日本国憲法の最大の欠点は天皇をめぐる条項、議会制民主主義の理念と矛盾
改憲論がさかんになってきたこの時期に、改めて日本国憲法を読み直してみると、これまであたりまえの条項のように受けとめていた天皇に関する記述に違和感を感じた。憲法の第一条は、
第一条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。
と、なっており、以下、第8条まで天皇に関する記述が並ぶ。一国のあり方を方向づける憲法の劈頭(へきとう)に、天皇に関する条文を配置している憲法は、21世紀の現在、世界的にみても珍しいのではないか。もっとも、わたしは憲法の専門家ではないので、確定的なことはいえないが、日本国憲法の構成には、やはり違和感がある。
たとえばアメリカ合衆国憲法の第一条は次のように、国家のあり方、あるいはずばり議会制民主主義の型を宣言している。
第1 条[連邦議会]
この憲法によって付与されるすべての立法権は、上院と下院で構成される合衆国連邦議会に属する。