公共事業は諸悪の根源 長良川河口堰に見る官僚の際限ないウソ
◆吉竹幸則(フリージャーナリスト・元朝日新聞記者)
世間は、アベノミックスに浮かれています。でもその間に、公共事業見直し問題の象徴でもあった八ツ場ダムの関連に多額の予算がつき、いよいよ本格着工に向けて動き出しました。
「無駄な公共事業を中止し、官僚利権国家から脱皮する」として政権を取ったはずの民主党政権。でも、官僚に取り込まれで瓦解…。民主を批判、「本気で行政改革し、この国の姿を変える」として、国民の支持を得て来たはずの維新も、憲法改正の方に熱心。従軍慰安婦を巡る発言で橋下氏の底も見えました。自らの発言の言い訳に四苦八苦で、「聖域なき行政改革」どころか、八ツ場ダムさえ全く無関心です。
そんな風潮に悪乗り。この国の財政を破たん寸前にした責任などどこ吹く風て゛、懲りもせず、公共事業の復活を声高に叫ぶ官僚と利権政治家の高笑いが、私には聞こえます。彼らが我が世の春を謳歌、アベノミックスに乗じて、この国をますます食い潰してしまわないか、本当に心配になります。
「利権国家からの脱皮」を、人気取りで口にする政治家は多くいます。でも、本気で目指す政治家など、この国にはほとんど居ないことは、民主と維新の現状を見ても明らかです。ただ残念ながら、政治家だけでなく、私の古巣の「朝日」と言う「ジャーナリズム」も同様でした。