2018年02月06日 (火曜日)

自由党の森裕子参議院議員に対する詐欺容疑事件を新潟地検の小島健太検察官が不起訴にしたことを受けて、1月31日、告発者である筆者と元会社役員で市民運動家の志岐武彦氏は、新潟検察審査会に審査申立書を提出した。この事件を調査してきた志岐氏は、同日、県庁記者クラブで記者会見を開いた。

検察審査会とは、不起訴とされた事件に関して、有権者から異議が申し立てられた場合、有権者から選ばれた審査員が、事件を再検証する制度である。検証結果によっては、小沢一郎氏のケースのように強制起訴されることもある。

ただ、検察審査会の内情は「闇」で、よく分かっていない。皮肉なことに、森裕子議員が、検察審査会の闇を調査して、自著の中でそれを告発している。

事件の概要は、メディア黒書で報じてきたように、森氏が2013年と2015年に、自身が代表を務める政党支部に自分で総計1205万円を寄付し、その30%にあたる還付金を受け取ったというものである。

有権者が政党支部などに政治献金を行った場合、所定の手続を踏めば、その30%を税金から還付(バック)してもらえる制度がある。一般の有権者がこの制度を利用するのは差し支えないが、森氏の場合は自己資金を自分の政党支部へ寄付して、それを根拠に還付金を受けたのであるから、資金を動かすだけで自己資金を30%増やしたことになる。

森議員は、過去12年間で9100万円を自身の政党支部へ寄付している。これらの寄付を根拠として、かりに毎年、還付金を受けていたとすれば2730万円を税から受け取ったことになる。

筆者らは、この点を問題視して、森氏を新潟地検へ詐欺容疑で刑事告発していたのだ。

◇なぜ、詐欺に該当するのか?

還付金制度は租税特別措置法の41条18・1で定められている。しかし、例外として、「その寄付をした者に特別の利益が及ぶと認められたものを除く」と規定されている。筆者らは、森氏の行為がこの条文に完全に該当すると判断して、刑事告発したのである。

一般の有権者が、この種のマネーロンダリングで資金を増やすことは出来ないが、森氏の場合は寄付先が自分自身の政党支部という特別な事情になっているために、寄附金はいうまでもなく、還付金も最終的には自分の政治活動に使える原理だ。たとえば、1000万円を寄付すれば、資金を動かすだけでそれが1300万円になるのだ。しかも、この300万円は税金が財源になっている。

と、すれば「寄付をした者に特別の利益が及ぶ」と解釈するのが自然だろう。
寄付先が自分の政党支部であるから、一般の有権者とは異なり「特別な利益が及ぶ」のだ。

ところが新潟地検は、森氏を不起訴にした上に、その理由を明らかにしていない。一体、小島検察官はこの条文をどう解釈したのだろうか。?

自民党の高市早苗前総務大臣に対しても筆者らは、詐欺容疑で奈良地検へ刑事告発を行い受理された。しかし、現時点で奈良地検は、起訴するか不起訴にするかを決めていない。当初は、12月末に結論をだすと聞いていたのだが。

【参考記事】(ビジネスジャーナル)森裕子議員、詐欺の疑いで地検が刑事告発状を受理…献金で違法な還付金受領か

 

2018年02月05日 (月曜日)

(Business Journalから転載)

千葉県の元販売店主が毎日新聞社に対して2016年4月に起こした「押し紙」裁判が、今春に結審する見込みだ。「押し紙」裁判とは、新聞社が新聞販売店に新聞の買い取りを強制することで被った損害の賠償を求める裁判である。新聞社が販売店に対して新聞の「押し売り」をしたかどうかが争われる。これまでに毎日新聞社だけではなく、過去には朝日、読売、産経、山陽、西日本、北國などの各新聞社も訴訟を起こされている。また、佐賀新聞の「押し紙」裁判は、現在進行している。

原告の元店主が毎日新聞社に請求している額は約5800万円。元店主は12年7月10日に店主に就任して、毎日新聞社との取引を始めた。しかし、スタート時から大量の「押し紙」が送られてきたために、経営が成り立たなくなった。そこで搬入部数を減らすように毎日新聞社へ繰り返し交渉したが、聞き入れてもらえなかった。そして最後には、新聞の卸代金の納金ができなくなった。【続きはBusiness Journal】

 

2018年02月01日 (木曜日)

このところ言論を抑圧する動きが水面下で広がっている。ツイッターのリツィート1件に対して100万円を請求する裁判を起こすといった露骨なものもあれば、他人の名義を使ってメールで怪文書を流したり、さらには誰がやっているのか分からない言論妨害もある。

誰がやっているのか分からない言論妨害に関していえば、たとえばパレスチナやキューバから発信されたウエブサイトにアクセスできない現象が時々発生する。こんなことは以前はなかった。もっともこれは単純な技術上のトラブルである可能性もあるが。

冒頭に示したユーチューブの画像も、一時的に閲覧が出来なくなっていた。「年齢制限があります(コミュニティ ガイドラインに基づく設定)」いう表示がされていた。おそらくは残酷な画像として閲覧制限がかけられたのである。

そのガイドラインは次のように述べている。

コンテンツがすべての年齢層に対して適切であるかどうかを評価するときは、次のような事項を考慮します。

•下品で乱暴な言葉遣い
•暴力的でショッキングな映像
•ヌードおよび性的なものを暗示するコンテンツ
•危険な行為や不正な行為が含まれた描画

が、この画像は、極めて歴史的な意味を持つ画像にほかならない。ファシストが仮面を脱ぎ捨て、民衆に向かって容赦なく銃を発砲する素顔を、ジャーナリストが10分に渡り、命がけで撮影したものである。

◇エルサルバドル内戦

舞台は、中米エルサルバドル。1980年3月。オスカ・ロメロ大司教の葬儀である。当時、この国では、政府軍による暗殺や拷問が後を絶たなかった。

こうした状況の下で、エルサルバドルのカソリック教会は政府軍に対して批判的な姿勢を示していた。「貧しい人々に奉仕するのが教会の役割」という解放の神学の立場を貫いていた。その先頭に立っていたのがオスカ・ロメロ大司教で、ミサの場で、政府軍の暴力を厳しく批判していた。


そして1980年の3月24日、大司教を憎悪する軍は、ミサの最中に無音銃を使って大司教を射殺したのである。さらに大司教の葬儀に集まってきたおびただしい群衆に向かって、無差別に発砲したのである。

それから約半年の10月10日、エルサルバドルの5つのゲリラ組織が統一して、FMLN(ファラブンド・マルティ・民族解放戦線)を結成した。こうしてエルサルバドル内戦が始まったのである。政府軍は士気を喪失して、FMLNが首都を制圧するのは、時間の問題と言われていた。が、米軍が介入してきて、泥沼の内戦になったのである。

おそらく葬儀の場でのジェノサイド(皆殺し作戦)が、エルサルバドル内戦の直接の引き金だろう。もちろん、不公平な農地の配分による社会格差など社会運動の原因となる客観的な条件はあるものの、ジェノサイドにより平和的な解決は不可能であることがはっきりしたのである。その意味では、この動画は極めて重要な歴史の証言なのだ。内戦の原点にほかならない。ここからエルサルバドル内戦が始まったと言っても過言ではない。当然、閲覧制限をかける理由はどこにもない。

内戦は1992年に終わった。決着がつかないまま和平が実現して、FMLNは合法政党に生まれ変わった。そして、2009年に選挙により政権を取ったのである。現政権は2期目である。サンチェス大統領は、FMLNの古いメンバーである。

この画像を見れば、喧嘩両成敗という考えが間違っていることが分かる。誰が戦争の原因を作ったのか、はっきりと白黒をつけるのがジャーナリズムの仕事である。

一体、誰が言論に制限をかけているのだろうか?

2018年01月31日 (水曜日)

化学物質過敏症という言葉をご存じだろうか。これは、化学物質の被曝により健康被害を引き起こす疾病の総称である。人体影響が現れる被曝レベルには、個人差があるが、一旦、化学物質過敏症を発症すると、その後は極めて低いレベルの被曝でも、症状を引き起こすようになる場合が多い。

米国のケミカル・アブストラクト・サービス(CAS)が登録する新しい化学物質の数は、1日に優に1万件を超えるという。これらの化学物質が相互に作用して、どのような汚染を引き起こしているのかは、ほとんど解明する時間がないまま、自然環境は刻々と変化している。自然界には存在しない異物が、地球上に増え続けているのだ。

化学物質による人体影響という概念も、こうした外界の客観的な変化の中で輪郭を現してきたのである。

日本ではまったく報道されていないが、欧米で大きな問題になっている化学物質のひとつに、イソシアネートがある。有機化合物でさまざまな種類がある。化学物質過敏症の原因のひとつである。

イソシアネートは、ポリウレタンの原料である。そのポリウレタンは、ある種の梱包剤、自動車バンパー、断熱材、合成皮、スポーツウェア、塗料、接着剤、柔軟剤など極めて多様な製品に使われる原料である。これらのポリウレタン製品が、摩擦や熱など、多種多様な原因で劣化すると、イソシアネートが空気に混入して、それを吸った場合、人体影響が表れることがあるのだ。(ポリウレタン製品のリストは文末に掲載)

1月26日、筆者ははじめてイソシアネートによる被害の実態を取材する機会を得た。「化学物質による大気汚染から健康を守る会(VOC研究会)」が、公明党の平木大作議員を通じて、厚生労働省などに、対策を取るように申し入れを行った際に取材したのである。

◇化学物質過敏症の症状

資料として配付された論文「環境に広がるイソシアネートの有害性」(津谷裕子、内田義之、宮田幹生)によると、イソシアネートによる化学物質過敏症では、次のような症状を示す

職業喘息の主な原因物質で、死亡例も報告されている。

◇重度の化学物質過敏症の例

Aさん(女性)の例を紹介しよう。Aさんは自宅で行われた床の剥離作業が原因で、重度の化学物質過敏症を発症した。工事会社に化学物質過敏症についての知識がなかったこともあって、作業員も化学物質過敏症を発症した。剥離作業が難航して多量の剥離剤を使ったのが原因だった。その剥離剤の中に、イソシアネートの一種であるトルエンジイソシアネート(TDI)が含まれていたのである。

Aさんが被曝したのは、体調を崩して会社を休み、自宅で療養していたからだ。その同じ家で剥離作業が行われたのだ。

Aさんの化学物質過敏症は、風邪のような症状からはじまり、ひどい咳や痰に悩まされるようになった。さらに喘息に進み、ひと月後には胸の痛みで眠れなくなった。病院でレントゲンを撮ると肋骨が折れていた。

このころから嗅覚過敏、皮膚過敏、聴覚過敏、添加物過敏などの症状が現れた。化学物質過敏症になると極めて低い被曝レベルでも、症状が現れるようになる。これは生命を維持するための一種の防御反応ではないかと思われる。一度でも人体が化学物質で危機的な状態に置かれると、次に外部から「毒」が入ってきたとき、たとえそれが極めて微量であっても敏感に反応するようになるのだろう。

Aさんの症状がいかに重篤であるかは、工事会社が誠意をもって莫大な額の賠償を行ったことでも分かる。次に示すのは、Aさんの手記である。

私が化学物質過敏症になったわけ
化学物質過敏症になると、電磁波過敏症も発症しやすくなることは、よく知られている。実際、Aさんはその後、電磁波過敏症を発症する。

筆者の友人のケースだが、若いころに水道工事の仕事に就き、接着剤を多量に吸い込み、後に重度の電磁波過敏症を発症した例もある。塩田永さんという方で、詳しくは拙著『電磁波に苦しむ人々』で書いている。まさに重度の電磁波過敏症で、塩田さんは、都市部では生活が困難になり、長野県の山奥へ移りすんだ。

化学物質過敏症も電磁波過敏症も、過去の時代背景では生まれ得ないが、「電化」が進み、化学物質が溢れている現在社会の中で、徐々に輪郭を現してきた新世代の公害なのである。当然、イソシアネートの問題は、早急な対策が必要だが、26日の申し入れ会に出席した厚生労働省の職員は、対策に後ろ向きだった。

「科学的な根拠を示してもらう必要がある」

と、答弁したのだった。しかし、公害で最優先されるのは、科学的根拠ではなく、人間を対象にした事例や疫学調査である。原因としてイソシアネートが疑われた場合、「予防原則」を優先して対策を取る必要があるのだ。まして欧米では、厳しく規制されているのである。

◇イソシアネートを利用した主な製品

既に述べたようにイソシアネートの発生源は、際限がない。参考までに前出の論文に掲載された「イソシアネートを利用した主な製品」リストを掲載しておこう。

2018年01月29日 (月曜日)

このところメディア黒書に「押し紙」の損害賠償を求める裁判についての問い合わせが増えている。かつて、新聞人が販売店の店主に、

「あなたたちが裁判を起こしても絶対に勝てないですよ」

と、平然と暴言を吐いた時代もあるが、今は状況が変わっている。

裁判の終盤になって、裁判所が「和解」を強く進めるケースが増えているのだ。裁判所が新聞社に対して、「押し紙」で販売店に与えた損害を賠償するように説得する流れが生まれはじめているのである。昨年も、大阪で「押し紙」裁判が解決した。

和解で解決したので、記事として積極的には公表していないだけで、実は、新聞販売店に有利な条件が生まれ初めているのだ。

新聞社は和解勧告を受け入れざるを得ない。と、言うのも判決で敗訴すれば、それが判例となるので、販売店勝訴の流れが一層顕著になるからだ。

こうした状況を踏まえて販売店を取材したところ、多くの店主さんが、訴訟はハードルが高いと考えていることが分かった。高額の「軍資金」が必要だと思っているようだ。が、これは完全に間違っている。

勝訴の流れが生まれた状況下では、弁護士の着手金を安く設定して、勝訴したときの成功報酬を高く設定するという方法もあるのだ。たとえば塵肺(じんぱい)裁判がそのような流れになっている。C型肝炎の訴訟も同様だ。

某弁護士のように全員が訴訟をビジネスとしてやっているわけではない。人権擁護活動として弁護活動を展開している優れた弁護士もいるのだ。

もちろん弁護士も自分の生活を支えなければならないから、報酬を支払うのが原則だが、交渉次第で負担がかなり軽減される。裁判を起こしたがゆえに、破産したといったことにはならない。

◇訴訟のハードルは高くない

筆者が勧める訴訟のスタイルは、集団訴訟である。集団訴訟になると、当然、新聞社の販売政策が、「押し紙」を柱としたモデルになっていることが立証しやすい。単独1店のケースだけなら、裁判所は例外と見なしかねないが、複数の販売店が原告になると、「押し紙」の温床が新聞社の販売政策にあることを簡単に立証できる。販売店主らが、同じ被害を受けているからだ。

それに集団訴訟では、相対的に弁護士費用も安くなる。

それでも訴訟に踏み切ることを迷うのであれば、弁護士に新聞の商取引に関する資料を検証してもらい、勝訴の可能性があるかどうかの判断を仰ぐべきである。この作業だけなら、ほとんど費用もかからない。

いずれにしても訴訟をハードルの高い解決法と考えるべきではない。

莫大な借金を背負わされ、泣き寝入りして新聞販売業から転職するのか、それとも損害を取り戻してから、今後の人生を生きるのか、答えは明らかだろう。

メディア黒書では、週末に無料で相談に乗っている。希望される店主は、黒薮まで連絡をください。ただし、スパイ活動はお断り。

■連絡先:048-464-1413

 

【参考記事】【特集】動画でみる「押し紙」世界一。「押し紙」と折込広告の回収実態、予測される損害賠償裁判の多発、販売店は証拠の保管を

2018年01月26日 (金曜日)

朝日新聞社が、小川榮太郎氏が著した『徹底検証「森友・加計事件」朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪』が名誉毀損にあたるとして、著者の小川氏と版元の飛鳥新社に対して5000万円を請求する名誉毀損裁判を、昨年の12月に起こした。これに関して朝日は次のようなコメントを発表している。

小川栄太郎氏の著書には、森友・加計学園に関する朝日新聞の一連の報道について事実に反する記載が数多くありました。本社には一切の取材もないまま、根拠もなく、虚報、捏造、報道犯罪などと決めつけています。具体的に問題点を指摘し訂正を求めましたが、小川氏は大半について「私の『表現』か『意見言明』への苦情に過ぎません」などとして応じませんでした。出版元も著者の小川氏任せで、訂正は今後も期待できません。(全文はここをクリック)

この訴訟についてもスラップ訴訟ではないかという声があがっている。筆者は、朝日が訴因とした小川氏の著書を読んでいないので、内容そのものに関しては言及できないが、しかし、社会通念からすれば、報道機関が他のメディアに対して5000万円もの高額を請求するのは尋常ではない。

「5000万円の損害賠償」という裁判用語をかみ砕いて言えば、「5000万円のお金を払えと迫る」ということになる。あるトラブル対して、「迷惑料」や「慰謝料」の名目で5000万円の金銭を要求することなと、指定暴力団でもやらないだろう。それが訴訟というかたちを取ると、いとも簡単にやってしまう。正常な感覚が麻痺しているとしか言いようがない。

他人の著作に不満があれば、自社の紙面でそれを徹底して批判すればいいだけの話ではないか。

名誉毀損を理由とした高額訴訟は、小泉内閣が着手した司法制度改革の前の時代にはあり得なかった。が、武富士事件あたりから、請求額が尋常ではなくなった。1億円、2億円といった請求も半ば当たり前になった。筆者自身も、読売から1年半の間に、3件の裁判を起こされ、総額で約8000万円を請求された。しかも、読売の代理人を務めて訴訟の先頭に立ったのは、人権擁護団体・自由人権協会代表理事の喜田村洋一弁護士だった。これにはびっくり仰天した。

繰り返しになるが、指定暴力団でもこんなことはしない。気にくわない人物の自宅に押しかけて、「5000万円払え」などとは言わない。ところが訴訟というかたちになると、自然なかたちで受け入れられてしまうのだ。

◇報道に対しては、報道で対抗を

こうした現象の背景に「訴訟ビジネス」があることは言うまでもない。高額訴訟になると、弁護士はより高い着手金をクライアントから請求できる。勝訴した時の成功報酬も高くなる。しかも、名誉毀損裁判は、原告に極めて有利に法理になっているので勝訴の可能性が高い。そのために弁護士のお金儲けに最適なのだ。

高額訴訟を起こすように勧誘されたといった情報も、ちらほらと筆者の耳に入っているが、弁護士事務所としてはあるまじき行為である。

言論機関はあくまでも言論で闘うべきなのだ。司法に解決を依頼せざるを得ないような言論機関は、みずからの無力を世間にさらしているに等しい。小川氏の言論が気にくわないのであれば、新聞紙上で繰り返し批判すべきだろう。

筆者も毎日新聞社に、明らかに名誉を毀損する記事を書かれたことがある。肩書きを「自称フリーライター」とされたのだ。しかし、提訴はしなかった。そのかわりに、新聞社の「押し紙」報道を続けている。こちらの方が相手にとっては、裁判よりも重荷になるはずだ。と、いうのも裁判とは異なり、報道には終点がないからだ。

毎日新聞の記事の全文

 

【参考記事】朝日のJCJ大賞受賞に異議あり、森友・加計報道は本当に朝日の特ダネなのか 

2018年01月25日 (木曜日)

元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏が、ジャーナリストでIWJ代表の岩上安身氏を提訴した事件が波紋を広げている。経緯は、既報したように岩上氏が橋下氏に関する第3者のツィートをリツィート(コメントはなし)したところ、名誉を毀損されたとして橋本氏が、100万円の「お金」を請求して提訴したというものだ。

この事件は、スラップ訴訟ではないかとする見方が広がっている。これに対して、橋下氏は、ツイッター(5:14 - 2018年1月23日 )で次のように述べている。

近代国家においては訴える権利が原則であり、裁判例においても訴権の濫用となるのは例外的です。SLAPP訴訟だ!という主張を安易に認める方が危険です。もちろん訴権の濫用というものもありますが、これは裁判の結果、認定されるものです。

橋下氏がいうとおり、日本では訴権が最優先されているので、訴権の濫用が認定されたケースは、過去に3件しかない。幸福の科学事件、武富士事件、それに長野の太陽光パネル設置事件である。訴権が認められていなければ、民主主義が成り立たないから、それはある意味では当然のことである。

と、すれば日本における訴権の何が問題なのだろうか。結論を先に言えば、訴権と同列に反スラップ法が存在しないことである。これに対して米国では、28州でスラップ禁止法が整備されている。

◇日米で異なる名誉毀損裁判の法理

スラップ訴訟であるか否かを判断するプロセスは州によって異なるが、カリフォルニア州の場合は、被告側がスラップ訴訟の可能性を申し立てた場合、裁判に入る前に、原告側が請求内容の正当性を立証できるだけの十分な証拠を持っていることを示すことが求められる。もちろん提訴の原因となった被告側の言動に公益性があるかどうかなども検証対象となる。その上で裁判所がスラップ訴訟と判断した場合は、裁判は口頭弁論に入る前に中止され、弁護士費用などは、スラップ訴訟を提起した原告が負担するなどの規則がある。

このあたりの事情は、『スラップ訴訟とは何か』(烏賀陽弘道著、現代人文社)に詳しい。一読を勧める。

米国の多くの州では、こうした反スラップ法を整備したうえで、訴権が尊重されているのである。

これに対して日本では、訴権は認めるが、訴権の濫用を防止する法律は整備されていない。しかも、名誉毀損裁判の場合、訴因となった被告側の言動が真実であること、あるいは真実に極めて近いこと(真実相当性)を立証しなければならない。

たとえば筆者が「K新聞社の『押し紙』率が30%」と書いて名誉毀損裁判を提訴された場合、被告である筆者がこの数字が真実であることを立証しなければならない。これに対して、もし、この裁判が米国のカリフォルニアで開かれるのであれば、K新聞社の側が「押し紙」率が30%に達していない証拠を示さなければならない。「押し紙」問題には公益性があるからだ。このように米国では、立証責任は原告側にあるのだ。日本とは法体系が異なっているのだ。

橋下氏の言うとおり、訴権は尊重されてしかるべきだが、訴権だけが一人歩きすると、裁判が言論弾圧の道具に悪用されかねない。

小泉内閣の時代には、小泉氏が自ら司法改革推進会議の先頭に立って、司法制度改革に乗りだした。これは構造改革の一端で、日弁連もこれに協力して、裁判員制度を設けたり、国際業務に強い弁護士の育成に乗りだしたりした。名誉毀損裁判における賠償額も高くなった。

これらの方針は、グローバリぜーションの中で、多国籍企業を日本に誘致するための方策だった。一種のハーモニーぜーションである。

が、最も肝心な部分にはノータッチだった。それはスラップ防止法の設置と、名誉毀損裁判の法理を米国と同様に、原告側の立証責任とするように改革しなかったことである。その理由は、筆者の推測になるが、「訴訟ビジネス」が出来なくなるからである。名誉毀損裁判で財産を作った弁護士もいるのだ。

訴権の濫用は、当たり前になっている。

2018年01月24日 (水曜日)

 

防衛省で業者による水増しが発覚した。

自衛隊の航空機の計器を修理する際などに約26億円を国に水増し請求していたとして、防衛省は17日、東京航空計器(東京都町田市)に対し、水増し額の返還金や違約金など約70億円を請求したと発表した。同社は全額を即日納付した。(朝日デジタル)

こうした事件は、筆者が知る限りでは、中央省庁で少なからず発生している。2016年から17年にかけて、筆者は中央省庁と博報堂の商取引を検証したが、そこでも様々な疑惑が浮上した。

極端な例を紹介しよう。次に紹介するのは、2015年6月に文部科学省が博報堂と交わした「日本人の海外留学促進事業」で使われた費用の内訳である。

印刷・発送費:2700万円
ウェブサイトの制作:2100万円
グラフィック制作:1100万円
動画制作:400万円
ノベルティ制作:400万円
その他:600万円
事務担当者人件費:700万円

裏付け(レビューシート)

デタラメな支出の典型例として分かりやすいのは、ウエブサイトの制作に2100万円が支出された事実である。ページ数は、たったの9ページである。

通常、ウエブサイトの制作費は、法人であれば300万円程度。個人であれば、30万円から50万円である。ウェブサイトの制作として2100万円を博報堂に支払っているのは明らかにおかしい。

しかも、よく調べてみると、前年にあたる2014年度にも、文部科学省は同じプロジェクトで3件のウエブサイトを発注している。このうちの2件は、博報堂と博報堂プロダクツへの発注で、その総額は1670万円だった。

裏付け(レビューシート)  

◇「手作り」の請求書

防衛省のウエブサイトについても水増しの疑惑がある。たとえば海上自衛隊は、7年間で4回もホームページを再構築している。そして請求額は1件につき約1000万円が博報堂から請求されている。

海上自衛隊の公式ホームページには、特に機密情報はなく、それほどセキュリティーに費用をかける必要はないはずだが、なぜこんなに高額になったのか不思議だ。詳細は次の通りである。

博報堂が海上自衛隊に送付した請求書の詳細(エクセル)

ちなみに防衛省には、恐らくはワードで作成した「手作り」の請求書が存在する。通常は、会計システムの中でコンピューターから出力された請求書を使うものだが、なぜか「手作り」のものがある。以前、防衛省に理由を尋ねたが、「お答えしません」とのことだった。

 

【写真】黒塗りで公開された情報公開資料(本文とは関係ありません)

 

2018年01月23日 (火曜日)

ツイッターのリツイート(RT)を理由とした名誉毀損裁判が大阪地方簡易裁判所で起きた。裁判を起こしたのは、元大阪府知事でタレント、弁護士でもある橋下徹氏である。訴えられたのは、IWJ代表でジャーナリストの岩上安身氏である。

岩上氏は22日に自由報道協会で記者会見を開き、訴訟の詳細を明らかにした。それによると橋本氏は、トラブルを解決するための話し合いの申し入れや内容証明による警告を発することもなく、昨年の12月15日にいきなり提訴に及んだという。請求額は、100万円。たった1度のリツィートで、しかも、当該のツィートに対して岩上氏がコメントすら書き込んでいないにもかかわらず、このような高額を請求してきたのである。

岩上氏は、SNSが普及している社会のなかで、「誰の身の上にでも起こり得る」訴権の濫用事件として、言論を抑圧する風潮や、仮に敗訴した場合の負の影響に懸念を示した。

問題となっているリツィートの内容は、現段階では未公表。記者会見の場での公表が、再び名誉毀損行為に問われるリスクがあるかだ。

◇簡易裁判所で「小遣い」稼ぎ

ちなみに松井一郎・大阪府知事も、米山隆一・新潟県知事に対して、ツイッターで名誉を毀損されたとして、裁判を起こしている。

松井知事が新潟県知事を「名誉毀損」で提訴

はからずも「日本維新の会」の関係者が、ひと月ほどの間に、ツイッターに関連した2件の名誉毀損裁判を起こしたことになる。尋常ではない。

これらの裁判が訴権の濫用に該当するかどうかは、今後、検討してみる必要があるが、結果として提訴が言論を抑圧する効果を発揮していることだけは否定できないだろう。とりわけ岩上氏のケースでは、他人のツィートを単にリツィートしただけで、100万円請求されているわけだから、社会通念からすれば非常識である。

表に出ていないだけで、水面下でこうした一種の「脅迫」が横行している可能性もある。大半の人にとって裁判とは、得体の知れない不安をかき立てるものなのだ。訴状が届いただけで震え上がる人もいるのだ。その恐怖から逃れるために理不尽な金銭要求に応じて、係争から「逃避」する人がいる可能性もある。こようなケースでは、提訴先が簡易裁判所になることが多い。裁判の進行が早く、手っ取り早く「お金」を受け取る目的と整合するからだ。

筆者の知っているケースだが、この方法で10万円、20万円程度の「小遣い」を稼いでいる知人がいる。

橋下氏の提訴先も簡易裁判所である。その理由を知りたいものだ。幸いに自由報道協会が橋下氏に記者会見を開くように要請しているので、機会があれば質問してみたい。

◇ジャーナリズムの土俵

訴権の濫用に対する対策はあるのだろうか。筆者が考える対策は、係争をジャーナリズムの土俵にあげることである。現在日本の法理からすれば、名誉毀損裁判の場合、原告側が圧倒的に有利だ。そこで係争をジャーナリズムの舞台に上げるのだ。

法廷を土俵とした闘いは2年から3年で終わるが、ジャーナリズムの土俵に原告を立たせれば検証は、10年、20年と続く。現在のところスラップ防止法が出来る見込みがない。と、すれば闘いの手段は、ジャーナリズムしか残っていない。

【写真】岩上安身氏

2018年01月22日 (月曜日)

本書は、自由党の森ゆうこ議員と、東京新聞の望月衣塑子記者の対談である。森友・加計問題や伊藤詩織さん事件などを柱に、メディアや国会の実態などをテーマに意見を交わしている。

発言内容の大半は、これまで耳にしてきたことである。あるいは両者の言動と整合するものである。しかし、書籍というかたちで再度両者の発言をたどっても、面白く読めるように構成してある。ただ、多少の違和感があった。この書評では、その違和感の部分を取りあげてみたい。

◇マネーロンダリングとスラップ訴訟

まず、森ゆうこ氏の発言についてだが、批判の鉾先は、民新党にまで及び、永田町の腐敗した実態が伝わってくる。しかし、森氏自身はどうなのかという問題がある。メディア黒書で既報してきたように、森氏は、政治献金の還付金制度を悪用して、マネーロンダリングを行ってきた。それが問題になり、筆者らから詐欺容疑で刑事告発されている。検察は、それを受理したが、結局、訳の分からない理由をつけて不起訴にした。しかし、マネーロンダリングで「お金」を増やしていたことは、紛れもない事実である。

(参考記事)高市早苗総務大臣と森裕子議員の政治献金を悪用したマネーロンダリング、与野党政治家の劣化が顕著に

さらに森氏は、2013年に森氏の支援者だった男性に対して、名誉毀損裁判を起こしている。要求した金銭は500万円。しかし、この提訴は、森氏の完全敗訴で終わった。スラップ訴訟だったとの見方もある。

余談になるが、この裁判に関連して、森氏の友人である八木啓代氏が、筆者らに200万円を請求する名誉毀損で提訴した。しかし、八木氏も敗訴している。

筆者が感じた疑問とは、森氏に永田町の腐敗を批判する資格があるのかという点である。

◇本多・大森・斉藤--ナベツネ

望月記者に関して言えば、筆者が違和感を持ったのは、ひとつには読売の渡邉恒雄氏を理想の政治記者としてもちあげている点である。そのくだりを引用してみよう。

森:(略)権力とメディアは一定の緊張感が絶対に必要。たとえ、友人同士だとしても、距離感をもって対峙しないと国民が不幸になってしまいますよ。

望月:そうですね。もしくは、渡邉恒雄読売新聞主筆みたいにどんな政治家に対しても、自分の思いとか信念をきっちり言えるぐらいに力を持つか。
 もしかしたらそれが政治記者として目指すべき到達点かも知れませんね。いずれにしても、政治家の言いなりにならない、政治が間違っていたら間違っているって言えないといけないですよね。自分が総理を使ってこの国を変えていくんだという気概を持つとかね。

渡邉氏が政界に強い影響力を持っているのは、読売新聞の部数が圧倒的に多く、日本の世論をコントロールする力を持っているからである。記者として優れているからではない。少なくとも筆者は、記者としての渡邉氏は評価していない。理由は簡単で、ジャーナリストとして卓越した調査報道がないからだ。

調査報道の実績がある朝日の本多勝一、毎日の大森実、共同の斉藤茂男といった記者の著書と渡邉氏の著書を読み比べてみると、その洞察力の違いが一目瞭然となる。記者の評価は、著述のレベルで下すものだと思う。人脈が豊富か否かではない。著述の評価がすべてと言っても過言ではない。

とはいえ、こうした批判は部分的なことである。

タイトル:『追及力』
著者:森ゆうこ、望月衣塑子
版元:光文社

2018年01月19日 (金曜日)

最近の「押し紙」裁判の特徴として、裁判所がようやく「押し紙」問題を理解するようになったことである。以前は、裁判官の多くが、新聞社に限って社会的な不正行為を実行することはありえないという偏見を持っていたらしく、「押し紙」の存在は認められなかった。訴えは棄却されてきたのである。

もっとも2007年に最高裁で判決が確定した真村訴訟は例外である。これは地位保全裁判(真村訴訟)だったが、判決の中で読売の「押し紙」政策を認定した。また、2011年に山陽新聞の店主が勝訴したケースもある。だが、筆者の知る限り、その他の訴訟ではことごとく販売店が敗訴していた。

ここ数年、販売店が和解勝訴するケースが増えている。

真村訴訟での「押し紙」政策認定については、読売はその解釈を認めていない。事実、この点に言及した『月刊Hanada』の記事(黒薮執筆)に、読売の滝鼻広報部長が抗議文を送りつけた。そこで、それに対する筆者の反論と、判決を以下に掲載しておこう。滝鼻氏が希望されるようであれば、抗議文の全文を掲載する。

読売の滝鼻広報部長からの抗議文に対する反論、真村訴訟の福岡高裁判決が「押し紙」を認定したと判例解釈した理由

真村裁判福岡高裁判決

今後、「押し紙」の損害賠償をめぐる裁判が多発することが予測される。販売店が勝訴するためには、とにかく「押し売り」の証拠を保管しておことである。出来れば、1週間分ぐらいの「押し紙」を保管しておいて、それを証拠として、法廷に持ち込むことをお勧めする。人はものごとをビジュアルに認識すると、その実態を理解しやすい。

裁判官の大半は、現場に足を運ばないから、丁寧に状況を説明する必要がある。「押し紙」や折込チラシの動画を撮影しておくのも、有効な手段である。

◆「押し紙」の回収場面

次の3点の動画は、「押し紙」を回収している場面である。回収されている新聞が古紙でないことは、新聞がビニールで梱包されていることで分かる。毎日新聞の場合、「押し紙」率が70%を超える販売店もあった。

【動画1】

 

【動画2】

 

【動画3「今朝の毎日新聞が数時間後には只の新聞紙(古紙)になるまでの様子」

◆折込広告の破棄

「押し紙」とセットになっている折込広告も破棄される。以下の「1」と「2」は、過剰になった折込広告を段ボール箱に入れる場面である。「3」は、折込広告が入った段ボールを、トラックに積み込む場面である。

なお、「3」は、販売店から紙収集場までをカメラが追跡している。素人が撮影した動画だが、こんな場面はNHKに40年勤務しても撮影できないだろう。

【1,大量廃棄されるユニクロの折込広告】

 

【2,大量廃棄される山田養蜂場の折込広告】

 

【3,販売店から折込広告を搬出する場面】

2018年01月18日 (木曜日)

スラップが社会問題になって久しいが、裁判を起こした側に本当にメリットがあるのかどうかを検証する時が来ている。筆者がそう考えるようになった糸口は、今年の正月に友人宅を訪問した時の体験である。

台所にDHCのサプリメントが置いてあったので、DHCの吉田嘉明会長がどのような人物なのかを説明した。吉田氏は次々と裁判を起こしてきた人物として有名だ。

記憶に新しいところでは、2014年の春に、ほぼ同時に10件の裁判を起こした。発端は、渡辺喜美衆議院議員(当時、みんなの党代表)が、吉田会長から8億円を借りていながら、その一部を返済しなかったために、吉田会長が週刊新潮で手記を発表したことである。

この事件について、さまざまな論評が行われた。個人のブログでも、論評が展開された。その大半は、吉田会長に対する批判だった。

これに対して吉田氏は、批判者から10名を選んで名誉毀損裁判を起こしたのだ。また、意外に知られていないが、その前にも自社の元社員に対して裁判を起こしている。次々と裁判を起こす人物なのだ。

こうした吉田氏の人間性を筆者が説明したところ友人は、

「そんな人が作るサプリメントは安全なんだろうか?」

と、言った。

「中味を調べる必要があるだろう」

そう応じた筆者もサプリメントの服用者である。しかし、2014年の吉田会長による「同時多発裁判」からのち、DHC製品は絶対に買わないようにしている。自分の利益のためなら、社会通念から逸脱する行為に走ることをはばからない人間が製造した「食品」を食べるリスクを感じたからだ。コスト削減のために何をやっているか分からないという不安があった。

◇読売裁判で「押し紙」問題が市民権を得る

読売が筆者に対して起こした3件の「一連一体裁判」についても、同じような原理が働いている。読売裁判を通じて、皮肉なことに日本の新聞業界には「押し紙」が存在することが、広く世の中に知れ渡った。提訴されて、被告が黙り込んでしまえば、裁判を起こした者の思うつぼだが、筆者が裁判を逆手にとって「押し紙」問題を報道したために、今では「押し紙」という言葉が市民権を得てしまった。

しかも、裁判の間に収集した読売側の資料がすべて筆者の手元に保管されているわけだから、その後の「押し紙」報道も格段にやりやすくなった。ちなみに筆者が弁護士に払ったお金はゼロ円である。

販売店や市民からの情報提供も増えた。こんなふうに考えると、提訴権そのものは行使してもいいが、根拠のない裁判や、誰がみても異常な形の提訴は避けるほうが安全だ。長い目でみると、洗濯したぐらいではおちない返り血を浴びることになりかねない。