2014年10月07日 (火曜日)

『財界にいがた』が、森裕子裁判の総括特集を組んでいる。13ページを割いた大掛かりな企画で、タイトルは、「総括・最高裁と検察審査会の闇」。次の3編の記事から構成されている。

■勝訴した被告担当弁護士が語る″名誉毀損裁判″で敗訴した原告・森裕子の大誤算

■正義の実現のために今こそ国民は最高裁に厳しい監視の目を

■福島原発事故の刑事責任追及でカギを握る″霞が関の検察審査会

同誌の読者が多い新潟県は、森裕子前参院議員の地元である。その意味では、政治家などの公人を監視するジャーナリズムの役割を果たす価値ある特集だ。

2014年10月06日 (月曜日)

文科省が8月に発表した「平成26年度全国学力・学習状況調査」の調査項目のひとつに、「児童生徒のメディア・社会との関係」と題する項目がある。

この中に「新聞を読んでいますか」という質問項目がある。
回答は、次の通りである。

【小学校】

ほぼ毎日:10.1%
週に1~3回程度:17.2%
月に1~3回程度:22.3%
ほとんど・全く読まない:50.2%

【中学校】

ほぼ毎日:8.2%
週に1~3回程度:13.3%
月に1~3回程度:19.1%
ほとんど・全く読まない:59.1%

■「児童生徒のメディア・社会との関係」PDF

調査の結果を踏まえて、一部の新聞業界紙が「新聞を読む生徒ほど正答率高く」といったタイトルの記事を掲載している。しかし、調査結果を見る限りでは、新聞を読む行為と学力の向上の関係は読み取れない。

新聞を読んでいる生徒がたったの10%程度で、しかも多用なメディアが存在する状況下で、新聞を読む行為と学力の向上を調べること自体が難しい。第一、学力とは何かという問題もある。

ちなみに「小説やエッセイ、ルポを読んでいますか?」という設問はなく、新聞だけをことさらに質問項目としてクローズアップしている点も不自然だ。新聞を読んでいる生徒は、もともと文字に親しんでおり、新聞も読むが、書籍も読んでいる可能性が高いからだ。

かりに「活字を読むこと=学力の向上」であれば、どのような文字媒体が学力の向上につながったのかを突き止めなければ、調査の意味はない。

なぜ、児童を対象とした調査で新聞に関連した項目が入ってくるのだろうか。答えは簡単で、小学生のころから、「新聞=信頼できる情報」という先入観を植え付けることである。

2014年10月03日 (金曜日)

読売新聞と朝日新聞のABC部数が激減している。特に読売は、昨年の11月を起点にすると、8月末までに約77万4000部も減らしている。

一方、地方紙やブロック紙のABC部数は、どのような実態になっているのだろうか。昨年の11月と今年の8月を比較してみよう。

まず、ブロック紙の部数変遷。

                      13年11月         14年8月        差異
北海道新聞 1,101,504    1,069,839   -31,665
中日新聞       2,633,677       2,531,163    -102,514
西日本新聞      727,008          710,365     -16,643

ブロック紙も同様にABC部数を減らしている。

2014年10月02日 (木曜日)


 

■小沢一郎検察審起訴議決を"架空議決"と結論付けた"7つの根拠"

■添付資料:証拠書類

私達市民は、4年間、小沢検察審疑惑について調べ続けた。最高裁事務総局、検察審査会事務局、東京地方裁判所、会計検査院、東京地方検察庁などには何度も足を運んだ。そして、これらの役所への情報開示請求は60回以上に及んだ。開示資料も山のように集まった。

どの開示資料も怪しいものばかりで、審査員と審査会議の実在を示す証拠は一つとして存在しなかった。【続きを読む】

 

2014年10月02日 (木曜日)

独立行政法人・日本医療研究開発機構が東京大手町にある読売新聞ビル(地上33階建て、2013年11月に竣工)に入居することが分かった。業界紙の報道によると、8月29日に読売新聞東京本社と文部科学省が、「今年12月から来年3月までの定期建物賃貸借契約を締結」したという。

日本医療研究開発機構の設置は、安倍内閣が今年の7月22日に閣議決定で決めた。それからひと月あまりで、読売新聞ビルへの入居が決まった。

参考:平成26年7月22日 閣議決定

2014年10月01日 (水曜日)

月間テーミス10月号の連載、「政官パトロール」で、編集人の横田が「小渕経産&塩崎厚労相に早くも黄信号」という記事を書いています。

塩崎大臣、またもや日銀から秘書官を・・GPIF対策なのでしょうが、その性質から言ってなかなか「モノ言う株主」にはなりにくいのではないかと思うのであります。【続きを読む】

2014年10月01日 (水曜日)

新聞や書籍、それに雑誌などを対象とした消費税の軽減税率の適用問題が山場を迎えている。業界紙の報道によると、日本新聞協会と日本新聞販売(日販協)が協同で、「100万人署名」を展開している。

出版物に対する軽減税率の問題は、MEDIA KOKUSYOで繰り返し報じて来たように、適用される可能性が極めて高い。マスコミは「適用は難しい」という見方をしているが、わたしは99%適用されると考えている。

理由は以下の通りである。

【1】日販協を中心とした政界工作により、既に幅広い国会議員や官僚の支持を取り付けている。たとえば、日販協の政治連盟から、150人を超える議員に政治献金が支出されている。次に示すのは、高市早苗総務大臣に対する政治献金の証拠である。

参考:高市早苗総務大臣への政治献金(2009年度・奈良県選挙管理委員会)

高市氏への政治献金は、ほんの氷山の一角に過ぎない。

2014年09月30日 (火曜日)

新聞の編集方針は、時代によってころころと変化するようだ。このところ話題になっている強制連行(従軍慰安婦を含む)など旧日本軍の戦争犯罪を、読売新聞がどのように扱っていたかを調べてみた。

1985年9月27日の朝刊「顔」の欄(冒頭写真)には、吉田清治氏が登場している。改めていうまでもなく、吉田氏は、朝日の「誤報」問題の発端となった人である。吉田氏は、旧日本軍が従軍慰安婦を強制連行した旨の証言をしたが、第3者証言の不在を理由に、証言はウソだったと決めつけられてしまった人物である。

その吉田氏を読売新聞も、かつては肯定的に取り上げている。次のようなタッチである。

 (略)強制連行の被害体験を語った記録は数多い。だが、加害者側の日本人が語っているのは、吉田さんだけだ。(略)

 強制連行の犠牲者の大半は、いつどこで、どんな状態で亡くなったか分からない。遺骨の所在も不明だ。(略)

従軍慰安婦の強制連行については、1976年8月14日付け朝刊で、久保田二郎氏が「従軍慰安婦の『碑』は恥か」と題する短文を読者欄に投稿している。

 日清、日露の武力介入以来、日本軍は戦場の各地で住民婦女子への 暴行事件が絶えず、占領地の治安はみだれ、性病のまんえんするに及んで慰安所(遊郭のたぐい)を開設するようになった。慰安婦の募集は疲弊した農村から甘口とサーベルの威圧の下に行われたようだ。

また、1976年4月19日付けの朝刊「読書」欄では、聖書研究者の佐竹明氏が、「我々が忍んだもの 彼らに忍ばせた罪」と題するエッセイを掲載している。

(略)彼女たちは戦時中朝鮮の地方から十代のうら若さで、だまされて、しかも強制的に狩り出され、日本の将兵の性欲のはけ口の役を果たすべく、有無をいわせず、中国を始めとする前線に配属され連日数十人の相手をさせられたという。

これらの記事から、読売のスタンスがいかに大きく変化しているかが読み取れる。

2014年09月29日 (月曜日)

日本ABC協会が公表した8月のABC部数によると、朝日新聞と読売新聞の8月の新聞部数の変動は、ほとんど変わらないことが分かった。両者の部数比較は次の通りである。

【8月の朝刊】
朝日:7,252,277部
読売:9,233,844部

【対前月差】
朝日:-14,589部
読売:-14,602部

【対前年同月比】
朝日:-303,582部
読売:-612,990部

【8月の夕刊】
朝日:2,360,526部
読売:3,079,110部

【対前月比】
朝日:-78,710部(販売店:-78,014部)
読売:-22,104部(販売店:-20,583部)

【対前年同月比】
朝日:-370,948部
読売:-273,575部

■全国の新聞の部数変動PDF

これらの数字から、従軍慰安婦問題の「誤報」で、朝日が部数を減らしているという週刊誌や月刊誌の報道が間違いであることが分かる。以下、解説である。

◇朝刊と夕刊の関係

まず、朝刊は、朝日も読売も前月に比べて約1万4000部減っている。朝日だけが、減っているわけではない。逆に朝日は、大阪本社と西部本社などでは部数を増やしている。

興味深いのは、夕刊の部数変動である。朝日は、確かに約8万部と大幅に部数を減らしているが、その大半は、キオスクなどで行われる直売ではなくて、販売店が扱っている部数である。つまり朝夕刊のセット版を購読していた人が、朝刊だけの購読に切り替えたことを意味している。朝日の購読を中止したということではない。

原因は、読者が慰安婦報道や原発報道の「誤報」に怒ったことではなくて、お金を節約するためだった可能性が高い。怒りが原因であれば、購読を完全に中止するからだ。主要な情報がある朝刊は、購読し続けているのである。

ちなみに夕刊をサービス(無料)した場合は、部数減を招かない。

◇部数減の原因はインターネットへの移行

ただ、ABC部数に「押し紙」が含まれていることも事実である。新聞社が印刷部数を申告する方式で部数を集計するので、ABC部数が販売部数を正確に反映していない可能性もある。

しかし、新聞各社の部数動向のおおまかな傾向を把握する目安にはなる。

こうした観点からABC部数を解析すると、新聞業界全体が部数減を招いているのが実情で、朝日だけが「誤報」で著しく部数を減らしたとする週刊誌や月刊誌の解釈は間違っている。事実認識の誤りである。

わたしは新聞社の主張と部数の変動はあまり関係がないと見ている。部数減の原因は極めて単純で、紙媒体からインターネットへの移行の結果であると考えている。時代の流れである。

2014年09月26日 (金曜日)

『最高裁の罠』の著者・志岐武彦氏は、25日、歌手で作家の八木啓代氏を東京地裁へ提訴した。裁判は民事15部が担当する。

この裁判についてわたしは次のような見方をしている。名誉毀損裁判であるから、争点は当然、志岐氏が名誉毀損として指摘している八木氏による約200件のTwitterが名誉毀損に該当するか否かという点になる。しかし、客観的にみると、この裁判は個人の名誉よりも、もっと重大な問題をはらんでいる。

それは八木氏の一連のTwitterの引き金となっている最高裁事務総局が管轄していた東京第5検察審査会(俗に「小沢検審」)に関する数々の疑惑である。

日本の名誉毀損裁判では、名誉毀損を指摘された文章表現や発言に公益性があることや摘示内容が真実、あるいは真実に限りなく近いことを被告側が立証しなければならい。立証責任は八木氏の側にある。

◇新たな疑惑も浮上

「小沢検審」に関する疑惑は、MEDIA KOKUSYOでも繰り返し取り上げてきたが、志岐氏の一貫した主張は、小沢検審が架空であったと推測するに足りる十分すぎる証拠が存在する、というものである。

これは市民オンブズマンの石川克子氏の協力を得て、最高裁事務総局などに対して情報公開請求を繰り返し、膨大な量の資料を入手し、それを丹念に分析した結果、たどりついた根拠のある推論である。「妄想」ではない。

八木氏は、TWITTERなどを通じて、志岐氏の理論を「妄想」などと主張してきた。従って法廷では、志岐理論が妄想かどうかを検証せざるを得ない。すなわち法廷で志岐氏の理論が問われるのだ。

わたしは特に次の点に注目している。

検察審査のクジ引きソフトが、不正操作できる仕組みになっている疑惑の再検証。(これについては森裕子氏が議員の特権で調査し、『検察の罠』に詳しく記している)。

検察審査会が起訴相当の議決を下す前に、義務づけられる検察官による意見表明が行われていない疑惑の解明。志岐氏らが情報公開で得た検察官の出張記録によると、小沢検審の議決前に、担当検察官が小沢検審に出張した記録がない。

森議員の要請で、会計監査院が検察審査員(あるいは架空の検察審査員)に対する旅費支払いの有無などを調査したところ、肝心の「小沢検審」に関する調査は行っていなかった事実が判明した。(これは石川克子氏が膨大な資料を精読した結果判明した。ななめ読みしていれば、見落としていた可能性が高い)

検察審査員(あるいは架空の検察審査員)に対する旅費支払いの発議日が小沢検審ではばらばらになっている事実。これも情報公開で判明した。

だれが週刊朝日などに、検察の捏造報告書をリークしたのか。ルートは2つしかない。(窃盗のケースを除く)検察内部の者が捏造報告書を持ち出した可能性。小沢弁護団を介して何者かが、外部に持ち出した可能性。

ほかにも最近になって志岐氏が新たに入手した裏付け資料が存在する。たとえば検察審査会の経理を担当している東京地裁の経理書類を、何者かが修正液を使って偽造した疑惑が浮上している。さらに、原本のコピーとされる書類に記された金額の字体などが、原本に一致していない。この点については、東京地裁も認めている。原本は、会計監査院が保管している。

これに関して志岐氏は、東京地裁に説明を求めている。現在、東京地裁は総がかりで調査しているので、真相が分かり次第にMEDIA KOKUSYOでも報告したい。

(実物のコピーがあるので、東京地裁の説明に道理がない場合、あるいは説明しない場合は、MEDIA KOKUSYOでも公開します。)

◇志岐氏は裏付け資料の提供を

八木氏は、志岐氏や石川氏が私費を投じて解明したこれらの疑惑を根拠とした小沢検審架空説が、「妄想」、あるいは「虚言」だと主張し、志岐氏に対して(精神)病院か教会へ行くようにTwitterで述べたのである。と、なれば法廷では、志岐氏らの調査報道が誤っていることを立証しなければならない。

もちろん志岐氏の側も、裁判所を通じて八木氏に対して、これまでに入手した裏付け資料を提供すべきである。

わたしは個人的には、こうした議論は、論争で決着をつけるのが望ましいと考えている。しかし、このケースでは、森裕子氏が先に志岐氏を提訴しており、森氏を支援するかたちで、Twitterによる悪質な攻撃が加えられたのである。と、なれば志岐氏の提訴には一定の道理がある。

参考:「森裕子VS志岐武彦」裁判の全記事

2014年09月25日 (木曜日)

『最高裁の罠』の著者で、7月に判決が下された森裕子裁判に完全勝訴した志岐武彦氏が、歌手で作家の八木啓代氏に対して、200万円などを請求する名誉毀損裁判を起こすことが分かった。訴状は、25日に東京地裁に提出される予定。

八木氏は、ラテンアメリカと日本を往復しながら、歌手、作家、市民運動家として活動している。みずからのTWITTERのプロフィールは、自身の生き方について次のように述べている。

 立てば歌い手、座れば作家、歩く姿は放浪者。 座右の銘は「敵もできないような無難な人間になってはいけない」 Cantando se recrea esta mujer. この人何なの?と思われた場合は、とりあえず名前をググってください。Wikipediaなどに項目があります。

◇繰り返された「妄言癖」という表現

提訴の理由は、森裕子氏と志岐氏が、検察審査会の「闇」(東京第5検審が、2009年9月14日の民主党代表選の当日に、候補者だった小沢一郎氏に対して起訴相当の議決を下した事件)をめぐる解釈の違いから、ネット上で論争した際に、Twitterで執拗に志岐氏を誹謗中傷し続けたというものである。

参考記事:森裕子裁判が提起した最高裁事務総局の問題、だれが検察の捏造報告書をリークしたのか? ルートは2つしかない

TWTTER攻撃は、2013年5月から始まり、2014年7月18日の「森裕子―志岐裁判」判決当日まで延々と続いた。ちなみに判決当日のツイートは次のようなものである。

卑劣な奴はとことん卑劣という好例ですね RT @moriyukogiin 裁判について小倉秀夫弁護士が説明文を RT ……

志岐氏が特に「許しがたい」としているのは、TWITTERの次のような表現である。一部を紹介しよう。

とにかく明らかなのは、志岐さんには、誰もかけていない電話が聞こえ、会ってもいないのに会った記憶が作られ、そこでは、志岐さんに都合の良い事実が曝露されるらしいことである。早急に病院に行かれた方がよろしいかと思う

ちなみに、どうせまともな人は信じないので改めて書く必要もないと思いますが、志岐氏が昨日付けブログに書いていることは、すべて妄想です。かなり症状が進んでいるなと思います。早い内に病院か教会に行かれる方がよいと思います

病的な虚言癖でなければそういうことになりますね

人格障害の可能性もありますね

病的な虚言癖」でなければそういうことに

自著を売るために、証拠もないのに妄言を並べているだけ。RT・・・

志岐さんは妄想の世界に入られました。私は私で独自の路線ですRT・・・

(注:太字は黒薮)

「早い内に病院か教会に行かれる方がよいと思います」といった精神障害者やキリスト教徒を、高慢な視点で蔑視した表現もある。

◇森裕子VS武彦裁判との関係も

森裕子VS武彦裁判で、八木氏は森元議員のために陳述書も提出している。また、志岐氏を攻撃する森氏のTwitterを何度もリツイートしている。

志岐氏は、提訴に際して次のように話している。

「わたしは4年にわたり自分の資金を投じて情報公開や取材を重ね、最高裁事務総局の問題を明らかにしてきました。しかし、八木氏と森氏は、わたしを妄想老人ということにして、虚像を広げ、活動の成果をつぶしていきました。架空議決説を妄想として、拡散していったことが許せません」

森裕子裁判では、志岐氏の主張がほぼ全面的に認められている。
なお、八木氏は別の人物からも、名誉毀損裁判を起こされている。

参考:「森VS志岐」裁判の全記事

2014年09月24日 (水曜日)

昨日(23日)、郵便ポストに『朝日「慰安婦」報道は何が問題なのか』と題するリーフレットと「読売新聞は真実を追求する公正な報道で信頼に応えます」と題するチラシがセットになって投函されていた。

読売の読者ではないわたしの自宅ポストにこれらのPR媒体が投函されたことから察して、全戸配布の結果ではないかと思われる。ただし、配布の範囲が一地方に限定したものなのか、全国的規模なのかは分からない。

『朝日「慰安婦」報道は何が問題なのか』は、サイズが「A4版」で19ページ。朝日報道を徹底批判した後、メディアが報道内容に責任を持つ重要性を訴えている。

一方、チラシも報道機関としての責任の重要性を強調し、次のように結んでいる。

今ほど、報道に誠実さが求められているときはありません。
 読売新聞も過去に重大な誤報をしています。2012年にはiPS細胞をめぐり「日本人研究者が世界ではじめて臨床応用を行った」と誤った報道を行い、報道2日後に誤報であったことを紙面でお伝えし、おわびを掲載しました。報道に誤りがあったとき、さらには誤りを指摘されたときの迅速な対応が何よりも大切だと考えています。読売新聞は事実に忠実であること、そして誤りに対して誠実であることを読者の皆様にお誓いします。

■チラシの全文

◇なぜ、PR媒体のポスティングなのか?

読売によるリーフレットとチラシのポスティングの目的は不明だが、次の3点が考え得る。

読売は昨年の11月から、ABC部数を77万4000部も減らしている。そこで読者の信頼回復を求めようとしている可能性。減部数の比は、朝日とは比較にならないほど大きい。

余談になるが、ABC部数が正確とすれば、週刊誌や月刊誌が盛んに報じている朝日の減部数(それは、慰安婦問題の影響と報じている)は、完全に誤っている。事実に反している。

「①」を前提として、朝日と読売の質の違いをPRし、今後の新聞拡販戦略を有意に進める意図がある可能性。少なくとも、そのような戦略は可能になる。

従軍慰安婦問題で、旧日本軍の戦争犯罪に対する評価の見直しをはかろうとしている可能性。歴史修正主義の反映である。

◇読売の「押し紙」を認定した福岡高裁判決

既に述べたように読売は、配布したチラシの中で「読売新聞は事実に忠実であること、そして誤りに対して誠実であることを読者の皆様にお誓いします。」と述べている。

わたしが今後、読売に明らかにしてほしいのは次の点である。

 読売のABC部数は、実配(売)部数を正しく反映しているのか?

読売の宮本友丘副社長は、同社が週刊新潮とわたしを訴えた裁判の中で、以下に引用するように、「押し紙」の存在を全面否定する証言をしているが、その一方で、読売の「押し紙」政策を認定した福岡高裁の判例(真村裁判)が存在する。そこでわたしは、「押し売りした証拠が残っている新聞」は存在しなくても、店舗で過剰になっている新聞は存在するのかを尋ねたい。

宮本氏の証言は次の通りである。読売代理人である喜田村洋一弁護士(自由人権協会代表理事)の質問に答えるかたちでの発言である。

喜田村:この裁判では、読売新聞の押し紙が全国的に見ると30パーセントから40パーセントあるんだという週刊新潮の記事が問題になっております。この点は陳述書でも書いていただいていることですけれども、大切なことですのでもう1度お尋ねいたしますけれども、読売新聞社にとって不要な新聞を販売店に強要するという意味での押し紙政策があるのかどうか、この点について裁判所に御説明ください。

 宮本:読売新聞の販売局、あと読売新聞社として押し紙をしたことは1回もございません。

喜田村:それは、昔からそういう状況が続いているというふうにお聞きしてよろしいですか。

宮本:はい。

喜田村:新聞の注文の仕方について改めて確認をさせていただきますけれども、販売店が自分のお店に何部配達してほしいのか、搬入してほしいのかということを読売新聞社に注文するわけですね。

宮本:はい。

(略)

喜田村:被告の側では、押し紙というものがあるんだということの御主張なんですけれども、なぜその押し紙が出てくるのかということについて、読売新聞社が販売店に対してノルマを課すと。そうすると販売店はノルマを達成しないと改廃されてしまうと。そうすると販売店のほうでは読者がいない紙であっても注文をして、結局これが押し紙になっていくんだと、こんなような御主張になっているんですけれども、読売新聞社においてそのようなノルマの押しつけ、あるいはノルマが未達成だということによってお店が改廃されるということはあるんでしょうか。

宮本:今まで1件もございません。

この裁判では、村上正敏裁判長(東京地裁)が読売の「押し紙」が存在しないことを認定しているが、既に述べたように福岡高裁判例は、読売の「押し紙」を認定している。たとえば次のように。

このように、一方で定数と実配数が異なることを知りながら、あえて定数と実配数を一致させることをせず、定数だけをABC協会に報告して広告料計算の基礎としているという態度が見られるのであり、これは、自らの利益のためには定数と実配数の齟齬をある程度容認するかのような姿勢であると評されても仕方のないところである。

■福岡高裁判決の全文

現在の状況はどうなのか?ABC部数は、正しく読売新聞の実配部数を反映しているのか? 昔から新聞業界全体で問題になってきた広義の「押し紙」問題について、読売は見解を示すべきだろう。

◇ABC部数が実配(売)部数を正しく反映する必要があるのか?
なぜ、ABC部数が実配(売)部数を正しく反映する必要があるのだろうか?それは、公共広告(新聞の紙面広告)の価格設定が、ABC部数を基準に行われてるからだ。次に示すPDFは、裁判員制度PRの紙面広告の価格である。

ABC部数1位の読売が、年間で約1億円、2位の朝日が約7000万円である。

■裁判員制度のPR広告の新聞社別価格比較

参考記事:読売が朝日を批判するリーフレットとチラシをポスティング、朝日を上回る部数激減の歯止めになるか?