2012年12月13日 (木曜日)

選挙で政治家を見抜くノウハウ 上半身より下半身を見よう

◆吉竹幸則(フリージャーナリスト・元朝日新聞記者)

「今度は、実現可能なマニフェストにしなければ…」。民主の言い訳には、正直、笑ってしまった。なぜ、民主が「公約」から「マニフェスト」にしたのか。選挙の度に大風呂敷を広げる「公約」では、結局、何も国民に約束しないことに等しい。

「実現可能なマニフェストでなければ」と言い出したのが民主のはずである。結局、「公約」でも「マニフェスト」でも、選挙目当ての美辞麗句を信じていれば、国民は騙されるだけ。これが政権交代からの3年間、人々が得た唯一の教訓だったのかも知れない。

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2012年12月11日 (火曜日)

催告書の名義を偽って他人を裁判にかけることが許されるのか? 明日、損害賠償裁判の本人訊問 福岡高裁の大法廷で

読売新聞社が提起した3件の裁判が「一連一体」の言論弾圧にあたるとして、わたしが起した損害賠償裁判の尋問が、12日の午後2時30分から、福岡高裁の大法廷で行われる。尋問を受けるのは、被告の江崎法務室長と原告のわたしの2名である。

この尋問の主要テーマとなるのは、読売が2008年2月に起した著作権裁判である。江崎氏がわたしに送付した催告書を、わたしがウエブサイト「新聞販売黒書」に掲載したところ、催告書を削除するように求めて、提訴に及んだ経緯がある。。

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2012年12月10日 (月曜日)

政党が新聞代金を事務所費として仕訳する謎、取引先の「丸の内新聞事業協同組合」は新聞各社の協同経営

11月に公開された民主党の政治資金収支報告書の「支出」の項目に新聞代金の記載がないので、党本部に問い合わせたところ、新聞代金を「事務所費」として仕訳していることが、分かった。

これについてまず総務省の政治資金課に問い合わせたところ、政党の政治資金収支報告書には、新聞代金を「備品・消耗品費」か「事務所費」として処理することが認められているとの説明があった。つまり公表の必要がないとのことである。

実際、民主党の会計担当者によると、新聞代金は、「事務所費」に含まれているとのことだった。その事務所費は、約4億98万円(2011年度)である。

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2012年12月07日 (金曜日)

吉本興業に群がる放送とパンチコの面々、ソフトバンクも、改正著作権法で利権

インターネットの時代になって、ネット上でテレビや新聞よりも優れた調査報道が登場するようになった。

YOUTUBEで公開されている『 「フジテレビがKPOPをゴリ押しする理由 」これが韓流の真実 』のパート1とパート2は、放送局の闇を見事に暴いている。公共の電波が一部の心ない人々に牛耳られ、とんでもないビジネスに悪用され、日本の文化を低劣化させている実態を報じている。

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2012年12月06日 (木曜日)

政治資金収支報告書の検索方法、だれでもPC上で政治資金の検証ができる

5日付けの「黒書」でNTT労組の政治団体「アピール21」の政治資金収支報告書を紹介したところ、政治資金収支報告書の検索方法を教えてほしいとの問い合わせがあった。

実は、政治資金収支報告書はネット上で公開されている。PCがあれば誰でもアクセスできる。順を追って、検索方法を説明しよう。

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2012年12月05日 (水曜日)

NTT労組のアピール21から、民主党を中心に1億4000万円の政治献金、携帯基地局の設置は野放し状態

先月末に公開された政治資金収支報告書(2011年度分)の中から、アピール21(NTT労組の政治同盟)のものを紹介しよう。アピール21が毎年、多額の政治献金を行っていることは、マイニュースジャパンやMEDIA KOKUSYOで報じてきたとおりである。

2011年度も例外ではない。民主党を中心に地方議員から、国会議員まで393人に対して、約1億4000万円の政治献金をばらまいている。自民党かおまけの金権政治の典型的光景である。

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2012年12月04日 (火曜日)

元国労名古屋地本委員長の遺言 総選挙を前に平和運動の担い手の空洞化を憂う

◆吉竹幸則(フリージャーナリスト・元朝日新聞記者)

何とも心のはずまない総選挙だ。まだしも前の選挙は、少しは政治が変わるとの期待もあった。でも、「戦争の覚悟」を言い出す爺さんもいれば、「200兆円の公共事業」と旧態依然の政策を唱え、先祖返りする党もある。一方で、これまで土建業界などからの資金で選挙をしていた人たちが、国民受けする「脱原発」で厚化粧…。

こんな選挙で国民に「政治が変わる」との期待感を持てと言う方が無理だろう。まともな選択肢がない中で、選挙を境にこの国は、「いつか来た道」にますます迷い込んでしまうのではないか。むしろ私は、それを恐れる。

今回から少し「政治」について語ろうと思う。政治記者時代の経験を披露する前に、皆さんにどうしても聞いてもらいたい話がある。今の政治状況を25年以上も前に予見していた人がいるからだ。

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2012年12月03日 (月曜日)

司法制度改革の開始から10余年、SLAPP、高額訴訟、虚偽の事実を前提とした裁判の多発、背景に訴訟のビジネス化

2001年6月、司法制度審議会が提出した意見書に基づいて、司法制度改革が始まった。小泉内閣に司法制度改革推進本部が設置された。イニシアチブを取ったのは、次の国会議員である。

本部長:小泉純一郎(内閣総理大臣)

副本部長:福田康夫(内閣官房長官)、森山眞弓(法務大臣)、

本部長補佐:安倍晋三(内閣官房副長官)、上野公成本部長補佐(内閣官房副長官)

人事構成を見れば分かるように、司法制度改革は自民党のメンバーを中心に押し進められてきたのだ。

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2012年11月30日 (金曜日)

政界進出狙う宇都宮健児氏、日弁連も政界へ献金 献金先の政治家同士で国会質疑の茶番劇も

都知事候補の宇都宮健児氏が会長を務めていた日本弁護士連合会(日弁連)が、政治団体「日本弁護士政治連盟」を通じて、政界に献金を贈り続けてきたことがわかった。

参院選を前にした2010年度は、民主党を中心に32名の国会議員に240万円を支出。司法修習生への給費支払い制度の廃止問題をめぐり、茶番劇のような国会質疑が、献金を受けた議員同士で行われていた。

司法制度改革がスタートして10余年、SLAPPや高額訴訟が多発し、裁判のビジネス化が進んだ。これらは弁護士報酬の引き上げには直結するものの、国民の知る権利を害し、ビジネスとして儲けるために最高裁判事の天下りを大手弁護士事務所が受け入れるという異常事態も生んでいる。

司法と政治の癒着は、どこまで許されるのか。司法のタブーに迫る。(続きはマイニュースジャパン)

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2012年11月29日 (木曜日)

デッチ上げまでする裁判官 狙いは戦前の報道弾圧社会への回帰

◆吉竹幸則(フリージャーナリスト・元朝日新聞記者)

前回、前々回とこの欄で、「公正・公平性を失った司法」について書いた。「裁判官が本当にデッチ上げまでするのか」「筆者が裁判に負けた腹いせではないのか」こんな疑問の声も戴いた。

ジャーナリストが語るべきは、論より事実だ。私事で恐縮になるのを承知で、敢えて私の朝日新聞社への訴訟の判決を紹介してみたい。

いかに裁判官が、露骨なデッチ上げ判決までするようになったか。今の司法・裁判所がジャーナリズムから「表現・報道の自由」を奪い、戦前の報道弾圧社会の再来を、どんなにしゃかりきになって目指しているか。読売から訴えられた黒薮哲哉氏の最高裁逆転判決とともに、私への判決がその典型的な事例の一つと思えるからだ。

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2012年11月27日 (火曜日)

衆院選、共産、社民、国民の生活が第一に期待、進むメディアによる世論誘導

衆院選の告示を前にしたマスコミの選挙報道に接していると、有権者には次ぎの3つの選択肢しかないような印象を受ける。

1,自民党・公明党

2,民主党

3,第3極

このうち「第3極」は、依然として構成メンバーをめぐる駆け引きが続いているが、これまでのところ石原氏と橋下氏を中心とした維新の会と、亀井氏を中心とする「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」が輪郭を明確にしている。

11月19日、わたしはTWITTERで次のように書いた。

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2012年11月26日 (月曜日)

12月12日に福岡高裁の大法廷で本人尋問、対読売の「反訴」裁判

読売がわたしに対して仕掛けた3件の裁判(請求額は約8000万円)が、「一連一体」の言論弾圧にあたるとして、損害賠償を求めた裁判で、控訴審の舞台となっている福岡高裁は、被告・江崎法務室長と原告・黒薮の双方に対し、大法廷(傍聴席数は100)を使って本人尋問を実施することを決めた。

尋問は12月12日の午後に行われる。

尋問のテーマは、原告が“恫喝”と主張している3件の裁判のうち、最初に提起された著作権裁判に特化される見込み。

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