2015年11月16日 (月曜日)

パリの「同時多発テロ」、メディアが戦争としての定義を採用しない理由

フランスでISが断行した「同時多発テロ」は、今世紀の戦争の特徴を象徴している。客観的に見れば、ISが戦争をヨーロッパにまで持ち込んだというのが最も冷静な評価だ。テロの定義は間違っている。テロよりも悪質な戦争である。

小泉内閣が2003年に民主党の協力を得て(修正協議に応じて合意・成立)有事法制を成立させたころ、特攻隊の生還者で『昭和は遠く』(径書房)の著者・松浦喜一さんが、新世代の戦争について次のように話されていた。

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2015年11月13日 (金曜日)

NHKへの苦情続出、 ワンセグに対して受信料を徴収、テレビの有無の調査権を主張、「押し紙」関連資料の受け取り拒否

メディア黒書(12日付け)で「NHKから国民を守る党」について書いたところ、NHKに対する何件かの疑問が読者からわたしのもとに届いた。

まず、携帯電話にワンセグの機能があることを理由に受信料を請求されたという話である。ワンセグとは、「携帯機器を受信対象とする地上デジタルテレビ放送」(ウィクペディア)のことだ。従ってワンセグの機能が備わった通信機器も受信料の徴収対象になるらしい。

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2015年11月12日 (木曜日)

深刻化するNHK問題、内部留保1兆円、恫喝による受信料徴収、嫌がらせ裁判、「NHKから国民を守る党」の活動に注目 

NHKに向ける国民の眼が厳しくなっている。籾井勝人氏が、2014年1月に会長に就任するや、籾井氏は早々に百田尚樹氏ら極右の面々を経営委員に抜擢したのを皮切りに、従軍慰安婦の問題で暴言を繰り返し、NHKの国際放送が政府広報の性質を帯びることを宣言し、私的に使ったハイヤー代を経費として計上したことは記憶に新しい。最近では「クローズアップ現代」でやらせがあったことが発覚した。

さらにほとんど報道されていないが、NHKは受信料を支払わない人に対して次々と裁判を起こしている。わたしの知人で出版労連傘下の労組・出版ネッツの委員長である澤田裕氏も、提訴され、敗訴して受信料24万円を強制的に支払わされた。

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2015年11月11日 (水曜日)

朝日新聞販売店は警察署の広報部か? 世田谷区のASA16店が警察との連携で日本新聞協会(白石興二郎会長[読売])から表彰される

メディア黒書でかねてから、奇抜でにわかに信じがたい現象として報じてきた事柄のひとつに新聞人と警察の「友好関係」がある。ジャーナリズムの重要な役割のひとつは、権力の監視である。その権力組織と親密になって情報をもらったり、なんらかの協力関係を構築することは、ジャーナリズムの基本原則そのものを崩してしまう。新聞ジャーナリズムの死活問題にほかならない。

日本新聞協会が主宰している「地域貢献賞」と呼ばれる賞がある。今年、この賞を受けた団体のひとつに東京世田谷区のASA(朝日新聞販売店)16店がある。受賞理由は、警察署と協働で防犯活動に取り組んでいるというものである。

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2015年11月10日 (火曜日)

週刊金曜日で天木直人氏氏が志岐武彦氏の『最高裁の黒い闇』を書評、「この国の司法のすべては最高裁が取り仕切っている」

今週の週刊金曜日が書評欄で志岐武彦氏の新刊『最高裁の黒い闇』(鹿砦社)を取り上げている。書評を書いているのは、元レバノン大使で評論家の天木直人氏である。

凄い本が出た。(略)本書で記されているとおり、私(天木氏)は小沢一郎を嵌めた国策捜査を追及すべく、著者と協力して検察審査会の不正を暴こうとした。その過程でこの国の司法のすべては最高裁が取り仕切っていることを知った。

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2015年11月09日 (月曜日)

前最高裁長官の竹崎博允氏が受けた大綬章、選考したのは内閣府賞勲局

前最高裁長官の竹崎博允氏が、大綬章を受けた。毎日新聞(11月5日付け)は「<秋の叙勲>皇居で大綬章授与式 竹崎前最高裁長官ら」というタイトルでこのニュースを報じた。

秋の叙勲の大綬章授与式が5日、皇居・宮殿「松の間」で行われた。桐花大綬章の竹崎博允前最高裁長官(71)ら日本人9人と、イタリアのマリオ・モンティ元首相(72)ら外国人2人に、天皇陛下が勲章を手渡された。

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2015年11月06日 (金曜日)

癌患者の急増と携帯電話の普及率は同じ上昇線を描く、2011年には国際がん研究機関がマイクロ波に発癌性がある可能性を認定

The Hunffington Postの日本版が、5日に「育児中にがんと診断、年間5万6千人もいた」と題する記事を掲載した。

国立がん研究センター(東京)は4日、18歳未満の子どものいる国内のがん患者が年間約5万6千人発生しているとする初の推計結果を発表した。

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2015年11月05日 (木曜日)

日本の財界人が集団で中国を訪問、南沙諸島問題をめぐりマスコミの英雄史観とのギャップ

NHKなどのマスコミが南沙諸島問題で日中戦争の危機を煽りながら、暗黙のうちに安保関連法の存在意義をPRしている。こうした状況の下で、「経団連の榊原定征会長ら経済界首脳が参加する日中経済協会」が中国を訪問して、6年ぶりに中国政府の幹部と会談した。時事通信は次のように報じた。

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2015年11月04日 (水曜日)

安倍内閣の支持率回復と南沙諸島問題を利用したメディアによる世論誘導

安倍内閣の支持率が若干回復している。次に示すのは、大手メディアによる世論調査の比較である。

【10月30日朝日新聞デジタル】
(30%台半ば→41%)

世論の反対が強い安全保障関連法の成立に突き進んだ結果、安倍内閣の支持率は30%台半ばまで落ち込んだが、内閣改造を経た今月の調査で支持率は41%まで上昇した。一方、安保関連法への反対が半数程度を占める状況は、依然として変わっていない。データをみると、経済政策への期待感が背景にあることが浮かび上がる…

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2015年11月02日 (月曜日)

ソニーミュージックを作曲家・穂口雄右氏が刑事告訴、『ZAITEN』最新号が報じる

 1日に発売になった『ZAITEN』(財界展望社)に、黒薮の記事が掲載されました。タイトルは、「キャンデーズの生みの親に刑事告訴されたソニー・ミュージックの〝悪い手癖〝」。

「キャンデーズの生みの親」とは、米国在住の作曲家・穂口雄右氏である。穂口氏は、「春一番」、「微笑がえし」、「年下の男の子」など数多くのヒット曲をてがけた。

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2015年10月30日 (金曜日)

米艦艇による中国の人工島接近事件、NHK職員による情報の垂れ流しと世論誘導②

このところマスコミによる中国脅威論が広がっている。たとえばNHKは、「アメリカ軍の艦艇 中国の人工島に接近か」(10月27日 9時52分)と題する記事をウエブサイトに掲載している。これは放送されたニュースの文字版のようだ。

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2015年10月29日 (木曜日)

癌の多発とスマホの普及、NHK職員による情報の垂れ流しと世論誘導①

NHKニュース(29日の7時)が、シリア難民にとってスマート・フォンの活用がライフラインになっている実態を報じていた。

NHKの番組には、スマート・フォンや携帯電話が日常生活のなかにすっかり定着した文明の機器という大前提に立った報道ばかりが目立つ。これらの無線通信機器をNHKが、番組と読者の双方向をつなぐ道具として位置付けていることは言うまでもない。

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2015年10月28日 (水曜日)

朝日バッシングの標的にされた植村隆氏が北星学園非常勤講師を失職する危機、問われる知識人・学者たちの良心

橋詰雅博(フリージャーナリスト・元日刊ゲンダイ記者)

元朝日新聞記者で韓国従軍慰安婦問題を巡りねつ造記者とバッシングを受けた植村隆氏(57)が、北星学園非常勤講師の職を失う岐路に立たされている。

植村氏を支援する日本ジャーナリスト会議などに入った情報によると、同大の田村信一学長が植村氏や大学の彼の支援者と今まで3回会い、「来年度の雇用は学内に反対の声が強く、難しい見通し」と話している。

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