2015年07月20日 (月曜日)

ニカラグア革命36周年、『山は果てしなき緑の草原ではなく』の再読

【サマリー】 『山は果てしなき緑の草原ではなく』は、ニカラグアのFSLN(サンディニスタ民族解放戦線)に加わった戦士が著した記録文学である。

大学生だった著者は、当時、ソモサ独裁政権に対峙していたFSLNに加わり、軍事訓練を受けるためにFSLNが拠点としているニカラグア北部の山岳地帯へ入る。

そこで著者を待っていたのは、都会とは異質の過酷な生活だった。

続きを読む »

2015年07月17日 (金曜日)

安保関連法案の衆議院通過で露呈した小選挙区制の矛盾、民意を反映しない議席配分

【サマリー】各種の世論調査によると、安保関連法案に反対する意見が圧倒的に多い。しかし、自公政権は、安保関連法案を強行採決した。この問題の根底には、現在の小選挙区制が民意を反映しないかたちで、議席を配分している実態がある。

小選挙区制の導入に努めた小沢一郎氏の責任は重大だ。小選挙区制を改めない限り、今後も民意とはかけ離れたところで政治が行われ、改憲、徴兵制へと進んでいく可能性が高い。

続きを読む »

2015年07月16日 (木曜日)

安保関連法案の報道で何が隠されているのか?左派メディアも伝えない本質とは、多国籍企業の防衛作戦としての海外派兵、前例はラテンアメリカ

【サマリー】安保関連法案の本質について隠されている重要な点がある。それは企業の多国籍化と海外派兵の関係である。安倍内閣が目指しているのは、旧日本軍式の軍事大国ではない。海外進出企業の権益を政変などから守るための自衛隊の派兵である。こうした観点は、前世期までのラテンアメリカと米国の関係を検証すると明確になる。

特に中米では、米国のフルーツ会社の権益を政変から守るために海外派兵が繰り返されてきた。安倍政権は財界の要求に応じて、海外派兵の体制を構築しようとしているのである。それは同時に米国の要求でもある。

続きを読む »

2015年07月15日 (水曜日)

「EUはラテン・アメリカの二の舞を演じている」、ギリシャの悲劇にエクアドルのラファエル・コレア大統領が警鐘

【サマリー】ギリシャ危機のキーワードは、「緊縮策」である。が、この「緊縮策」という言葉は分かりにくい。結論を先にいえば、それは新自由主義である。ラテンアメリカは、1980年から1990年代にかけてIMFより融資の条件として新自由主義を押しつけられた。その結果、財政が破綻した。

同じ悲劇がEU諸国で起ころうとしている。こうした実態に、エクアドルのラファエル・コレア大統領が警鐘を鳴らしている。

続きを読む »

2015年07月14日 (火曜日)

山河」滅ぼした自民、「国の安全」を語る資格ありや、長良川河口堰閉門20年、集会に参加して①

◆吉竹幸則(フリージャーナリスト・元朝日新聞記者、秘密保護法違憲訴訟原告)

「国破れて山河在り」。でも、「山河」さえ壊したこの国の政治家と官僚に、「国の安全」を語る資質も資格もあるのだろうか。先の見えないこの国に行く末…。私は「杜甫」(とほ)の詩の1節を思い出しつつ、暗澹たる思いで三重県の伊勢湾河口から岐阜県にかけて長良川堤を歩いた。

「無駄な公共事業の典型」と言われた長良川河口堰。「本州で唯一、ダムのない川の環境を壊すな」との激しい反対運動が繰り広げられたのは1980年代後半から90年代。それを押し切り、国が堰の水門が閉じ、長良川を海から隔絶したのは、1995年7月だった。

それから20年。「豊かな恵みをもたらす『母なる川』の長良川を元に戻せ」と、あきらめずに堰の開門を求める人たちが地元には多く残っている。そんな人たちが5日に岐阜市で開いた集会「よみがえれ長良川、開門調査実現を」に、河口堰とは浅からぬ関係にある私も参加した。

続きを読む »

2015年07月10日 (金曜日)

「八木VS志岐」裁判の尋問、曖昧で信用できない日本の名誉毀損裁判、裁判官のさじ加減でどうにでもなるのが実態

【サマリー】名誉毀損裁判は、裁判官のさじかげんで判決に差がでるケースが多い。判断基準があいまいだ。志岐武彦氏が歌手で作家の八木啓代氏に対して200万円の支払いを請求する名誉毀損裁判では、八木氏による多量ツイートが問題になっている。これらのツイートが名誉毀損があたるのか、実際のツイートを読者に公開した。

また、「窃盗」という言葉が争点になった「黒薮VS読売」裁判を再検証する。この裁判は、地裁と高裁が黒薮の勝訴。最高裁で読売が逆転勝訴し、黒薮に110万円の支払い命令が出た。

続きを読む »

2015年07月08日 (水曜日)

読売の広告収入、ピーク時の1700億円から800億円へ半減、自民・大西議員の発言がプレシャーになる理由

【サマリー】2015年1月に開かれた読売新聞社の新春所長会議で、渡邉恒雄グループ本社会長・主筆は、読売の広告収入が、ピーク時の1700億円から800億円までに落ち込んでいることを明かした。広告収入は新聞社の大きな収入源である。それが落ち込んでいる事実は、新聞社の広告を柱としたビジネスモデルの危機でもある。

 が、この点を逆手に取れば、メディアコントロールも可能になる。自民党・大西英男議員の「マスコミを懲らしめるには、広告料収入をなくせばいい」という発言は、こうした状況下で飛び出した。

続きを読む »

2015年07月07日 (火曜日)

「志岐武彦VS八木啓代」裁判の本人尋問、ツイッターによる名誉毀損は認められるのか? 8日の13:30分から東京地裁

元旭化成の役員で『最高裁の罠』(K&Kプレス)の著者・志岐武彦氏が、多数のツイッターで名誉を毀損されたとして、歌手で作家の八木啓代氏を訴えた裁判の本人尋問が、7月8日に行われる。スケジュールは次の通りである。

日時:2015年7月8日、13時30分

場所:東京地裁634号法廷

この裁判は原告も被告も代理人弁護士を立てない本人訴訟である。そのために主尋問では、裁判長が志岐氏と八木氏を尋問するかたちをとる。また、反対尋問では、志岐氏と八木氏の双方がそれぞれ相手を尋問する設定になる。持ち時間は、双方とも30分。合計60分である。

続きを読む »

2015年07月06日 (月曜日)

スマホなどのヘビーユーザーが受ける人体影響は深刻、携帯基地局近くの住民よりも高リスクか?

【サマリー】携帯電話基地局から放射される電磁波が人体に影響を及ぼすことはよく知られている。しかし、だからといって基地局から遠方で暮らしていれば安全ということにはならない。基地局が近くにない民家で、携帯電話をONにした状態で電磁波を測定したところ、基地局の近くよりも数値が高くなることが判明した。

続きを読む »

2015年07月04日 (土曜日)

DHCの吉田嘉明会長が澤藤統一郎弁護士に6000万円を請求した裁判が結審、澤藤弁護士が意見陳述

化粧品会社DHCの吉田嘉明会長が、 澤藤統一郎弁護士に対して6000万円の支払いを求めた名誉毀損裁判の第7回口頭弁論が、1日に東京地裁で開かれた。提出書面の確認が行われた後、被告の澤藤弁護士が意見陳述を行い、裁判は結審した。

続きを読む »

2015年07月03日 (金曜日)

大西英男議員の政治資金収支報告書を検証する、収入1569万円の明細が不明

「マスコミを懲らしめなければならない」などの暴言を吐いた大西英男衆院議員の政治資金収支報告書を点検したとき、他の自民党議員の政治資金収支報告書を点検するときにもしばしば感じてきた違和感を抱いた。

わたしが感じた違和感とは、収入の明細がよく分からないことである。具体性の欠落である。むろんまったく収入の中身が記されていないというわけではない。法的に問題があるわけでもない。

あまりにも形骸化したシンプルな記入方法に、面食らったのだ。文は人なりというが、書面からも、大西議員の人間性が浮上してくる。

続きを読む »

2015年07月02日 (木曜日)

「押し紙」70年③ ABC部数と実配部数の乖離を生む「押し紙」、政府・公取委・警察が70年も「押し紙」を放置している本当の理由

日本ABC協会という新聞や雑誌の部数公査(監査)を実施している団体がある。新聞の発行部数という場合、通常はABC部数を意味する。そしてこのABC部数を基準に、新聞に掲載される政府広報など、公共広告の掲載価格が決められる。

日本ABC協会は、日本で最も信頼のおける部数公査機関としての定評があるが、同時に新聞業界の内幕を知る人々のあいだでは負の評価もある。特に新聞販売店主の間では、「まったく信用できない」という評価が定着している。ABC部数が、新聞の実配部数と著しく乖離(かいり)しているからだ。

続きを読む »

PICK UP

【YouTube版】レイバーネットTVが「押し紙」問題を特集

レイバーネットTVで「押し紙」問題について黒薮が解説した。出演者は次の通りである。 出演者:黒薮哲哉(...

元店主側が控訴準備書面(1)を提出、新聞特殊指定でいう「注文し...

西日本新聞社に対する「押し紙」裁判(原告:長崎県の元店主)で、元店主の弁護団は、5月12日、控訴準備書面(1...

【YouTube配信6】徹底検証 産経、読売の「押し紙」、新聞...

「配信6」では、産経新聞と読売新聞の「押し紙」の実態を紹介する。「押し紙」は1999年の新聞特殊指定の改定を...

1999年の新聞特殊指定の改訂、大量の「押し紙」を容認する方向...

「押し紙」が急激に増えたのは、1999年に新聞特殊指定の改訂で、「押し紙」の定義が変更されたのち。改訂前は、...

煙草の副流煙をめぐる極論、法律で集合住宅全体を禁煙にすべきだと...

煙草の副流煙が第3者に及ぼす影響についての議論が活発になっている。法律で集合住宅全体を禁煙にすべきだという考...

トランプ政権がUSAIA傘下の全米民主主義基金(NED)への資...

トランプ政権が凍結したはずのUSAID(アメリカ合衆国国際開発庁)向けの資金提供の一部が、3月から再開されて...

甲斐弦著『GHQ検閲官』の読後感-モラル崩壊の元凶「押し紙」-

福岡・佐賀押し紙弁護団 江上武幸(文責) 2025(令和7)年5月 1日 阿蘇の北外輪山に、カルデラの...

2025年2月度のABC部数、読売は前年同月比で-40万部、毎...

2025年2月度のABC部数が明らかになった。前年同月比で、最も減部数が多いのは読売新聞で、-40万部だった...

押し紙(その1)平成11年の新聞特殊指定「改正」の謎-モラル崩...

福岡・佐賀押し紙弁護団 弁護士 江上武幸(文責)2025年(令和7年)4月15日 (年号は、西暦と和暦...

検察審査会が「不起訴処分相当」の結論、作田学医師の法廷での発言...

横浜副流煙事件の法廷で作田学医師(冒頭写真、当時、日本禁煙学会理事長)が行った証言の内容をめぐり、刑事告訴に...

統一教会の霊感商法による被害額は35年間で1237億円、「押し...

東京地裁は25日、統一教会に対して解散を命じた。このカルト集団が不正に集めた資金は、全国霊感商法対策弁護士連...

【書評】喜田村洋一の『報道しないメディア』、著者の思想の整合性...

『報道しないメディア』(喜田村洋一著、岩波書店)は、英国BBCが点火したジャニー喜多川による性加害問題の背景...

中国レポート②:遼寧省広佑寺、宗教が禁止されているというのは事...

日本で定着している中国に関する情報には、誤ったものがかなり含まれている。たとえば宗教が禁止されているという情...

雑誌『創』の新聞社特集、「押し紙」問題の隠蔽と誌面の劣化

『創』の3月号(2025年)が「新聞社の徹底研究」と題する特集を組んでいる。これは、延々と続いてきた企画で定...

ニューソク通信がインタビュー(youTube)、作田学医師が主...

横浜副流煙事件の「反訴」について筆者は、ニューソク通信の須田慎一郎氏から、インタビューを受けた。メディア黒書...

喫煙撲滅運動と専門医師の関係、客観的な事実が欠落した診断書、横...

診断書がアクションを起こすための通行証になる現象は昔から続いてきた。たとえば大相撲の力士が本場所を休場すると...

中国レポート:好調な経済、破綻はあり得ない、現実の世界と西側メ...

階段を這うように登る4つ足のロボット。荒漠たる大地を矢のように進む時速450キロの新幹線。AI産業に彗星のよ...

患者が退出して3分後に煙草臭、偽証の疑い、作田学医師の証言、横...

喫煙者の呼気が孕んでいる煙草臭が持続する時間はどの程度なのか?東京地裁で、ある著名な医師が興味深い証言をした...

PICK UP

横浜副流煙裁判、カウンター裁判で藤井敦子さんらが敗訴、検証が不...

横浜副流煙事件に関連した2つの裁判の判決が、それぞれ1月14日と22日に言い渡された。裁判所は、いずれも原告...

西日本新聞押し紙裁判 控訴のお知らせ―モラル崩壊の元凶 押し紙...

福岡・佐賀押し紙弁護団弁護士 江上武幸(文責)2025年(令和7年)1月15日 令和6年12月24日の西日...

1999年の新聞特殊指定の改訂、「押し紙」容認への道を開く「策...

渡邉恒雄氏の死に際して、次から次へと追悼記事が掲載されている。ここまで夥しく提灯記事が現れるとさすがに吐き気...

西日本新聞福岡地裁押し紙敗訴判決のお知らせ―モラル崩壊の元凶 ...

福岡・佐賀押し紙弁護団 弁護士・江上武幸(文責)2024年(令和6年)12月25日 昨日(24...

西日本新聞押し紙訴訟判決とオスプレイ搭乗記事の掲載について―モ...

福岡・佐賀押し紙弁護団 弁護士・ 江上武幸(文責)2024年(令和6年)12月20日 11月28日(木...

関東地区新聞労連役員会における意見発表について -モラル崩壊の...

福岡・佐賀押し紙弁護団・ 江 上 武 幸 (2024年「令和6年」12月19日) 去る11月29日(金...

動画で見る「押し紙」回収の現場

「押し紙」の回収現場を撮影した画像を紹介しよう。新聞社は、回収されている新聞は、「押し紙」ではないと主張して...

「押し紙」関連資料の閲覧制限、問われる弁護士の職業倫理、黒塗り...

「押し紙」裁判を取材するなかで、わたしは裁判書面に目を通す機会に接してきた。弁護士から直接書面を入手したり、...

「香害、すなわち化学物質過敏症」の誤り、1月に2つの判決、横浜...

別稿・事件の概要 来年2025年の1月に、横浜副流煙事件に関連した2つの裁判の判決が下される。詳細は次...

国策としての「押し紙」問題の放置と黙認、毎日新聞の内部資料「発...

インターネットのポータルサイトにニュースが溢れている。衆院選挙後の政界の動きから大谷翔平選手の活躍まで話題が...

モラル崩壊の元凶 ―押し紙― 西日本新聞押し紙訴訟判決期日決...

2024年10月15 (文責)福岡・佐賀押し紙訴訟弁護団 弁護士江上武幸 第1 はじめに  西日本新聞...

訴状を公開、毎日新聞の「押し紙」裁判、約1億2000万円を請求...

福岡・佐賀押し紙弁護団は、10月1日、毎日新聞の元店主Aさんが大阪地裁へ提起した「押し紙」裁判の訴状(9月2...

「押し紙」問題がジャーナリズムの根源的な問題である理由と構図、...

読売新聞社会部(大阪)が、情報提供を呼び掛けている。インターネット上の「あなたの情報が社会を動かします」とい...

モラル崩壊の元凶-押し紙- 毎日新聞押し紙裁判提訴のお知らせ

福岡・佐賀押し紙弁護団  弁護士 江上武幸(文責) 2024年(令和6年)9月20日 兵庫県で毎日新聞販...

「香害」をめぐる診断と議論、メディアに氾濫する誇張された被害の...

柔軟剤や煙草など、広義の「香害」をどう診断するかをめぐる議論が沸騰している。日本では、「香害」による体の不調...

―モラル崩壊の元凶、「押し紙」― 西日本新聞・押し紙訴訟の報...

福岡・佐賀押し紙訴訟弁護団 弁護士・江上武幸(文責) 去る7月2日、西日本新聞販売店を経営していたAさ...

西日本新聞「押し紙」裁判、証人尋問で残紙部数を把握した機密資料...

長崎県の元販売店主が2021年に起こした西日本新聞社を被告とする「押し紙」裁判の尋問が、7月2日の午後、福岡...

7月2日に尋問、西日本新聞の「押し紙」裁判、福岡地裁で、「4・...

西日本新聞社を被告とする「押し紙」裁判の尋問が、次のスケジュールで実施される。 場所;福岡地裁 903...

国境なき記者団の「報道の自由度ランキング」のでたらめ、スポンサ...

『週刊金曜日』(6月7日付け)が、「報道の自由度、世界ランキング70位でいいのか」と題する記事を掲載している...