2020年04月12日 (日曜日)

職場を舞台としたノンフィクションは多い。広く知られている書籍としては、タクシードライバーの日常を描いた『タクシー狂躁曲』(梁石日、ちくま文庫)やトヨタの労働現場を潜入取材で告発した『自動車絶望工場 』(鎌田慧、講談社文庫)などがある。わたし自身もメキシコのホンダ技研の労働実態を取材して『バイクに乗ったコロンブス』(現代企画室)を書いた体験がある。

『生保レディのリアル』は、女性の生命保険外交員の日々を内部から鮮明に記録したルポルタージュである。具体的な事実を通じて、そこで進行している洗脳による「会社人間」養成と搾取の実態が読み取れる。

契約を取る職種という点では、新聞拡張団と労働形態がよく似ている。生保レディたちは保険会社の正社員のように見えるが、必ずしもそうではなく、その大半は個人事業主である。典型的な成果主義の世界で生きている。当然、卓越した営業成績を残して高収入を得るひとも一握りはいるが、大半は使い捨てられる。

個人事業主であるから営業経費も生保レディが自腹を切る。「販売グッズのみならず、交通費、仕事で使う名刺やスタンプ、文具に至るまですべて自前」なのである。所属会社が企画する客集イベントに参加する際も、生保レディは参加費を自分で負担する。

さらに論理が不明瞭な理由付けにより報酬が抑制される。「入社丸2年を経過すると、2か月以上連続で契約ゼロを打つと基本給の支給がなくなり、新たに外部委嘱としての委任契約に移行する」。現在ではさすがになくなったが、かつてはノルマを達成するために自分が提案している保険に、自分が加入する行為も横行していたという。

「コンプライアンスチェック」という名目で、営業用の車や机を抜き打ち検査して、営業に不適切な所持品はないかを調べるなど、プライバシーの侵害も公然と行われている。

本書に記録された事実を客観的に見ると、職場がブラック企業化している。

それにもかかわらず作者自身は、「大変なことも多いけれども、いいこともたくさんある仕事だ」と感じたという。内部にいると決して居心地は悪くないと感じるのだ。

これが搾取を可能にしてきた「心の教育」によるトリックなのだろう。その中身を具体的に検証してみると、旧来の日本企業と全くかわらない社員教育が横行している。

たとえば延々と続く朝礼である。9時15分に始まった朝礼が11時まで続くこともあるという。この間、「パソコンを見てもいけないし、何か作業もしてはならない」。毎日のように「稼がせてもらっているのだから会社に感謝しなさい」と言われる。

高度成長の時代に、日本企業は徹底して社員の忠誠心を育んだ。その後、日本企業の形態が徐々に変化して、新自由主義の下で成果主義の導入と非正規社員の増加が特徴となった。しかし、人間が人間を搾取するための「心の教育」は旧来のままである。「飴とムチ」を上手に駆使して利益を上げる制度だけは何も変わっていない。

本書から生保会社の狡い側面が見えてくる。

 

タイトル:生保レディのリアル--私の「生命保険募集人」体験記
著者:時田優子
版元:共栄書房

2020年04月10日 (金曜日)

横浜副流煙裁判の控訴答弁書が完成したので全文を公開する。この書面は2月末に控訴人の代理人・山田義雄弁護士が提出した控訴理由書に対する反論である。

山田弁護士は控訴理由書を、提出期限(控訴から50日以内)を大幅に超過した2月末に提出した。控訴したのが昨年の12月10日だから、約80日を使って控訴理由書を作成したのだ。

これに対して被控訴人の藤井将登さんの側は、提出期限が4月9日だったので、40日しか制作日数がなかった。しかし、支援者が役割分担を決めて取り組んだ結果、無事、4月7日に書面を提出した。76ページ(原稿用紙で約150枚)である。

控訴審の重要な注目ポイントのひとつは、東京高裁が作田学医師の医師法違反を再認定するかどうかという点である。これについては、

第6 作田学の医師法20条違反」(29ページ)

に記述した。

また、日本禁煙学会の診断基準のでたらめさについては、

第3、日本禁煙学会の診断基準の曖昧さ(22ページ)

に記述した。

化学物質過敏症とは何かについては、

第1 化学物質過敏症とは何か(10ページ)

第2 化学物質過敏症の原因は煙草以外にも多数ある(12ページ)

で、それぞれ論じている。

これらの主張は特に重要なポイントである。単に裁判の争点に対する関心という視点だけではなく、日本禁煙学会の体質や化学物質過敏症の診療実態という視点からも、その内容を読み取ってほしい。

◆◆
藤井さんを支援する会が、書面をインターネットで公開する戦略を取ったのは、係争の舞台は法廷だけではないという認識に立ってのことである。事件をジャーナリズムの舞台に乗せない限り、たとえ勝訴しても、スラップ防止策にはならない。スラップ訴訟を起こせば、別の方法で対抗する道もあることを示すために、この事件をモデルケースにしたのである。

当然、裁判が終了した後も、ジャーナリズムの土俵はそのまま維持される。

また、裁判書面の公開には、いわゆる報告事件の防止策という側面もある。報告事件とは、最高裁事務総局が影で事件の担当書記官からの「報告」を受け、裁判の方向性を自由に操作し、政治的判断により判決を決めるペテン裁判のことである。「押し紙」裁判など新聞人がかかわった裁判でよく見られる。

司法制度に根幹にかかわるあってはならない行為である。わたしは少なくとも報告事件に該当する可能性がある判例を2例知っている。

報告事件を防止するためには、裁判の中身をインタネットで公開する必要がある。それにより判決が下された時に、不特定多数の人々が判決が正当か、不当かを判断できる。また、特定の宗教団体の介入も監視することができる。

◆◆◆
控訴答弁書は、法律の素人ばかりが役割を分担し、知恵を結集して制作したものである。この書面を通じて、作田学医師が犯した過ちと化学物質過敏症とはなにかを正しく理解してほしい。

以下、全文である。

横浜副流煙裁判・控訴答弁書

2020年04月09日 (木曜日)

川崎市宮前区で起きているKDDI基地局の設置をめぐる係争で新しい動きがあった。評論的な記述は避けて、ここでは事実関係だけを紹介しておこう。電磁波による人体影響などについての論考は別稿で予定している。

既報したようにこの事件は、KDDI(au)が7階建てマンションの屋上に基地局を設置する工事をはじめたところ、最上階にすむAさん一家(夫妻と2人の子供)が、中止を求めているものである。KDDIは、2014年にマンションの管理組合との間で、基地局設置に関する契約を交わしていた。しかし、すぐには設置工事を着工することはなかった。理由は分からない。

ところが今年に入って突如として基地局設置の工事をはじめた。契約から6年の間、KDDIは賃料を支払い続けてきた。20数世帯の小規模マンションなので、KDDIからの賃料は、マンション管理の大きな財源になってきた。

こうした事情があるので、KDDIが工事を始めたとき、それに反対する住民はAさんら数人しかいなかった。工事を許可しなかった場合、KDDIが賃料の返済を求めてくることを多くの住民が警戒したのだ。

実際、2月8日に同マンションで開かれたKDDIによる説明会では、KDDIから、契約に則して工事を進め、解約した場合は賃料の返済などを求めることになるとの説明があった。とはいえAさんが設置に反対していたので、工事はアンテナなどを設置した段階で、一旦ペンデングになっていた。

◆◆
工事の再開日は、4月7日に決まった。マンション敷地外の電柱から、ケーブルを敷地内へ引き込む作業が予定されていた。KDDIの説明では、基地局は5G仕様ではなく4G仕様である。5Gの時代に4Gを設置するというのだ。

わたしは取材と支援をかねて埼玉県の朝霞市から川崎市へ向かった。

工事は午前9時から開始される予定だった。作業員や現場監督が現場に来るのが8時半ぐらいになると予測して、わたしは8時15分には現地に到着する必要があった。東急・田園都市線の「たまプラーザ駅」で電車を降りて、改札を抜け、大通を歩いていくと、Aさんのマンションがある小高い岡が見えてきた。

◆◆◆
Aさん夫妻とわたしは、マンションの玄関前でKDDIと施工会社・三和コムシスの到着をまった。Aさんの妻・クリスティーナさんはフィンランドの出身である。母国では、民間住宅の屋上や近くに基地局を設置することはない。他のヨーロッパの国々にも同じような暗黙のルールがある。電磁波による人体影響が住民の間に常識として定着しているからだ。

Aさん夫妻には2人の小学生の子供がいる。基地局が稼働した場合、大人よりも子供により深刻な人体影響があることは言うまでもない。

8時半を過ぎても、工事開始の9時を過ぎても、作業チームは姿を見せない。そこで7階のAさん宅で待つことにした。時々ベランダから下を見張ったが、やはり工事チームの姿はない。ただ、遠方の道路にクレーン車が一台駐車していた。

Aさんは繰り返し、工事の中止を求めてきた。しかし、書面による回答は一切ない。なしのつぶていである。

わたしも自分が主宰しているネット上の住民運動の名前で、工事をペンディングにするように申し入れていた。次のような趣旨である。

1、このマンションの基地局直下の部屋で内壁に亀裂が入っています。この内壁の亀裂の原因が解明されず、修理が完了していない段階で、地震がくれば大変に危険です。直接人命にかかわります。

2、宮前区を縦断している田園都市線沿線で新型コロナウイルスによる新型肺炎の患者が発生しており、感染拡大のリスクが高まっています。この時期に当該マンションに作業員を送り込むと、作業員と住民の間で口論になった場合、新型コロナウイルスの感染を引き起こしかねません。

今後の解決方法については、新型コロナウイルス問題と内壁の亀裂問題が解決したうえで、話し合う段取りとなります。現段階では人命を最優先していただくように強くお願いします。

内壁の亀裂問題と新型コロナウイルス問題があるので、KDDIと三和コムシスに工事のペンディングを要請したのだ。内壁の亀裂の修繕費用は、第3者の見積で約150万円である。屋上にアンテナを設置する際にドリルを使った際に亀裂が生じた可能性が高かった。

◆◆
10時前にAさんは、KDDIと三和コムシスに電話して、工事を再開するのかどうかを確認しようとした。このうちKDDIの担当者とは連絡が取れなかったが、三和コムシスの担当者とは連絡が取れた。担当者は、工事は再開すると明言した。Aさんは、 内壁の亀裂問題が解決するまでは、再開しないように求めた。

10時から、Aさんはネット上で勤務先の会社と連絡をとった。その間、わたしとクリスティーナさんは、マンション付近を偵察した。クレーン車の姿は消えていた。

わたしはある戦略を考案した。KDDIが工事をはじめないのは、われわれが警戒していることを察しているからである可能性があった。そこでわたしが現場を立ち去る芝居をすることになった。マンションの前で分かれを告げて、坂道を下っていった。

20分ほどして引き返してみると、マンションの前で赤シャツを着た巨漢の男と、クリスティーナさんがほんの50センチほどの距離で対峙している。赤シャツの男は、力士がマゲを解いたときのようなザンバラン髪である。相撲部屋を首になった輩ではないかと、わたしは疑った。ジーンズから赤シャツがはみ出している。

わたしは間に割って入った。が、2人は口論を止めない。まもなくわたしにも話の流れは理解できた。赤シャツの男がマンションのアンテナを見上げたり、敷地内を伺いながら歩いていたので、クリスティーナさんがスパイと勘違いしてスマホで写真を撮ったのだ。それに男が逆上しているのだ。確かにこの男性がKDDIの関係者である確証はなにもなかった。

クリスティーナさんも間違いを認めて男性に謝罪した。ところが男は、

「謝ってすむことだと思っているのか」

と、引き下がらない。

「間違っていましたと、誤っているからもういいだろう」

と、わたしも男をなだめた。

「謝罪してすむことではないだろう」

「じゃ、どうしてほしんだ」

男は口角から、唾を飛ばしながら、わたしに迫ってくる。

「コロナが流行っているから、距離を取れよ。汚い野郎だな!」

男性はどうしても、引き下がろうとはしない。執拗に食い下がってくる。わたしは念のために、ポケットに入れていた録音機をオンにしておきた。それから、

「警察を呼ぶぞ」

と、言った。そして実際、110番した。すると男は急に押し黙ってしまった。不思議なことに巨体の人間には、小心者が多い。この赤シャツもその類である。押し黙ってしまったので、わたしは、

「もう終わりにしよう。行けよ」

と、言った。ところが男は立ち去ろうとしない。警察から逃亡したとみなされるのが嫌だという。

10分ほどして2人の警官がバイクでやってきた。男とクリスティーナさんから別々の事情を聞いた。これにより両者の間では、決着が就いた。クリスティーナさんは誤りを認め、涙を流しながら謝罪した。

しかし、これで問題が解決したわけではないかった。男は、今度はわたしに対して言いがかりを付けてきたのだ。警察に通報した時、「女性が言いがかりを付けられている」と言ったことが許せないというのだった。それは事実であった。そこでこの点に関しては、わたしも非を認めて男に謝罪した。

「それだけでは済まないだろう」

「じゃ、どうしてほしいんだ」

「それだけでは済まないだろう」

わたしだけは絶対に許せないといわんばかりの口調である。
2人の警察は暫くわたしと男のやりとりを聞いていたが、20分ほどしてようやく男をなだめた。

◆◆
11時半ごろに、工事は中止になったと判断して、わたしはマンションを後にした。Aさんが途中まで送ってくれた。マンションから100メートルほど歩いたところで、AさんはKDDIの担当者が路傍に立っているのを発見した。グレーのスーツを着ている。

Aさんは携帯電話を取り出してダイヤルした。すると遠方のKDDIの社員が携帯電話を耳にあてた。互いの場所を確認し、直接話しあうことになった。

作業員も待機していたことがまもなく分かった。話し合いをしている間に、クレーン車が姿を現し、作業人も次々と集まってきた。警備員などを含めて総勢10人は超えていた。KDDIは工事を進めるらしい。

Aさんは担当社員に、警官を呼ぶと警告した。実際に警官を呼んだ。先ほどとは別の警官が2人やってきた。作業員らは路上で待機していた。

警官はまずAさんから事情を聞いた。マンションのロビーに張り出された工事の行程表も確認した。それから、警察としては工事を許可すると告げた。それから作業員らがいるところへ移動して、暴力行為などは慎むように注意して帰っていった。

マンションの屋外でKDDI側が行う作業を止める権利は、Aさんにもわたしにもないので、工事を見守るしかなかった。われわれ3人は現場から引き上げた。

この日の午後、KDDI基地局は完成した。

『紙の爆弾』(5月号)に、わたしが執筆した「新聞『折込み詐欺』」が掲載された。 これは東京23区を対象に、新聞に折り込まれる広報紙の水増し実態を取材した調査報道である。情報公開制度を利用したり、関係者の証言を集めるなどの方法で調査した結果、東京の12区で広報紙を大量廃棄している事実が判明した。

この種の詐欺行為の背景にあるのは、新聞の実配部数とABC部数が乖離していることである。あるいは、ABC部数に「押し紙」が含まれていることである。

ABC部数の公査方法に問題があるのだ。

ABC部数はどのように改ざんされるのか。その恐るべき実態を改ざんを実行した(株)デュプロの社員が喋った。

新聞業界で詐欺が行われてきた事実の発覚を前に、新聞人はどう対処するのか?

2020年04月08日 (水曜日)

横浜副流煙裁判の被告・藤井将登さんのつれあいである藤井敦子さんが、本日、日赤に電話で作田医師が3月末で除籍になったことを確認した。これで日赤の禁煙外来はなくなった。

除籍の理由は不明だが、作田医師が医師法20条違反に認定された結果である可能性が高い。

わたしは分煙政策そのものには賛成だ。しかし、作田氏らは冤罪事件の片棒をかついだのだから別問題である。

作田氏が医師法20条違反に認定された後、控訴理由書の中で山田義雄弁護士らは、問題になった診断書は実は意見書だったと弁解した。作田氏も同じ趣旨の意見書を提出した。

が、このような抗弁は自殺行為に等しい。診察書として裁判所に提出した書面が意見書であるなら、提訴の根拠そのものが破綻するからだ。山田弁護士らは、作田氏らの診断書を根拠に4500万円を請求したのである。その診断書が、実は診断書ではなく意見書だったとすれば、虚偽の事実を根拠に4500万円を請求したことになるからだ。明白な訴権の濫用ということになる。

作田氏と山田弁護士は藤井さんから損害賠償を請求されるだけでは済まないかも知れない。山田弁護士は懲戒請求される可能性が高い。引き続きこの事件の取材を続けたい。

2020年04月04日 (土曜日)

前立腺がん治療において手術後7年の非再発率が99.1%――。

そんな驚異的な成果を示す論文が、2月28日付けの医学誌「ジャーナルオブコンテンポラリーブラキセラピー(Journal of Contemporary Brachytherapy)」に掲載された。電子版には、それに先立つ1月19日に掲載されている。

論文を発表したのは、前立腺がんに対する小線源治療のパイオニアである岡本圭生医師である。今回、公表された最新の論文は、2005年から16年の期間に、同医師が中間リスクの前立腺がん患者397人に対して実施した小線源治療の成績を報告したものである。

前立腺がんは、原則として低リスク、中間リスク、高リスクに分類される。診断ではPSA検査が広く用いられている。これは前立腺がんの腫瘍マーカーで、PSA値が4ng/ml を超えると前立腺がんの疑いがあり、精密検査の対象となる。精密検査により前立腺がんと診断された場合、PSA値が10ng/mlから20ng/mlの範囲に入ると、分類上、中間リスクの条件をひとつ満たすことになる。ほかにもがんの悪性度や進行度によっても、リスク分類が分かれる。

ちなみに中間リスク前立腺がんは、前立腺がんのなかでもっとも頻度の高いリスク分類になる。中間リスクでは、一般的な外科手術(ロボット手術)や外部照射放射線療法を受けた場合、30%程度が完治せず再発することが知られている。【続きはビジネス・ジャーナル】

2020年04月03日 (金曜日)

川崎市宮前区犬蔵のKDDI基地局問題で、筆者が代表を務めている「基地局被害者救済ネット」は、KDDIと施工業者・サンワコムシスエンジニアリングに対して、新型コロナウイルスによる新型肺炎が終息するまで、工事の延期することなどを求める申入書を送付した。

「基地局被害者救済ネット」は、インターネット上の支援組織である。ウエブサイトは次の通りである。

http://kuroyabu.jp/

以下、KDDIに対する申入書の全文である。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
KDDI株式会社
高橋誠社長
江尻豊一様(送信先)
堀内優里様(送信先)

「基地局被害者救済ネット」から、申し入れをさせていただきます。

川崎市宮前区犬蔵のマンション屋上に貴社が設置を進めている基地局の工事を一旦中止するようにお願いします。現在、工事は一時的に休止になっていますが、貴社は住民に対して4月6日に工事を再開する旨を通知されました。しかし、次に述べる2つの理由により、工事をペンディングにするように申しいれます。

1、このマンションの基地局直下の部屋で内壁に亀裂が入っています。この内壁の亀裂の原因が解明されず、修理が完了していない段階で、地震がくれば大変に危険です。直接人命にかかわります。

2、宮前区を縦断している田園都市線沿線で新型コロナウイルスによる新型肺炎の患者が発生しており、感染拡大のリスクが高まっています。この時期に当該マンションに作業員を送り込むと、作業員と住民の間で口論になった場合、新型コロナウイルスの感染を引き起こしかねません。
今後の解決方法については、新型コロナウイルス問題と内壁の亀裂問題が解決したうえで、話し合う段取りとなります。現段階では人命を最優先していただくように強くお願いします。

埼玉県朝霞市岡3■■
「基地局被害者救済ネット」代表・黒薮哲哉

連絡先:048-464-1413
ウエブサイト: http://kuroyabu.jp/
メール:xxmwg240@ybb.ne.jp

2020年04月01日 (水曜日)

川崎市宮前区の基地局設置問題で、KDDIから公開質問状の回答を得た。質問は4件ある。これらの4件の質問のうち、質問【1】【2】【3】は質問と回答がほとんどかみ合っていない。

以下が、質問と回答である。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

ご質問の件に関しまして、以下のとおり回答申し上げます。

KDDI 広報部

【1】貴社は川崎市宮前区犬蔵のマンション屋上に設置予定の基地局についての住民説明を開催されました。その際、説明役を担当されました江尻豊一社員は、基地局から放射されるマイクロ波による人体影響について、非熱作用(遺伝子毒性)が確認された研究例は 1 件もないと説明されました。しかし、2018 年にアメリカの国立環境衛生科学研究所の NTP(米国国家毒性プログラム)の最終報告は、マウスの実験によってマイクロ波に非熱作用があるという結論を公表しました。現在、NTP は発がんにメカニズムを解明しています。従って江尻社員による比熱作用が認められた研究は一例もないという発言は間違いです。今後、発言を訂正され、住民に訂正を通知される予定はあるのでしょうか。

・当社は総務省が定めた、人体に影響を及ぼさない電波の強さの指針値等を示した
「電波防護指針」に則り電波を利用しています。
・現時点では、非熱作用については実証されていないと認識しております。

 

【2】下記の写真は、貴社が同マンションに設置されました基地局です。

工事の際に基地局直下の住居の内壁に亀裂が生じました。下記の写真です。

 

わたしが何人かの建築の専門家を取材したところ、建物自体が基地局の重量に耐えられる構造になっていない可能性を指摘されました。貴社は、2 月 8 日の住民説明会では、基地局の重量と建物の耐震性について説明されませんでした。基地局と建物の耐震性について貴社はどのような見解をお持ちなのかを教えてください。

・当社が基地局を建設する際には、建築士等の有識者と相談のうえ設置しています。

 

【3】同マンションの基地局の仕様と稼働状況について、貴社は管理組合へは言うまでもなく基地局直下に住む住民に説明されていません。住民から情報を開示するように要望がだされていると聞いていますが、今後、情報を公開される予定はあるのでしょうか。かりに企業秘密を住民の生命よりも優先するのであれば、他の基地局について仕様や稼働状況は公開しない方針であると推測されます。具体的に貴社は住民に対してどの範囲であれば情報を公開されるのでしょうか。

・基地局建設の際は、当事者の方々に配慮を行い、契約者とは事前に調整のうえ適切に工事を行っています。

 

【4】同マンションの基地局では低周波音と思われる現象も問題になっています。これについての住民に対する事前説明はありませんでした。基地局の設置に際して、低周波音は考慮に入れないのが貴社の方針であると解釈して差し支えないでしょうか。

・弊社設備から生じる騒音については法令(騒音条例等)を遵守しておりますが、住民の方よりご申告があれば適切に対応をさせていただきます。
以 上

 

■KDDの回答

2020年03月31日 (火曜日)

横浜副流煙裁判の控訴審(4月16日)が近づいている。
この裁判は、裁判を「ジャーナリズムの土俵」に乗せる実験でもある。裁判をジャーナリズムの土俵に乗せるという発想は、スラップ訴訟を起こされた場合の対抗策として浮上した。

不当な裁判を起こされて泣き寝入りすれば、スラッパーの手中に落ちる。相手の思うつぼだ。そこで「司法の土俵」に立たされた場合、別に「ジャーナリズムの土俵」を築き、そこへスラッパーを立たせる戦略である。

「ジャーナリズムの土俵」では、記事による裁判報道の他に、裁判書面を公開する。それによりスラッパーのデタラメな主張やそれを支援する弁護士の質を公衆の目にさらすことができる。たとえ「司法の土俵」で負けても、「ジャーナリズムの土俵」では相手をノックアウトするという発想だ。

しかし、裁判書面の公開となると、弁護士がなかなか応じない。そこで自由に裁判書面を公開できる条件を整えなければならない。具体的には、スラップの被害を受けた側が、弁護士に頼らずに支援者の協力を得て、みずから書面を作成し、それを公開することである。

◆◆
横浜副流煙裁判は、裁判を「ジャーナリズムの土俵」に乗せた最初のケースである。幸いに、第一審の横浜地裁では、被告の藤井さんが完全勝訴した。しかも、作田学医師の医師法20条違反も認定させることができた。

現在、藤井さんの支援者らは、控訴審に向けて準備を進めている。裁判であり、同時にジャーナリズム活動なので、山田義雄弁護士が神奈川県警本部長(現、警視総監・斎藤実氏)を動かして、冤罪事件をあおった証拠も提出される見込みだ。そのための音声翻訳も進んでいる。

重要な事実を全部公表することで、最高裁事務総局による報告事件化(政治判断による不当な判決を書くこと)を避けることもできる。

藤井さんのケースは、実験の段階であるから、まだ10年ぐらい継続する可能性もある。裁判が終了した後には、当然、「戦後処理」の問題が出てくるからだ。「司法の土俵」は、裁判が終われば消えるが、「ジャーナリズムの土俵」は消えない。事件を歴史的に検証する作業があるからだ。当然、その記録も残る。

2020年03月26日 (木曜日)

新聞の契約が463部しかない販売店に、卸部数を1020部に設定して買い取らせ、折込広告の割り当て枚数も1020枚ずつに設定して広告主を騙していた事実が、産経新聞を被告とする「押し紙」裁判の中で判明した。

同規模の水増しは約2年間に渡って行われた。広告代理店は産経新聞社の元常務が会長を務めるサンケイアイ。折込広告枚数が減少傾向のなか、販売店側は部数を偽装しないほうが利益が増えるため押し紙を受け入れる動機はなく、産経グループによる組織的な詐欺の疑いが強い。

過去4年分のデータでは、販売店が「押し紙(配達されず廃棄される部数)」で被った損害が約2017万円である一方、折込広告の水増しで得た広告料は1900万円。部数偽装で広告主を騙し、販売店経由でその水増し収入を丸ごと卸代金として吸い上げる――そんな産経の犯罪的なビジネスモデルが輪郭を現した。(訴状はダウンロード可)【続きはMy News Japan】

2020年03月25日 (水曜日)

川崎市宮前区犬蔵のマンションにKDDI(au)が基地局を設置した後、基地局直下に住む住民が苦情を訴え、撤去を求めている。

【参考記事】KDDIの携帯・スマホの基地局、マンションの上に設置、真下に住む幼児への配慮なし、問われる企業倫理

住民は次の4点を指摘している。

1、基地局が放射するマイクロ波による人体影響。

2、基地局設置の際に内壁に亀裂が入った事実。

3、低周波音の可能性がある音が発生している事実。

4、企業秘密を理由に住民に対して十分に情報を開示していない事実。

筆者は、KDDI広報部の堀内優里氏と高橋誠社長宛てに公開質問状を送付した。全文は次の通りである。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2020年3月25日

KDDI株式会社
髙橋 誠 社長
広報部:堀内様

発信者:黒薮哲哉(メール発信先は広報部)

フリーランス記者の黒薮哲哉です。携帯電話・スマホの基地局設置に関する貴社の方針について、公開のかたちで以下の質問をさせていただきます。

【1】2020年2月8日、貴社は川崎市宮前区犬蔵のマンション屋上に設置予定の基地局についての住民説明会を開催されました。その際、説明役を担当されました江尻豊一社員は、基地局から放射されるマイクロ波による人体影響について、非熱作用(遺伝子毒性)が確認された研究例は1件もないと説明されました。

しかし、2018年にアメリカの国立環境衛生科学研究所のNTP(米国国家毒性プログラム)の最終報告は、マウスの実験によってマイクロ波に非熱作用があるという結論を公表しました。現在、NTPは発がんのメカニズムを解明しています。

従って江尻社員による非熱作用が認められた研究は一例もないという発言は間違いです。今後、発言を訂正され、住民に訂正を通知される予定はあるのでしょうか。

【2】下記の写真は、貴社が同マンションに設置されました基地局です。

工事の際に基地局直下の住居の内壁に亀裂が生じました。下記の写真です。

わたしが何人かの建築の専門家を取材したところ、建物自体が基地局の重量に耐えられる構造になっていない可能性を指摘されました。

貴社は、2月8日の住民説明会では、基地局の重量と建物の耐震性について説明されませんでした。基地局と建物の耐震性について貴社はどのような見解をお持ちなのかを教えてください。

【3】同マンションの基地局の仕様と稼働状況について、貴社は管理組合へは言うまでもなく基地局直下に住む住民に説明されていません。住民から情報を開示するように要望が出されていると聞いていますが、今後、情報を公開される予定はあるのでしょうか。かりに企業秘密を住民の生命よりも優先するのであれば、他の基地局についても仕様や稼働状況は公開しない方針であると推測されます。具体的に貴社は住民に対してどの範囲であれば情報を公開されるのでしょうか。

【4】同マンションの基地局では低周波音と思われる現象も問題になっています。これについての住民に対する事前説明はありませんでした。基地局の設置に際して、低周波音は考慮に入れないのが貴社の方針であると解釈して差し支えないでしょうか。

3月31日までに回答ください。

公開質問状

2020年03月24日 (火曜日)

My News Japanがアクセス妨害を受け、24日7時の時点では、同ウエブサイトへのアクセスができなくなっている。言論妨害の具体的な実態が露呈したので、参考までに次のURLへのアクセスを試みて事実を確認してほしい。

http://www.mynewsjapan.com/

同サイトにはわたしも10年以上まえから投稿を続け、それをもとにして書籍化を進めてきた。有料サイトだけあって十分な資金を投入し綿密な取材ができるので、公表される情報の質が高い。

それだけにブラック企業にとっては目障りな存在で、繰り返しスラップ訴訟による攻撃も受けている。最近では「東進」を経営する株式会社ナガセが名誉毀損裁判を起こしたが、敗訴した。記事に幾重もの裏付けがあるからだ。

現在は、大学院の入試問題漏洩疑惑を報じられた神戸大学の教員が、やはり名誉毀損裁判を起こし東京地裁で係争中だ。