2022年04月04日 (月曜日)

金竜介弁護士らが金銭請求している5億8,000万円に道理はあるのか? 892人を被告とする損害賠償裁判、弁護士大量懲戒請求事件、東京地裁も困惑か?

3月初旬、わたしは2人の弁護士が起こした損害賠償訴訟で、被告にされたAさん(男性)を取材した。この訴訟の背景には、一時期、メディアがクローズアップした一連の弁護士大量懲戒請求事件がある。現在では報道は消えてしまったが、しかし、水面下で事件は形を変えて続いている。

被告・Aさんによると、自らが被告にされた裁判では、被告の人数が892人にもなるという。Aさんは、その中の1人である。

この裁判を起こしたのは、金竜介弁護士(写真:出典=出典=台東協同法律事務所HP)と金哲敏弁護士の2名である。2人の原告の代理人は高橋済弁護士である。訴状は、2021年4月21日に東京地裁で受理された。

請求額は約5億8,000万円である。まもなく提訴から1年になるが、未だに口頭弁論が開かれていない。わたしが3月に東京地裁に問いあわせたところ、担当書記官は、「何もお答えできることはありません」とあいまいな返事をした。Aさんも、自分の答弁書を提出したが、その後、裁判所からの連絡はない。他の被告がどのような対応をしているのかも、知りようがない。

わたしは東京地裁で裁判資料の閲覧を求めたが、これも認められなかった。理由はわからない。

◆大量懲戒請求への道

事件の発端は、インターネット上のサイト「余命三年時事日記」に特定の弁護士に対して懲戒請求を働きかける記事が掲載されたことである。同ウエイブサイトからは懲戒請求のために準備した書式がダウンロードできたという。その書式に自分の住所や名前などを記入して、「まとめ人」に送付すると、集団による大量懲戒請求の段取りが整う。

高橋弁護士が作成した訴状によると、「少なくとも平成29年(2017年)11までに」は懲戒請求を働きかける記事が掲載されていたという。懲戒請求の理由は、次のとおりである。訴状から引用する。

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2022年03月29日 (火曜日)

岡田万祐子検事が作田学・日本禁煙学会理事長を不起訴に ── 横浜副流煙事件、権力構造を維持するための2つのトリック

2022年3月15日、横浜地検の岡田万佑子検事は、日本禁煙学会の作田学理事長を不起訴とする処分を下した。

この事件は、作田理事長が患者を診察することなく、「受動喫煙症」等の病名を付した診断書を交付した行為が、医師法20条に違反し、刑法160条を適用できるかどうかが問われた。

医師法20条は、次のように患者を診察することなく診断書を交付する行為を禁止している。

【引用】「医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方せんを交付し、自ら出産に立ち会わないで出生証明書若しくは死産証書を交付し、又は自ら検案をしないで検案書を交付してはならない。但し、診療中の患者が受診後二十四時間以内に死亡した場合に交付する死亡診断書については、この限りでない。」

一方、刑法160条は、次のように虚偽診断書の「公務所」(この事件では、裁判所)への提出を禁じている。

【引用】「医師が公務所に提出すべき診断書、検案書又は死亡証書に虚偽の記載をしたときは、3年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処する。」

告発人の藤井敦子さんらは、岡田検事が下した不起訴処分(嫌疑不十分)を不服として、検察審査会へ審理を申し立てた。しかし、4月16日で事件が時効になるために、作田医師が起訴されないことがほぼ確実になった。作田医師は、岡田検事による法解釈と時効により、2重に「救済」されることになる。

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2022年03月28日 (月曜日)

完全勝訴のその後は…?思わぬ形で見えてきた日本医師会の「闇」!!横行する「ウソ」!!

ニューソク通信が横浜副流煙事件についての3回目のインタビューを掲載した。インタビュアーはジャーナリスト須田慎一郎さん。出演は、藤井敦子さん、石岡淑道さん、筆者(黒薮)。

今回のインタビューでは、15日付で横浜地検の岡田万祐子検事が下した刑事告発の不起訴処分に言及している。処分決定に際して、岡田検事が厚労省に相談した問題。診断書の中身が患者にリクエストに応じて作成させる傾向がある問題も指摘した。

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2022年03月24日 (木曜日)

「押し紙」が1部もない新聞社、熊本日日新聞社、地区単位の部数増減コントロールは見られず

「押し紙」は、新聞業界が半世紀にわたって隠し続けてきた汚点である。しかし、すべての新聞社が「押し紙」政策を経営の柱に据えてきたわけではない。例外もある。この点を把握しなければ、日本の新聞業界の実態を客観的に把握したことにはならない。

かねてからわたしは、熊本日日新聞は「押し紙」政策を採用していないと聞いてきた。1972年代に「押し紙」政策を廃止して、「自由増減」制度を導入した。「自由増減」とは、新聞販売店が自由に新聞の注文部数を増減することを認める制度である。

社会通念からすれば、これは当たり前の制度だが、大半の新聞社は販売店に対して現在も「自由増減」を認めていない。新聞社が注文部数の増減管理をしている。「メーカー」が「小売店」の注文数量を決めることは、常識ではあり得ないが、新聞業界ではそれがまかり通って来たのである。

熊本日日新聞社が「押し紙」制度を導入していないという話は真実なのか? わたしはそれを検証することにした。

◆マーカーが示す熊日と読売の著しいコントラスト

上に示す表は、熊本市の各自治体(厳密には自治体にある新聞販売店)に熊本日日新聞社が搬入した新聞の部数の変化を、時系列に入力したものである。出典は、日本ABC協会が年2回(4月と10月)に発行する『新聞発行社レポート』に掲載する区・市・郡別のABC部数である。新聞社ごとのABC部数が表示されている。

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2022年03月21日 (月曜日)

横浜地検の岡田万佑子検事が不起訴処分を決める、判断にあたり「厚労省に相談した」、藤井さんらは検察審査会に審査の申し立て

横浜副流煙裁判の元被告・藤井将登さんらが、勝訴を受けておこなった作田学・日本禁煙学会理事長に対する刑事告発で新しい動きがあった。青葉警察署からの書類送検を受けて事件を担当していた横浜地検の岡田万佑子検事が、「嫌疑不十分」として作田医師を不起訴処分にしたのである。

告発人6名(筆者は告発人ではない)は、検察審査会に審査を申し立てることを決め、理由書を作成。21日に郵送した。

◆◆
この事件は、横浜市のすすきの団地に住むミュージシャン・藤井将登さんが自宅の音楽室(防音装置が施され、ほぼ密封状態)で吸っていた煙草の副流煙で「受動喫煙症」などに罹患したとして、同じマンションの斜め上に住む家族3人が、4518万円の金銭を請求したものである。請求の根拠となったのは、作田医師が交付した原告3人の診断書だった。診断書を根拠として高額訴訟を起こしたのだ。

ところが裁判の中で肝心の診断書のうち1通を、作田医師が無診察のまま交付していたことが判明した。また、原告のひとりに25年の喫煙歴があることも判明した。

横浜地裁は、原告3人の訴えを棄却したうえに、作田医師による医師法20条違反(無診察による診断書の交付の禁止)を認定した。また、日本禁煙学会が禁煙運動や裁判などの政策目的に沿った「受動喫煙症」の診断基準を、設定していると認定した。

これを受けて元被告の藤井将登さんを含む6人が、青葉署へ作田医師らを虚偽診断書行使罪で刑事告発した。青葉署は捜査を経て1月下旬に、作田医師を横浜地検へ書類送検した。しかし、岡田検事が、不起訴を決めたのである。ちなみに岡田検事は、作田医師からも告発人からも事情を聴取していない。

◆◆
告発人の6名が検察審査会へ提出する「理由書」によると、岡田検事の決定には次の問題点がある。

1,判例違反
2,診断書の中で作田医師が創作した記述を、岡田検事が軽視していること
3,岡田検事が法律を文字通りに解釈していない問題。

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2022年03月16日 (水曜日)

横浜副流煙事件の元被告夫妻が、日本禁煙学会・作田学理事長らに対して1,000万円の損害賠償裁判を提起、訴権の濫用に対する「戦後処理」

煙草の副流煙で「受動喫煙症」などに罹患したとして、隣人が隣人に対して約4,500万円を請求した横浜副流煙裁判の「戦後処理」が、新しい段階に入った。前訴で被告として法廷に立たされた藤井将登さんが、前訴は訴権の濫用にあたるとして、3月14日、日本禁煙学会の作田学理事長ら4人に対して約1,000万円の支払いを求める損害賠償裁判を起こしたのだ。前訴に対する「反訴」である。

原告には、将登さんのほかに妻の敦子さんも加わった。敦子さんは、前訴の被告ではないが、喫煙者の疑いをかけられた上に4年間にわたり裁判の対応を強いられた。それに対する請求である。請求額は、10,276,240円(将登さんが679万6,240円万円、敦子さんが330万円、その他、金員)。

被告は、作田理事長のほかに、前訴の原告3人(福田家の夫妻と娘、仮名)である。前訴で福田家の代理人を務めた2人の弁護士は、被告には含まれていない。

原告の敦子さんと代理人の古川健三弁護士、それに支援者らは14日の午後、横浜地裁を訪れ、訴状を提出した。「支援する会」の石岡淑道代表は、

「禁煙ファシズムに対するはじめての損害賠償裁判です。同じ過ちが繰り返されないように、司法の場で責任を追及したい」

と、話している。

◆医師法20条違反、無診察による診断書の交付

この事件は、本ウエブサイトでも取り上げてきたが、概要を説明しておこう。2017年11月、横浜市青葉区の団地に住む藤井将登さんは、横浜地裁から1通の訴状を受け取った。訴状の原告は、同じマンションの斜め上に住む福田家の3人だった。福田家が請求してきた項目は、次の2点だった。

(1)4,518万円の損害賠償

(2)自宅での喫煙の禁止

将登さんは喫煙者だったが喫煙量は、自宅で1日に2、3本の煙草を吸う程度だった。ヘビースモーカーではない。

喫煙場所は、防音構造になった「音楽室」で、煙が外部へ漏れる余地はなかった。空気中に混合した煙草は、空気清浄器のフィルターに吸収されていた。たとえ煙が外部へ漏れていても、風向きや福田家との距離・位置関係から考えて、人的被害を与えるようなものではなかった。(下写真参照)

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2022年03月15日 (火曜日)

対「禁煙ファシズム」初の損害賠償裁判 日本禁煙学会・作田医師と“斜め上の家族”に1千万円、訴因は虚偽診断書作成と訴権の濫用 

「禁煙ファシズム」に対する初の損害賠償裁判が3月14日、横浜地裁で提起された。請求額は1027万円で、原告は、副流煙による健康被害の発生源だとして3年間法廷に立たされた藤井夫妻。被告は、発生源との主張を展開した家族3人と、医師だ。夫の藤井将登氏は2017年、同じ集合住宅の斜め上に住む家族から、副流煙で「受動喫煙症」に罹患したとして約4500万円を請求する裁判を起こされ、その訴えは棄却。

判決で、訴因となった診断書の1通が無診察交付(医師法20条違反)と認定され、藤井氏らは、診断書を作成した作田学・日本禁煙学会理事長を虚偽公文書行使の疑いで神奈川県警青葉署へ刑事告発し、青葉署が今年1月、作田医師を横浜地検へ書類送検した。今回の損害賠償訴訟では、医師が診断書を作成する際、市民運動や裁判を目的に診断内容を創作する行為が許されるのかも問われる。(訴状全文ほかダウンロード可)

【Digest】
◇前訴原告に喫煙歴、弁護士の凡ミス
◇ハードルが高い「訴権の濫用」の認定
◇前訴原告の3通の診断書はグレーゾーン
◇無診察による診断書交付は違法
◇虚偽公文書行使で作田医師を書類送検
◇診断書には「客観的事実のみに基づいて記載されるべき」

横浜副流煙事件の元被告・藤井将登さんが、3月14日、横浜地裁に1通の訴状を提出した。訴状には、原告として妻の敦子さんの名前もある。請求額は2人の総計で約1000万円。これは、日本の司法の歴史の中で、「禁煙ファシズム」の責任を問う初めての損害賠償裁判である。同時に訴権の濫用に対する「反訴」でもある。

禁煙ファシズムとは、喫煙の禁止を求めるラジカルな市民運動のことである。米国で特に盛んで、同国では煙草を吸う人を蔑視する世論がすでに形成されている。喫煙の習慣を理由とした就職差別なども報告されている。日本では、日本禁煙学会などが主導して、禁煙運動を展開している。藤井さん夫妻が起こした裁判は、こうした状況の下で起きた「冤罪被害」の賠償を求めたものである。

被告として法廷に立たされるのは、藤井夫妻が住むマンションの斜め上に住む福田(仮名)家の3人(夫、妻、娘)と、日本禁煙学会の作田学理事長の計4人である。福田家の3人は、約4年半前の2017年11月、藤井将登さんが自室で吸っていた煙草が原因で、「受動喫煙症」(厳密には、化学物質過敏症)などの病気になったとして、4518万円の損害賠償と、将登さんの喫煙禁止を求める裁判(以下、前訴)を起こした。敦子さんは、前訴の被告ではなかったが、ヘビースモーカーであるかのような噂に悩まされた。

噂は、藤井さん夫妻が住む横浜市青葉区の団地に広がった。団地の管理組合も福田家に加勢して、「注意喚起」を貼り出すなどした。藤井夫妻を名指しにした告知ではなかったが、事情を知る住民は、注意喚起の背景に藤井夫妻の喫煙があると考えていたようだ。こうした群衆心理がエスカレートし、藤井家のポストに怪文書が投函される事件も起きた。

◇前訴原告に喫煙歴、弁護士の凡ミス

作田医師は前訴の原告ではなかったが、前訴の有力な訴因となった3人の診断書を作成した経緯があった。ところが裁判の中で、3人の診断書のうち、娘の真希さんの診断書を偽造、つまり虚偽の診断書を作成していたことが判明した。

なぜそのような重大なことが、わかったのか。その経緯は、【続きはMyNewsJapan】

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2022年03月10日 (木曜日)

横浜副流煙事件、藤井敦子さんが訴権の濫用で作田学医師らを提訴へ、ウソの診断書で高額な金銭請求、15日に記者会見

横浜副流煙裁判の「反訴」がまもなく始まる。それに先立って原告の藤井敦子さんが、15日(火曜日)に記者会見を開く。スケジュールは次の通りである。

記者会見日時:3月15日(火) 15:30~

場所:厚生労働省記者クラブ(庁舎9F)

発言者:藤井敦子(原告)
    古川健三(代理人弁護士)他

【事件の経緯】
この事件の発端は、2017年11月にさかのぼる。藤井さん夫妻と同じマンションの2階に住む Aさん一家3名が、藤井さんの夫・将登さんが自宅で吸う煙草の副流煙が原因で、「受動喫煙症」などに罹患したとして、4518万円の損害賠償を求める裁判を横浜地裁で起こした。しかし、審理の中で、提訴の根拠となった診断書のうち、1通が無診察の状態で交付されていた虚偽の書面であることが判明した。

横浜地裁は原告の請求を棄却すると同時に、診断書を 作 成 し た 作 田 医 師 に 対 し て 医 師 法 2 0 条 違 反 ( 無 診 察 に よ る 診 断 書 交 付 の 禁止)を認定した。また、日本禁煙学会が作成した「受動喫煙症」の診断基準が、禁煙撲滅運動の政策目的で我田引水に作成されたと認定した。

その後、控訴審でも将登さんが勝訴して、将登さんの勝訴が確定した。それを受けて、藤井さん夫妻は Aさんらが起した高額訴訟(以下、前訴)は訴権の濫用に当たるとして、
作田医師やAさんらを被告に損害賠償裁判を起こす。

「禁煙ファシズム」に対する損害賠償を求めるはじめての裁判になる。

なお、作田医師は2月に虚偽公文書(注:診断書)行使罪の疑いで、横浜地検へ書類送検されている。

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5G通信基地局の設置をめぐる電話会社とのトラブルが急増、マンション管理会社が仲介、電磁波による人体影響は欧米では常識に

2月中旬のことである。東京都内に住むわたしの友人Aさんが相談ともぼやきとも受け取れるメールを送付してきた。家族が居住する350世帯ほどの集合住宅の管理組合に対して、マンション管理会社が楽天モバイルの携帯基地局を、同マンションの屋上に設置する計画を打診してきたというのだ。Aさんは、5Gで使われる電磁波による人体影響を懸念している。

わたしは2005年から携帯電話の基地局設置をめぐる電話会社と住民のトラブルを取材してきた。その関係で、わたしのところに住民からの相談が相次いでいる。1年半ほど前から、平均すると月に2、3件の相談が寄せられている。今週も1件。こうした現象の背景に電話会社が、競い合うように通信基地局を設置している事情がある。特に、電話ビジネスへの参入が遅れた楽天に関するトラブル相談が多く、全体の9割を占める。

Aさんは電気工学の専門家である。退職するまで有名大学で教鞭を取っていた。電磁波問題を取材しているわたしが、助言をお願いしている研究者である。電磁波による人体影響の評価がどう海外で変化しているかについてもよく把握されている。

実はAさんが基地局問題に巻き込まれたのは、今回が初めてではない。静岡県のリゾート地に所有している別宅のマンションでも、数年前に同じ体験をした。電話会社が屋上に基地局を設置する計画を持ち掛け、しかも、事前に管理組合の理事らと懇意な関係を築き、強引に基地局を設置したのだ。

Aさんは居住者たちに、電磁波による人体影響を説明しようとしたが、大半の住民が電磁波については全く何も知らず、健康上のリスクを理解してもらえなかったという。

「無知とは恐ろしいものだ」と、呟き、泣き寝入りしたのである。

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2022年02月26日 (土曜日)

新しい方法論で「押し紙」問題を解析、兵庫県をモデルとしたABC部数の解析、朝日・読売など全6紙、地区単位の部数増減管理が多地区で、独禁法違反の疑惑

このところわたしが提唱している「押し紙」問題検証の方法論として、ABC部数の新しい解析方法がある。兵庫県全域をモデル地区として、ABC部数の変化を時系列に、しかも、新聞社(朝日、読売、毎日、産経、日経、神戸)ごとに確認してみると、ABC部数が地域単位でロックされている自治体が多数あることが判明した。地区単位で部数増減の管理が行われている疑惑が浮上した。

独禁法の新聞特殊指定に違反している疑惑がある。公正取引委員会は、少なくとも調査すべきだろう。

たとえば神戸市灘区における読売新聞のABC部数は、次のようになっている。

2017年4月 : 11,368
2017年10月: 11,368
2018年4月 : 11,368
2018年10月: 11,368
2019年4月 : 11,368

2年半にわたってABC部数は変化していない。新聞の購読者が特定の広域自治体で、2年半に渡って一部の変化もしないことなど、実際にはありえない。これは新聞社が販売店に搬入する新聞の「注文部数」を決めていることが原因である可能性(ノルマ部数、押し紙)がある。あるいは、販売店が自主的に購入する新聞部数を定数化している可能性(積み紙)もある。どちらの側に非があるにしても、これは広告主にとっては見過ごせない問題である。

本稿は、デジタル鹿砦社通信に連載した兵庫県全域をモデルケースとした新しい方法論の下で行ったABC検証の結果の報告である。以下、読者は以下に掲載した調査結果を確認する前に、次の【注意】を一読願いたい。表を理解する上で不可欠だ。

【注意】以下の表は、ABC部数を掲載している『新聞発行社レポート』の数字を、そのままエクセルに入力したものではない。数字を表示する順序を変えたのがこれらの表の大きな特徴だ。

『新聞発行社レポート』は、年に2回、4月と10月に区市郡別のABC部数を、新聞社別に公表する。しかし、これでは時系列の部数変化をひとつの表で確認することができない。確認するためには、『新聞発行社レポート』の号をまたいでデータを時系列に並べ変える必要がある。それにより特定の自治体における、新聞各社のABC部数がロックされているか否か、ロックされているとすれば、その具体的な部数や期間はどうなっているのかを確認できる。同一の新聞社におけるABC部数の変化を、地方自治体をベースにして長期に渡って追跡したのが以下の表の特徴だ。

 

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2022年02月22日 (火曜日)

新聞衰退論を考える ── 新聞人の知的能力に疑問、新聞社のビジネスモデルの闇、ABC部数検証・兵庫県〈3〉

今回の記事は、兵庫県全域を対象として新聞のABC部数の欺瞞(ぎまん)を考えるシリーズの3回目である。ABC部数の中に残紙(広義の「押し紙」、あるいは「積み紙」)が含まれているために、新聞研究者が新聞業界の実態を分析したり、広告主がPR戦略を練る上で、客観的なデーターとしての使用価値がまったくないことなどを紹介してきた。連載の1回目では朝日新聞と読売新聞を、2回目では毎日新聞と産経新聞を対象に、こうした側面を検証した。

今回は、日経新聞と神戸新聞を対象にABC部数を検証する。テーマは、経済紙や地方紙のABC部数にも残紙は含まれているのだろうかという点である。それを確認した上で新聞部数のロック現象の本質を考える。結論を先に言えば、それは新聞社の販売政策なのである。あるいは新聞のビジネスモデル。

日経新聞と神戸新聞のABC部数変化を示す表を紹介する前に、筆者は読者に対して、必ず次の「注意」に目を通すようにお願いしたい。表の見方を正しく理解することがその目的だ。

【注意】この連載で紹介してきた表は、ABC部数を掲載している『新聞発行社レポート』の数字を、そのまま表に移したものではない。『新聞発行社レポート』の表をエクセルにしたものではない。数字を並べる順序を変えたのが大きな特徴だ。これは筆者が考えたABC部数の新しい解析方法にほかならない。

『新聞発行社レポート』は、年に2回、4月と10月に区市郡別のABC部数を、新聞社別に公表する。しかし、これでは時系列の部数変化をひとつの表で確認することができない。時系列の部数増減を確認するためには、『新聞発行社レポート』の号をまたいでデータを時系列に並べ変える必要がある。それにより特定の自治体における、新聞各社のABC部数がロックされているか否か、ロックされているとすれば、その具体的な中身はどうなっているのかを確認できる。同一の新聞社におけるABC部数の変化を長期に渡って追跡したのが表の特徴だ。

◆日経新聞のABC部数変化(2017年~2021年)

【続きはデジタル鹿砦社通信】

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2022年02月21日 (月曜日)

5Gの基地局設置をめぐるトラブルが急増、後発の楽天に対する苦情が相次ぐ、マンション管理会社を巻き込んだ設置計画

携帯電話の基地局設置をめぐる問題は、だれにでも突然に降りかかってくる問題である。それを改めて実感した。時々、電磁波問題などで情報交換をしている友人が住むマンションの屋上に、楽天が基地局を設置する計画を打診してきたのだ。マンション管理組合の総会で採決を取ることになっているが、大半の住民は、委任状を提出して総会には参加しないので、理事長の意思で設置が採択される可能性が高い。大半の人は、電磁波による人体影響についての知識がなく、賃料が得られるメリットに飛びついてしまうからだ。

この友人は数年前に別宅のマンションで、同じ被害にあったことがある。

電話会社が、自社のビジネスのために次々と住民の生活環境を破壊している実態が改めて浮上した。

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2022年02月17日 (木曜日)

国費のコロナワクチンを闇打ちで接待に流用、「接種会場」は桜十字グループ西川朋希代表が理事を務めるビューティクリニックVIP室

東京都港区の「メットビューティクリニック」(以下、MET)元スタッフらがMyNewsJapanに内部告発した。スギ薬局会長夫妻のワクチン優先予約が問題になっていた昨年春から夏にかけ、METがコロナワクチンを闇接種していた、というもの。METは、ドモホルンリンクルで有名な再春館製薬が買収した桜十字グループ(熊本市)西川朋希代表が理事を務める医療機関で、西川氏は当時、菅総理と連日会っていた。まだ最優先とされた医療従事者すらワクチンを打てなかった時期で、接種券ナシでの脱法的な“闇打ち”に対し、スタッフらの間では「金さえあればなんでもできるのか」といった言葉も飛び交ったという。目的は国内外クライアントなど要人らの接待とみられる。国費で調達されたワクチンは、どのルートでMETに持ち込まれ、誰が“接待接種”を受けたのか。情報公開制度等で裏付け取材し、真相に迫った。

【Digest】
◇医療・福祉ビジネスを展開する巨大集団
◇菅首相と西川代表が首相公邸で会談
◇東京桜十字と(株)メディカルハック
◇闇接種の日程と場所を協議したラインの交信記録
◇桜十字グループが配給を受けたワクチンを流用か
◇コロナ専用シリンジがMETに
◇だれが闇接種を受けたのか?
◇桜十字とインドネシアの関係
◇医療崩壊の危機
◇桜十字は取材に応じず

東京都港区の表参道にある美容外科、メットビューティクリニック(以下、MET)の元スタッフらが、コロナワクチンの闇接種を内部告発した。2021年春から夏にかけて、数回にわたりワクチン接種が秘密裡に行われたという。目的は、国内外の要人らの「接待」であった可能性が高い。国費で調達されたコロナワクチンが私的に流用されたことになり、窃盗の疑いがある。

役職付きの元スタッフが次のように話す。

「ワクチン接種はVIPルームを使ってやっていたようです。しかし、VIPルームはいつでも使えるわけではなく、使用する際には事前にスケジュールを決めることになっていました。スケジュールを管理しておかなければ、VIPの患者さんに待ち時間が生じてしまう恐れがあるからです。そのVIPルームの使用目的を知らされないまま、上司の命令でスケジュールだけが入ることが増え、なにかおかしいと感じるようになりました。フロントに置いてあるはずの検温器がなくなることもありました。おそらくVIPルームで使っていたのだと思います」

METのVIPルームは、ビル裏口を入り、1階から2階へ階段を上がったところにある。タレントなどが美容の施術を受ける際に、人目を避けるために利用する。正面玄関から出入りすると、一般客と顔を合わせるため、それを避けるため裏口からVIPルームへの出入りを可能にしているのだ。そのVIPルームがワクチンの闇接種に使われた、という。

マイニュースジャパンが内部告発を受けたのは、2021年11月だった。その根拠は、ワクチン接種の日程と場所を決める際に当事者が使ったLINEの通信記録や、闇接種に使ったとみられるコロナワクチン専用のシリンジ(注射器)の写真だった。ワクチンとシリンジの配布ルートに関する港区の書面を情報公開請求で入手し、これら物的証拠と、取材で得た告発者たちの「証言」の整合性を検証することで、裏付けは決定的となった。

【続きはMyNewsJapan】

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モラル崩壊の元凶-押し紙- 毎日新聞押し紙裁判提訴のお知らせ

福岡・佐賀押し紙弁護団  弁護士 江上武幸(文責) 2024年(令和6年)9月20日 兵庫県で毎日新聞販...

「香害」をめぐる診断と議論、メディアに氾濫する誇張された被害の...

柔軟剤や煙草など、広義の「香害」をどう診断するかをめぐる議論が沸騰している。日本では、「香害」による体の不調...

―モラル崩壊の元凶、「押し紙」― 西日本新聞・押し紙訴訟の報...

福岡・佐賀押し紙訴訟弁護団 弁護士・江上武幸(文責) 去る7月2日、西日本新聞販売店を経営していたAさ...

西日本新聞「押し紙」裁判、証人尋問で残紙部数を把握した機密資料...

長崎県の元販売店主が2021年に起こした西日本新聞社を被告とする「押し紙」裁判の尋問が、7月2日の午後、福岡...

7月2日に尋問、西日本新聞の「押し紙」裁判、福岡地裁で、「4・...

西日本新聞社を被告とする「押し紙」裁判の尋問が、次のスケジュールで実施される。 場所;福岡地裁 903...

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国境なき記者団の「報道の自由度ランキング」のでたらめ、スポンサ...

『週刊金曜日』(6月7日付け)が、「報道の自由度、世界ランキング70位でいいのか」と題する記事を掲載している...

読売新聞押し紙訴訟 福岡高裁判決のご報告 ‐モラル崩壊の元凶「...

福岡・佐賀押し紙訴訟弁護団 弁護士・江上武幸(文責) 2024(令和6年)5月1日 長崎県佐世保...

読売「押し紙」裁判、喜田村洋一(自由人権協会代表理事)らが勝訴...

読売新聞「押し紙」裁判の続報である。読売の代理人を務める自由人権協会代表理事の喜田村洋一弁護士らが、大阪高裁...

しばき隊による大学院生暴行事件、加害者が取材していた作家を提訴

添付した写真は、2014年12月の深夜に、大阪北新地で40分に渡って殴る蹴るの暴行を受けた大学院生(当時)の...

読売新聞「押し紙」裁判、判決日を3月28日に急遽変更、不自然な...

大阪高裁は、3月7日に予定していた読売新聞(大阪)を被告とする「押し紙」裁判の判決日を、急遽延期した。新しく...

市民運動の外圧に屈した『週刊金曜日』、タブーなき編集方針はどこ...

次の記事は、『紙の爆弾』(2023年10月号)に掲載した記事のネットでの再掲載である。原題は、「週刊金曜日 ...

台湾の蔡英文総統と全米民主主義基金(NED)のずぶずぶの関係、...

米国の外交政策を考えるときに、欠くことができない視点がある。それは全米民主主義基金(NED = Nation...

化学物質過敏症の診断をめぐる新しい流れ、一定の割合で精神疾患

化学物質過敏症がクローズアップされるようになっている。化学物質過敏症は、文字どおり、ある種の化学物質を体内に...

横浜副流煙裁判を描いた映画『[窓]MADO 』が、ロンドン独立...

映画『[窓]MADO 』が、ロンドン独立映画賞(London Independent Film Award)...

市民運動に対するタブー 『週刊金曜日』と『人権と利権』の書籍広...

株式会社金曜日の植村隆社長が鹿砦社の『人権と利権』に「差別本」のレッテルを張った事件からひと月が過ぎた。7月...

多発する携帯電話の基地局設置をめぐるトラブル、楽天モバイル、人...

携帯電話の基地局設置をめぐる電話会社と住民のトラブルが絶えない。この1年間で、わたしは40~50件の相談を受...

ジャニー喜多川のパワハラ、報道のタイミングが25年遅れた 

ジャニー喜多川の性癖が引き起こしたパワハラにようやくマスコミの光があたった。とはいえ報道のタイミングがあまり...

新刊の『新聞と公権力の暗部』-(「押し紙」問題とメディアコント...

新刊の『新聞と公権力の暗部』-(「押し紙」問題とメディアコントロール)《鹿砦社》の書店販売が開始された。 ...

「押し紙」驚愕の実態 新聞社不正収入35年で3兆円以上、統一教...

◆「押し紙」による不正収入は年間932億円規模 田所 実態として日本には5大紙を含め地方紙もたくさんあ...

【転載】「日本では、主要メディアと政府との距離が非常に近い」─...

情報には国境がなく、知ろうとする意思さえあれば、名も知れぬ国の天気や画像や中継動画までをも確認することができ...

ウィキリークスの創立者ジュリアン・アサンジをめぐる問題、言論弾...

ウィキリークスの創立者ジュリアン・アサンジをめぐる問題、言論弾圧という西側諸国の汚点 黒薮哲哉 ウィキ...

新聞業界から政界へ政治献金598万円、103人の政治家へ「お小...

昨年の11月に総務省が公開した2021年度の政治資金収支報告書によると、新聞業界は政界に対して、総額で598...

原告準備書面(2)(3)、藤井敦子陳述書の公開、日赤医療センタ...

横浜副流煙裁判の「反訴」で原告が裁判所へ提出した3件の書面を公開しよう。3件の書面は、事件の核心をずばり突い...

毎日新聞社長室へ公開質問状、「押し紙」問題についての見解、販売...

企業には広報部とか、広報室と呼ばれる部門がある。筆者のようなルポライターが、記事を公表するにあたって、取材対...