1. 「一つの時代の終わりか?世界はドルを超えて進む」、キューバのプレンサ・ラティナ紙

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2026年04月30日 (木曜日)

「一つの時代の終わりか?世界はドルを超えて進む」、キューバのプレンサ・ラティナ紙

イランのメディアが、「出光興産」傘下の大型原油タンカー「IDEMITSU MARU(出光丸)」が、人民元で通行料を支払いホルムズ海峡を通過したと報じた。ホルムズ海峡を通過する条件として人民元決済が求められるのではないかという見方は、以前から指摘されていた。たとえば3月14日付の米CNNは、「イラン、一部石油タンカーのホルムズ海峡通過を認める案検討 人民元での決済が条件」と報じている。

米軍によるベネズエラへの侵攻とイランへの空爆の背景には、石油決済をドルから人民元へ移行させる動きを阻止する目的があった――というのが筆者(黒薮)の見解である。しかし、ホルムズ海峡の通行料を人民元とする流れが以前にも増して鮮明になってきたことは、米国がその目的を達成できなかった可能性を示している。米国とイランの停戦交渉で主導権を握っているのは、おそらくイランである。

◆サウジアラビアも人民元へ

実はサウジアラビアでも、石油決済をドルから人民元へ移行する案が浮上し始めている。依然として高いハードルはあるものの、米国にとってはイランでの影響力低下以上に大きな打撃となる可能性がある。

「1974年にサウジアラビアと米国の間で結ばれた『石油の米ドル建て決済と米債券への利益還流(ペトロダラー)』の約50年にわたる協定は、2024年6月に満期を迎え、更新されず実質的に終了したと報じられました。密約とされるため実態は不明ですが、少なくともサウジアラビアは人民元・ユーロ・円・ルピーなど、ドル以外での決済を受け入れる姿勢を示しています。」(マネクリ)

米国とサウジアラビアの間のペトロダラー体制は、1974年に成立したとされる。石油取引をドル建てとすることを条件に、米国がサウジアラビアに軍事支援を行う枠組みである。この協定が満期を迎えた2024年6月以降、ドル以外の通貨を導入する動きが活発化している。ロシアのルーブル、中国の人民元、さらにBRICSが検討する新通貨などが挙げられる。

産油国であるベネズエラとイランへの軍事行動は、こうした状況の中で行われた。米国としては石油のドル決済体制を維持することが重要な目的だったと推測される。

しかし現在、米国にとって最も重要なパートナーの一つであるサウジアラビアが、ドル以外の決済手段の検討を進めている。

謀略論との批判を承知で言えば、米国の空爆に対抗してイランがサウジアラビア国内の米軍基地を攻撃したことを、サウジアラビアはむしろ歓迎したのではないか。

4月29日付のキューバのプレンサ・ラティナは、ドル決済から人民元など他通貨への移行について解説している。世界規模で急速な変化が進んでいると指摘し、記事のタイトルは「一つの時代の終わりか?世界はドルを超えて進む」となっている。

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一つの時代の終わりか?世界はドルを超えて進む」■出典

静かではあるものの極めて大きな変化が、世界の通貨バランスを再定義している。実際、BRICSを主導役として90カ国以上が国際貿易においてドルを離れつつある。その代わりに、人民元、ルーブル、ルピーが徐々に主流になりつつある。

この戦略的な再編は、単なる技術的調整ではなく、戦後以来アメリカを中心に構築されてきた金融秩序に挑戦するものだ。この動きの根底には、経済的主権を確立しようとする明確な意思と、世界の資金の流れにおけるアメリカの覇権への直接的な挑戦がある。

2025年初頭以降、BRICS加盟国は現地通貨への移行など具体的な行動を通じて「脱ドル化」戦略を強化してきた。この流れは、国際取引における通貨主権を取り戻したいという共通の願いに基づいている。

イラン中央銀行総裁モハンマド・レザ・ファルジンは次のように述べている。「我々はロシアと通貨協定を締結し、米ドルを完全に排除した。現在はルーブルとリヤルのみで取引している。」

同様に、インドとロシアの貿易はルピー決済の採用により130億ドルから270億ドルへと増加した。ブラジルは中国との間でレアルと人民元による直接取引を確立し、中国の決済システムをブラジルの銀行に統合することでこれを支えている。

二国間協定にとどまらず、BRICSは西側のシステムに対抗可能な専用の金融インフラも構築している。この戦略を体現する具体的な仕組みには以下がある:

BRICS Pay:現地通貨による越境決済システムで、すでに50カ国以上がSWIFTを回避可能

独立国家共同体(CIS):BRICSと連携し、越境取引の85%を自国通貨で実施

新開発銀行(NDB):ブラジル(10億4100万レアル)やロシア(6880万ドル)などでインフラを現地通貨建てで融資

ルーブル:ロシア輸出に占める割合が10%から40%以上へ上昇(ウクライナ紛争関連制裁以降)

これらは、脱ドル化が単なる政治的スローガンではなく、具体的なツールと政策判断、そして地域間の連携によって国際経済の仕組みに深く組み込まれていることを示している。

この動きはBRICSの枠を超え、アフリカ、アジア、旧ソ連圏へと広がっている。独立国家共同体(CIS)(アルメニア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、カザフスタン、ウズベキスタンなど)は、越境取引の85%以上を現地通貨で行っている。

アフリカでも同様の動きが見られる。例えばタンザニアは特定の取引でドルを公式に禁止し、ケニアやナイジェリアも自国通貨決済モデルの導入に向けて進んでいる。ASEANもまた、現地通貨決済の地域的枠組みを積極的に推進している。

この変化が特に顕著なのがエネルギー分野である。サウジアラビアはBRICSに歩調を合わせ、石油販売で人民元を受け入れており、インドもロシアからの輸入をルピーで支払い、ドルを回避している。

ガーナは原油輸入に金を使用することを選択した。これらの動きはしばしば、ドルの政治的利用への対応と解釈される。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は次のように述べている。「ドルは武器として使われている。実際にそうなっているのを我々は目にしている。これは重大な誤りだ。」

この流れに対し、アメリカの対応は迅速だった。ドナルド・トランプは、通貨の代替手段を構築する国々に対して100%の関税を課すと警告した。これらの圧力はすでに政治的影響を及ぼしている。

ブラジルでは、ルラ大統領が今年のBRICS議長国としての議題から共通通貨構想を外した。一方で彼は「一方的主義は国際秩序を損なう。分断が進む中、多国間主義の一貫した擁護こそが唯一の道だ」と述べ、バランスの取れた姿勢を示した。

しかし、この流れはすでに確固たるものとなっているようだ。脱ドル化はもはや抗議ではなく、ドル依存を減らす数々の取り組みによって示されるグローバルな戦略転換となっている。この通貨変革が、経済力の持続的な再均衡をもたらすのか、それとも既に進行している地政学的分断をさらに強めるだけなのかは、今後の焦点となるだろう。