1. 言論活動の妨害

言論活動の妨害に関連する記事

読売が申し立てた「押し紙」裁判の判決文に対する閲覧制限事件①、その後の経緯と自由人権協会代表理事・喜田村弁護士への疑問

読売新聞の「押し紙」裁判(大阪地裁、濱中裁判、読売の勝訴)の判決文に対して、読売新聞が閲覧制限を申し立てた件について、その後の経過を手短に説明しておこう。既報したように発端は、メディア黒書に掲載した『読売新聞「押し紙」裁判(濱中裁判)の解説と判決文の公開』と題する記事である。この記事は、文字通り読売「押し紙」裁判についてのわたしなりの解説である。

この記事の中で、わたしは判決全文を公開した。ところがこれに対して読売(大阪本社)の神原康行法務部長から、書面で判決文の削除を要求された。理由は、読売が判決文の閲覧を制限するように裁判所に申し立てているからというものだった。法律上、閲覧制限の申し立てがなされた場合、裁判所が判決を下すまでは、当該の文書や記述を公開できない。神原部長の主張には一応道理があるので、わたしはメディア黒書から判決文を削除した。

※ただし、ジャーナリズムの観点からは、はやり公開を認めるべきだと思う。「押し紙」という根深い問題を公の場で議論する上で大事な資料になるからだ。

ここまでは既報した通りである。その後、裁判所は読売の申し立てを認めた。法律を優先すれば、判決文は公開できないことになる。しかし、裁判所が判決文全文の閲覧を制限したのか、それとも読売にとって不都合な記述だけに限定して閲覧を制限したのかは不明だ。そこでわたしは、読売の神原部長に対して、判決文全文の非公開を希望しているのか、それとも部分的な記述だけに限定した非公開を希望しているのかを問い合わせた。

現在、その回答を待っている段階だ。

続きを読む »

2021年02月05日 (金曜日)

森喜朗会長の失言、ワイドショーでも炎上、スピーチ原稿なしに発言できない堅苦しい時代に

東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長が、「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかります」などと発言したことが問題になっている。森会長は、4日、記者会見を開いて発言を謝罪した。国会では、立憲民主党の枝野幸男代表が、森会長の辞任を求めた。

国会議員が「不適切」な発言をして批判を受け、非を認めて謝罪する事件はこのところあとを断たない。しかも、謝罪に追い込まれる背景には、必ずメディアの追及がある。(この種の報道にはなぜか熱心だ。)

森会長の発言内容そのものに問題があることは異論がないだろう。しかし、特定の発言に対して、謝罪を求めたり、辞任を要求する社会風潮は過剰反応ではないか。長い目でみれば、言論統制への道を開いていくからだ。おそらく国民の99%は、謝罪するのは当たり前だと考えている。

それゆえに別の視点からこの問題を再考する余地もない。

続きを読む »

2020年12月12日 (土曜日)

故意に「差別者」をつくる愚、表現の自由をめぐる部落解放同盟との論争

(本稿は、『紙の爆弾』(12月号)からの転載である。)

言論・表現にかかわる事件の行方は、文筆を仕事とする者にとっては職業の生死にかかわる。

菅義偉内閣が誕生してのち、言論と差別にかかわる2つの事件が浮上した。ひとつは首相が、日本学術会議の会員候補6人の任命を拒否した件である。もうひとつは、自民党の杉田水脈議員が、「女性はいくらでもウソをつける」と発言したとされる件である。杉田議員は「差別者」として、Change.org上で13万人から糾弾され、野党からは辞職要求を突きつけられた。後述するように、この事件はなぜか自民党サイドが報道機関にリークして、発覚させた経緯がある。

ここ数年、言論や表現に対する視線が厳しくなっている。国会で閣僚が言葉を滑らせて、野党から謝罪を要求される事件が続発し、もはや予定原稿なしに言葉を発することが議員生命を危うくしかねない状況が生まれている。国会ではヘイトスピーチ規制法が成立し、川崎市では、それに連動して差別的な表現に刑事罰を課す条例が全会一致で可決した。

こうした時代に、今度はルポライター・昼間たかし氏が『紙の爆弾』誌上で使った「士農工商ルポライター家業」という表現が、論争のリングに上がろうとしている。

部落解放同盟は、これまでも「士農工商」の後に職業をつけたレトリック(修飾方法)に対して繰り返し苦言を呈してきた。 たとえば筒井康隆氏による「士農工商SF屋」という表現である。阿久悠糾による「士農工商(注:広告)代理店」という表現である。さらに『差別用語を見直す』(江上茂著、花伝社)によると、芸能人、印刷屋、予備校生、アナウンサー、AB型、お笑い屋、百貨店、研究所、編集者などの例があるという。

部落解放同盟は、このレトリックが差別を助長するという考えに立って『紙の爆弾』に釈明を求めてきたのである。

続きを読む »

2020年10月04日 (日曜日)

懸念される名誉毀損裁判への影響、忍び寄る組織(家庭)内部への干渉、自民党がリークした事実、杉田議員による「差別発言」の検証②

朝日新聞が、杉田水脈議員の「差別発言」問題を続報した。タイトルは、「『私たちウソついてない』性被害者ら、杉田水脈氏に抗議」。

 自民党の杉田水脈(みお)衆院議員が性暴力の被害者への支援をめぐり「女性はいくらでもウソをつける」と発言した問題で、発言に抗議する「フラワーデモ」が3日夜、東京都内であった。被害を経験した人たちは「私たちはウソをついていない」と声を上げた。■出典

他社も続報記事を掲載している。テレビも続報した。
この問題を通じて、わたしは次の4点を危惧している。

続きを読む »

2020年09月27日 (日曜日)

日大講師の「差別発言」は解雇に値するのか、ヘイトスピーチ解消法の濫用へ

ヘイトスピーチ解消法は、2016年6月3日に施行された。その後、新宿区でデモの出発点として慣行的に使われてきた4つの公園のうち、三カ所の使用が禁止された。新宿区当局が下した決定である。これにより労働運動も負の影響を受けるようになった。

川崎市は、ヘイトスピーチに対して罰金を課す条例を、国に先駆けて制定した。条例が国の法律を飛び越えることはめったにない。

そのほか多くの自治体でも、差別を口実としてさまざまな規制を設けるようになった。ヘイトスピーチ解消法の余波は広がっている。【続きはウエブマガジン】

続きを読む »

2020年09月06日 (日曜日)

鹿砦社に対する言論弾圧事件、露骨な検察官と新聞人の連係プレー

鹿砦社に対する言論弾圧事件から今年で15年になる。2005年7月12日の『朝日新聞』朝刊の第一面は、「出版社社長に逮捕状」「名誉毀損の疑い」という見だしで、同社の松岡利康社長の逮捕を視野に入れた神戸地検の動きを「スクープ」した。

実際、この日の早朝に松岡社長は、自宅に押しかけてきた検察官に逮捕された。以後、神戸地検は、松岡社長を192日にわたって拘留した。理由は次の2点である。

①阪神のスカウトの変死事件で、遺族が執筆した記事を掲載した。その記事は、事件に球団職員が関与した可能性を示唆している。

②パチスロ機メーカー「アルゼ」のスキャンダルを暴露した。

松岡社長は、刑事裁判にかけられ、懲役1年2カ月(執行猶予4年)の判決を受けたのである。出版社の社長が刑事事件というかたちで言論弾圧されたケースはまれた。【続きはウェブマガジン】

続きを読む »

新聞人による読売裁判の提訴から11年、なお未解決の「押し紙」問題と折込詐欺

読売新聞の江崎徹志法務室長(当時)と喜田村洋一弁護士(自由人権協会代表理事)が、筆者に対して著作権裁判を提起してから21日で11年になる。この裁判は、喜田村弁護士が作成した「江崎」名義の催告書を江崎氏が筆者に送付したことが発端だ。その内容が怪文書めいていたので、すぐにメディア黒書で全面公表したところ、削除を求めて提訴した事件である。

裁判の中で、江崎・喜田村の両氏は、催告書が江崎氏の著作物であるから、筆者(黒薮)に公表権はないと主張(著作権違反)した。ところが催告書の本当の執筆者は江崎氏ではなく、喜田村弁護士であった高い可能性が判明。江崎氏の著作物を筆者(黒薮)が公開したという提訴の論拠がまったくの嘘だったことが判明したのだ。当然、江崎氏らは門前払いのかたちで敗訴した。

続きを読む »

2019年08月06日 (火曜日)

抵抗する香港とフランス、抵抗しない日本

「あいちトリエンナーレ2019」の「表現の不自由展・その後」はあっけなく幕切れとなった。河村名古屋市長がクレームを付け、津田大介監督が謝罪し、知事が中止を宣言して終了した。後世の歴史家は、2019年の夏をふりかえって、この事件を言論の自由の分岐点になった事件として位置付けるかも知れない。

公権力の外圧を跳ね返していれば、それが逆に言論の自由を拡大する方向性を生んでいただろう。しかし、ほとんど抵抗もせずすんなりと中止を受け入れたのだから、今後、言論はますます規制される。公権力が介入するまでもなく、だれかが匿名で脅迫電話を1本すれば、それで口封じが成立する構図が生まれたのだ。

菅官房長官がいうように、「テロリストと交渉してはいない」。

一番悪いのは河村市長と大村知事だが、津田監督にも重大な責任がある。沈没しかけた船から、船長が最初に逃げ出したことになる。【続きはウェブマガジン】

続きを読む »

2019年08月04日 (日曜日)

国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」、津田監督は中止に対し抵抗したのか?

国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の「表現の不自由展・その後」が愛知県知事の手で中止に追い込まれた。独裁政権の国が、こうした処置を講じることは、チリのピノチェト政権下の時代に見るようにめずらしくはないが、先進資本主義国といわれる国で、このような措置が講じられるのは極めてまれだ。

特定秘密保護法が成立した2013年あたりから、将来的に日本も言論表現の自由が著しく制限されるのではないかとする見方が増えていたが、いよいよそれが現実味を帯びてきた。

国際芸術祭の「表現の不自由展・その後」で、最初にクレームを付けたのは、河村たかし名古屋市長だった。当然、河村氏がどこまで芸術を理解したうえで、こうした行為に及んだかということが問題になる。

もちろん芸術の概念は固定したものではないが、河村市長は根本的なことがよく分かっていないのではないかというのが、わたしの見方だ。「芸術とは何か」という問題について、故岡本太郎が著書『自分の中に毒を持て』の中で、示唆に富むエピソードを紹介している。大事な指摘なので、引用しておこう。

続きを読む »

2018年12月05日 (水曜日)

Twitter社の恐るべき見解、国家公務員についての言及は禁止、じわじわと言論規制、黒薮のTwitterがロックされた問題

筆者(黒薮)のTwitterがロックされている問題について、その後の経緯を簡単に報告しておこう。ロックされる原因となったのは、次のツィートである。

【バックナンバー】三宅雪子元衆議院の支援者「告訴」騒動にみるTwitterの社会病理 | MEDIA KOKUSYO https://t.co/3mj9hR2EOO

誰かがロックを申し立て、Twitter社がそれを認めたという流れになるだろう。このツィートを削除すれば、ロックは解除される。が、ここには簡単に見過ごせない問題が何点かある。それが解決しない限り、筆者はみずからツィートを削除して、ロックを解除するプロセスに従うつもりはない。

黒薮のTwitter(更新不能ですが、筆者以外は閲覧できます)
何が問題なのか?

続きを読む »

2018年11月01日 (木曜日)

メディア黒書へのアクセスが不能に、アクセス解析がダウン、原因は不明

昨日(10月31日)の夜、推定で2時間程度、メディア黒書へのアクセスが出来なくなった。筆者がアクセス不能に気づいたのは、21時5分ごろだった。回復したのは、22時15分ごろ。従って少なくとも1時間ばかりアクセスが不能になったことになる。

他のPCからのアクセス状況を知るためにTwitterやFacebookで調査の協力を告知したところ、何人かの人々から「アクセスできない」という回答があった。「アクセスできる」という回答も1件あった。

「押し紙」の撲滅運動、「NO残紙キャンペーン」のバーナーを貼っている「保守速報」へのアクセスが出来なくなっていることを、31日付けのメディア黒書で、報じていたこともあって、同じ攻撃がメディア黒書への向けられた可能性もある。単なるシステム上の不具合の可能性もある。

現在、メディア黒書の記事は読める状態だが、管理画面のアクセス解析がダウンした状態になっている。

続きを読む »

2018年10月31日 (水曜日)

保守速報など右派系サイトにDDoS攻撃、アクセスが不可能に、物理的な言論弾圧が広がる危険な兆候

保守速報など、右派系のウエブサイトへのアクセスが不能になっていることを、読者はご存じだろうか。

10月25日ごろから、「保守速報」「ShareNewsJapan」「もえるあじあ」「アノニマスポスト」などのサイトにつながりにくい状態が続いています。さらに27日17時時点で「netgeek」も閲覧できなくなっているのを確認。原因は不明ですが、何者かによるDoS攻撃(またはDDoS攻撃)ではないかとみられています。■出典

実際、保守速報の次のURLにアクセルしても、繋がらない。(10月31日の時点)読者も下記のURLをクリックして、実際に確認してほしい。言論弾圧の実態を実感できるだろう。

保守速報http://hosyusokuhou.jp/

筆者は、右派的な考え方には同調しない立場で、たとえば天皇制にも反対だが、言論の自由という観点から、この事件を重大視している。言論を物理的に弾圧する事件が実際に起こってしまったことにむなしさを感じる。日本の未来に暗雲が立ちこめているイメージが脳裏に広がった。

誰がこうした言論妨害を断行したのかは断定できないが、恥ずべき行為である。しかも、弾圧の対象が複数のメディアに及んでいる。

続きを読む »

『新潮45』の休刊問題、圧力でメディアをつぶす誤り、言論統制への布石

新潮社は25日、『新潮45』の休刊を発表した。実質的には廃刊との見方も出ている。LGBTに関する差別的表現で、激しいバッシングを受けたことが背景にある。

この事件は、2つの側面を孕んでいる。杉田水脈氏が執筆した記事そのものをどう評価するのかという問題と、バッシングによって休刊に追い込まれたことをどう考えるのかという点である。

まず、杉田氏の記事についてだが、明らかに偏見に満ちたもので、筆者には到底受け入れがたい。つまらない記事だと思う。

一方、バッシングによって『新潮45』が休刊に追い込まれたことは、憂慮すべき事態だというのが筆者の受けとめ方だ。一部のネットウジは、鬼の首を取ったように喜んでいるが、圧力でメディアを消滅させる行為は、最終的にはブーメランのように自分に跳ね返ってくる。言論統制への道を開きかねない。

続きを読む »

2018年07月26日 (木曜日)

「保守速報」の広告はがし事件、筆者のもとに再び協力要請、心を規制する愚策

保守速報というウエブサイトがある。これは作家の李信恵氏から名誉毀損裁判を起こされているサイトである。1審と2審は原告の李氏が勝訴し、現在、係争は最高裁に属している。

メディア黒書で既報したように、この保守速報に対して、「広告はがし」の動きがあり、同サイトから既に全広告が消えている。残っているのは、筆者が窓口になっている「NO残紙(「押し紙」)キャンペーン」のバナーだけだが、これは広告ではない。保守速報が自主的に張り付けたものである。

去る22日(日曜日)に、筆者のところに、おそらく「広告はがし」運動を展開している人物から、次のようなメールが送付されてきた。全文を紹介しよう。

続きを読む »

2018年07月12日 (木曜日)

出版業界が軽減税率の適用問題で政界に接近、浮上してきたメディアコントロールの危険な構図

ジャーナリズムの分野といえば、新聞、放送、雑誌、書籍、インターネットと多岐に渡るが、相対的に見て最も健全でレベルが高いのは書籍である。取材にかなりの時間を要する上に、情報量が多いので、制作する際に読者に読ませるための技術を駆使しなければならない。それだけに書籍の価値は、記事や映像とは比較にならない。極論すれば、映像などはイメージの世界なので、どうにでもごまかし(印象操作)ができる。

日本の出版ジャーナリズムは、優れた作品を数多く生み出してきた。

その出版ジャーナリズムがメディアコントロールにさらされる危機に直面している。書籍に対する消費税の軽減税率の適用を求めて、出版関係の業界団体が、政界と「交渉」に入っているのだ。政界もそれに理解を示している。両者の関係が親密さを増している。

去る6月11日には、国会議員で構成する活字文化議員連盟(細田博之会長)と子どもの未来を考える議員連盟(河村建夫会長)が、合同総会を開き、書籍に対して軽減税率を適用する方針を決めた。新聞と同様に、書籍についても消費税8%に据え置く方向を打ち出したのである。

新聞に対する軽減税率の適用はすでに決定している。この種の優遇措置としては、他にも再販制度などがある。これらの制度と引き換えに、新聞は「政府広報」に変質しているのである。新聞がジャーナリズムになりえない最大の要因である。

ところが軽減税率の適用問題を通じて、今度は出版業界も新聞業界と同じ道を進もうとしている。癒着の構図が生まれようとしているのだ。6月の合同総会には、日本出版書籍協会の相賀昌宏理事長をはじめ200名を超える出版関係者が参加したという。

続きを読む »

2018年07月05日 (木曜日)

フランスでフェイクニュースを取り締まるための法改正が成立、言論統制に悪用される可能性も

海外メディアによると、4日(現地時間)、フランスでフェイクニュースを取り締まるための法改正が成立した。大統領選挙を含む選挙時に、ラインなどでフェイクニュースを拡散する戦術が問題になり、マクロン大統領が自ら対策に乗りだした結果である。

しかし、何をもってフェイクニュースと定義するのか、今後、議論が白熱しそうだ。■出典

この問題は、今年の1月に、日本版の『ニュース・ウィーク』も取りあげている。冒頭部分を紹介しておこう。

続きを読む »

2018年06月29日 (金曜日)

言論・表現の自由の墓を掘る「反差別」グループの愚行、「保守速報」問題からカウンター活動まで

言論の自由がじわじわと包囲されてきた。水面下で、言論活動の統制が始まっている。これに関する6つの事実を紹介しよう。

①李信恵裁判

大阪高裁は28日、フリーライターの李信恵氏が、「保守速報」を訴えた裁判の控訴審判決を言い渡した。大阪高裁は1審を支持して被告に200万円の支払いを命じた。

これによりネット上の言論が、今後、著しく制限される可能性がさらに高まった。出版界全体の深刻な問題なのである。

インターネット上の投稿をまとめたサイト「保守速報」の差別的な表現で精神的苦痛を受けたとして、在日朝鮮人のフリーライター李信恵さん(46)が運営者の男性に2200万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁(江口とし子裁判長)は28日、男性に200万円の支払いを命じた一審大阪地裁判決を支持し、双方の控訴を棄却した。■出典

続きを読む »

2018年06月20日 (水曜日)

関西大学・宇城輝人教授は「押し紙」問題を知っていたのだろうか? 「保守速報」の「NO残紙キャンペーン」のバナーの剥がし事件

メディア黒書(18日付け)で取りあげた記事、「関西大学の宇城輝人教授らが、黒薮に対して『保守速報』が張った『NO残紙キャンペーン』のバナー撤去を要求」 を巡り、ネット上でいわゆる「炎上」が起きている。「保守速報」が、自社のウエブサイトに同記事を転載したところコメントが2500件(20日7時の時点)を超えた。

ひとつのメディア企業を外圧で経済的に破産させようとした事件に対する関心の高さを示している。

ところで関西大学・宇城輝人教授による「広告(実際は、『NO残紙キャンペーン』のバナー)」剥がし事件は、メディアを媒体として自らの「学問」の成果を世に問うはずの研究者が、自分にとっては対抗言論の発信元となるメディア企業を破綻させることを目的とした行為に及んだという側面のほか、「押し紙」を排除する運動に対する挑発行為を行ったという側面も持っている。

宇城氏が、「押し紙」という社会問題の実態を知っていたかどうかは不明だ。おそらく知らなかったのではないかと思う。しかし、たとえ知らなかったとしても、狙いを定めたバナーが、どのような目的で張られていたのかを確認すべきだったのではないか。

「保守速報」を破綻させること以外に頭が働かず、その結果、『NO残紙キャンペーン』の中味を確かめないまま、攻撃してきた可能性が高い。「保守速報」に「広告」を張ってる団体は、自分の敵にほかならないという単純な発想しかないのではないか。それが今回の軽率きわまりない行為に及んだ可能性が高い。

続きを読む »

2018年06月18日 (月曜日)

関西大学の宇城輝人教授らが、黒薮に対して『保守速報』が張った「NO残紙キャンペーン」のバナー撤去を要求

『保守速報』というウエブサイトをご存じだろうか。右派系のメディアである。このサイトから、広告が完全に撤去されたようだ。この件について、ウエブサイト「ITmedia」は、次のように伝えている。

広告撤去に至ったきっかけは恐らく、エプソン販売が6月5日、ユーザーからの問い合わせを受けて保守速報への広告出稿を停止したこと(参考:保守速報への広告掲載をやめたエプソン 「嫌韓、嫌中の温床」との通報がきっかけに)。これが引き金となって、ネットユーザーによる“広告剥がし(広告主への通報)”が加速し、他の企業にも出稿停止の動きが波及したものとみられています。また、保守速報側も一時、広告バナーをアダルト系に差し替えるなどして対応していましたが、現在はこれも表示されなくなり、全ての広告が完全に消滅した形となっています。■出典

この広告撤去現象に関して、最近、好奇心を刺激する出来事があった。実は、「保守速報」には、わたしが窓口になって展開している「押し紙」をゼロにする運動、「NO残紙キャンペーン」のバナーが張ってあるのだが、このバナーの撤去を求めてきたのである。

続きを読む »

2018年06月08日 (金曜日)

ライトノベル18巻が出荷停止、別件の差別的表現が引き金に、背景に圧力団体が存在する高い可能性

朝日新聞(7日付け、電子)が、「アニメ化決定のラノベ、出荷停止 原作者が差別ツイート」と題する記事を掲載している。

アニメ化が決まっていたライトノベル「二度目の人生を異世界で」の原作者が、中国や韓国に対する差別的な発言をしたとして、出版元のホビージャパンは6日、これまでに刊行された計18巻を出荷停止にすることを決めた。アニメの公式サイトも、放送及び制作の中止を発表した。■出典

原作者が過去にツイッターで、「中国人が道徳心って言葉を知ってたなんて」「日本の最大の不幸は、隣に姦国という世界最悪の動物が住んでいること」などと投稿していたことを指摘され、このような事態になった。4人の声優も降板を表明したという。

続きを読む »

2018年02月01日 (木曜日)

ユーチューブの閲覧制限が広がる、背景に忍び寄る言論統制

このところ言論を抑圧する動きが水面下で広がっている。ツイッターのリツィート1件に対して100万円を請求する裁判を起こすといった露骨なものもあれば、他人の名義を使ってメールで怪文書を流したり、さらには誰がやっているのか分からない言論妨害もある。

誰がやっているのか分からない言論妨害に関していえば、たとえばパレスチナやキューバから発信されたウエブサイトにアクセスできない現象が時々発生する。こんなことは以前はなかった。もっともこれは単純な技術上のトラブルである可能性もあるが。

次ページの冒頭に示したユーチューブの画像も、一時的に閲覧が出来なくなっていた。「年齢制限があります(コミュニティ ガイドラインに基づく設定)」いう表示がされていた。おそらくは残酷な画像として閲覧制限がかけられたのである。

そのガイドラインは次のように述べている。

続きを読む »

2016年09月14日 (水曜日)

内閣府の職員が情報公開資料を露骨に「黒塗り」、新聞・テレビへ流れた税金の使途を隠蔽

特定秘密保護法が運用されるようになってのち、情報公開制度が形骸化しはじめている。「国家公務員」が肝心な情報を黒ぬりにしたうえで、書面を開示する傾向が顕著になっている。まったく愚かな行為だ。

次に示す内部資料(PDF)は、博報堂が内閣府に送付したテレビ・新聞関連の請求書の全部である。今年の8月に内閣府が、筆者の情報公開請求に基づいて内閣府の職員が公開したものだ。

■博報堂の請求書

続きを読む »

2016年07月17日 (日曜日)

フリーランス記者3名が日弁連に申し入れ、スラップ問題を研究するためのチームの設置を要望

フリーランスで報道活動を行っている寺澤有、林克明、それに筆者(黒薮)の3名は、7月5日、日本弁護士連合会に対して、スラップ対策の研究チームを設置するように、日弁連に申し入れた。(動画は、その後、司法記者クラブで行った記者会見)

スラップとは、「公共性のある問題をテーマとしたジャーナリズム活動や住民運動を抑え込むために、言論抑圧を一次的な目的として、企業や政府など優越的な地位にいる者が、フリージャーナリストや住民運動家などを相手に提起する高額訴訟」のことである。

申し入れの内容は次の通りである。

続きを読む »

2015年10月28日 (水曜日)

朝日バッシングの標的にされた植村隆氏が北星学園非常勤講師を失職する危機、問われる知識人・学者たちの良心

橋詰雅博(フリージャーナリスト・元日刊ゲンダイ記者)

元朝日新聞記者で韓国従軍慰安婦問題を巡りねつ造記者とバッシングを受けた植村隆氏(57)が、北星学園非常勤講師の職を失う岐路に立たされている。

植村氏を支援する日本ジャーナリスト会議などに入った情報によると、同大の田村信一学長が植村氏や大学の彼の支援者と今まで3回会い、「来年度の雇用は学内に反対の声が強く、難しい見通し」と話している。

続きを読む »

2012年10月08日 (月曜日)

最新の言論弾圧のかたち、取材を受けた者がターゲットに 5件の訴訟のうち3件が新聞社がらみの異常

「横行する『口封じ訴訟』をはね返す10・5集会」は、予定どおり5日の6時30分から、東京・文京区の出版労連本部で開催された。この集会で発言した5名は、いずれも裁判の当事者である。皮肉なことに5名がかかわっている5件の裁判のうち、3件が新聞社がらみである。

言論や人権をもっとも重視しなければならない言論機関が、言論や人権の問題を起こしているのである。

 

続きを読む »