2022年03月21日 (月曜日)

横浜地検の岡田万佑子検事が不起訴処分を決める、判断にあたり「厚労省に相談した」、藤井さんらは検察審査会に審査の申し立て

横浜副流煙裁判の元被告・藤井将登さんらが、勝訴を受けておこなった作田学・日本禁煙学会理事長に対する刑事告発で新しい動きがあった。青葉警察署からの書類送検を受けて事件を担当していた横浜地検の岡田万佑子検事が、「嫌疑不十分」として作田医師を不起訴処分にしたのである。

告発人6名(筆者は告発人ではない)は、検察審査会に審査を申し立てることを決め、理由書を作成。21日に郵送した。

◆◆
この事件は、横浜市のすすきの団地に住むミュージシャン・藤井将登さんが自宅の音楽室(防音装置が施され、ほぼ密封状態)で吸っていた煙草の副流煙で「受動喫煙症」などに罹患したとして、同じマンションの斜め上に住む家族3人が、4518万円の金銭を請求したものである。請求の根拠となったのは、作田医師が交付した原告3人の診断書だった。診断書を根拠として高額訴訟を起こしたのだ。

ところが裁判の中で肝心の診断書のうち1通を、作田医師が無診察のまま交付していたことが判明した。また、原告のひとりに25年の喫煙歴があることも判明した。

横浜地裁は、原告3人の訴えを棄却したうえに、作田医師による医師法20条違反(無診察による診断書の交付の禁止)を認定した。また、日本禁煙学会が禁煙運動や裁判などの政策目的に沿った「受動喫煙症」の診断基準を、設定していると認定した。

これを受けて元被告の藤井将登さんを含む6人が、青葉署へ作田医師らを虚偽診断書行使罪で刑事告発した。青葉署は捜査を経て1月下旬に、作田医師を横浜地検へ書類送検した。しかし、岡田検事が、不起訴を決めたのである。ちなみに岡田検事は、作田医師からも告発人からも事情を聴取していない。

◆◆
告発人の6名が検察審査会へ提出する「理由書」によると、岡田検事の決定には次の問題点がある。

1,判例違反
2,診断書の中で作田医師が創作した記述を、岡田検事が軽視していること
3,岡田検事が法律を文字通りに解釈していない問題。

続きを読む »

2022年03月16日 (水曜日)

横浜副流煙事件の元被告夫妻が、日本禁煙学会・作田学理事長らに対して1,000万円の損害賠償裁判を提起、訴権の濫用に対する「戦後処理」

煙草の副流煙で「受動喫煙症」などに罹患したとして、隣人が隣人に対して約4,500万円を請求した横浜副流煙裁判の「戦後処理」が、新しい段階に入った。前訴で被告として法廷に立たされた藤井将登さんが、前訴は訴権の濫用にあたるとして、3月14日、日本禁煙学会の作田学理事長ら4人に対して約1,000万円の支払いを求める損害賠償裁判を起こしたのだ。前訴に対する「反訴」である。

原告には、将登さんのほかに妻の敦子さんも加わった。敦子さんは、前訴の被告ではないが、喫煙者の疑いをかけられた上に4年間にわたり裁判の対応を強いられた。それに対する請求である。請求額は、10,276,240円(将登さんが679万6,240円万円、敦子さんが330万円、その他、金員)。

被告は、作田理事長のほかに、前訴の原告3人(福田家の夫妻と娘、仮名)である。前訴で福田家の代理人を務めた2人の弁護士は、被告には含まれていない。

原告の敦子さんと代理人の古川健三弁護士、それに支援者らは14日の午後、横浜地裁を訪れ、訴状を提出した。「支援する会」の石岡淑道代表は、

「禁煙ファシズムに対するはじめての損害賠償裁判です。同じ過ちが繰り返されないように、司法の場で責任を追及したい」

と、話している。

◆医師法20条違反、無診察による診断書の交付

この事件は、本ウエブサイトでも取り上げてきたが、概要を説明しておこう。2017年11月、横浜市青葉区の団地に住む藤井将登さんは、横浜地裁から1通の訴状を受け取った。訴状の原告は、同じマンションの斜め上に住む福田家の3人だった。福田家が請求してきた項目は、次の2点だった。

(1)4,518万円の損害賠償

(2)自宅での喫煙の禁止

将登さんは喫煙者だったが喫煙量は、自宅で1日に2、3本の煙草を吸う程度だった。ヘビースモーカーではない。

喫煙場所は、防音構造になった「音楽室」で、煙が外部へ漏れる余地はなかった。空気中に混合した煙草は、空気清浄器のフィルターに吸収されていた。たとえ煙が外部へ漏れていても、風向きや福田家との距離・位置関係から考えて、人的被害を与えるようなものではなかった。(下写真参照)

続きを読む »

2022年03月15日 (火曜日)

対「禁煙ファシズム」初の損害賠償裁判 日本禁煙学会・作田医師と“斜め上の家族”に1千万円、訴因は虚偽診断書作成と訴権の濫用 

「禁煙ファシズム」に対する初の損害賠償裁判が3月14日、横浜地裁で提起された。請求額は1027万円で、原告は、副流煙による健康被害の発生源だとして3年間法廷に立たされた藤井夫妻。被告は、発生源との主張を展開した家族3人と、医師だ。夫の藤井将登氏は2017年、同じ集合住宅の斜め上に住む家族から、副流煙で「受動喫煙症」に罹患したとして約4500万円を請求する裁判を起こされ、その訴えは棄却。

判決で、訴因となった診断書の1通が無診察交付(医師法20条違反)と認定され、藤井氏らは、診断書を作成した作田学・日本禁煙学会理事長を虚偽公文書行使の疑いで神奈川県警青葉署へ刑事告発し、青葉署が今年1月、作田医師を横浜地検へ書類送検した。今回の損害賠償訴訟では、医師が診断書を作成する際、市民運動や裁判を目的に診断内容を創作する行為が許されるのかも問われる。(訴状全文ほかダウンロード可)

【Digest】
◇前訴原告に喫煙歴、弁護士の凡ミス
◇ハードルが高い「訴権の濫用」の認定
◇前訴原告の3通の診断書はグレーゾーン
◇無診察による診断書交付は違法
◇虚偽公文書行使で作田医師を書類送検
◇診断書には「客観的事実のみに基づいて記載されるべき」

横浜副流煙事件の元被告・藤井将登さんが、3月14日、横浜地裁に1通の訴状を提出した。訴状には、原告として妻の敦子さんの名前もある。請求額は2人の総計で約1000万円。これは、日本の司法の歴史の中で、「禁煙ファシズム」の責任を問う初めての損害賠償裁判である。同時に訴権の濫用に対する「反訴」でもある。

禁煙ファシズムとは、喫煙の禁止を求めるラジカルな市民運動のことである。米国で特に盛んで、同国では煙草を吸う人を蔑視する世論がすでに形成されている。喫煙の習慣を理由とした就職差別なども報告されている。日本では、日本禁煙学会などが主導して、禁煙運動を展開している。藤井さん夫妻が起こした裁判は、こうした状況の下で起きた「冤罪被害」の賠償を求めたものである。

被告として法廷に立たされるのは、藤井夫妻が住むマンションの斜め上に住む福田(仮名)家の3人(夫、妻、娘)と、日本禁煙学会の作田学理事長の計4人である。福田家の3人は、約4年半前の2017年11月、藤井将登さんが自室で吸っていた煙草が原因で、「受動喫煙症」(厳密には、化学物質過敏症)などの病気になったとして、4518万円の損害賠償と、将登さんの喫煙禁止を求める裁判(以下、前訴)を起こした。敦子さんは、前訴の被告ではなかったが、ヘビースモーカーであるかのような噂に悩まされた。

噂は、藤井さん夫妻が住む横浜市青葉区の団地に広がった。団地の管理組合も福田家に加勢して、「注意喚起」を貼り出すなどした。藤井夫妻を名指しにした告知ではなかったが、事情を知る住民は、注意喚起の背景に藤井夫妻の喫煙があると考えていたようだ。こうした群衆心理がエスカレートし、藤井家のポストに怪文書が投函される事件も起きた。

◇前訴原告に喫煙歴、弁護士の凡ミス

作田医師は前訴の原告ではなかったが、前訴の有力な訴因となった3人の診断書を作成した経緯があった。ところが裁判の中で、3人の診断書のうち、娘の真希さんの診断書を偽造、つまり虚偽の診断書を作成していたことが判明した。

なぜそのような重大なことが、わかったのか。その経緯は、【続きはMyNewsJapan】

続きを読む »

2022年03月10日 (木曜日)

横浜副流煙事件、藤井敦子さんが訴権の濫用で作田学医師らを提訴へ、ウソの診断書で高額な金銭請求、15日に記者会見

横浜副流煙裁判の「反訴」がまもなく始まる。それに先立って原告の藤井敦子さんが、15日(火曜日)に記者会見を開く。スケジュールは次の通りである。

記者会見日時:3月15日(火) 15:30~

場所:厚生労働省記者クラブ(庁舎9F)

発言者:藤井敦子(原告)
    古川健三(代理人弁護士)他

【事件の経緯】
この事件の発端は、2017年11月にさかのぼる。藤井さん夫妻と同じマンションの2階に住む Aさん一家3名が、藤井さんの夫・将登さんが自宅で吸う煙草の副流煙が原因で、「受動喫煙症」などに罹患したとして、4518万円の損害賠償を求める裁判を横浜地裁で起こした。しかし、審理の中で、提訴の根拠となった診断書のうち、1通が無診察の状態で交付されていた虚偽の書面であることが判明した。

横浜地裁は原告の請求を棄却すると同時に、診断書を 作 成 し た 作 田 医 師 に 対 し て 医 師 法 2 0 条 違 反 ( 無 診 察 に よ る 診 断 書 交 付 の 禁止)を認定した。また、日本禁煙学会が作成した「受動喫煙症」の診断基準が、禁煙撲滅運動の政策目的で我田引水に作成されたと認定した。

その後、控訴審でも将登さんが勝訴して、将登さんの勝訴が確定した。それを受けて、藤井さん夫妻は Aさんらが起した高額訴訟(以下、前訴)は訴権の濫用に当たるとして、
作田医師やAさんらを被告に損害賠償裁判を起こす。

「禁煙ファシズム」に対する損害賠償を求めるはじめての裁判になる。

なお、作田医師は2月に虚偽公文書(注:診断書)行使罪の疑いで、横浜地検へ書類送検されている。

続きを読む »

5G通信基地局の設置をめぐる電話会社とのトラブルが急増、マンション管理会社が仲介、電磁波による人体影響は欧米では常識に

2月中旬のことである。東京都内に住むわたしの友人Aさんが相談ともぼやきとも受け取れるメールを送付してきた。家族が居住する350世帯ほどの集合住宅の管理組合に対して、マンション管理会社が楽天モバイルの携帯基地局を、同マンションの屋上に設置する計画を打診してきたというのだ。Aさんは、5Gで使われる電磁波による人体影響を懸念している。

わたしは2005年から携帯電話の基地局設置をめぐる電話会社と住民のトラブルを取材してきた。その関係で、わたしのところに住民からの相談が相次いでいる。1年半ほど前から、平均すると月に2、3件の相談が寄せられている。今週も1件。こうした現象の背景に電話会社が、競い合うように通信基地局を設置している事情がある。特に、電話ビジネスへの参入が遅れた楽天に関するトラブル相談が多く、全体の9割を占める。

Aさんは電気工学の専門家である。退職するまで有名大学で教鞭を取っていた。電磁波問題を取材しているわたしが、助言をお願いしている研究者である。電磁波による人体影響の評価がどう海外で変化しているかについてもよく把握されている。

実はAさんが基地局問題に巻き込まれたのは、今回が初めてではない。静岡県のリゾート地に所有している別宅のマンションでも、数年前に同じ体験をした。電話会社が屋上に基地局を設置する計画を持ち掛け、しかも、事前に管理組合の理事らと懇意な関係を築き、強引に基地局を設置したのだ。

Aさんは居住者たちに、電磁波による人体影響を説明しようとしたが、大半の住民が電磁波については全く何も知らず、健康上のリスクを理解してもらえなかったという。

「無知とは恐ろしいものだ」と、呟き、泣き寝入りしたのである。

続きを読む »

2022年02月26日 (土曜日)

新しい方法論で「押し紙」問題を解析、兵庫県をモデルとしたABC部数の解析、朝日・読売など全6紙、地区単位の部数増減管理が多地区で、独禁法違反の疑惑

このところわたしが提唱している「押し紙」問題検証の方法論として、ABC部数の新しい解析方法がある。兵庫県全域をモデル地区として、ABC部数の変化を時系列に、しかも、新聞社(朝日、読売、毎日、産経、日経、神戸)ごとに確認してみると、ABC部数が地域単位でロックされている自治体が多数あることが判明した。地区単位で部数増減の管理が行われている疑惑が浮上した。

独禁法の新聞特殊指定に違反している疑惑がある。公正取引委員会は、少なくとも調査すべきだろう。

たとえば神戸市灘区における読売新聞のABC部数は、次のようになっている。

2017年4月 : 11,368
2017年10月: 11,368
2018年4月 : 11,368
2018年10月: 11,368
2019年4月 : 11,368

2年半にわたってABC部数は変化していない。新聞の購読者が特定の広域自治体で、2年半に渡って一部の変化もしないことなど、実際にはありえない。これは新聞社が販売店に搬入する新聞の「注文部数」を決めていることが原因である可能性(ノルマ部数、押し紙)がある。あるいは、販売店が自主的に購入する新聞部数を定数化している可能性(積み紙)もある。どちらの側に非があるにしても、これは広告主にとっては見過ごせない問題である。

本稿は、デジタル鹿砦社通信に連載した兵庫県全域をモデルケースとした新しい方法論の下で行ったABC検証の結果の報告である。以下、読者は以下に掲載した調査結果を確認する前に、次の【注意】を一読願いたい。表を理解する上で不可欠だ。

【注意】以下の表は、ABC部数を掲載している『新聞発行社レポート』の数字を、そのままエクセルに入力したものではない。数字を表示する順序を変えたのがこれらの表の大きな特徴だ。

『新聞発行社レポート』は、年に2回、4月と10月に区市郡別のABC部数を、新聞社別に公表する。しかし、これでは時系列の部数変化をひとつの表で確認することができない。確認するためには、『新聞発行社レポート』の号をまたいでデータを時系列に並べ変える必要がある。それにより特定の自治体における、新聞各社のABC部数がロックされているか否か、ロックされているとすれば、その具体的な部数や期間はどうなっているのかを確認できる。同一の新聞社におけるABC部数の変化を、地方自治体をベースにして長期に渡って追跡したのが以下の表の特徴だ。

 

続きを読む »

2022年02月22日 (火曜日)

新聞衰退論を考える ── 新聞人の知的能力に疑問、新聞社のビジネスモデルの闇、ABC部数検証・兵庫県〈3〉

今回の記事は、兵庫県全域を対象として新聞のABC部数の欺瞞(ぎまん)を考えるシリーズの3回目である。ABC部数の中に残紙(広義の「押し紙」、あるいは「積み紙」)が含まれているために、新聞研究者が新聞業界の実態を分析したり、広告主がPR戦略を練る上で、客観的なデーターとしての使用価値がまったくないことなどを紹介してきた。連載の1回目では朝日新聞と読売新聞を、2回目では毎日新聞と産経新聞を対象に、こうした側面を検証した。

今回は、日経新聞と神戸新聞を対象にABC部数を検証する。テーマは、経済紙や地方紙のABC部数にも残紙は含まれているのだろうかという点である。それを確認した上で新聞部数のロック現象の本質を考える。結論を先に言えば、それは新聞社の販売政策なのである。あるいは新聞のビジネスモデル。

日経新聞と神戸新聞のABC部数変化を示す表を紹介する前に、筆者は読者に対して、必ず次の「注意」に目を通すようにお願いしたい。表の見方を正しく理解することがその目的だ。

【注意】この連載で紹介してきた表は、ABC部数を掲載している『新聞発行社レポート』の数字を、そのまま表に移したものではない。『新聞発行社レポート』の表をエクセルにしたものではない。数字を並べる順序を変えたのが大きな特徴だ。これは筆者が考えたABC部数の新しい解析方法にほかならない。

『新聞発行社レポート』は、年に2回、4月と10月に区市郡別のABC部数を、新聞社別に公表する。しかし、これでは時系列の部数変化をひとつの表で確認することができない。時系列の部数増減を確認するためには、『新聞発行社レポート』の号をまたいでデータを時系列に並べ変える必要がある。それにより特定の自治体における、新聞各社のABC部数がロックされているか否か、ロックされているとすれば、その具体的な中身はどうなっているのかを確認できる。同一の新聞社におけるABC部数の変化を長期に渡って追跡したのが表の特徴だ。

◆日経新聞のABC部数変化(2017年~2021年)

【続きはデジタル鹿砦社通信】

続きを読む »

2022年02月21日 (月曜日)

5Gの基地局設置をめぐるトラブルが急増、後発の楽天に対する苦情が相次ぐ、マンション管理会社を巻き込んだ設置計画

携帯電話の基地局設置をめぐる問題は、だれにでも突然に降りかかってくる問題である。それを改めて実感した。時々、電磁波問題などで情報交換をしている友人が住むマンションの屋上に、楽天が基地局を設置する計画を打診してきたのだ。マンション管理組合の総会で採決を取ることになっているが、大半の住民は、委任状を提出して総会には参加しないので、理事長の意思で設置が採択される可能性が高い。大半の人は、電磁波による人体影響についての知識がなく、賃料が得られるメリットに飛びついてしまうからだ。

この友人は数年前に別宅のマンションで、同じ被害にあったことがある。

電話会社が、自社のビジネスのために次々と住民の生活環境を破壊している実態が改めて浮上した。

続きを読む »

2022年02月17日 (木曜日)

国費のコロナワクチンを闇打ちで接待に流用、「接種会場」は桜十字グループ西川朋希代表が理事を務めるビューティクリニックVIP室

東京都港区の「メットビューティクリニック」(以下、MET)元スタッフらがMyNewsJapanに内部告発した。スギ薬局会長夫妻のワクチン優先予約が問題になっていた昨年春から夏にかけ、METがコロナワクチンを闇接種していた、というもの。METは、ドモホルンリンクルで有名な再春館製薬が買収した桜十字グループ(熊本市)西川朋希代表が理事を務める医療機関で、西川氏は当時、菅総理と連日会っていた。まだ最優先とされた医療従事者すらワクチンを打てなかった時期で、接種券ナシでの脱法的な“闇打ち”に対し、スタッフらの間では「金さえあればなんでもできるのか」といった言葉も飛び交ったという。目的は国内外クライアントなど要人らの接待とみられる。国費で調達されたワクチンは、どのルートでMETに持ち込まれ、誰が“接待接種”を受けたのか。情報公開制度等で裏付け取材し、真相に迫った。

【Digest】
◇医療・福祉ビジネスを展開する巨大集団
◇菅首相と西川代表が首相公邸で会談
◇東京桜十字と(株)メディカルハック
◇闇接種の日程と場所を協議したラインの交信記録
◇桜十字グループが配給を受けたワクチンを流用か
◇コロナ専用シリンジがMETに
◇だれが闇接種を受けたのか?
◇桜十字とインドネシアの関係
◇医療崩壊の危機
◇桜十字は取材に応じず

東京都港区の表参道にある美容外科、メットビューティクリニック(以下、MET)の元スタッフらが、コロナワクチンの闇接種を内部告発した。2021年春から夏にかけて、数回にわたりワクチン接種が秘密裡に行われたという。目的は、国内外の要人らの「接待」であった可能性が高い。国費で調達されたコロナワクチンが私的に流用されたことになり、窃盗の疑いがある。

役職付きの元スタッフが次のように話す。

「ワクチン接種はVIPルームを使ってやっていたようです。しかし、VIPルームはいつでも使えるわけではなく、使用する際には事前にスケジュールを決めることになっていました。スケジュールを管理しておかなければ、VIPの患者さんに待ち時間が生じてしまう恐れがあるからです。そのVIPルームの使用目的を知らされないまま、上司の命令でスケジュールだけが入ることが増え、なにかおかしいと感じるようになりました。フロントに置いてあるはずの検温器がなくなることもありました。おそらくVIPルームで使っていたのだと思います」

METのVIPルームは、ビル裏口を入り、1階から2階へ階段を上がったところにある。タレントなどが美容の施術を受ける際に、人目を避けるために利用する。正面玄関から出入りすると、一般客と顔を合わせるため、それを避けるため裏口からVIPルームへの出入りを可能にしているのだ。そのVIPルームがワクチンの闇接種に使われた、という。

マイニュースジャパンが内部告発を受けたのは、2021年11月だった。その根拠は、ワクチン接種の日程と場所を決める際に当事者が使ったLINEの通信記録や、闇接種に使ったとみられるコロナワクチン専用のシリンジ(注射器)の写真だった。ワクチンとシリンジの配布ルートに関する港区の書面を情報公開請求で入手し、これら物的証拠と、取材で得た告発者たちの「証言」の整合性を検証することで、裏付けは決定的となった。

【続きはMyNewsJapan】

続きを読む »

2022年02月14日 (月曜日)

横浜副流煙裁判、ついに書類送検!!分煙は大いに結構!!だけどやりすぎ『嫌煙運動』は逆効果!!

『禁煙ファシズム』(鹿砦社)について、ジャーナリスト・須田慎一郎氏からインタビューを受けた。タイトルは「横浜副流煙裁判、ついに書類送検!!分煙は大いに結構!!だけどやりすぎ『嫌煙運動』は逆効果!!」

日本禁煙学会の作田学理事長の書類送検を踏まえて、事件について話した。東京大学医学部を卒業したエリートがなぜこんな単純なミスを犯したのか。スラップ(訴権の濫用)に対する「戦後処理」の意味は?この事件は、今後、藤井さんサイドからの損害賠償裁判がスケジュールに入っている

続きを読む »

2022年02月14日 (月曜日)

新聞衰退論を考える ── 新聞社が新聞の「注文部数」を決めている可能性、新聞社のビジネスモデルの闇、ABC部数検証・兵庫県〈2〉

本稿は、兵庫県をモデルとした新聞のABC部数の実態を検証するシリーズの2回目である。1回目では、朝日新聞と読売新聞を取り上げた。これらの新聞のABC部数が、多くの自治体で複数年に渡って「増減ゼロ」になっている実態を紹介した。いわゆるABC部数のロック現象である。

※1回目の記事、朝日と読売のケース 

今回は、毎日新聞と産経新聞を取り上げる。朝日新聞や読売新聞で確認できた同じロック現象が、毎日新聞と産経新聞でも確認できるか否かを調査した。

【注意】なお、下記の2つの表は、ABC部数を掲載している『新聞発行社レポート』の数字を、そのまま表に入力したものではない。『新聞発行社レポート』は、年に2回、4月と10月に区市郡別のABC部数を、新聞社別に公表するのだが、時系列の部数変化をひとつの表で確認することはできない。時系列の部数増減を確認するためには、『新聞発行社レポート』の号をまたいでデータを時系列に並べ変える必要がある。それにより特定の自治体における、新聞各社のABC部数がロックされているか否かを確認できる。

次に示すのが、2017年4月から2021年10月までの期間における毎日新聞と産経新聞のABC部数である。着色した部分が、ロック現象である。ABC部数に1部の増減も確認できない自治体、そのABC部数、ロックの持続期間が確認できる。ロック現象は、「押し紙」(あるいは「積み紙」)の反映である可能性が高い。新聞の読者数が、長期間にわたりまったく変わらないことは、通常はあり得ないからだ。

【続きはデジタル鹿砦社通信】

続きを読む »

2022年02月08日 (火曜日)

選挙人名簿流出事件に揺れる神奈川県真鶴町、松本町長ら4人を刑事告発へ、超党派の運動が始まる

何年にも渡って君臨した独裁政権が崩壊した後に選挙を実施する場合、国際監視団が現地入りして、選挙を厳しく監視する体制が敷かれることがある。汚点のない選挙の実現。わたしが知っている先駆け的な例としては、1984年のニカラグアがある。軍事独裁政権が崩壊した後、外国からの選挙監視団やマスコミが続々と乗り込んできて、この中米の小国は、初めて公正な自由選挙を実施したのである。

同じような制度と原理を導入するために、真鶴町の住民らが動きはじめた。住民の橋本勇さんが言う。

「外部の選挙監視団を入れて公正で清潔な選挙を実施できる制度を作る必要があります。その制度を真鶴から全国へ広げたいものです。そのために、汚職に関与した松本町長や選挙管理委員会の書記長など、4人の刑事告発を超党派で検討しています。また、選挙管理委員会も総入れ替えをする必要があります。不正を犯した書記長の残党が残っていますから」

橋本さんは、会社勤務を経て約40年前に真鶴に移り住み、光の海が一望できる岬に旅館とレストランを開業した。その真鶴が一部の人々の手で壊されていくことに心を痛めている。それが住民運動を始めた動機である。

◆広がる選挙管理委員会に対する不信感、選挙監視団制度の導入が不可欠

汚職事件は昨年の秋、ひとりの勇敢な男性の内部告発にはじまる。森敦彦氏。真鶴町の役所に勤務した後、2017年に町議になった。しかし、再選を目指した2021年9月の町議選では落選した。

その後、選挙運動の残務整理をしていると、1通の大きな封筒が出てきた。開けてみると、中に真鶴町の選挙人名簿や住民基本台帳などが入っていた。森さんが言う。

「この封筒は、町の選挙管理委員会の尾森書記長(当時)が届けたものですが、事前に松本一彦町長から、あなたの選挙に活用できる資料を届けさせると連絡を受けていたので、中身は町長が作成した自分の支援者名簿だと思っていました。そのようなものは必要なかったので、わたしは封も切らずにそのまま放置していました。自分の基礎票だけで再選できると思ったのです。選挙が終わってから、封を切ったところ、中から選挙人名簿や住民基本台帳が出てきたのです。わたしはびっくりして、警察に届け出ました」

知人の勧めで、マスコミにも通報した。中央紙はほとんど報じなかったが、地元の神奈川新聞やローカル紙が熱心にこの事件を取り上げた。その結果、松本町長は10月26日に記者会見を開いて、自らの責任を認めた。選挙管理委員会の尾森書記長に選挙人名簿や住民基本台帳などをコピーさせ、外部に持ち出させたことを認め、辞任を表明したのである。また、その後、これらの書面を青木健議員と岩本克美議員(議長)にも配布したことを公表した。

不祥事により政治家が辞任すること自体は特に珍しいことではない。しかし、松本町長は、辞任した後、お詫び回りを続け、町長選がはじまる直前に再出馬を表明した。そして次点候補と88票の僅差で町長選に勝利したのである。この88票も、開票の最終ステージで逆転したものだという。そのために選挙管理委員会に対して再び不信感を募らせる市民もいた。【続きはデジタル鹿砦社通信】

続きを読む »

PICK UP

90.7% vs 10.1%――「香害」アンケート結果の異常な...

「香害」は、横浜副流煙裁判を通じてクローズアップされた。それ以前にも『週刊金曜日』など一部メディアがこの問題...

「押し紙」制度と折込媒体の水増し、新聞社の内部資料が示す虚像

「押し紙」裁判における発行本社の主張は、もはやパターン化している。それはおおむね次のような内容である。新聞社...

『ZAITEN』9月1日発売、参院選の選挙公報が水増し・廃棄さ...

9月1日発売の『ZAITEN』(財界展望新社)は、「朝日新聞『選挙公報』折込で“水増し発覚”」と題する記事を...

新聞社系印刷会社が参院選公報を独占受注 首都圏1都3県の実態 ...

選挙公報など、税金で制作された新聞折込媒体を新聞社系の印刷会社が印刷するケースが少なからず存在する。既報のと...

東京高裁判決を誤解させる「またも会」の投稿 作田医師による医師...

8月20日に東京高裁が判決を下した横浜副流煙事件「反訴」の判決をめぐって、日本禁煙学会の会員である「またも会...

「司法の独立・裁判官の独立」について-モラル崩壊の元凶 押し紙...

執筆者:弁護士 江上武幸(福岡・佐賀押し紙弁護団、文責)2025年8月21日 井戸謙一・樋口英明両元裁...

東京高裁が作田学医師の医師法20条違反などを認定、控訴人の控訴...

東京高裁は20日、横浜副流煙裁判控訴審の「反訴」で、控訴人の控訴を棄却する判決を言い渡した。ただし、被控訴人...

参院選選挙公報、首都圏で新聞社系が印刷を独占,神奈川新聞は1億...

7月2o日に投票が行われた参議院選挙の選挙公報について、首都圏の一都三県(東京・神奈川・千葉・埼玉)を対象に...

【書評】『前立腺がん患者、最善の治療を求めて』—記録された大学...

大阪市の都心から離れた住宅街に、2024年4月、前立腺がんの小線源治療を専門とするクリニックが開業した。院長...

新聞発行部数が大幅減 2025年6月度ABC発表、読売41万部...

2025年6月度のABC部数が明らかになった。これは、新聞各社が公表する最新の発行部数であり、新聞業界の...

若者たちがリーダーシップを発揮!(腐敗防止に挑むコロンビアの若...

執筆者:ロベルト・トロバホ・エルナンデス 想像してみてほしい。教室で生徒たちが学んでいるのは、数学や歴...

佐賀県西日本新聞店押し紙訴訟の裁判官交代について、モラル崩壊の...

福岡・佐賀押し紙弁護団 弁護士江上武幸(文責)2025年7月31日 長崎県販売店の地裁裁判官の交代につ...

【YouTube配信9】西日本新聞 4月と10月に「押し紙」を...

「4・10増減」(よんじゅう・そうげん)と呼ばれる変則的な「押し紙」の手口がある。4月と10月に「押し紙」を...

【YouTube】読売新聞社の「押し紙」を認定した真村訴訟、読...

007年12月、読売新聞の「押し紙」を認定した判決が最高裁で確定した。この裁判は、新聞販売店が地位保全を求め...

しばき隊の活動家が森奈津子氏と鹿砦社を訴えた裁判、実名報道の是...

しばき隊の活動家・A氏が、作家の森奈津子氏と鹿砦社に対して、プライバシーを侵害されたとして、110万円を請求...

【YouTube 配信7】 徹底検証「押し紙」、新聞業界から政...

2021年度の政治資金収支報告書によると、新聞業界は政界に対して、総額で598万円の政治献金を行った。献金元...

東京高裁が和解を提案、作田医師の責任は免れない、横浜副流煙事件...

横浜副流煙事件「反訴」の控訴審第1回口頭弁論が、26日、東京高裁で開かれた。裁判所は、結審を宣言すると同時に...

【YouTube版】レイバーネットTVが「押し紙」問題を特集

レイバーネットTVで「押し紙」問題について黒薮が解説した。出演者は次の通りである。 出演者:黒薮哲哉(...

PICK UP

元店主側が控訴準備書面(1)を提出、新聞特殊指定でいう「注文し...

西日本新聞社に対する「押し紙」裁判(原告:長崎県の元店主)で、元店主の弁護団は、5月12日、控訴準備書面(1...

【YouTube配信6】徹底検証 産経、読売の「押し紙」、新聞...

「配信6」では、産経新聞と読売新聞の「押し紙」の実態を紹介する。「押し紙」は1999年の新聞特殊指定の改定を...

1999年の新聞特殊指定の改訂、大量の「押し紙」を容認する方向...

「押し紙」が急激に増えたのは、1999年に新聞特殊指定の改訂で、「押し紙」の定義が変更されたのち。改訂前は、...

煙草の副流煙をめぐる極論、法律で集合住宅全体を禁煙にすべきだと...

煙草の副流煙が第3者に及ぼす影響についての議論が活発になっている。法律で集合住宅全体を禁煙にすべきだという考...

トランプ政権がUSAIA傘下の全米民主主義基金(NED)への資...

トランプ政権が凍結したはずのUSAID(アメリカ合衆国国際開発庁)向けの資金提供の一部が、3月から再開されて...

甲斐弦著『GHQ検閲官』の読後感-モラル崩壊の元凶「押し紙」-

福岡・佐賀押し紙弁護団 江上武幸(文責) 2025(令和7)年5月 1日 阿蘇の北外輪山に、カルデラの...

2025年2月度のABC部数、読売は前年同月比で-40万部、毎...

2025年2月度のABC部数が明らかになった。前年同月比で、最も減部数が多いのは読売新聞で、-40万部だった...

押し紙(その1)平成11年の新聞特殊指定「改正」の謎-モラル崩...

福岡・佐賀押し紙弁護団 弁護士 江上武幸(文責)2025年(令和7年)4月15日 (年号は、西暦と和暦...

検察審査会が「不起訴処分相当」の結論、作田学医師の法廷での発言...

横浜副流煙事件の法廷で作田学医師(冒頭写真、当時、日本禁煙学会理事長)が行った証言の内容をめぐり、刑事告訴に...

統一教会の霊感商法による被害額は35年間で1237億円、「押し...

東京地裁は25日、統一教会に対して解散を命じた。このカルト集団が不正に集めた資金は、全国霊感商法対策弁護士連...

【書評】喜田村洋一の『報道しないメディア』、著者の思想の整合性...

『報道しないメディア』(喜田村洋一著、岩波書店)は、英国BBCが点火したジャニー喜多川による性加害問題の背景...

雑誌『創』の新聞社特集、「押し紙」問題の隠蔽と誌面の劣化

『創』の3月号(2025年)が「新聞社の徹底研究」と題する特集を組んでいる。これは、延々と続いてきた企画で定...

ニューソク通信がインタビュー(youTube)、作田学医師が主...

横浜副流煙事件の「反訴」について筆者は、ニューソク通信の須田慎一郎氏から、インタビューを受けた。メディア黒書...

喫煙撲滅運動と専門医師の関係、客観的な事実が欠落した診断書、横...

診断書がアクションを起こすための通行証になる現象は昔から続いてきた。たとえば大相撲の力士が本場所を休場すると...

患者が退出して3分後に煙草臭、偽証の疑い、作田学医師の証言、横...

喫煙者の呼気が孕んでいる煙草臭が持続する時間はどの程度なのか?東京地裁で、ある著名な医師が興味深い証言をした...

横浜副流煙裁判、カウンター裁判で藤井敦子さんらが敗訴、検証が不...

横浜副流煙事件に関連した2つの裁判の判決が、それぞれ1月14日と22日に言い渡された。裁判所は、いずれも原告...

西日本新聞押し紙裁判 控訴のお知らせ―モラル崩壊の元凶 押し紙...

福岡・佐賀押し紙弁護団弁護士 江上武幸(文責)2025年(令和7年)1月15日 令和6年12月24日の西日...

1999年の新聞特殊指定の改訂、「押し紙」容認への道を開く「策...

渡邉恒雄氏の死に際して、次から次へと追悼記事が掲載されている。ここまで夥しく提灯記事が現れるとさすがに吐き気...

西日本新聞福岡地裁押し紙敗訴判決のお知らせ―モラル崩壊の元凶 ...

福岡・佐賀押し紙弁護団 弁護士・江上武幸(文責)2024年(令和6年)12月25日 昨日(24...