1. 「押し紙」の実態

「押し紙」の実態に関連する記事

2018年07月06日 (金曜日)

「押し紙」情報を集めたツィッター、「世直し神@押し紙告発アカウント 」、イオンの株主総会で「押し紙」が問題に

「押し紙」に関連した情報を集めているツイッターがある。「世直し神@押し紙告発アカウント 」(https://twitter.com/yonaoshigami?lang=ja)で、「押し紙」に関する興味深い情報が集まっている。もちろん情報というものは、充分な裏付けがなくてはならいが、少なくとも新聞業界の腐敗した実態を反映していることは間違いない。

参考までに2,3紹介しよう。

①イオンの株主総会で、新聞の押し紙が取り上げられたようです。 http://www.henkou.org/archives/9945378.html … イオンとしてはそれを認識しており、相当厳しく確認して部数を配布しているとの事、来年は数字を確認して、新聞社がそれを知っているか聞けばよい。 これが出ると押し紙訴訟で有利になる。(渡邉哲也)

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2018年06月15日 (金曜日)

元NHK・自民党の和田政宗議員が「押し紙」問題で公取委を追及、14日の内閣委員会

自由民主党の和田政宗議員(NHK出身)が参議院内閣委員会で「押し紙」問題について質問した。和田議員が、

「公正取引委員会が新聞販売店から『押し紙』の申告・情報提供を受けた件数は何件でしょうか」

と、問うたのに対して、公正取引委員会の山本審査局長は、「調査にかかわることなので、お答えは差し控える」と答弁を避けた。また、販売店から「押し紙」についての情報提供があった場合の対処方法を尋ねられ、山本審査局長は、

「申告があった場合には、その内容を確認しましたり、事案に関連する情報などを収集いたしまして、独占禁止法に違反する疑いがあるのかどうか、そういった具体的な事実に接した場合には、違反事実の把握のために必要な調査をおこなっていくことになります」

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2018年06月02日 (土曜日)

「押し紙」と表裏、旭化成、日産、ジャスコ、マクドナルド・・数字で示す折込広告の水増し被害

■■バックナンバー■■

押し紙」と一緒に捨てられているのが折込広告。旭化成、日産、ジャスコ、マクドナルドなどが受けた被害の実態を明らかにする。初出は2016年5月27日。

旭化成、日産、ジャスコ、マクドナルド・・・騙されていた広告主の数は際限がない。折込広告の水増し被害が後を絶たない。

「押し紙」により広告主はどのような被害を受けているのか、具体的な例を
紹介しよう。

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2018年05月30日 (水曜日)

新聞の部数減に歯止めかからず、中央紙5紙は1年間で120万部減、東京新聞2.5社分の新聞が消える、2018年4月のABC部数

2018年4月度のABC部数が明らかになった。それによると、中央紙5紙(朝、読、毎、産、日)は、この1年間で約120万部の部数を失った。これは、東京新聞社(最新の部数が約47万部)が、たった1年で2.5社分きえたことになる。新聞の部数減に歯止めがかからない。

内訳は、朝日が約29万部、読売が約34万部、毎日が約21万部、産経が7万部、日経が29万部の減部数である。詳細は次のとおり。()内は前年同月差。

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2018年05月22日 (火曜日)

元読売弁護団のメンバーが九州各地を転々、「押し紙」裁判で同業他社を支援、「押し紙」隠しのノウハウを伝授か?、業界ぐるみの「押し紙」隠蔽が明らかに

元読売弁護団(西部本社)のメンバーの一部が、「押し紙」裁判を起こされた同業他社を支援するために、九州各地の裁判所を転々としてきたことが分かった。「押し紙」隠しのノウハウを新聞業界ぐるみで共有している実態が明らかになった。

九州各地を転々としてきたのは福岡国際法律事務所の近藤真弁護士ら3名である。近藤弁護士らは、2008年ごろに喜田村洋一・自由人権協会代表理事らと共に読売弁護団を結成して読売の主張を代弁してきた。「押し紙」は1部も存在しないと主張してきたのである。

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2018年05月09日 (水曜日)

琉球新報社に対する「押し紙」の集団訴訟、1年半前に和解で終了していた

「押し紙」を強制されたとして琉球新報社の新聞販売店8店(原告は19人)が集団で、同社に対して損害賠償を求めた「押し紙」裁判が、約1年半前に和解で終了していたことが分かった。

この裁判は注目度が高く、大手の週刊誌も関係者への接触を試みていたが、情報が少なく、結局、ほとんど報じられないままになっていた。メディア黒書に、裁判に関する情報提供があり、それに基づいて筆者が原告の弁護士とコンタクトを取ったところ、既に1年半前に終わっていたことが分かった。

和解内容については、琉球新報社と原告のあいだに非公開の取り決めがあり、分からない。

参考までに、2016年5月12日付けの記事を紹介しよう。

【参考記事:メディア黒書】販売店が集団で琉球新報社を提訴、「押し紙」問題で

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2018年05月07日 (月曜日)

朝日新聞の部数激減を解析、本日発売の『紙の爆弾』が「押し紙」問題の最新情報を報道、「新聞『押し紙』政策の破綻」

本日(7日)発売の『紙の爆弾』に、「新聞『押し紙』政策の破綻」と題する黒薮の記事が掲載されている。このところ朝日新聞など一部の新聞社は「押し紙」をなくす方向で動いている。朝日新聞の部数激減の裏側を解析した。

その一方、佐賀新聞など依然として、「押し紙」を続けている新聞社は存在するが、いずれ朝日と同じ方向へ転換せざるを得ないだろう。その背景に何があるのかを、新聞のビジネスモデルの崩壊という観点からレポートしたものである。

書き出しの1ページを紹介しておこう。

 

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2018年04月12日 (木曜日)

中央紙のABC部数、10年間で577万部減、東京新聞社10社が消えたに相当、朝日の一連のスクープと「押し紙」問題の関係

2008年2月から2018年2月までの期間における中央紙のABC部数の変遷を紹介しよう。この10年間で、朝日は約200万部、毎日は約100万部、読売は約150万部、日経は約60万部、産経は67万部を減らしたことになる。中央紙全体でおおむね577万部が消えた計算になる。

この577万部という数字がいかに大きなものであるか、読者は想像できるだろうか?2018年2月度の東京新聞のABC部数が約57万8000部であるから、東京新聞社がほぼ10社なくなったことになる。

詳細は次の通りである。

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2018年04月11日 (水曜日)

2018年2月度の新聞のABC部数、朝日は年間で31万部減、読売は29万部減、朝日が高いジャーナリズム性を発揮できる背景に「押し紙」政策の廃止

2018年2月度の新聞のABC部数が明らかになった。ABC部数の低落傾向にはまったく歯止めがかかっていない。この1年間で、朝日新聞は約31万部減、毎日新聞は約17万部減、読売新聞は約29万部減である。さらに日経も、約28万部を減らしている。

詳細は次の通りである。()内は、前年同月比である。

朝日:5,989,345(-308,108)
毎日:2,840,338(-173,444)
読売:8,560,861(-285,287)
日経:2,445,373(-275,347)
産経:1,516,574(-46,299)

2018年2月度の新聞のABC部数(全紙)

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2018年04月02日 (月曜日)

佐賀新聞と販売店の係争、販売店が勝訴、地位保全を認める、背景に典型的な「押し紙」事件

佐賀新聞の販売店主が、店主としての地位保全を求めた仮処分申立事件で、佐賀地裁は、3月29日、店主の申し立てを認める決定を下した。この係争の背景には、「押し紙」問題があり、関係者の注目を集めていた。販売店訴訟で全国的に販売店が勝訴する流れが生まれはじめているなか、今回の販売店勝訴はそれに拍車をかけそうだ。

この事件の発端は、平成28年4月にさかのぼる。店主が佐賀新聞社に対して提出が義務づけられている報告書に、「仕入れ部数2550部お願いします」と記載した。つまり新聞の注文部数が2550部であることを、店主が書面で公式に申し入れたのである。

これに対して佐賀新聞は、店主の要望を拒否。前月と同様の搬入部数2980部を搬入する旨を通知した。そして実際に、2980部を搬入したのである。

この時点で、差異の430部が「押し紙」となった。これを仕入れ価格に換算すると、約86万円(月額)になる。店主は、この86万円の納金を拒否した。

4月以降も佐賀新聞は、店主が発注した搬入部数を認めず、「押し紙」を続けた。店主の方も、「押し紙」に相当する仕入れ代金については、支払いを拒否した。そして平成28年12月の時点で、「押し紙」部数に相当する未払い金は、約705万円に膨れあがった。

もちろんこうした状態に至るまでの間、店主は佐賀新聞に対して繰り返し減紙を申し入れていた。しかし、佐賀新聞は、店主との間に年間の部数目標を定めていることなどを理由に、強引に「押し紙」政策を続けた。そしてあげくの果て、平成28年12月14日に、販売店との商契約を打ち切る旨(契約の更新拒否)を通知したのである。

そこで店主は、地位保全の仮処分を申し立てた。佐賀地裁は、販売店の申し立てを認めた。ただし、地位保全の期間は1年に限定された。

その1年の期間が終了する前の平成29年12月、佐賀新聞は再び販売店との商契約を更新しない旨を伝えた。そこで販売店側は、再び地位保全の仮処分を申し立て、今回それが認められたのである。期間は1年。

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2018年03月28日 (水曜日)

新聞販売網再編の前夜、新聞社が「押し紙」を排除しはじめた本当の理由

このところ顕著になっているのが、新聞のABC部数の減部数である。坂道を転げ落ちるように、新聞の公称部数が下降線をたどっている。しかし、新聞部数の激減を単純に読者離れと解釈することはできない。結論を先に言えば、読者数は微減で、激減しているのは「押し紙」である。

ABC部数の中には多量の「押し紙」が含まれているので、ABC部数の減少が読者数の減少と錯覚してしまうのだ。

下記、青の数字は2017年11月のABC部数で、()内の赤の数字は10年前、つまり2007年11月のABC部数である。

朝日 6,136,337(8,010,922)
毎日 2,942,247(3,882,063)
読売 8,713,985(9,983,032)
日経 2,702,584(2,882,495)
産経 1,519,645(2,167,187)

この10年間で、朝日新聞は約187万部、読売新聞は約127万部、毎日新聞は約94万部の減部数となった。

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2018年03月20日 (火曜日)

「押し紙」裁判で販売店勝訴の流れ、販売店の「和解勝訴」が相次ぐ

先日、ある新聞販売店が保管している商取引に関する資料を見る機会があった。驚いたことに、通常の「押し紙」のほかに、「補正」という口実で、さらに「押し紙」を上乗せしていたことが分かった。裁判を起こせば、まず勝訴できる案件だった。「補正」を口実とした請求に対する疑義は、実は複数の店から口答で筆者のところへ寄せられていたが、このたび書類で確認することができた。スポーツ紙でも、「押し紙」が行われていた。

他の販売店では、英字紙の「押し紙」も確認できた。

 

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