元博報堂・作家の本間龍氏がアスカの「15億円訴訟」を分析する、後付け水増し請求という悪質な手口①

元博報堂の社員で作家の本間龍氏に、2016年5月にアスカコーポレーションが博報堂に対して起こした「15億円訴訟」の訴状を分析・評論してもらった。
執筆者:本間龍(作家)
前回は、アスカが博報堂を訴えている訴状の中で、特に不自然さが目立つタレント出演料の高騰について書いた。同じタレントが大ヒットを飛ばしたわけでもないのに翌年、または数年後に出演料が10~20%以上値上がりすることはまずないし、年間を通しての起用したタレントの全体平均価格が20%値上がりすることもありえない。当たり前だが「値上がりする要因」がなければ、自然に価格が上がることなどないのだ。
逆にタレントによっては出演料が下がる場合も当然あるし、むしろ複数年、複数回の出演でディスカウントをするのは業界の常識だ。だからこれは、博報堂側がタレント契約料を恣意的に上げて、タレント事務所側が提示している出演料との差額を収益にしていたと考えるのが妥当だろう。もちろんそうしたことは業界ではよくあるが、年間を通じて起用した全てのタレント出演料を一律に上げるというのは、どうみてもやり過ぎだ。
私はアスカとは全く関わりがないし、請求されるままに支払いを行なっていたアスカ側にも確認を怠っていたという落ち度はあると思う。しかし、広告代理店の営業経験者として、また博報堂出身者として18年の経験上ありえないことを正直に指摘する義務があると思うし、さらに言えばこれは非常に特殊な例であり、博報堂の請求全てが同じだと思われたくはないので、他の訴因のいくつかについて、是々非々で解説してみたい。


















































