5月12日、キューバで反政府デモが行われた。このデモの報道をめぐって欧米のフリージャーナリストらが、フェイクニュースが拡散されていることを、SNSを使って発進している。彼らが批判しているメディアは、フィナンシャル・タイムス(the Financial Times),フォックス・ニュース( Fox News),ニューヨークタイムス( The New York Times )、ガーディアン(The Guardian)の4紙である。

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キューバは、60年に及ぶ米国による経済封鎖の影響と、コロナウィルスの感染拡大の影響で経済が疲弊している。住民の不満が高まっているとされている。

反政府デモに対して、キューバ政府を支援するデモも行われた。両者が衝突して、死者が1名発生した。

キューバのミゲル・ディアス・カネル大統領は、キューバが置かれている状況に不満を持っている層がデモに参加したことを認めたうえで、背景に米国による資金援助と扇動があるとの見解を表明した

反政府デモがあったこと自体は、東京新聞など日本の一部メディアも報じている。

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指摘されているフェイクニュースは、動画と静止画の誤使用によるものである。左の写真は、ニューヨーク・タイムスに掲載されたものである。写真のキャプションは、「ハバナにあるマキシム・ゴメス像の前に集まる反政府運動の人々、日曜日」となっている。ところがこの写真とキャプションに矛盾点があることは、わたしでも指摘できる。

読者には、写真の中央部に映っている赤と黒の旗に注目してほしい。その中に「26 Julio」という文字が記された旗がある。「7月26日」の意味である。「26 Julio」は、公式には、「Movimiento 26 de Julio」のことである。フィデル・カストロをリーターとする当時の革命軍の意味だ。赤は革命を黒は死を意味しており、キューバに限らず、他のラテンアメリカ諸国でも、左派の象徴としてよく使われる。

つまりニューヨーク・タイムスが反政府デモとして報じているのは、実はキューバ政府を支援するデモなのだ。

他にもアルゼンチンで行われたサッカーのアメリカ杯で、祝賀パレードをしている動画の一部を、キューバの反政府デモとして流しているメディアもある。(キューバ大使のSNS)

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キューバで始まった反政府デモの背景に、米国による資金援助があったという確証は、現在の時点では得られていないが、その可能性が高い。

米国の世界戦略は、かつての軍事介入から、現地の「草の根ファシズム」の育成へと方向転換しはじめている。相対的に世界の民主主義が前進したことで、軍事介入が世論の支持を得られなくなってきたからだ。その結果、大量の「支援金」が支出されるようになったのだ。

こうした政策のターゲットになってきたのは、ニカラグア、ベネズエラ、ボリビア、香港、ウィグルなどである。トランプ前米国大統領がはじめた「不正選挙キャンペーン」も世界に広がっている。近いところでは、ペルーの大統領選挙で左派に敗北したケイコ・フジモリが展開した。

このような米国政府の戦略に大メディアが協力している。キューバのケースでは、それが簡単に暴露されてしまった。香港では、「民主主義の女神」としてメディアに利用された女性が、悲劇的な結末を迎えた。

米国からの資金援助の実態については、メディア黒書でも指摘したとおりである。次の記事を参考にしてほしい。

全米民主主義基金(NED)の「反共」謀略、ウィグル、香港、ベネズエラ・・

 

アメリカ合衆国国際開発庁がニカラグアの「市民運動」に送金、反共メディアの育成とフェイクニュース発信が目的

 

今後、キューバへの資金の流れについても、解明される可能性が高い。ニカラグア、ベネズエラ、ボリビア、香港、ウィグルのケースと背景が類似しているので、そのような予測ができるのである。個々のケースの背景に、米国の世界戦略の変更がある。

政情を混乱させて最後は、クーデターを起こす戦略である。

2021年07月12日 (月曜日)

新聞各紙が産経新聞による景品表示法違反の記事を掲載している。この事件は、、2019年に大阪府の消費者センターが産経新聞社に対して、新聞拡販の際に使用する景品類の額が、景品表示法が定める上限額を超えているとして、措置命令を発動したことに端を発している。

措置命令を受けたあと産経新聞は、弁護士など第三者による調査委員会を設置して、実態調査に着手した。その結果、「20年4月の大阪本社販売局内の会議で、当時の販売局長が『あまり大きく言えないが(商品提供を)積み重ねていかないと』と発言」(日経新聞)していたことが判明した。実際、「販売店172店のうち、約47%の店舗で提供商品の平均額が制限額を超えていた」(日経新聞)という。

新聞拡販の際に使用できる景品の価格には制限が設けられている。販売価格の8%である。購読契約が1ヶ月であれば、ひと月の購読価格の8%、2カ月であれば、2カ月の購読価格の8%である。ただし、6カ月分の購読価格の8%が限度額になっている。それを超えることはできない。

ほとんどの購読契約は1年から3年ぐらいの期間だから、最高限度額である6カ月分の購読料の8%に相当する景品が許容範囲になる。おおむね2000円程度である。

新聞業界では、これを「6・8ルール」と言う。ただし、これは新聞業界の自主ルールというだけではなく、独禁法・景品表示法などでも決められている。

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しかし、「6・8ルール」を守っている販売店はほとんどないのが実態だ。特に、1990年代と2000年代には、「6・8ルール」を無視した新聞拡販が横行していた。その背景に、新聞発行本社の部数第一主義があった。

が、既に述べたように、限度を超えた景品の提供は、独禁法や景品表示法で禁止されている。新聞業界の自主ルールでも禁止している。

2019年に大阪府の消費者センターから措置命令を受けた販売店は、産経新聞の松原南専売所と花園専売所の2店である。これらの措置命令の引き金となったのは、花園専売所を原告とするある裁判だ。

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『サンケイスポーツ』を購読していたAさんが、ある時期から購読料を未納にした。そのひとつの原因は、Aさんが仕事中に交通事故で重体になり、新聞購読の中止手続きをしないまま、郷里へ戻ったことである。しかし、花園専売所は新聞の投函を続け、購読契約期間中の購読料の支払いを求めた。そして徴収できる可能性がないことが分かると、裁判を起こしたのだ。

この裁判で、Aさんの代理人を務めたのが、「押し紙」問題で有名な江上武幸弁護士である。江上弁護士は、Aさんが新聞購読契約を結んだ際に提供された景品の限度額が、「6・8ルール」に抵触している点を追及して、契約の無効を主張した。第1審議では、花園専売所が勝ったが、第2審で花園専売所が江上弁護士の追及に答弁できなくなった。

しかし、産経側は、景品表示法違反の判例ができることを警戒したのか、訴訟を取り下げた。そして請求も放棄した。

ところがこの裁判の内容を大阪府の消費者センターが把握していたらしく、裁判が終了
した後に措置命令を発動したのだ。

 

千葉県流山市の大野富生市議は、6月25日、流山市議会で、『広報ながれやま』の水増し疑惑を取り上げた。この問題についての質問は、2月26日に続いて2度目。流山市当局にこの問題を解決する姿勢が希薄なので、再度取り上げたものである。

【参考記事】千葉県流山市の大野富生市議(NHK党)が広報紙の水増し問題を追及、市当局の見解、「不正があれば契約を破棄して、損害賠償を請求する」

既報したように、流山市のABC部数は、36、836部(2020年4月時点)である。これに対して、前回の質問時点(2021年2月)では、新聞販売店に55,238部の『広報ながれやま』が搬入されていた。千葉日報の部数が若干加算されるとしても、約2万部が水増し状態になっていた。今年になって、流山市は若干『広報ながれやま』の搬入部数を減らしたが、現在も水増し状態が続いている疑惑がある。

大野議員は、6月25日の質問で、「第3者からみればキックバックが行われていると疑われても仕方がない」と、市当局の姿勢を批判した。これに対して副市長が、「名誉毀損だ」などと反論した。

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大野議員による2度にわたる疑惑追及で、流山市に『広報ながれやま』に関する商取引を検証する能力がほとんどないことが明確になった。

流山市の言い分は、市境付近にある販売店が、市境をまたいで新聞を配達しているために、流山市のABC部数と『広報ながれやま』の卸部数が異なるというものである。

また、広告代理店が決めた卸部数(折込定数)は信用するに値するとしている。ただし不正が明らかになった場合は、損害賠償を請求するとしている。

しかし、新聞のABC部数は大幅な減少を続けているにもかかわらず、『広報ながれやま』の卸部数が2016年から今年に入るまで減数されなかったのは尋常ではない。

筆者は今後、流山市と近隣の自治体(柏市など)に対して調査に必要な情報を得るために、情報公開請求を申し立てる。ABC部数の解析も実施する。地方自治体の広報紙の水増しは、残紙問題と表裏関係になっているので、ジャーナリズムの土俵で検証する必要がある。

参考までに、地方自治体の広報紙の水増し疑惑に関するメディア黒書の全記事をリンクする。

地方自治体の広報紙の水増し疑惑に関する全記事

 

2021年07月06日 (火曜日)

4日に投票が行われた東京都議会議員選挙で、禁煙運動の旗手2人が落選した。前議員の岡本光樹(北多摩2区)候補と梅田なつき(新宿区)候補である。

このうち岡本前議員の得票数は次の通りだ。

【北多摩2区】
《当選》岩永康代(ネット):25,578(34.6%)
《当選》本橋巧(自民):24,037(32.5%)
              岡本光樹(都ファ):16,695(22.6%)

今回の都議選では、岡本氏に対する落選運動が展開された。岡本氏は、日本禁煙学会の理事を務めている。しかし、禁煙社会の実現という同学会の理念が広く受けいれらなかったことが敗因と思われる。

筆者は非禁煙者であり、煙草はできる限り吸わないのが賢明だという考えである。しかし、日本禁煙学会がすすめている禁煙運動の方針は是認できない。本来、国際的には認められていない「受動喫煙症」なる病名を根拠として、運動を展開しているからだ。

禁煙学会の医師は、診断書に「受動喫煙」という病名を記している。

このような方針の下で、横浜副流煙裁判などの冤罪事件も起きている。

岡本氏らの方針は、今後、検証しなければならない。

ちなみに化学物質による人体影響の要因となるのは、煙草の煙りだけではない。現在の生活環境は、多様な化学物質に満ちており、複合汚染の視点から要因を考えなければならない。煙草だけが原因だとする考えは、フェイクサイエンスである。

2021年06月30日 (水曜日)

2021年5月度のABC部数が明らかになった。それによると、朝日新聞は約471万部で、前年同月比較で、約37万部の減部数となった。読売新聞は、約711万部で51万部の減部数となった。

さらに日経新聞は、約186万部で21万部の減部数となった。産経新聞は、約119万部で12万部の減部数。日経と産経は、経営規模に比べて減部数が多く、新聞凋落の実態を象徴している。

詳細は次の通りである。

朝日新聞:4,714,358(−369,225)
毎日新聞:2,003,834(−194,490)
読売新聞:7,111,343(−512,437)
日経新聞:1,860,086(−209,794)
産経新聞:1,191,632(−123,407)

ABC部数には残紙(押し紙・積み紙=写真参照)が含まれており、実配部数の実態は不明。残紙の発生に伴い、配達されずに廃棄されている折込媒体も多い。特に、地方自治体の広報紙の中には、大量に廃棄されているものもある。

◆◆
新聞の減部数の原因は、インターネットの普及に加えて、新聞社そのものが日本の権力構造の中に歯車として組み込まれていることが明らかになってきた事情がある。ジャーナリズムの看板をかかげ、その一方で消費税率の軽減措置などさまざまな優遇措置を受けながら、テレビと連動して世論誘導の役割を果たしている実態が暴露されてきた事情がある。すでに権力構造の一部に変質している。

2021年06月29日 (火曜日)

ニューソク通信社は、6月27日、「横浜副流煙裁判、被告家族が大激白!裁判の裏に蠢く巨大な悪!」と題する番組(47分)を公開した。

これは横浜副流煙裁判の被告家族と支援者へのロングインタビューである。この事件を構成する偽造診断書の作成疑惑、禁煙ファシズム、それに訴権の濫用(スラップ)の実態をクローズアップしている。

ジャーナリスト・須田慎一郎氏の質問に、藤井敦子さん、石岡淑道さん、黒薮の3名が答えるかたちになっている。

2021年06月26日 (土曜日)

説教師が診断書を片手に、禁煙「指導」をしているイメージがある。偶然の一致なのか、それとも事前に練った戦略なのかは不明だが、6月25日に告示された東京都議会選挙に、「禁煙運動」を押し進めてきた2人の人物が立候補した。

岡本光樹候補(とみんファースト・北多摩第二選挙区)と、梅田なつき候補(減税とうきょう・新宿区選挙区)である。

◆◆

2019年9月末、一通の通知書が港区東新橋のマンション内にある百様社に届いた。弱小なIT企業である。通知書の差出人は、「弁護士 岡本光樹」。都民ファーストの前議員である。今回の都議選に北多摩第二選挙区から出馬している。日本禁煙学会の理事として、喫煙運動の先頭に立ってきたひとである。

通知書の依頼人は、〇〇夏紀氏である。今回の都議選で新宿区選挙区から立候補している梅田なつき氏のことである。通知書などによると、梅田氏は、2017年2月に知人の紹介で百様社に入社した。以来、プログラマーとして、派遣先のクライアント企業で業務をこなしていた。その後、2018年7月から1年のあいだ育児休業を取得した。

そして2019年の7月1日に復職したところ、社内で受動喫煙の被害を受けるようになったという。改善を何度も申し入れたが、受け入れてもらえなかった。(ただし百様社は、対策を取ったと話している。筆者が現場を確認した限りでは、分煙スペースは設けられていた。)梅田氏の要求は通知書によると次の3点である。

① 室内禁煙化
②クライアント企業での勤務
② 在宅勤務または代替勤務場所での勤務

① から③のいずれかひとつを認めるように要求を突き付けたのである。
さらに7月22日には、寺尾クリニカを受診して、「受動喫煙症」という病名が記された診断書を交付してもらった。煙草の副流煙が原因で体調を崩したことの医師による証明書である。この種の書面は、受動喫煙問題の交渉に強い効力を発揮する。実際、梅田氏はこの証明書を百様社に提出した。

ちなみにその後、百様社は梅田氏に対する給料の支払いを停止した。クライアント企業も決まらなかった。実質的に、梅田氏を解雇したのである。

しかし、岡本弁護士の通知書は一連の問題を解決する鍵にはならなかった。そこで梅田氏は、2020年11月、増田崇弁護士を立てて係争を東京都労働委員会に持ち込んだ。請求額は、約500万円である。

最終的に係争は、今年の春に和解で終了したが、第3者からみると検証が必要な係争なのである。

◆◆

このところ高額の賠償金を請求する係争が絶えない。500万円程度の請求は日常茶飯で、弁護士の中には名誉毀損裁判を起こしては、小銭を稼いでいる者がいる。みずからを「人権派」と称し、訴訟ビジネスを展開する者が増えているのである。
わたしは、このような腐敗に歯止めをかける必要性を感じてきた。友人のジャーナリストらと一緒に、日弁連に道理のない高額訴訟に対して対策を講じるように申し入れたこともある。弁護士懲戒請求を申し立てたこともある。

メディア黒書で既報してきたように、横浜副流煙事件の原告3人に至っては、4500万円の金銭請求を起こした。その根拠としていたのが、日本禁煙学会の作田学医師が作成した「受動喫煙症」などと記した診断書だった。ところが作田氏が患者を診察しないで診断書を交付していたことが発覚して、医師法20条違反に認定された。

当然、訴えは棄却された。不正な診断書を作成した作田学医師は、その後、弁護士や原告と一緒に刑事告発され、現在は神奈川県警横浜県警が事件を捜査している。

梅田氏の係争も、横浜副流煙裁判と同様に、やはり「受動喫煙症」がひとつの鍵になっていたのである。

◆◆

わたしが岡本氏の通知書を読んで異様に感じたのは、受動喫煙症という「病気」が既成事実であるかのような主張が前提になっていることである。受動喫煙症と種々の体調不良の関係がいとも簡単に結び付けられている点である。人権にかかわる重大なテーマを軽々しく扱っているのだ。たとえば、次の記述だ。

 受動喫煙との関連が確定している疾病及び関連が指摘されている疾病として、その一部を列挙すれば、次のとおりです。

がん:肺がん・副鼻腔がん・脳腫瘍・大腸がん・膵臓がん・白血病・悪性リンパ腫・膀胱がん・子宮頸がん・乳がん

呼吸器疾患:慢性気管支炎、呼吸機能低下、気管支ぜんそく

循環器疾患:動脈硬化、狭心症、心筋梗塞

アレルギー:化学物質過敏症(シックハウス症候群)・アレルギー性鼻炎

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繰り返しになるが、岡本氏と梅田氏が主張の根拠としている「受動喫煙症」という病気は公式には認定されていない。病気の分類は、「ICD10」と呼ばれるコードで分類され、保健請求の際などに使われるのだが、「受動喫煙症」に「ICD10」は割り当てられていない。いわば、自分勝手に作った病名なのだ。

これに対して、やはり化学物質が原因となる「化学物質過敏症」は、公式の病名として認められている。

読者は、これらふたつの「病気」の決定的な違いが分かるだろうか。

「受動喫煙症」は、煙草の副流煙が単一の発症原因とされる病状のことである。

これに対して化学物質過敏症は、副流煙だけではなく身の回りの生活環境の中にある多種多様な化学物質による複合汚染が主要原因となる病状である。病状の原因を副流煙だけに限定していない点が決定的に異なるのだ。

となれば当然、禁煙運動を進める側は、「受動喫煙症」に固執することになりかねない。その方が政策目的にかなるからである。

米国のケミカル・アブストラクト・サービスが1日に登録する新生の化学物質は1日に1万件を超える。すべてが有害な化学物質というわけではないが、環境汚染の中身は刻々と変化し、刻々と複雑化しているのである。静止状態にはならない。

当然、複合汚染の視点がなければ、現代社会における化学物質による人体影響の評価はできない。梅田氏が体調不良を訴えるのであれば、みずからの生活歴を過去にさかのぼって検証しなければならない。寺田クリニカが交付した診断書には、「タバコの煙以外の有害な物質の曝露がない」と記載されているが、現代社会は化学物質と隣りあわせなのである。

しかし、受動喫煙症を上段にかかげる梅田氏には、こうした視点がほとんど欠落している。事実関係の綿密な検証よりも、喫煙禁止が先行しているのだ。

ちなみに横浜副流煙裁判では、日本禁煙学会が非喫煙社会の実現という政策目的で、診断基準を設けていることが認定された。

ところが梅田氏の係争で、日本禁煙学会理事の岡本弁護士が登場し、再び「受動喫煙症」を持ち出してきたのである。

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化学物質過敏症に関しては、横浜副流煙裁判でも争点になった。裁判の原告らは、排気ガスや薬剤など、さまざまな化学物質に被曝していた。副流煙も吸い込んでいた可能性はあるが、その発生源は分からない。原告のひとりに25年の喫煙歴があった事実からあえて推測すれば、副流煙の発生源は、原告自身である可能性が高い。

しかし、そんなことは考慮することなく作田医師らは、被告の藤井将登さんの煙草だけが原告らの病気を引き起こした唯一の原因であるとして、4500万円を請求したのである。

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わたしが梅田氏の関係者を取材した限りでは、梅田氏はほとんど外勤で、そもそも本社に出社する機会は少なかったと聞いている。と、すれば労働審判で高額の金銭を請求するだけの十分な根拠があったのかが問題になる。請求に根拠がなかった可能性もある。

なお、岡本弁護士は通知書で金銭要求はしてない。しかし、事件の解決が遅れると、高額訴訟になる可能性をほのめかしている。次の記述である。

また、損害賠償額は近時高額化しており、700万円の支払いが認められた例もあります(札幌地裁平成21年3月4日 裁判上の和解)。

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岡本候補と梅田候補は都議選に際して、過去の禁煙運動歴を明らかにすべきではないか。分煙は都民にとっても必要なことである。当然、支持者もいるだろう。わたし自身も煙草は吸わない。嫌煙派である。しかし、訴訟などを上段に掲げた禁煙運動には恐怖を感じている。禁煙ファシズムを連想するのである。

2021年06月21日 (月曜日)

日本ABC協会が、公表している新聞のABC部数は、実配部数を反映していないのではないかという疑問が、メディア黒書に寄せられている。特定地域のABC部数が、長年に渡ってロック(部数の増減がゼロの状態)されている事実が調査で判明したことが、疑惑を呼んでいる原因のひとつである。かねてから疑惑はあったが、具体的な数字で、それが明らかになってきた成果である。

こうした状況の下で、筆者は古い『読売ファイル』から、読売新聞社の興味深い主張を発見した。それを紹介する前に、まず、ABC部数ロックの例を示しておこう。

なお、部数ロックの問題は、読売新聞社だけに限定した問題ではない。新聞業界全体の問題である。

《朝日新聞・東京都武蔵村山市》
2016年4月 :4975部
2016年6月 :4975部
2017年4月 :4975部
2017年10月 :4975部
2018年4月 :4975部
2018年10月 :4975部
2019年4月 :4975部
2019年10月 :4975部
2020年4月 :4975部

《朝日新聞・名古屋市中区》
2016年4月 :7322部
2016年6月 :7322部
2017年4月 :7322部
2017年10月 :7322部
2018年4月 :7322部
2018年10月 :7322部
2019年4月 :7322部
2019年10月 :7322部

《読売新聞・和歌山県御坊市》
2016年4月 :3965部
2016年6月 :3965部
2017年4月 :3965部
2017年10月 :3965部
2018年4月 :3965部
2018年10月 :3965部
2019年4月 :3965部
2019年10月 :3965部
2020年4月 :3965部

《読売新聞・広島県府中市》 
2016年4月 :5679部
2016年6月 :5679部
2017年4月 :5679部
2017年10月 :5679部
2018年4月 :5679部
2018年10月 :5679部
2019年4月 :5679部
2019年10月 :5679部
2020年4月 :5679部
2020年10月 :5679部

全国の各地で同じ現象が確認できる。

【参考資料】名古屋市全域における朝日新聞のABC部数、ロックの実態

◆◆
わたしが所有する自称『読売ファイル』の中に対新潮社・黒薮裁判の中で、読売が提出した陳述書がある。その中のひとつに宮本友丘専務(当時)が執筆したものがある。(2010年8月31日付け)。宮本氏は、ABC部数について、次のように述べている。

 読売新聞社は2年に一度、社団法人日本ABC協会(以下「ABC協会」といいます)から、部数について公査を受けています。ABC協会は、日本で唯一、新聞の部数を公正に調査、認証する機関です。国内において、第三者の立場から客観的に新聞部数を調べる組織は、ABC協会をおいて他には存在しません。被告新潮社らは、ABC協会の公査は信用性がないと主張していますが、それならば広告主は一体どこに部数の確認を求めれば良いのでしょうか。

また、東京都文京区のYC店主は、陳述書(2010年8月8日)の中で、次のように述べている。

 私は新聞販売経営に携わって40年近くになりますが、注文しば部数を超える新聞が読売新聞社から送られてきたことはただの一度もありませんし、読売新聞社から部数を押し付けられたこともありません。

これら2件の陳述書は、ABC部数がいかに正確な数字であるかを認めているのである。

◆◆
こうした主張に対して、わたしは自分なりの反論があるが、それを控えるとしても、少なくとも残紙が存在することは間違いない。前出の宮本専務も、陳述書の中で次のように述べている。

残念なことではありますが、新聞販売店が実際の部数をごまかし、水増しした部数を注文するケースはまれにあることも事実です。これは、新聞社が指示したり、押し付けたりしたわけではなく、販売店自らの意思で注文する行為であって、「押し紙」ではなく、「積み紙」と呼ばれています。

日本新聞協会もまったく同じ見解である。

◆◆
しかし、残紙の中身が「押し紙」であろうが、「積み紙」であろうが、残紙が広告主に損害を与えていることは紛れない事実である。特に地方自治体の広報紙は、大きな損害を受けている。広告主は、残紙そのものを問題視しているのである。

この問題は、今に始まったことではない。少なくとも40年前から問題になっているのである。新聞社は、その実態を知っている。

と、すれば新聞社に残紙の責任があるのではないか。「積み紙」だから自分たちは関係がないでは、済ませられないのである。

 

2021年06月15日 (火曜日)

米国の独立系メディア「グレーゾーン(grayzone)」によると、ニカラグア政府は、アメリカ合衆国国際開発庁によるニカラグア国内への送金について、マネーロンダリングの疑惑で調査を開始した。アメリカ合衆国国際開発庁は、CIAの前線部隊ともいわれている。

資金提供の目的は、おもに反共メディアの育成である。2007年にサンディニスタ民族解放戦線(FSLN)が2度目の政権に就いてのち、米国はニカラグアの「市民運動(草の根ファシズム)」を資金面で支援するようになった。「市民運動」を活性化して混乱を起こし、FSLN政権を転覆させる戦略を採用するようになったのである。その中で反共メディア(フェイクニュース)の育成が行われてきたことが判明したのである。

米国は、香港でもまったく同じ戦略を採用した。これに対抗して、中国政府は外国からの市民運動に対する送金を禁止した。

ちなみに全米民主主義基金(NED)による「市民運動」への資金援助については、メディア黒書でも紹介した通りである。

■全米民主主義基金(NED)の「反共」謀略、ウィグル、香港、ベネズエラ・・・

◆◆
資金の提供を受けているニカラグア国内の団体は、チャモロ基金である。ラテンアメリカ史に詳しい人であれば、チャモロという名前を耳にしたことがあるに違いない。チャモロとは、ビオレタ・チャモロ元大統領のことである。

チャモロは、1990年に反FSLN政権の野党統一候補(極左から極右までが一体化)として、大統領選挙に出馬して当選した人物である。

チャモロの夫は、『ラ・プレンサ』という新聞社の社主だった。『ラ・プレンサ』は、ソモサ独裁政権の時代は、反政府系の新聞として知られていた。ソモサ警察が、チャモロ社主を暗殺する事件も起きている。しかし、1979年の革命後、『ラ・プレンサ』は右傾化していった。(■参考記事・出典)

◆◆
アメリカ合衆国国際開発庁による資金援助額は、2009年度からの累積で約714万ドルに達している。詳細は、次の通りである。

 

◆◆
なお、「グレーゾーン」は、昨年の4月にも、アメリカ合衆国国際開発庁によるFSLN政権の転覆計画を暴露する内部文書を公開している。次の記事である。

■記事全文

 

2021年06月02日 (水曜日)

日本のメディアが、コロナワクチンを接種した人が死亡した事例を時々報じるようになった。たとえば5月26日付けNHKニュースは、「ワクチン接種601万人余 85人死亡 “重大な懸念認められず”」と題するニュースを配信している。その一部を引用してみよう。

厚生労働省は新型コロナウイルスのワクチンの接種を受けた人のうち、これまでに85人の死亡を確認したと公表しました。厚生労働省は現時点で重大な懸念は認められないとして引き続き接種を進めていくことにしています。

厚生労働省は26日に開いた専門家部会で、今月21日までにファイザーのワクチンの接種を受けた601万6200人余りのうち25歳から102歳の男女85人の死亡を確認したことを報告しました。

厚生省がこのようなデータを公表した背景に、将来的に同種の事故が広がった場合、事前に警告したというアリバイを残したいという思惑がある可能性が高い。この数字がどこまで信用できるのか、権力構造の歯車である官庁・政界・新聞・テレビの信用度からすれば鵜呑みにはできない。米国では、ワクチン接種後の死者が数千人に達しているとの情報もある。

◆◆

コロナウィルスの感染が広がりはじめたころ、Covid-19は肺炎という認識が一般的だった。事実、新型肺炎とも言われた。その後、感染者の中に血管障害の所見が報告されるようになった。カワサキ病との比較研究も行われた。

科学の解釈は、研究が進むにつれて変化する。最近、Covid-19を、むしろ血管障害として捉える流れも生まれている。

その根拠となったのは、4月30日に米国のソーク研究所がカリフィルニア大学・サンディエゴ校(UCSD)との協同研究の成果として公表した内容である。コロナウィルスのスパイクたんぱく質そのものが細胞を傷つけるとする報告である。

ソーク研究所が解明したスパイクタンパク質による細胞へのダメージ、COVID-19は血管障害

同研究所は、コロナウィルスの冠を構成するパーツのうち、スパイクたんぱく質だけを使った疑似ウィルスをマウスに感染させる実験を行った。その結果、肺動脈の細胞に炎症が発生したという。

さらに炎症の原因がミトコンドリアの破損であることも再現実験で判明した。

「新型肺炎」の感染が広がった時期から、報告されていた血管障害の原因・正体が判明したのである。それがわずかひと月前の4月30日である。ワクチンを開発する段階では、想定外だったことになる。

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問題は、Covid-19対策として緊急に開発・製造されたワクチンに、スパイクたんぱく質が使われている点である。当然、ワクチンを接種すれば、血管を傷つけるリスクがある。

mRNAワクチンは、遺伝子を操作することでたんぱく質を「製造」するメカニズムを採用したものである。従ってワクチンの効果が持続している間は、スパイクたんぱく質が血管を通じて全身に供給されることになる。

ただ、その持続期間がどの程度なのかや、ダメージがどの程度なのかは、これから先、「人体実験」で検証する以外に方法がない。実験動物と人間では体質が異なるから、「人体実験」に頼らざるをえないのだ。

科学的な見地に基づいたワクチンによる人体影響を推測することは可能だろうが、そこに製薬会社の巨大利権や国策がからんでくると、どこまで真実に基づいた対策が取られるのか疑わしい。グレーな部分が多いのだ。

この問題でも、新聞・テレビはジャーナリズムの役割を果たさない可能性が高い。

【参考記事】日米が台湾にワクチン提供、中国は「政治利用」と反発
「台湾に4日到着したのは、日本で生産された英アストラゼネカが開発したワクチン。日本では副作用などを総合的に判断し当面、公的接種では使用しないと決めたばかりだ。だが台湾では感染者が急増し、ワクチンが不足している緊急性も考慮し、提供が決まった。」(日経新聞)

2021年05月29日 (土曜日)

神奈川県警青葉警察署は28日、作田学・日本禁煙学会理事長に対する告発状を受理した。これにより青葉警察署が捜査に着手する。罪名は虚偽診断書行使罪である。

当初、筆者をふくむ告発人7名は、弁護士を通じて東京地検特捜部へ告発状を提出した。しかし、特捜部は受け取りを拒否した。そこで7名は、神奈川県警青葉警察署へ訴状を再提出した。

青葉警察署は、28日付けで告発状を受理した。

なお、最新の告発状では、被告発人として作田理事長の他に、横浜副流煙事件の原告3人と弁護士1人を加えた。原告3人が問題になっている診断書の作成を要請し、行使した経緯などが背景にあるからだ。

 

 

■告発状・事件の概要

2021年05月28日 (金曜日)

電話会社が法律を上段にかかげて、携帯電話基地局を設置する事件が起きた。

今年になって楽天モバイルは、岐阜県那恵市の●●地区に基地局設置の計画を打ち出したが、一部の住民がこれに反対した。楽天モバイルは住民との話し合いには応じたが、楽天に用地を貸す地主が合意したこともあって計画を進めた。

そして2021年4月30日、自治会に対して「確約書」なる書面を提出して、基地局の設置工事を完了した。

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その確約書の中に、電磁波による人体への影響に関する次のような記述がある。

3、本件基地局による電磁波が、●●自治会の関係者および第3者に被害を及ぼしたと立証された場合には、楽天はこれを賠償する。ただし、自己の責めによらない場合はこの限りではない。

一見すると電磁波による健康被害に対して誠意をもって賠償する意思があるかのように記述しているが、ここには落とし穴がある。「被害を及ぼしたと立証された場合」と条件が付いているのだ。

電磁波による健康被害を医学的に立証することは現段階では不可能に近い。しかし、だからと言って健康被害のリスクを度外視していいという論理にはならない。海外では、綿密な疫学調査などを通して、基地局と人体影響の関係が明らかになっている。基地局の近くに癌患者が多いことも、ドイツ、イスラエル、ブラジルなどで行われた疫学調査で判明している。

基地局の周辺ほど癌が多いことを示すブラジルの疫学調査、癌による死亡7191例と基地局の距離の関係を検証 疫学調査①

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また、総務省が定めている電波防護指針は、世界標準よりも低く設定されている。実質的には、まったく規制になっていない。それでもその規制値を守っている限りは違法行為にはならない。

医学的立証の以前にも規制値の壁があるのだ。逆説的にいえば、電話会社は、この壁に守られて、ビジネスを展開しているのである。

読者は、次の基準値を比較を参考にしてほしい。

日本:1000 μW/c㎡ (マイクロワット・パー・ 平方センチメートル

国際非電離放射線防護委員会(世界標準):900μW/c㎡

欧州評議会:0.1μW/c㎡、(勧告値)

欧州は、遺伝子毒性を考慮して電波防護指針を策定しているが、日本は考慮せずに策定している。それが、「0.1」と「1000」の信じがたい差異となっているのだ。

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那市の●●自治会に確約書を提出した楽天モバイルの矢澤俊介氏とは、どのような人物なのだろうか。楽天のウエブサイトで肩書が確認できる。

常務執行役員、楽天モバイル株式会社 代表取締役副社長