横浜・副流煙裁判と訴権の濫用&反撃

横浜・副流煙裁判は取材すればするほど不可解な部分が浮上してくる。取材当初は創価学会が背後で糸を引いているのではないかと疑っていたが、学会の組織的な関与はない。ただ、原告一家が創価学会の会員である事実は判明している。
裁判への関与が疑われるのは、日本禁煙学会である。日本禁煙学会は、わたしの電話取材に対して、副流煙の被害者に対して裁判提起を奨励していることを認めた。横浜副流煙裁判もこうした脈絡の中で提起された可能性が高い。【続きはウェブサイト】
横浜副流煙裁判、原告宅と被告宅の位置関係を現地調査ぜすに診断書を書いた作田学医師
メディア黒書に日本禁煙学会の作田学氏に関する情報提供があった。「盛岡地裁の受動喫煙訴訟不当判決に抗議する」と題する作田学氏が執筆した抗議文がネット上に掲載されているというのだ。文書の日付は、「平成24年10月10日」。肩書は、「NPO法人 日本禁煙学会 理事長 」となっている。
盛岡地裁が審理した受動喫煙裁判の概要は、岩手県の職員が「公用車(注:の内部で)の受動喫煙による化学物質過敏症を発症させられた」として賠償を求めたものである。盛岡地裁は原告の訴えを棄却した。
作田氏による抗議文の内容は次の通りである。
横浜副流煙裁判のまとめ、提訴の経緯から判決まで

■横浜副流煙裁判とは何か?
◇被告と原告の関係
この事件は、同じマンションに住む住民が、煙草の煙で化学物質過敏症などに罹患したとして、隣人に対して自室での喫煙の禁止と約4500万円の損害賠償を求めて、横浜地裁へ提訴したものである。提訴日は、2017年11月21日。第一審では、原告の訴えはすべて棄却された。
裁判は2020年10月に東京高裁で確定した。藤井さんの全面書訴である。
被告にされた藤井さんはミュージシャンで、自宅マンション(1階)の一室を仕事部屋にあてている。その部屋は音が外部にもれない構造になっている。当然、煙草の副流煙ももれない。しかも、仕事柄、自宅にいないことが多く、自宅で仕事をする際も喫煙量は少ない。空気清浄機も使う。
原告のA夫・A妻・A娘は、藤井さんと同じマンションの2階に住んでいる。ただし藤井さん宅の真上ではない。真上マンションの隣に位置するマンションだ。つまり原告と被告の位置関係は、1階と2階を45度ぐらいの直線で結んだイメージになる。
冤罪の横浜副流煙事件、原告の請求項目を検証する、「被告は、自宅において、喫煙してはならない」

横浜副流煙裁判の訴状に記された「請求の趣旨」は2項目ある。第1項目は、原告による4500万円の金銭請求である。高額さゆえに注意を惹く。
第2項目は第1項目の陰になって、若干その異常さが議論の対象になりにくいが、こちらの請求も前代未聞の変な内容だ。次の請求である。
2、被告は、自宅(神奈川県横浜市◆◆)において、喫煙してはならない。
なぜ、この請求が常道を逸しているのだろうか。これについては説明を加えるよりも、類似した請求例を提示する方が手っ取り早いだろう。以下、わたしが便宜上、作成した架空の請求内容である。
・ 被告は、自宅(神奈川県横浜市◆◆)において、ニンニクを食べてはならない。
・ 被告は、自宅(神奈川県横浜市◆◆)において、お経を読んではならない。
・ 被告は、自宅(神奈川県横浜市◆◆)において、音楽を聴いてはならない。
実際に、原告が藤井さんに提示した請求項目、「 2、被告は、自宅(神奈川県横浜市◆◆)において、喫煙してはならない」は、法律の支配から除外されたところに位置している請求内容なのである。それに対して司法判断を求めているのである。【続きはウエブマガジン】
横浜副流煙裁判の何が悪質なのか、提訴直後の警察による「恫喝」と原告による4500万円請求、読売裁判との共通点と決定的な違いは?

この10年間に類似した2つの裁判にかかわった。とはいえ、焦点の当て方によっては、2つの裁判は性質が異なるとも言える。両者の違いを明確にすると横浜副流煙裁判の悪質度が鮮明になる。
最初の裁判は、自由人権協会代表理事の喜田村洋一弁護士らが、わたしを被告として起こした著作権裁判である。概要は次の通りである。
発端は、読売新聞西部本社の江崎徹志法務室長がメディア黒書に対して1通の催告書を送付したことである。メディア黒書に掲載した読売新聞の文書を削除するように求めた内容だ。わたしは削除を拒否して、今度は江崎氏が送付した催告書をメディア黒書で公表した。内容が怪文書めいていたからだ。
これに対して読売の江崎氏は、その催告書を削除するように求めてわたしを提訴したのである。(厳密にいえば、提訴の前段で仮処分の申し立てを行った)催告書は江崎氏の著作物なので、わたしには公表権がないので削除すべきだというのが江崎氏の主張だった。
ところが裁判の中で、催告書を作成したのは江崎氏ではなくて、喜田村弁護士である疑惑が浮上したのだ。つまり催告書の著作権者は喜田村弁護士であって江崎氏ではない可能性が浮上したのである。
催告書の名義は、「江崎」となっているが、著作権は譲渡できない法体系(注:著作者財産権に関しては譲渡できる)なので、江崎氏が催告書の著作権者という読売側の主張自体がウソということになる。
裁判所は、当然、読売を敗訴させた。しかし、読売がわたしに要求したのは、催告書の削除だけで、金銭要求はしていなかった。心から催告書が公衆の目に触れる事態を避けるために裁判を起こしたのだろう。
スラップ裁判の戦後処理は容赦なく徹底的に

このところ俗にいう「スラップ訴訟」が後を絶たない。スラップ訴訟の定義が生まれたのは、2000年代の半ば以降である。ジャーナリストの烏賀陽弘道氏が、米国の裁判例を取材して、日本にスラップ訴訟の概念を持ち込んだのが最初である。実際、今世紀に入るまでは、裁判によって言論を封じるという戦略の発想があまりなかったようだ。
しかし、厳密にスラップを定義すれば、「大衆行動に対する戦略的な提訴」であるから、今日、日本で流行している金銭目的の嫌がらせ裁判とは、若干性質が異なる。むしろ日本の場合は、「訴権の濫用」という方が的確だろう。
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訴権を濫用するケースが増えている背景には、いくつかの要因があるが、まず弁護士の貧困化である。司法制度改革の中で、弁護士を増やし過ぎたために、仕事にありつけない弁護士が増えた。当然、生活が窮してくる。こうした場合、もっとも手っ取り早い対策は、名誉毀損裁判を起こしたがっているクライアントを探して、提訴を勧め、実際に着手金を受け取って、裁判所へ訴状を提出する。
いわゆる訴訟ビジネスである。
日本の名誉毀損裁判の法理は、被告がみずからの言論表現が真実であること、あるいは真実に相当することを立証しなければならない。この作業はハードルが高く、そのために裁判を起こした側が勝訴する確率が圧倒的に高い。ここに着眼して、昔、わたしの知人で弁護士でもないひとが、名誉毀損の裁判を次々と起こして、「小遣い稼ぎ」をしていた。それほど訴えた側に有利なのが名誉毀損裁判なのだ。【続きはウェブマガジン】
横浜副流煙事件、厚生局に医師法20条違反の作田医師の処分などを申し入れ

横浜副流煙裁判の勝訴を受けて、藤井敦子さんと支援する会の池田(仮名)代表が、16日の午前、厚生局(東京都新宿区)を訪れ、裁判で医師法20条違反に認定された作田医師に対する処分などを求めた。筆者は、取材者として同行した。
藤井さんが求めたのは次の2点である。
1、診療報酬の返還
作田氏が原告A娘に行った本人不在の「診察」は、医師法20条違反であることが認定されたわけだから、正規の診察とは認められない。従って日赤が厚生労働省に請求したA娘の診察に関連した医療費は、返還させる方向で調整を進めること。
2、作田医師の処分
作田医師は医師法20条に違反したわけだから、厚生省としても、何らかの処分を下すこと。藤井さんは、具体的な処分内容の要求はしなかったが、日本赤十字社・医療センターに宛てた書面では、解雇を希望している。
斎藤実警視総監が安倍首相と会食、冤罪の横浜副流煙事件に関与、青葉署署長「斎藤県警本部長からの指示があったので、近く対応したい」

冤罪が確定した横浜副流煙事件に関与していた斎藤実警視総監(1月17日に就任予定)が、昨年の12月26日に安倍首相と会食していたことが分かった。
【注】警視総監(けいしそうかん、英称:Superintendent General)は、都警察の本部である警視庁の長の職名且つ日本の警察官の階級の最高位の名称。定員は1名。(ウィキペディア)
朝日新聞の「首相動静」によると、昨年の12月26日の午後6時ごろから、「警察庁の栗生俊一長官、松本光弘次長、北村博文交通局長、大石吉彦警備局長、警視庁の三浦正充警視総監、斉藤実副総監」が会食した。裏付けは次の通りである。
午後5時56分から同6時29分まで、山口那津男公明党代表。同37分、官邸発。同38分、公邸着。警察庁の栗生俊一長官、松本光弘次長、北村博文交通局長、大石吉彦警備局長、警視庁の三浦正充警視総監、斉藤実副総監と会食。同8時25分、全員出た。
(出典:首相動静)
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既報してきたように横浜副流煙事件では、被告の藤井将登さんが提訴(請求額は4500万円)される前に、神奈川県警が2度出動している。特に問題なのは、2017年12月27日に県警が藤井さん宅で実施した事情聴取である。
当時の神奈川県警本部長は斎藤実氏だった。その斎藤実氏に対して、煙草の副流煙による健康被害(妄想の可能性が高い)を訴えていたAさん一家の代理人を務めていた山田義雄弁護士が、「大変恐縮でありますが(警察としてどこまで関与しうるかは大変難しいことは十分に承知の上で)善処をお願いする次第です」と県警の出動を要請する書簡を送った。これが12月21日である。
これを受けて12月25日に、横浜市の青葉警察署の山本署長が、山田弁護士に電話した。山田弁護士によると、その中で、山本署長は次のような趣旨のことを述べている。
斎藤県警本部長からの指示があったので、近く対応したい。ご本人に直接連絡してもよいか。(略)場合によれば傷害罪になり得るかも知れない。
実際、それから2日後の12月27日に、藤井さんの自宅に2人の警官が現れた。この時期は、藤井さんはすでに提訴(民事)されていたので、刑事・民事の両面から攻められることになり、大変な衝撃を受けたのである。
横浜副流煙・冤罪事件に関与した斉藤実・元神奈川県警本部長が、警視庁の新総監に就任

警視庁の新総監に、横浜副流煙事件に関与した斉藤実(元神奈川県警本部長)が就任したことが分かった。14日付けの各メディアが報道した。この冤罪事件に関与した人物が警視庁の最高幹部になったことで、物議を醸しそうだ。
周知のように、横浜副流煙事件は、昨年の11月28日に判決があり、被告として法廷に立たされていた藤井将登さんが完全勝訴した。原告が控訴しなかったので、判決も確定した。
この裁判が提訴される前の時期、被告の藤井将登さんと妻の敦子さんは、二度にわたり神奈川県警の取り調べを受けた。しかも、最初の取り調べでは、4人もの刑事ら警察関係者らが事前通知なしに、藤井家に押しかけたのである。部屋の写真撮影を行った。
日本禁煙学会・作田学理事長の医師法20条違反を横浜地裁が認定、禁煙ファシズムを断罪――横浜副流煙裁判、病院潜入取材で分かった闇

2019年7月17日、夫妻に扮した一組の男女が、JR渋谷駅のバス停から日本赤十字社医療センター(東京・広尾)へ向かった。副流煙裁判の被告・藤井将登さんの妻・敦子さんと、支援者のМさん(仮名)だ。原告側が裁判所に提出した診断書に不可解な点が次々と浮上するなか、診断書を作成した作田学医師の診察方法を検証するための潜入取材だった。
Мさんは診察を想定して下着を新調していたが、作田医師がМさんの体に触れることはなかった。「脈が飛ぶ」と不整脈を訴えると、聴診器をあてることなく、診断書に「不整脈」と記した。Мさんが衣服の繊維に対するアレルギーを執拗に訴えても、診断書には「受動喫煙症レベルⅢ」と記された。この事件は、神奈川県警も2度にわたって藤井さん一家を取り調べたが汚点はなく、民事でも藤井さんの勝訴が確定。横浜地裁は、作田医師の医師法20条違反(患者を直接診察せずに診断書を作成)を認定した。
横浜・副流煙裁判、被告家族が日赤に対して医師法20条に違反(無診察による診断書作成)した作田医師の処分を要求、不当裁判に対する責任追及が始まる

判決から2週間。横浜・副流煙裁判で勝訴した被告家族の藤井敦子さんが、この提訴の根拠となった診断書を作成した作田学医師が勤務する日本赤十字社医療センター に対して、作田氏の処分を求める書簡を送付した。書簡には、作田氏による医師法20条(無診察による診断書作成)違反を認定した判決文が添付されている。
既報したように、煙草による副流煙の発生源とされた被告の藤井将登さんはミュージシャンで、自宅マンション(1階)の一室を仕事部屋に宛てている。その部屋は音が外部にもれない構造になっている。当然、副流煙ももれない。しかも、仕事柄、自宅にいないことが多く、自宅で仕事をする際も、喫煙量は少ない。空気清浄機も使う。
原告の自宅は、藤井さんと同じマンションの2階。ただし、藤井さん宅の真上ではない。真上マンションの隣に位置するマンションだ。つまり原告と被告の位置関係は、1階と2階を45度ぐらいの直線で結んだイメージになる。
しかも、風向き(気象庁のデータ)から察して、たとえば煙が外部にもれても煙が原告宅の方向へ流れることはほとんどない。
藤井敦子さんによる書簡は次の通りである。

