
筆者は、内閣府や省庁が博報堂に発注してきたPR業務(公共事業)の検証を進めてきたが、唯一、解明が進んでいない分野がある。それはテレビCMだ。内閣府や省庁は、公共の新聞広告だけではなく、国策プロパガンダを目的としたテレビCMも博報堂に制作させている。
筆者が調査したいと考えているのは、テレビCMを本当に放送しているのかという点である。読者からは、「あまり見たことがない」という声が寄せられている。
新聞や雑誌の広報、あるいはインターネット広告は、なんらかの形で「成果物」を確認することができるが、テレビCMだけは、簡単に「成果物」を確認することができない。CMを放送したテレビ局には、放送の記録(動画)が残っているはずだが、広告代理店が関与した事件の取材に協力してくれるほどの寛大さはないので、まず「成果物」の確認は期待できない。
と、なれば放送確認書だけが頼りになる。
放送確認書とは、CMが放送されたことを証明する一種の証書である。重い意味を持つ。テレビCMを制作する際に、コンピューターにコードを入力すると、実際にCMが放送された際に、CMコードがデータとして記録される。放送局は、それをプリントアウトして、広告代理店を通じてスポンサーに届ける。人的な手を加えずに、コンピュータが書面を発行することで、「CM間引き」を監視するのだ。
CMコードは、現在ではほぼ全放送局が導入している。
筆者は、内閣府から2015年度の放送確認書を入手している。その数量は膨大なものになる。これらの放送確認書には、CMコードも付番されている。従って常識的には、政府CMは制作・放送されたことになるが、それですべてがクリアーになったわけではない。
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