【連載】「押し紙」問題⑨、残紙が強引な新聞拡販の引き金に

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新聞のビジネスモデルの構図は、原則として、残紙で生じた損害を折込手数料や補助金などで相殺するものである。残紙部数に相応する折込手数料が、新聞社に「上納」される仕組みになっている。
しかし、残紙には別の側面もある。それは残紙が新聞拡販活動の「起爆剤」となってきた事実である。販売店は残紙の負担を少しでも、減らすために拡販活動に奔走する。残紙の性質が「積み紙」であろうが、「押し紙」であろうが、少しでも残紙を減らしたいというのが販売店の希望である。と、いうのも、「押し紙」は販売店の経営を圧迫し、たとえ「積み紙」であっても、それが発覚すると訴訟を起こされるリスクがあるからだ。
新聞社も対外的には、「積み紙」をしないように「指導」している。それは言葉を替えると、「残紙は、拡販活動ですべて実配部数に変えなさい」というメッセージでもあるのだ。また、「積み紙」の禁止が、新聞社の戦略に転嫁することもある。
過去に発生した販売店の強制改廃事件では、「積み紙」が改廃の口実になったケースも少なくない。「積み紙」によって新聞社の信用を毀損したから、改廃は当然だという論理と主張である。実際には、新聞社が勝手に過剰な部数の新聞を搬入していても、新聞社は販売店を改廃する際には、「積み紙」を口実にすることが少なくない。
大阪府でむかしこんな事件があった。


















































