両者が複数回にわたり「話し合い」を繰り返した経緯を報告している。

したがって、本件情報公開請求の窓口となった公正取引委員会の原一弘・経済取引局取引部長は、請求内容の主旨に従って全記録を開示すべきである。改めて、法律に基づき職務を誠実に履行するよう求める。

添付資料:『新聞経営』(日本新聞協会)の12ページから25ページ

 

2015年04月03日 (金曜日)

朝日新聞の偽装部数は200万部(28%)、実売は10年で3割減って510万部に――2014年度、社内資料より判明

1年で読売60万部減、朝日44万部減と新聞の刷り部数が急減し、朝日は2014年下期平均で公称710万部にまで減った。だが、このいわゆるABC部数には、読者のもとに配達されず購読料金も発生しない「押し紙(残紙)」も含むため、実売はさらに少ない。 このほどMyNewsJapanが入手した朝日新聞社の内部資料によると、2014年度、販売店に搬入される朝日新聞の28%が購読料収入になっていない偽装部数であることが分かった。

関東地区の朝日販売店主は現場の実情を踏まえ「信憑性が高い」と話し、朝日新聞広報部はこの資料を否定しなかった。 情報提供元によると、この内部資料は「2014年度ASA経営実態調査報告書」で、母集団690万部をカバーするエリアの260店のASAを10年間、サンプル調査したもの。

公称部数を14%減にとどめた過去10年だが、偽装率(押し紙率)を12%→28%に激増させた結果、実部数は加速度をつけて30%も減らし、直近で約510万部と推計されることがわかった。(続きはマイニュースジャパン
                          

 

2012年06月01日 (金曜日)

「法律事務所への司法官僚の天下り次々と浮上」の記事をめぐる「天下り」という言葉について(全文公開「続きをよむ」をクリック)

読売の代理人(黒薮裁判、清武裁判、七つ森書館裁判)を務める弁護士らが所属するTMI総合法律事務所へ「天下り」しているのは次の方々である。

泉徳治   元最高裁判所判事・東京高等裁判所長官

頃安健司  元大阪高等検察庁検事長

三谷紘   元公正取引委員会委員・横浜地方検察庁検事正

相良朋紀  元広島高等裁判所長官

今井功   元最高裁判所判事・東京高等裁判所長官

塚原朋一  元知的財産高等裁判所長

樋渡利秋  元検事総長

才口千晴  元最高裁判所判事

マイニュースジャパンに「法律事務所への司法官僚の天下り次々と浮上」の記事を掲載したところ、読売はわたしが原告になっている対読売裁判の準備書面で次のような的外れな批判を展開してきた。準備書面の作成者は、喜田村洋一弁護士(自由人権協会代表理事)らである。

 「天下り」とは、広辞苑によれば「下の者の意向や都合を考えない、上からの一方的なおしつけ。特に、官庁で退職後の幹部などを民間会社や団体などに受け入れさせること」とされ、この記事で「天下り」という文言を使えば、裁判所が大手の法律事務所に定年や退官を迎えた裁判官の再就職を強要していることになるが、そのような事実はまったくない。

しかし、「天下り」という言葉は広義に使われており、たとえば『大辞林』には、次のような定義も掲載されている。

高級官僚が退職後、勤務官庁と関連の深い民間会社や団体の高い地位につくこと。

言葉の定義は実生活の中で徐々に変化する。読売のように言葉の定義を固定的に捉えるのは、言葉の性質をよく理解していない証である。

現在ではむしろ『大辞林』の定義が一般化している。

ちなみに読売弁護団が主張するように「退官を迎えた裁判官の再就職を強要」することが「天下り」の定義だとすれば、「強要」を立証できない限りは、「天下り」には該当しないことになる。読売は『広辞苑』の定義を持ちだすことで、日本の「天下り」問題に蓋をしよとしている。

それはちょうど「押し紙」の定義を押し売りされた新聞と主張することで、

「押し紙」は1部もないと主張してきた論法に類似している。このような論法が次元の低い揚げ足取りであることは言うまでもない。

ちなみに司法関連の国家公務員が退官後、弁護士として法律事務所へ再就職する行為は全面的に禁止すべきだというのがわたしの考えだ。

2012年05月28日 (月曜日)

真村裁判の福岡高裁判決、真村氏の全面敗訴、木村裁判長の相反する2つの判決文

5月25日に下された真村裁判(第2次)の福岡高裁判決は、言葉を媒体としてひとつひとつの事実を客観的に確認していく判決文のプロセスから程遠い内容になっている。日本の裁判所は、批判の対象になっている検察よりもより根深い問題を内包していると感じた。

真村氏の完全敗訴。判決を下したのは、福岡高裁の木村元昭裁判長である。第1次真村裁判の判決が2007年に最高裁で確定し、真村氏の地位が保全された半年後に、読売が真村氏の地位を奪った行為に対する批判は1行も見られない。それどころか真村氏を強制的に解任した読売の販売政策を全面的に是認している。大メディアに媚びた恥ずかしい判決文としか言いようがない。

実は、木村裁判長は2008年にこの裁判(本訴)と同時に、真村さんが申し立てた地位保全の仮処分命令の異議審(第2審)で、真村さんを完全勝訴させる判決を書いた判事でもある。

すなわち真村事件に関して、これまで2つの判決を下したことになる。既に述べたように、仮処分命令の第2審と25日に判決が下りた本訴の福岡高裁判決である。

わたしが最も驚いたのは、木村氏が書いた2つの判決がまるで別人の筆によるかのように結論が逆になっている点だ。しかも、読売の「押し紙」政策を認定した第1次真村裁判の福岡高裁判決までも否定している。

また、ジャーナリズムに対する敵意をむき出しにしている。訴外者であるわたしのウエブサイトを批判しているのだが、批判の前提としてわたしを裁判所で尋問するプロセスすらも踏んでいない。

幸いに2つの判決は、わたしの手元にあるので、準備が整った段階で、全文をネット公開したい。

まずは2000人ぐらいの方々に2つの判決を読んでいただいた上で、判決についての自分の意見を述べる予定だ。なぜ、わたしがこの判決を厳しく批判するのかは、2つの判決についての共通認識が読者の間に定着したうえで、明らかにしたい。

ちなみに判決は公文書であるから、個人情報に配慮した上で公開が許される。著作権違反にはならない。

裁判官は人を裁く特権を国から与えられている。一般の人は絶対に持ち得ないただならぬ特権である。つまり木村裁判長は自分の判断で、真村氏と彼の家族の人生を大きく左右する特権を持ち、それを行使したのである。当然、国家公務員としての責任も重い。と、なればそれを本格的にジャーナリズムの検証にかけるのは当然だ。

わたしは木村裁判長が国から与えられた特権を行使するにあたり、だった一度でも新聞販売の現場に足を運んで、自分の眼で事実を確認したのか疑いを抱いている。と、いうのも15年間、新聞販売の現場を取材してきたわたしの見解と木村氏の見解が大きく異なっているからだ。数年の情報収集で真実を見極められるほど、物事は甘くはない。まして書類・資料と向き合っているだけでは、事実は見えない。もちろんわたしは木村氏から、情報提供の依頼や取材の申し込みも受けたことはない。

その結果、新聞販売問題に関する中途半端な知識で判決を下したのだ。たとえば裁判所の「押し紙(偽装部数)」についての見解は、新聞経営者の伝統的な論理を真似ているに過ぎない。一般の人々は、偽装部数を指して「押し紙」と呼んでいるのである。これについては、ぜひ、ネット上で論争したいものだ。

「押し紙」つにての見解が誤っているから、「押し紙」回収業が一大産業として成り立つ異常事態に至ったのである。と、すればやはり異常事態という事実から出発して、それを解決する方向で判決を下すべきたった。

【木村裁判官の最近の経歴】

2005年 福岡地方裁判所部総括判事   (真村勝訴の仮処分判決)

2010年2月1日 那覇地方裁判所所長

2011年9月 福岡高等裁判所部総括判事(真村敗訴の福岡高裁判決)