「香害」をめぐる診断と議論、メディアに氾濫する誇張された被害の実態、一定割合で精神疾患の患者が含まれている
柔軟剤や煙草など、広義の「香害」をどう診断するかをめぐる議論が沸騰している。日本では、「香害」による体の不調を訴える人が、専門医を受診すると、ほとんど例外なく化学物質過敏症の診断を受け、障害年金の受給候補となってきた。「香害」に取り組む市民運動体が、公表している被害の実態も、極端に深刻さを強調するものになっている。
たとえば『週刊金曜日』(2024年2月9日)の特集記事「その香り、移しているかもしれません」の中で、環境ジャーナリストの加藤やすこ氏は、フェイスブック上の市民団体が実施したアンケートの結果を紹介して、「香害」の凄まじい実態を紹介している。
それによると、回答者600人のうち、「家の中に入る人や、近隣からの移香や残留で、家の中が汚染される」と回答した人が90.7%を占めたという。アンケートの主催者が、「香害」に抗議している人々が主体となった市民団体なので、必然的にアンケートに応じる回答者も「公害」に苦しんでいる人々が多数を占め、その結果、このように高い数値になった可能性が高い。ファクトチェックが欠落しおり、常識的にはありえない数字である。
アメリカ食品医薬品局が日本からの輸入に関する注意事項を3月に更新、福島県のコメや牛肉など
アメリカ食品医薬品局は、3月4日付けで、日本からの輸入品に関する注意事項を更新した。岩手県産が1品目解除されたが、依然として厳しい制限が続いている。
更新された書面によると、現時点で青森、千葉、福島、群馬、茨城、岩手、宮城、長野、新潟、埼玉、静岡、栃木、山形、山梨の各県産の一部の食品が輸入禁止になっている。
2019年09月03日 (火曜日)
トランプ大統領が押し付けた米国産のトウモロコシは危険な遺伝子組み替え作物、米国内では消費者運動の高まりで販売が困難に
8月26日にフランスで行われた安倍首相とトランプ大統領の首脳会談の後、トランプ大統領は共同記者会見で、米国産の余剰トウモロコシを日本が購入することになったと発表した。
米国産の輸出用トウモロコシは、中国向けのものが大幅な減少を続けてきた。中国政府が国内産業を保護するために、自給自足の政策を強化してきた結果である。
長崎五島の第2種国立公園の自然破壊、住民らが当惑、「何のために海を埋め立てるのか?」
五島市の第2種国立公園内で露骨な「公共事業」が進んでいる問題で、地元住民から、豊田通商と近畿大学の共同事業に関する新たな情報提供があった。
それによると、2015年7月に豊田通商はツナドリーム五島種苗センター(以下、種苗センター)を開所した。その前提となっている取り決めが、近畿大学と豊田通商が前年に締結した「水産養殖事業の覚書」である。それによると、両者はクロマグロの人工種苗量産化に取り組むという。
不信感を募らせる長崎県五島の住民ら、「豊田通商と近畿大学のための公共事業」との声も、公費40億円を投入
海洋環境の破壊といえば、沖縄県名護市の辺野古に米軍の滑走路を建設するために海を埋め立てている問題がクローズアップされるが、海の自然破壊を伴う同類の公共事業が他の地域でも進行している。長崎県五島の住民から、メディア黒書に情報提供があった。約40億円の公金を投入して、第2種の国立公園に含まれる荒川地区で、埋め立て、それに防波堤や岸壁の整備を進めているというのだ。
「不要な事業ですよ。地元民の多くも、一体、だれが何のためにこんな無駄なことをやっているのか、よく分かっていないようです。この公共事業で最も喜ぶのは、豊田通商です」(五島市民)
整備している現場のすぐ近くに、豊田通商と近畿大学が共同運営しているマグロの種苗場(稚魚)がある。将来的には出荷の予定もある。
横浜の副流煙裁判 医師による診断書は信用できるのか? 裁判所から作田学医師と原告に課された難解な「宿題」
横浜の副流煙裁判とは、マンションの2階に住む一家3人(夫妻と娘)が、同じマンションの1階に住む家族の煙草の副流煙で、化学物質過敏症になったとして、4500万円の金銭支払いを請求している事件である。
ところが提訴から1年になろうとしていた昨年の10月、原告家族の夫が元喫煙者であったことが発覚した。しかも、禁煙に踏み切った時期は、家族3名が化学物質過敏症を発症する約1年前だった。当然、原告家族の夫の長年にわたる喫煙が本人の健康を害したことはいうまでもなく、妻と娘にも、副流煙による健康被害を引き起こした可能性が高い。
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裁判所は、原告家族の夫の能動喫煙と、それに連動する妻と娘の受動喫煙被害をどう評価するのだろうか。
これについて裁判所は原告に対して、原告3人を受動喫煙症と診断した作田学医師の新見解を提出するように求めている。提出期限は3月末である。
わたしは裁判所に提出されている3人の作田診断書を閲覧したが、原告の希望する通りの内容に診断書を仕上げた印象を払拭できなかった。娘の診断書に至っては、娘を直接診断していないことも判明した。これ自体が、医師法に違反している。【続きはウェブマガジン】
2019年02月14日 (木曜日)
白血病と高圧電線の関係、日本での疫学調査では通常の4.7倍に
白血病が好奇心の的になっている。
改めて言うまでもなく、競泳の池江璃花子(いけえ・りかこ)選手が、練習中に体調不良を訴え、病院で検査を受けた結果、白血病と診断されたからだ。
東京オリンピックで金メダルが期待されているアスリートが深刻な病に侵されたこともあり、報道が過熱しているが、白血病について故意に隠してる重要な事実がある。
電磁波と白血病の深い関係である。
第5世代移動通信システム(5G)の導入を夏にひかえ、有線を含む通信システムと連動している電磁波によるリスク論は極力隠したいというのが電話会社や電気メーカーの本音である。国策も同じ方向を向いている。それに配慮してマスコミは、電磁波の害に関する報道をいっさい控えているのだ。
池江選手の発病は、この問題を考える糸口であるはずなのだが。
横浜の副流煙裁判、原告の山田義雄弁護士が神奈川県警と頻繁にコンタクト、刑事ら4人が出動した異常
横浜の副流煙裁判の続報である。この裁判は、マンションの2階にすむ横山家(仮名)の3人(夫妻と娘)が、同じマンションの1階に住む藤井家の家主・将登さんに4500万円の金銭支払いや喫煙の禁止などを請求したものである。
将登さんが自室で吸っていた煙草の副流煙が原因で、原告3人が化学物質過敏症になったというのが、提訴理由だ。原告は、将登さんの妻・敦子さんも、煙草を吸っていたと主張している。
「その一服、4500万円」、横浜の副流煙裁判、十分な根拠なく化学物質過敏症の原因を藤井家の煙草と事実摘示
横浜の副流煙裁判の資料を入手してコピーした。この裁判の取材をはじめたのは、昨年の9月で、予定では2月で終止符を打つことになっていた。ところが先日、裁判の体制が合議制になったので、わたしも取材を本格化させ、古い取材ノートや資料を倉庫から取り出したうえで、他の裁判資料も被告の藤井さんから入手した。
裁判資料を読みかえしてみて、暗い好奇心を刺激された。わたしはこれまで数多くの裁判を取材してきたが、横浜の副流煙裁判ほど不可解な事件は前例がない。2008年に弁護士で自由人権協会の喜田村洋一代表理事が、読売の江崎徹志法務室長と結託して、わたしを提訴した事件(喜田村らの敗訴、弁護士懲戒請求)を体験したことがあるが、その事件よりもはるかに悪質だ。
裁判の構図は、既報したようにマンションの2階に住む横山(仮名)家の3人(夫妻と娘)が、同じマンションの1階に住む藤井将登さんに対して、煙草による副流煙で化学物質過敏症になったとして、4500万円を金銭支払いを求めたものである。
訴状や準備書面などによると藤井将登さんは四六時中、外国製の煙草を吸っていたとされている。奥さんの敦子さんも、ヘビースモーカーという設定になっている。が、事実は藤井将登さんは、ヘビースモーカーではなく、少量の煙草を二重窓になった自室で吸っていたに過ぎない。奥さんは煙草は吸わない。
原告・横山氏の山田義雄弁護士は、藤井夫妻の副流煙が原因で横山家の人々が重症の化学物質過敏症になったという事実を摘示した上で、4500万円を請求してきたのである。その前段、神奈川県警の斎藤本部長も動かしている。
横浜の副流煙裁判、合議制へ、原告が宮田幹夫博士の説を我田引水に解釈、論理に破綻
横浜の副流煙裁判が合議制になった。合議制とは、3人の裁判官により審理を進めて判決を下す裁判の形式を意味する。通常、裁判官は1名だが、事件の重大性に鑑みるなど、何らかの理由で合議制になることがある。
今回、横浜地裁が副流煙裁判に合議制を採用した背景はよく分からない。わたしの推測になるが、裁判所自体がこの案件の処理方法がよく分からないのではないかと思う。
裁判の争点は、被告の自宅を発生源とする可能性のある煙草の副流煙が、原告一家3人(夫妻と娘)の化学物質過敏症の原因になったか否かである。原告は、被告の副流煙を化学物質過敏症の原因としてあげ、4500万円もの金銭支払いを求めている。
化学物質過敏症という病名が市民権を得たのは、最近のことである。北欧ではすでに認められ、保険が適用されている国もあるが、日本では北里研究所病院など少数の例外をのぞいて、化学物質過敏症の認定は行われていない。国も認定には消極的な立場だ。
化学物質過敏症の実態は、ほとんど知られていない。普通の病院へ行っても、「化学物質過敏症」という診断を受けることはない。
北里研究所病院における化学物質過敏症の著名な研究者が、この裁判で原告に肩入れしている宮田幹夫博士である。
横浜の副流煙裁判、被告準備書面(7)の解説と全文公開、訴訟の根拠となった作田学医師による診断書、原告の希望どおりに作成か?
煙草の副流煙をめぐる裁判で、被告側が第7準備書面を提出したので紹介しよう。この裁判は、マンションの2階に住む1家3人が、同じマンションの斜め下の1階に住む家族の家主を相手に、副流煙が原因で化学物質過敏症を発症したとして、4500万円の損害賠償を求めたものである。
ところが提訴後、原告の家長が元喫煙者で、自宅のベランダで煙草を吸っていた事実が判明する。
次に紹介する被告準備書面は、そもそも訴訟の根拠になった診断書が、診断書の要件を満たしておらず、原告の要求に沿って作成した可能性が極めて高いことを、具体的な事実に基づいて論じている。作成者は禁煙運動の大家・作田学医師である。作田氏は、被告の受動喫煙症を認定している。
原告が元喫煙者であるから、診断書が間違っており、訴訟の前提事実そのものが間違っているので審議にも値しない、というのが被告の主張だ。
余談になるが、筆者は個人的には喫煙者が減ることが望ましいと考えている。しかし、その目的を達成するために事実に基づかないラディカルな手段を採ることには賛同できない。自分が煙草を吸っていながら、隣人の副流煙が原因で病気になったとする訴えは、やはり無理がある。
裁判所はすでに原告に対して、診断書の再提出を求めている。被告家族から作田医師に対する内容証明も送付済みで、その中で診断書の訂正を求めている。裁判の根拠となっている診断書だけに、作田氏が非を認めれば、訴訟の前提が破綻する。
被告を支援する人々による署名活動もまもなくはじまる。
以下、被告準備書面(7)の全文だ。なお、原告は全員仮名にした。
横浜の受動喫煙裁判、被告が弁護士を解任、みずから訴権の濫用を主張する方針
横浜地裁で進んでいる受動喫煙をめぐる裁判で、18日、被告が弁護士を解任した。解任理由は、裁判が弁護士の主導になってしまい、被告の主張が反映されないからである。被告は、原告と原告の山田義雄弁護士による訴権の濫用を強く主張しているが、被告の弁護士がそれを争点にしないために、被告がみずから裁判提起そのものの不当性を主張する方針を選んだのである。
既報したように原告は、A家の3人(夫妻とその娘)。被告は、A家と同じマンションの斜め下に住む藤井家の家主。
原告は、藤井家を発生源とする煙草の副流煙が原因で、A家の3人が化学物質過敏症になったとして、4500万円の金銭を請求している他に、自室での喫煙禁止を求めている。とはいえ、被告はヘビースモーカーではない上に、自室で窓(2重窓)を閉めて吸っていたに過ぎない。窓を開けたり、ベランダに出て吸っていたのではない。
しかも、仕事の関係で外出していることが多く、副流煙がA家に流れ込んでいた証拠もない。たとえA家に副流煙が流れ込んでいたとしても、その発生源が藤井家である根拠もない。被告と原告が住んでいるマンションの近くには、暗黙のうちに喫煙場所になっている所があり、そこにはおびただしい煙草の吸い殻が散乱している。
被告がこの事件を訴権の濫用だと考える背景には、次のような事実がある
煙草の副流煙と化学物質過敏症をめぐる裁判、診断書を作成した作田医師に対して訂正を求める内容証明を送付
煙草の副流煙が原因で化学物質過敏症になったとして隣人相互が原告(3人)と被告(1人)の関係になって進行している裁判に新しい動きがあった。被告の藤井将登さんの妻である藤井敦子さんが、原告3人が被告の煙草が原因で「受動喫煙症」になったと診察した作田学医師(訴外)に対して、診断書の訂正を求める内容証明を送付したのである。
この裁判は受動喫煙により健康被害を受けたとして、4500万円の金銭支払いなどを求めたものである。訴状にある訴因は、「受動喫煙による化学物質過敏症に罹患するなど甚大な被害を被った」と述べている。
【これまでの概要】重大な疑問が浮上、作田学医師は「受動喫煙レベルⅢ」と診断・認定したが、原告患者が喫煙者だった事実をどう見るのか? 煙草の煙と化学物質過敏症をめぐる裁判
作田医師は、3人の原告を次のように診断した。
原告A:受動喫煙レベルⅢ、咳、淡、咽頭炎
原告B:受動禁煙レベルⅣ、化学物質過敏症、
原告C:受動禁煙レベルⅣ、化学物質過敏症
ところが提訴から約1年後の平成30年10月26日になって、原告Aが平成27年の春まで煙草を吸っていた事実をみずからの陳述書で明らかにした。(理由については言及しない)作田医師が診断書を作成したのが、平成29年4月で、原告らが体調不良を訴えはじめたのは、それよりも半年ほど前だから、原告Aがみずから吸っていた煙草が体調不良の原因である可能性の方がはるかに高い。
それにも係らず作田医師は上記のような診断を下したのである。そこで藤井敦子さんは、内容証明で訂正を求めたのだ。
重大な疑問が浮上、作田学医師は「受動喫煙レベルⅢ」と診断・認定したが、原告患者が喫煙者だった事実をどう見るのか? 煙草の煙と化学物質過敏症をめぐる裁判
俗な表現をすれば、「とんでも裁判」が増えている。そのなかでもとりわけ見過ごせないのは、メディア黒書でもたびたび取り上げてきた煙草の副流煙が化学物質過敏症の原因だとして、隣人を提訴した裁判である。請求額4500万円。
謎の渦中にあるといおうか、悪意に満ちているといおうか、取材を重ねるにつれて、その背後にほのみえる像が輪郭を現してくる。
何が問題なのかを整理しておこう。
煙草の煙をめぐる裁判、副流煙が原因で化学物質過敏症になった、作田学医師の診断書を批判する
煙草の煙が原因で化学物質過敏症になったとして、起こされた裁判が横浜地裁で進行している。この裁判は近年まれにみる“恐怖裁判”である。禁煙を奨励する運動にかかわっている人々が介入していて、化学物質過敏症の主要な原因が煙草だとする極論を展開しているのだ。その中には医者も含まれており、原告の診断書まで裁判所に提出している。
裁判の原告と被告は、同じマンションの1階と2階に住む隣人同士である。2階に住む小野田家(仮名)の3人(夫妻とその娘)が、1階に住む藤井家の家主を訴えたのである。あなた方の煙草の煙で、化学物質過敏症になったと。だから4500万円のお金を払いなさい、と。
ところが10月になって、被告にとって怒り心頭に達する事実が判明する。原告夫妻の夫が数年前まで喫煙者であったことが判明したのだ。しかし、依然として裁判は続いている。【続きはウェブマガジン】
「タバコの副流煙で化学物質過敏症になった」と4500万円請求の訴訟に――神奈川県警まで動いた団地の近隣トラブル
マンションの2階に住む一家3人が、斜め下にあたる同1階に住む家族による煙草の副流煙が原因で化学物質過敏症になったとして、1階に住む男性に対して約4500万円の損害賠償を求める訴訟が、横浜地裁で起こされたことがわかった。ベランダでの喫煙を規制した判例はあるが、自宅での喫煙を裁判所がどう判断するのか、注目だ。
煙草の副流煙をめぐるトラブルが発生した後、複数の刑事が被告宅を2回も訪問して事情聴取し室内を写真撮影、という異例の事態にも発展。警察署長が、原告代理人・山田義雄弁護士に「場合によれば傷害罪になり得るかも知れない」とも伝えたという。だが化学物質過敏症の原因は、副流煙以外にも数多くあり、特に欧米では、いわゆる「香害」の原因物質でもある「イソシアネート」が主要原因とされる。その他、塗料や柔軟剤、内装材など、その用途は極めて多岐にわたり、日常生活に入り込んでいる。原因を副流煙だけに特定して高額訴訟を起こすことは、訴権の濫用に該当しないのか――。
化学物質過敏症をめぐる近隣トラブルの経緯をレポートする。【続きはMyNewsJapan】
マイクロ波を使った秘密の人体実験が実施されてきた疑惑も、軍事産業とマイクロ波(2)
マイクロ波によって人間の精神を攪乱できるのだろうか?この問題を考える場合、統合失調症(旧精神分裂病)の発生メカニズムを理解すると分かりやすい。
脳の神経細胞は、微弱な電気と神経伝達物質によって結合したり離れたりする仕組みになっている。それによって意識として提示する情報を引き出しているのである。ところが統合失調症になると神経伝達物質のバランスが崩れ、神経細胞の結合が正常にできなくなるのだ。
その結果、思考が混乱したり、実際には存在しない音や会話が聞こえたりするのだ。人間の認識・思考・行動はすべて脳によってコントロールされているわけだから、情報の取捨選択機能がおかしくなると、引き出される情報の組み合わせもおかしくなる。
このような原理を悪用すれば、何らかのかたちで人工的に脳の神経細胞を刺激して、精神を混乱させることも可能だ。実際には音がしていないのに、音が聞こえたり、誰も話しかけていないのに会話が聞こえたりするのだ。脳神経の誤作動である。
報じられない化学物質イソシアネートの危険性、柔軟剤で体調が悪化、産業界優先の日本の愚民政策(1)
新聞研究者の故新井直之氏が明言を残している。
新聞社や放送局の性格を見て行くためには、ある事実をどのように報道しているか、を見るとともに、どのようなニュースについて伝えていないか、を見ることが重要になってくる。ジャーナリズムを批評するときに欠くことができない視点は、「どのような記事を載せているか」ではなく、「どのような記事を載せていないか」なのである。
このところ研究者を取材する機会が増えている。電磁波による人体影響から化学物資の脅威まで、さまざまな分野の研究者から話をうかがっている。その中である共通点に気づいた。
何が人体や環境に有害かをメディアがほとんど報じないことに対する強い不満と危機感を持っている研究者が多いことである。報じない結果、自分たちが置かれている危険な生活環境を認識することもできない。
日本では、産業界にとってダメージになる情報は知らせない暗黙のルールがあるのだ。「先進国」の中では、日本だけが例外的に「愚民政策」が敷かれていると言っても過言ではない。新井直之氏の言葉を裏付けるようなマインドコントロールが水面下で進行しているのである。
2018年08月27日 (月曜日)
電磁波や化学物質など新世代公害の透明な牙(きば)、水面下で広がる被害とマスコミの重い責任
新世紀公害が水面下で急激に広がっている。静岡県に別荘マンションを持つ理学博士のAさんが言う。
「わたしが知らないうちに、マンションの理事会が電気会社から要請を受け、スマートメータ(電磁波による遠隔操作による電気料金の計測器)の設置を受け入れていました。電磁波によるリスクがあることを理事たちにいくら説明しても、電磁波が何であるかすらも分かっていません」
Aさんは筆者が取材対象にしている研究者である。
「前には、携帯電話の基地局を屋上に設置したいという電話会社の要請を理事会が受け入れてしまいました」
実際、Aさんの別荘マンションに携帯電話の基地局は設置され、今もそのままだという。Aさんは、初歩的で常識的な科学の知識を大半の住民が知らない事実を前に、絶望的な気持ちになるという。無知の恐ろしさを痛感している。
かつて公害といえば、工場排水が引き起こす中毒であったり、工場煤煙が原因の喘息など、誰の目にも見える被害だったが、新世代の公害は、意識的にその実体を学習しなければ認識できない。被害が浮上する時期も分からない。ここに問題の深刻さが潜んでいるのだ。
化学物質過敏症に取り組む7団体が院内集会、厚生労働省などに「香害」の対策を申し入れ
日本消費者連盟など化学物質による人体影響に警鐘を鳴らしている7つの市民団体が、22日、東京永田町の衆議院第1議員会館で院内集会を開き、「香害」の実態を報告した後、消費者庁、厚生労働省、文部科学省、経済産業省の4省庁に対策を取るように申し入れた。
集会を共催したのは、日本消費者連盟、化学物質支援センター、ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議、日本消費者連盟関西グループ、香料自粛を求める会、反農薬東京グループ、VOC研究会の7団体。
芳香剤や建材等の化学物質過敏症、原因は化学物質イソシアネート、被害者の急増で社会問題化…日常生活に支障で退職の例も
化学物質過敏症とは、化学物質に体が反応して体調の悪化をもたらす病気である。芳香剤、柔軟剤、化粧品、農薬、塗料、建材など広範囲な製品に使われている化学物質が原因になる。将来的に患者数が花粉症なみに増えるのではないかともいわれている。
米国化学会(ACS)の情報部門であるケミカル・アブストラクト・サービス(CAS)が登録する化学物質の数は、1億件を超えている。そんなおびただしい種類の化学物質のなかでも、化学物質過敏症の因子として特に注視されているのが、ウレタン原料のイソシアネートである。その危険性に警鐘を鳴らしている内田義之医師(東京都練馬区・さんくりにっく)に、化学物質過敏症について伺った。
なぜ遺伝子組み換え食品は危険なのか?米国で危険が指摘されている商品を日本で普及させる安倍内閣の愚策、種子法の廃止から猛毒イソシアネートの放置まで
4月1日で、種子法が廃止された。
この法律は、日本の主要な農作物(具体的には、稲、大麦、はだか麦、小麦及び大豆)の品種改良を国の管理下で行うことで、種を確実に保存し、普及することを目的に、戦後制定された法律だった。
廃止の理由は実に単純で、農作物の品種改良を公的な管理下から、民間へ移すことである。典型的な規制緩和=新自由主義の政策である。これにより、これまで国が管理していた稲、大麦、はだか麦、小麦、大豆の品種改良に農業ビジネスが参入してくることになる。関連する法整備が整えば、これらの農作物に遺伝子組み換え技術が応用され、実際に国内で生産される可能性が極めて高い。
幸いに、現時点では、国内で遺伝子組み換え農作物を栽培することは、認められていない。スーパーに陳列されている遺伝子組み換え農作物、たとえば大豆やトウモロコシ、ナタネなどはすべて輸入品である。
が、種子法が廃止されたことで、日本でも遺伝子組み換え農作物が開発・生産されるようになる可能性が高い。グローバリゼーションの中で、ビジネスのハーモニーぜーションが進み、米国のモンサント社など、巨大な種会社が日本に進出してきて、日本でも遺伝子組み換え食品があふれるリスクがある。。
と、いうよりも米国では、既に遺伝子組み換え食品の危険性が指摘され、大きな社会問題になっているので、米国の種会社は市場を米国から日本などに移すことになりそうだ。日本人の大半が、遺伝子組み換え食品の危険性を知らないからだ。