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 出版関係者にとって見過ごせない言論抑圧が発生した。マイニュースジャパンの渡邊正裕編集長が『ZAITEN』(12月号・旧「財界展望」)に執筆した「企業ミシュラン・日本経済新聞の巻」に対して、日経新聞の代理人弁護士が抗議の文書を送りつけてきたのだ。文書は、渡部氏と『ZAITEN』編集部に宛てたものである。

  マイニュースジャパンに掲載された事実経過の報告によると、送付文書の中で、日経の弁護士は、「法的措置も検討しております」「強く警告するものです」などと述べている。また、日本の名誉毀損裁判の仕組み(真実性などの立証責任が被告側にかせられる規則)を説明して、それが被告にとっていかに難題であるかも説明している。

 記事の内容は、労使の癒着やパワハラの実態をレポートしたものである。

◇リベラルな経済誌『ZAITEN』
  『ZAITEN』は、日本で出版されている月刊誌の中では、リベラルな雑誌のひとつで、これまでも新聞社の問題をたびたび取り上げてきた。わたし自身も過去に2回、記事を執筆したことがある。「押し紙」問題と、新聞の紙面広告に関するルポルタージュだった。

 新聞社を批判する雑誌は、このところめっきり少なくなっている。「押し紙」問題に関していえば、メジャーな雑誌では、『週刊新潮』、『SAPIO』、『週刊ダイヤモンド』、『週刊東洋経済』、『紙の爆弾』、『サイゾー』、『創』ぐらいではないだろうか。

  雑誌も新聞社批判にはしり込みする傾向がり、これらの雑誌の新聞社に関する報道は、国民の知る権利に応える重要な役割を果たしている。『ZAITEN』もこうした雑誌のひとつである。

◇武富士VSフリーライター
 過去にもフリーライターが執筆した記事をめぐって企業から訴えられた例はある。その典型は、武富士が三宅勝久、山岡俊介、寺澤有、野田敬生のフリーライターに対して訴訟を提起したケースである。

 しかし、この裁判は訴訟そのものが違法とされ、武富士が敗訴した。実質的に言論封じのための訴訟と認定されたのである。

 その後、フリーライターを被告にした裁判が続発する。被告になったのは、斎藤貴男、西岡俊介、烏賀陽弘道といったライターである。さらにこれら一連の裁判が社会問題になった後、わたしが読売から訴えられた。しかも、3件の訴訟を持ちかけられたのである。

 渡邉氏に対する日経からのアクションは、訴訟には至っていないが、わたしのケースと同じ流れである。つまりメディア企業が、フリーライターをターゲットにしたケースである。厳密に言えば、烏賀陽弘道を訴えたオリコンもメディア企業であるから、メディア企業VSフリーライターの流れは、烏賀陽氏のケースから始まっているとも言える。

◇プロ野球の乱闘事件では、だれも告訴しない
 わたしは一般企業がフリーライターを訴えるのと、メディア企業がフリーライターを訴えるのでは、かなり事情が異なると考えている。改めて言うまでもなく、後者の方が格段に悪質だ。(1800/3100文字)

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