
2019年7月度の新聞のABC部数が明らかになった。最新のものである。
今回発表されたデータの最大の特徴は、読売が800万部を割ったことである。厳密に言えば読売は、6月度ではじめて800万部の大台を割り、7月にはさらに部数を減らした。年間の減部数が約41万部もあることから判断して、読売は700万部の時代に突入したと言っても過言ではない。部数の回復は期待できない。
なお、読売の年間の減部数41万部は、京都新聞の発行部数に相当する。
朝日新聞は、550万部を切っており、まもなく「朝日400万部」の時代に突入する可能性が高い。
「紙」媒体の衰退は激しく、終末期に入ったとみて間違いない。中央紙の7月部数は次の通りである。()内は前年同月比。
朝日:5,450,087 (-391,864)
毎日:2,345,448(-387,605)
読売:7,974,170(-412,327)
日経:2,299,521(-108,201)
産経:1,364,878(-99,846)
◆ABC部数には「押し紙」が含まれている
しかし、ABC部数には「押し紙」が大量に含まれているので、ABC部数の減部数が、かならずしも配達部数の減部数を意味するわけではない。販売店の経営が立ち行かなくなり、やむなく「押し紙」を減らした結果、ABC部数が減ったという見方もできる。とはいえ「押し紙」を減らすということは、経営が苦しくなっている証拠なので、新聞業界が苦境に立たされている事情はかわりない。
それを反映するかのように、産経新聞社は、大阪でも東京でも、「押し紙」裁判の法廷に立たされている。南日本新聞では、販売店5店による集団訴訟が起きている。
「押し紙」裁判の判例は、販売店が有利な方向へ傾きはじめているので、店主は自己破産したり自殺するよりも、訴訟を起こして損害を取り戻すべきだろう。特に集団訴訟が有効で、筆者が知る限り、販売店が敗訴したケースは1件もない。「押し紙」の証拠を保存していれば、少なくとも和解勝訴できる。
◆読売新聞社として押し紙をしたことは1回もございません
なお、新聞社の中には、「押し紙」は一度もしたことがないと公言しているところもある。読売である。参考までに、宮本友丘専務(当時)が、「押し紙」裁判の法廷で行った証言(2010年11月16日、東京地裁)を紹介しておこう。喜田村洋一・自由人権協会代表理事の質問に答えるかたちで、次のように証言した。
喜田村弁護士:この裁判では、読売新聞の押し紙が全国的に見ると30パーセントから40パーセントあるんだという週刊新潮の記事が問題になっております。この点は陳述書でも書いていただいていることですけれども、大切なことですのでもう1度お尋ねいたしますけれども、読売新聞社にとって不要な新聞を販売店に強要するという意味での押し紙政策があるのかどうか、この点について裁判所にご説明ください。
宮本:読売新聞の販売局、あと読売新聞社として押し紙をしたことは1回もございません。
喜田村弁護士:それは、昔からそういう状況が続いているというふうにお聞きしてよろしいですか。
宮本:はい。
喜田村弁護士:新聞の注文の仕方について改めて確認をさせていただきますけれども、販売店が自分のお店に何部配達してほしいのか、搬入してほしいのかということを読売新聞社に注文するわけですね。
宮本:はい。

『週刊金曜日』(8月30日)が、地方紙の「押し紙」問題を取り上げている。クローズアップされている新聞社は、南日本新聞、宮崎日日新聞、それに佐賀新聞である。また、「押し紙」制度を廃止した例として、熊本日日新聞の取り組みが紹介されている。
このうち筆者の興味を引いたのは、南日本新聞のケースである。5つの新聞販売店が「押し紙」を断ったにもかかわらず、同社は「押し紙」を販売店へ搬入したという。その部数は、合計で1日に約850部。5店はこの「押し紙」を「返却」することにして、南日本新聞の警備室の脇に積み上げた。
5店は現在、注文部数を超えて搬入する「押し紙」については、代金の支払い義務がないことを確認(債務不存在)する裁判を起こしている。
ちなみに新聞販売店による集団訴訟は、過去に北國新聞や琉球新報などで起こされている。いずれも販売店の和解勝訴である。また、この記事の執筆者は、鹿児島大学の宮下正昭准教授である。研究者が「押し紙」問題に取り組むのはまれだ。
◆ 「実配部数+予備紙」=注文部数
「押し紙」問題で常に議論になるのは、新聞の商取引における「注文部数」の定義である。一般的に注文部数とは、商店が卸問屋に注文する商品の数量のことである。たとえば書籍を100冊注文すれば、100冊が注文部数である。
ところが新聞業における「注文部数」の定義は、一般商品の取引における「注文品数」とは異なる。新聞業で意味する「注文部数」とは、業務上で必要な部数に予備紙を加えたものである。言葉を換えると、
「実配部数+予備紙」=注文部数
と、なる。
従って注文部数を超えて搬入された新聞部数は、理由のいかんを問わず、すべて「押し紙」 である。機械的に「押し紙」と見なすのが、新聞特殊指定の解釈である。
こうした理論に対抗して新聞社が主張してきたのは、「残紙はすべて予備紙」という詭弁である。その結果、「わが社に限って、これまで1度も『押し紙』をしたことがない」と胸を張って公言する輩も現れる。
しかし、残紙には「予備紙」としての実態がないわけだから、こうした論理は成り立たない。
2019年09月03日 (火曜日)

電磁波問題に取り組んでいる市民グループが発行しているミニコミ紙『がうす通信』(7月12日)に、米国の大手農薬メーカー、モンサント社が被告になっている裁判のニュースが掲載されている。モンサント社の除草剤・ラウンドアップを使って癌になったとして全米で1万3000件の訴訟が起こされているというのだ。
既に3件の判決が出ていて、いずれも原告の訴えを認めた。このうち今年5月には、カリフォルニア州の裁判所の陪審が、原告夫妻に対して20億5500万ドル(2200億円)の支払を命じる判決を下した。
モンサント社が敗訴した原因は、内部の機密資料が外部に漏れて、それが証拠として裁判所へ提出されたからだ。ラウンドアップの成分のひとつであるグリホサートに発癌性があることを同社が認識していたことが機密文書に明記されていたのだ。その結果、モンサント社に勝ち目はなくなった。
モンサント社はすでにドイツの製薬会社・バイエルに買収されているが、株価が半分以下に下落して、大規模なリストラが続いているらしい。
内部資料の影響がいかに大きいかを示す事件である。【ウェブマガジン】

新聞社経営が順調だった今世紀の初頭ごろまで、水面下でたびたび社会問題になってきたのが新聞拡販活動だった。ビール券や洗剤を多量にばらまき、時には消費者をどう喝して、新聞の購読契約を迫る商法があたりまえに横行していた。「新聞はインテリがつくってヤクザが売る」とまで言われたのである。
その後、新聞拡販活動は徐々に衰えたような印象があったが、形を変えて残っていたようだ。本質的な部分では何も変わっていなかった。
今年の4月17日、産経新聞は、自社が展開してきた新聞拡販活動が、景品表示法に違反していることを認め、再発防止を徹底する旨の告知をおこなった。大阪府の消費生活センターが産経新聞の拡販活動を規制する措置命令を出したのを受けた対応だった。
ちなみに景品表示法は、新聞拡販活動の際に使う景品の上限額を定めた法律である。景品額の上限は6カ月分の新聞購読料の8%である。購読期間が6カ月に満たない場合は、それよりも低額になる。6カ月以上の契約の場合、朝日や読売などの中央紙では、2000円程度が限度額ということになる。
実は、消費生活センターによる今回の措置命令に至る背景には、あるひとつの裁判があった。「押し紙」問題に取り組んできた江上武幸弁護士がかかわった裁判である。江上弁護士は、「新聞購読料請求訴訟とその顛末」と題する報告の中で、その一部終始を述べている。次に掲載するのは、その全文である。版元の『消費者法ニュース』編集部の承諾を得て全文をリンクする。
■「新聞購読料請求訴訟とその顛末」(出典:『消費者法ニュース』2019・7)
◆民法第90条の公序良俗
この事件は、自転車やビールなど高額な景品と引き換えに10年(5年契約が2回)の新聞購読契約を結んだKさんが、交通事故で重症を負い、そのまま郷里へ戻ったために、新聞代金が未払い状態になったことが発端だった。未払い額は購読契約が終了する時点から逆算して、14万円を超えた。産経はKさんに対して、残金を支払うように求めて簡易裁判を起こしたのである。
これに対してKさんの代理人になった江上弁護士は、購読契約時に産経がKさんに提供した景品の額が景品表示法の規定を超えていることに着目し、民法の公序良俗に違反していることを根拠に、購読契約そのものの無効を主張した。
【注】 第90条(公序良俗):公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。
周知のように新聞拡販の現場で景品表示法が踏みにじられてきたことは、公然の事実になっている。しかし、新聞業界の商慣行として黙認されてきたのである。
が、産経がKさんに対して起こした裁判の中で、購読契約そのものの無効がはじめて争われたのである。新聞業界の恥部が法の判断を受けることになったのだ。
結末は意外な幕切れだった。江上弁護士が、景品表示法の遵守を新聞業界が自主規制のルールなどを設けることで、厳しく規定している証拠を、さまざまな観点から提示したところ、産経はまったく反論できなくなった。そして判決直前に訴訟を取り下げたのである。Kさんに対する請求も放棄した。勝訴の可能性がなくなったからにほかならない。
産経は、景品表示表違反の判例ができることを回避したのである。おそらくは、判例が生まれれば、新聞業界全体に壊滅的な打撃を与えかねないと判断した結果である。
周知のように日本の新聞社は、「押し紙」と新聞拡販により巨大化してきた。そのために景品表示表の違反判例が生まれると、従来のような拡販そのものが困難になる。
そこで判決を避けたのだ。
しかし、裁判に注目していた大阪府の消費生活センターが、産経新聞に対して措置命令を下したのだ。行政指導であるから、こちらも影響が大きい。
江上弁護士による記事は、この事件の顛末を詳しく書いている。

『臨海かわら版』というミニコミ紙をご存じだろうか。これは東京の臨海部開発問題を考える市民グループが発行している機関紙である。最新号(8月22日)では、晴海選手村マンションの販売が始まったことを受けて、マンション開発を行ったデベロッパーが法外な利益をあげる仕組みを解説している。
今回売りに出されたマンションの戸数は600戸。これは全戸数4145戸の15パーセントに相当する。この15%分の販売だけで、ほぼ土地代金は回収しているというのだ。
選手村の建設予定地は都有地である。不動産評価額は、1611億1800万円。ところが東京都は、この都有地をデベロッパー11社に約129億円で払い下げた。叩き売りである。
ちなみにこの土地の土地代金は、現時点では、全体の1割しか支払われておらず、ディベロパーに税金も発生していないらしい。【続きはウェブマガジン】

8月26日にフランスで行われた安倍首相とトランプ大統領の首脳会談の後、トランプ大統領は共同記者会見で、米国産の余剰トウモロコシを日本が購入することになったと発表した。
米国産の輸出用トウモロコシは、中国向けのものが大幅な減少を続けてきた。中国政府が国内産業を保護するために、自給自足の政策を強化してきた結果である。
マスコミは報じていないが、米国産のトウモロコシについて語るとき、欠くことのできない視点がある。それは米国産の輸出用トウモロコシには、ほぼ全部が遺伝子組み替え技術が適用されている事実だ。
日本で使用されるトウモロコシの大半は、米国からの輸入品である。国内でも若干生産されているが、統計上の自給率は、ほぼゼロ%に等しい。
米国から輸入されたトウモロコシの約65%は家畜の飼料に使われ、残りは食用油などの原料になる。
ちなみに日本国内に流通している遺伝子組み替え作物は、トウモロコシ、大豆、綿、ナタネの4品目である。国内での遺伝子組み替え作物の栽培は禁止されているので、日本で流通しているトウモロコシの大半は、米国産の遺伝子組み替えトウモロコシということになる。
その量がトランプ・安倍会談で大幅に増えることになったのだ。
◆なぜ、遺伝子組み換え食品が危険なのか?
遺伝子組み換え食品の危険性は、すでに動物実験でも立証されている。簡単にいえば、次のような理屈になる。たとえば遺伝子を組み換えることで、農薬を散布しても枯れない農作物を作る。そして大量に農薬を使って、作物の大量生産を行う。その結果、作物に付着した大量の農薬残存物が体内に取り込まれ、奇形や癌などを出現させる。
仏カーン大学が遺伝子組み換えトウモロコシの安全性を検証するラットを使った動物実験を実施したところ、腫瘍の発症・肝臓や腎臓の障害などが高い割合で確認され、メスの約70%、オスの約50%が「普通のトウモロコシ」を食したラットの平均寿命よりも早く死んだ。
【参考記事】動物実験で立証済みの危険な遺伝子組み換え食品、表示ラベルは抜け道だらけ――食用油、豆腐、発泡酒などに要注意
遺伝子組み替え作物の裁判に使用されている農薬の代表格は、米国・モンサント社のラウンドアップ(除草剤)である。この農薬には発癌性があり、癌になった患者が起こした裁判でも、裁判所がモンサント社に対して損害賠償を命じている。欧米では消費者運動が厳しい監視の目を光らせているのだ。
当然、米国内でもラウンドアップの使用に反対する消費者運動があって、米国国内での使用は難しくなっている。
と、なれば米国の農家は、ラウンドアップで育てたトウモロコシや大豆の新たな販売ルートを開拓しなければならない。そのターゲットになったのが、日本なのである。
わたしは、米国で遺伝子組み替え食品に警鐘を鳴らず消費者運動が浮上してきたころから、最終的に米国の農家に「貢献」する国は、日本になると思っていた。中国でも、韓国でもない。台湾でもない。ヨーロッパは考慮の対象にすらならない。間違いなく日本になると思った。対米従属の国策がどこよりも極端だからだ。植民地のレベルである。
ちなみに遺伝子組み替えトウモロコシを家畜の飼料として使うことが危険であるのはいうまでもない。家畜の肉に「毒」が蓄積していくからだ。

全国読売防犯協力会について情報を公開しておこう。読売防犯協力会というのは、全国の読売新聞販売店と各都道府県の警察が協力して、防犯活動を展開するための組織である。各警察と覚書も交わしている。
◆元警察らが読売本社で活動
本部は、読売新聞東京本社にあり、元警察官らが任務に就いている。スタッフは次の人々だ。
・明平一彦事務局長
・澁谷豊参与(警視庁小岩・西新井警察署生活安全課長などを歴任し、2016年4月から現職)
・砂澤忠男参与(警視庁上野警察署生活安全課長、世田谷区役所危機管理担当課長(派遣)、生活安全特別捜査隊副隊長など歴任し、2017年4月から現職)
・今井啓義参与(青梅警察署刑事生活安全組織犯罪対策課長、生活安全特別捜査隊副隊長、巣鴨少年センター所長、少年育成課課長代理など歴任し、2018年4月から現職職)
・松本久喜大阪本社参与(大阪府警高石・貝塚警察署生活安全課長などを歴任し、2017年4月から現職)
◆販売店が業務外の巡回
読売防犯協力会の活動内容についても、ウェブサイトで詳しく説明されているが、特に次の3点が問題だ。ウェブサイトから引用してみよう。
・配達、集金の際、不審者に注意します。
・警察署の協力を得て防犯チラシ等を配布します。
・配達、集金とは別に町内を巡回しています。
■出典
警察と協力して、防犯チラシを配布したり、町内を巡回しているというのだ。戦時中に慣行化していた住民による住民監視とどこか類似していないか。もちろん販売店サイドには、自分たちが警察活動に巻き込まれているという認識はないだろう。自分たちの活動は社会貢献だと勘違いしている可能性が高い。
◆新聞社と警察の異常な関係
警察組織と新聞社が協力関係にあり、読売新聞販売店を通じて、住民の情報を警察に伝達する構図があるのだ。
記者が取材で得た情報が警察へ届けられているとは思わないが、一応、警戒するにこしたことはない。警察の手口のひとつにスパイ投入があるわけだから、元警察が読売本社内に座を占めている限り、こうした戦略も可能になる。わたしは、販売店を除く読売関係者とは接触しない方針だ。

佐賀新聞の元販売店主・寺崎昭博氏が起こした「押し紙」裁判で、去る7月1日に同社の販売局の実態を克明に綴った寺崎氏の陳述書が提出された。陳述書は、原稿用紙に換算すると60枚をこえる分量で、寺崎氏が販売店主になった経緯から、「押し紙」により廃業に追い込まれるまでの経緯を書いている。ABC部数をかさあげする手口にも言及している。
この裁判は2016年6月に寺崎氏が起こしたものである。請求額は8186万円。最初、寺崎氏が江上武幸弁護士に相談し、「押し紙」弁護団が結成され、提訴に至った。
地方紙を舞台とした「押し紙」裁判ということもあって、あまり話題になっていないが、裁判の中で新聞社販売局の前近代的な体質が浮き彫りになっている。
次に引用する陳述書のくだりは、寺崎氏が販売局員から、「押し紙」を買い取らなければ、商契約を終了すると脅される場面である。
A担当が契約書を持ち帰れば、それは即廃業を意味します。
A担当は「押し紙を買わないと言われれば自分の立場上そうするしかない。」と言われました。私は、宮崎担当にこれ以上言っても仕方がないと思い直し、契約書を受け取りました。受け取った契約書の作成日は、平成27年4月1日と遡って記載されていました。
毎回資金ショートを起こすたびに思い悩んできたのですが、この時もなぜ借金を増やしてまで押し紙を買わされなければならないのか、決して読者を増やす努力をしていないわけではないのに、なぜ私だけが経営努力が不足しているように被告に言われ、社会全体の流れとして新聞の購読率の低下を被告は認めながらも、それがさも販売店の努力不足が原因であるかの如く論点をすり替えられ続けられなければならないのか、そして、何か言おうとすれば契約を盾に脅され続ければならないのか、被告が持っているはずの新聞社としての倫理観はどこに消えてしまったのか、借金を増やしてまで、在りもしない読者に対してチラシを貰い続け、押し紙代金のためにそれに正当な利益を加えてまで押し紙代金を払わされなければならないのか、様々な思いがあふれ出てきました。
◆新聞人の見解、「『押し紙』は一部も存在しない」
日本の新聞社は、「押し紙」を柱とした販売政策で事業を拡大してきた。「押し紙」問題が本格的に浮上してきたのは、1970年代であるから、それか50年近くが過ぎている。だが、大半の新聞社はいまだに「押し紙」をやめない。読売新聞社や日本新聞協会に至っては、今も「押し紙」は一部も存在しないと開き直っている。
その一方で、ジャーナリズムの旗を掲げている。これだけ甚だしい言行不一致の例は、珍しいのではないか。おそらく「押し紙」制作を廃止すれば、巨大化しすぎた事業を支えきれなくなるからだろう。
寺崎氏の陳述書の全文は次のとおりである。訴状と「押し紙」一覧も併せて紹介しておこう。
■訴状
写真:江上武幸弁護士(左)、原告の寺崎昭博氏(右)。背景の新聞は、証拠として弁護士事務所に持ちこまれた「押し紙」

マイニュースジャパンに掲載した記事、「滋賀医科大学医学部付属院で発覚した患者モルモット未遂事件――患者を守るために体を張ったスーパードクターに対する組織的報復 」(執筆:黒薮)をフリーランス英語教師の藤井敦子さんが翻訳した。
■翻訳全文
この記事は、滋賀医科大学医学部附属病院(塩田浩平学長)で起きた患者モルモット未遂事件の概要を描いたものである。大阪毎日放送や週刊朝日をはじめ、多くのメディアがこの事件を報道してきた。その中でも、マイニュースジャパンは特に詳しく報じている。すでに4本の中編ルポが掲載されており、今回、藤井さんが翻訳したのは、最初の記事である。
翻訳の目的は、海外メディア、世界医師協会、それに国境なき医師団などに、事件を知らせることである。日本医師会も批准している「ジュネーブ宣言」や「ヘルシンキ宣言」の原則が、滋賀医科大病院では踏みにじられており、責任を追及するためには国境を超えて、情報を届ける必要があるという観点から翻訳に至った。
記事は、すでに世界医師協会と国境なき医師団に送付されている。
ちなみに記事を翻訳した藤井敦子さんは、横浜・副流煙裁判の被告・藤井将登さんの妻である。非喫煙者の敦子さんも、「煙草を吸っていた」と誹謗中傷されている。この裁判についても、藤井さんは海外へ情報を発信している。
なお、この記事の原作者(黒薮)も翻訳者も著作権を放棄しているので、読者は自由に記事を拡散することができる。

警視庁が読売防犯協力会へ感謝状を贈ったことが、業界紙の報道で分かった。読売防犯協力会は、全国3570店のYC(読売新聞販売店)が参加している防犯組織で、全都道府県の警察と覚書を交わして、高齢者の見守りや地域の防犯活動を展開している。
YCが準交番(ハイテクKOBAN)のような役割を担っているようだ。
たとえば集金時などに訪問先の家の奥座敷で、なにやらあやしげな人々が集まっていれば、警察に連絡する。訪問先で、体調をくずした一人暮らしの人を発見すると、救助する。こうした活動で、警察だけではカバーしきれない、街の隅々にまで、監視の眼を張り巡らすことができる。日本新聞協会も、警察と連携したこうした活動を評価している。
が、これはジャーナリズム企業と警察の危険な関係といえるだろう。【続きはウェブマガジン】

新聞業界が参院選で自公の26人を推薦していた、世耕弘成、山口那津男ら
新聞業界の政界工作は、日本新聞販売協会を通じて行われてきたが、先の参院選でも、同協会が自民党候補者13人、公明党候補者13人を推薦していたことが分かった。意外に知られていないが新聞業界による政界工作は、1987年ごろから行われてきた。
当時は、事業税の軽減措置の継続が目的だった。元NHKの水野清氏や元日経新聞の中川秀直氏らが、政界側の窓口になっていた。
その後、再販制度の維持、そして今は、新聞に消費税の軽減税率を適用されることを主要な目的に、政界工作を行っている。
政治献金も送ってきた。参考までに次の記事を紹介しよう。
【参考記事】山本一太議員 新聞業界から3千万円献金、見返りに露骨な業界保護活動
推薦を受けたのは、次の面々。
【自民・地方区】
高橋克法(栃木)
清水真人(群馬)
塚田一郎(新潟)
古川俊治(埼玉)
武見敬三(東京)
太田房江(大阪)
世耕弘成(和歌山)
堀井巌(奈良)
二之湯武史(滋賀)
西田昌司(京都)
【公明・地方区】
矢倉克夫(埼玉)
山口那津男(東京)
佐々木さやか(神奈川)
安江伸夫(愛知)
杉久武(大阪)
高橋光男(兵庫)
下野六太(福岡)
【比例区】
北村経夫(自民)
山東昭子(自民)
若松謙維(公明)
平木大作(公明)
新妻秀規(公明)
山本香苗(公明)
山本博司(公明)
河野義博(公明)

「あいちトリエンナーレ2019」の「表現の不自由展・その後」はあっけなく幕切れとなった。河村名古屋市長がクレームを付け、津田大介監督が謝罪し、知事が中止を宣言して終了した。後世の歴史家は、2019年の夏をふりかえって、この事件を言論の自由の分岐点になった事件として位置付けるかも知れない。
公権力の外圧を跳ね返していれば、それが逆に言論の自由を拡大する方向性を生んでいただろう。しかし、ほとんど抵抗もせずすんなりと中止を受け入れたのだから、今後、言論はますます規制される。公権力が介入するまでもなく、だれかが匿名で脅迫電話を1本すれば、それで口封じが成立する構図が生まれたのだ。
菅官房長官がいうように、「テロリストと交渉してはいない」。
一番悪いのは河村市長と大村知事だが、津田監督にも重大な責任がある。沈没しかけた船から、船長が最初に逃げ出したことになる。【続きはウェブマガジン】
