1. 吉竹ジャーナル

吉竹ジャーナルに関連する記事

2012年11月21日 (水曜日)

公正・公平性を失った司法、監視出来ない司法記者の劣化

◆吉竹幸則(フリージャーナリスト・元朝日新聞記者)

前回この欄で、「言論・報道の自由」を脅かす黒薮VS読売訴訟最高裁逆転判決の危険性を書いた。ツイッターでも議論し、多くの方々から反響が寄せられた。人々が検察以上に今の裁判所の公正・公平性に不信の念を強め、ごく当たり前の人々の思いにさえ耳を傾けようとしない裁判官に、いかに不満を溜めこんでいるかの証しだろう。

それは、権力の手先になってしまった裁判官の監視を怠り、司法への市民のフラストレーションを吸収出来ないでいる司法記者・既成メディアの劣化の裏返しでもある。

続きを読む »

2012年11月13日 (火曜日)

黒薮哲哉氏の『新聞の危機と偽装部数』出版に際し、 改めて黒薮VS読売訴訟の勝者を考える、 最高裁・国家権力が手に入れたのは、報道弾圧社会の再来

◆吉竹幸則(フリージャーナリスト・元朝日新聞記者)

「言論・報道の自由」を脅かす黒薮VS読売訴訟の異例とも言える最高裁逆転判決。その不当性についても書いた黒薮哲哉氏の著書『新聞の危機と偽装部数』(花伝社刊)が出版される。

この判例が今後、下級審でも罷り通ればスラップ(恫喝)訴訟など訴訟多発社会を誘発する恐れもある。私もこの著作に「黒薮VS読売訴訟の本当の勝者とは?」と題し、特別寄稿している。出版を機会に改めて判決の問題点を考えてみたい。

続きを読む »

2012年10月30日 (火曜日)

酔っ払い先輩記者の教えたものは? 橋下出自報道「お詫び」の背景を考える

◆吉竹幸則(フリージャーナリスト・元朝日新聞記者)

緊急連載「ハシシタ 奴の本性」での「お詫び」が、週刊朝日11月2日号に掲載されている。河畠大四編集長の言葉は、朝日に居た私にはむしろ痛々しく聞こえる。

◇河畠編集長の謝罪

「同和地区を特定するなど極めて不適切な記述を複数掲載してしまいました。 タイトルも適切ではありませんでした。この記事を掲載した全責任は編集部にあります」と、河畠氏は陳謝する。さぞ、朝日グループの中でも、四面楚歌なのだろう。

 

続きを読む »

2012年10月21日 (日曜日)

週刊朝日、差別連載記事の土壌 「橋下出自報道」を考える

◆吉竹幸則(フリージャーナリスト・元朝日新聞記者)

週刊朝日の橋下徹大阪市長の出自を巡る「ハシシタ 奴の本性」との連載記事。週刊朝日はやっと重い腰を上げ、おっとり刀で謝罪のコメントを発表した。

しかし、差別報道がいかに人を傷つけるか。筆者は論外として、その痛みが週刊朝日編集者に分かっていたとは思えない。橋下氏が市長の立場で、朝日記者の質問拒否という手段に出たことが適当かは、議論がある。でも、怒りはよく理解出来る。改めて、この報道を生んだ朝日の土壌を考えてみたい。

続きを読む »