
執筆者:ロベルト・トロバホ・エルナンデス
思考の違いは昔からある。問題となるのは、互いを理解しようとせず、憎しみ合う陣営に分かれてしまうことである。分極化とは、自分と異なる候補に投票した人を「間違っている、話す価値がない」と見なしてしまう状態を指す。コロンビアではそれが当たり前のようになり、時には「あの人々」と「他の人々」という、まるで二つの国に住んでいるかのような感覚さえ広がっている。その間には、政治に関与せず、投票を放棄し、意見を述べることすらやめてしまった人々があふれている。結局「何のために?」というわけである。
なぜこんな状況に陥ったのか。少し過去を振り返ってみたい。近年、コロンビアは社会を大きく揺さぶる出来事を経験した。その代表例が2016年の和平合意をめぐる国民投票である。その日、国はほぼ真っ二つに割れ、「反対」50.2%、「賛成」49.8%という結果となった。単なる投票ではなく、互いを敵と見なすような空気が漂っていた。ソーシャルメディアは炎上し、家族の間でも激しい口論が起こり、多くの人が「妥協点など存在しない」と感じるようになったのである。
それ以来、選挙や討論では同じことが繰り返されている。大統領選挙でも候補者は「象徴」となり、人々は支持か不支持かの二択を迫られた。それは大統領を選ぶ行為というより、国のあり方をめぐる立場表明であった。
ソーシャルメディアは二極化を加速させる。アルゴリズムは私たちが信じたいことや怒りを覚えるものを優先的に見せる。ある政治家を批判する投稿を見れば、同じような意見ばかりが流れ込み、逆の立場の人には全く異なる世界が映し出される。こうして人々は「同じ考えのバブル」に閉じこもり、違う立場の人を嫌悪の対象としてしまうのである。
コロンビアの政治は、まるで勝者がいない引き分けのサッカーのようである。2022年の選挙では、有権者の約46%が投票に参加しなかった。若者に限ればさらに高い割合である。その理由は明白だ。「投票してもしなくても何も変わらない」と感じているからである。汚職は続き、公約は守られず、失望だけが残る。
こうして二極化は政治への参加意欲を奪う。結局「どちらかの陣営の争い」に巻き込まれるだけだからである。それは投票率の低下を招くだけでなく、対話の力をも失わせる。話す代わりに争い、耳を傾ける代わりに批判する。その結果、人々は政治からも互いからも距離を置くようになってしまった。
もちろん責任は私たちだけにあるのではない。メディアはアクセス数を稼ぐために怒りや感情を煽るニュースを流し、分裂を助長する。政治家は自身の利益のために分断を煽る。コロンビアは暴力や不平等、約束の不履行といった長い歴史を背負っており、その傷跡は一夜で消えるものではない。
だが、それでも変化を起こすことはできる。立場の違いを無視する必要はない。意見が一致しないことは重要ではなく、大事なのは争わずに話し、偏見を持たずに耳を傾け、最終的に「誰もがより良い暮らしを望んでいる」という共通点を自覚することである。
私はXで一つの映像を見た。異なる地域の若者たちが集まり、壁画を描いている光景である。左派も右派も、政治に無関心な者もいたが、スプレー缶を手に笑みを浮かべて共に創作していた。二極化を解決したわけではないが、確かな一歩であった。目を合わせ、言葉を交わし、思っていた以上に共通点があると気づいたのである。
二極化は、互いに耳を傾けなくなったときに進行する。Xでは異なる意見の相手を簡単にブロックできる。しかし現実の世界ではそうはいかない。私たちは争いを避けつつも、立場の異なる相手と話す必要がある。重要なのは説得ではなく、共通点を見いだすことである。
二極化は社会の根をむしばむ。メディアやソーシャルメディアが描く物語は私たちを分断する。一方にとっての英雄は、他方にとっての悪役となる。信頼を取り戻すには、新しい物語が必要である。違いを超えて協力し合うコロンビア人を描く物語である。
ソーシャルメディアでアイデアや取り組みを共有することは、その出発点であり、不満から行動へと移る方法である。幸い、専門家である必要はない。信頼を築き直すには、小さな一歩の積み重ねが欠かせないのである。
異なる投票行動をとる友人、議論ばかりしている隣人、別の政治世界に住んでいる同僚と話すことが必要である。二極化によって、私たちはそれぞれの考えの背後に、夢や恐れ、より良い国への願いを持つ人間がいることを忘れてしまった。
一夜で世界を変えることはできない。これはダンスを習うようなものだ。最初はつまずくが、練習を重ねれば自然にできるようになる。喧嘩に終わらない会話の仕方、ソーシャルメディアの罠に陥らない方法、無駄だと感じずにコミュニティに参加する方法を学べばよい。
考え方の違う人と政治論争するのは、地図を持たずにジャングルに足を踏み入れるようなものだ。あっという間に声は大きくなり、過去の不快な出来事が持ち出され、相互理解には至らない。しかし、争わずに話すことは不可能ではない。その糸口はあるひとつの態度。「聞く」ことである。
「聞く」とは、相手が話している時に黙っていることではない。相手がなぜそう考えるのか、何が動機で、何を心配しているのかを理解しようと努めることである。コロンビア人は、自分を守ることに慣れすぎて、質問することを忘れている。議論になったときは、反撃ではなく質問を試してほしい。「その候補者が解決策だと思うのはなぜ?」「この国で起きていることで何が心配なの?」。単純に聞こえるが、こうした質問で状況は変わる。相手は自分の意見が注視されていると感じ、警戒心を解く。その瞬間、議論は会話へと変わるのである。
ソーシャルメディアは二極化を助長するメガホンのような存在だ。白か黒か、白か黒かに二分される。これは偶然ではない。アルゴリズムは怒りや信念を刺激する投稿を見せるように設計されているからである。信頼を取り戻すには、ソーシャルメディアに流されるのではなく、それを主体的に使う必要がある。
投稿をシェアする前には立ち止まって考えてほしい。「これはXという政治家がダメだという証拠だ!」という見出しをそのまま信じてよいのか。誰が書いたのか、情報源は確かか、怒りを煽るための見出しではないか。特に選挙の時期にはフェイクニュースが飛び交うので注意が必要だ。
自分と異なる立場のアカウントをフォローするのも有効だ。同じ意見の人ばかりを追えば、バブルに閉じ込められる。意見は異なるが敬意を払える人やメディアを探し、争うためではなく理解のために関わるべきである。コメントするときも皮肉や攻撃は避けたい。
信頼を築くには、会話やネット上のやり取りだけでなく、行動も必要だ。時には「理解すること」こそが信頼の最良の基盤となる。とはいえ、異なる立場の人と直接話すことは容易ではない。
信頼関係は耳を傾け、情報を選び取り、敬意をもって意見を述べることで育まれる。投げやりになって、Xで相手をブロックしたくなる瞬間もあるだろう。それでも、対立よりも耳を傾けることを選び、不満を言うだけでなく一緒に取り組むことを選ぶ。そのたびに少しずつ信頼は築かれていくのである。
必要なのは、小さな行動の力を信じることだ。変化を生み出す方法は行動にある。机上の理屈よりも実践が大切である。
自分の声とネットワークを活用しよう。ソーシャルメディアは強力な道具である。言いたいことがあるなら伝えればよい。地域の問題を取り上げる動画、みずからの思いを共有する投稿、Instagramでのライブ配信。目的は破壊ではなく構築、敬意をもって行うべきである。信頼は叫ぶことではなく、聞くことから始まる。
教育を受け、投票することも忘れてはならない。前回投票しなかったとしても構わない。次は違う行動をとればよい。候補者や政策を調べ、自分の生活にどう関わるかを考え、友人と話し、投票を呼びかけよう。すべての若者が投票すれば、それは大きな力になる。
橋を架ける努力も大切である。自分と異なる考えを持つ人――自分が嫌う候補者に投票する友人でさえ話してみよう。争うためではなく理解するために。なぜそう考えるのか、何が不安なのか、どんな未来を望んでいるのかを尋ねてみることだ。こうした会話が信頼を取り戻す第一歩となる。
抗議するだけでなく、提案もするコロンビアを想像してみよう。ソーシャルメディアで誰が正しいかを争う代わりに、一緒に解決策をつくる国。互いを信頼し、若者が新しい心とアイデアで地域を変える国。そんなコロンビアは可能であり、その始まりはあなたからだ。
世界が敵対しているように見えることもある。経済は厳しく、機会は少なく、ニュースは悲惨なものばかりだ。しかしコロンビア人は回復力を持っている。嵐の中で踊り、傷ついても他人を笑わせ、前進する術を見つける。それが私たちの力であり、この国を変える力である。だからこそ、たとえ小さなことでも行動を起こしてほしい。
信頼は、一歩一歩の対話を通じて取り戻され、築かれる。耳を傾け、信頼する。その向こうには、あなたや私と同じように、より良い国を夢見るコロンビア人がいる。
執筆者紹介:
ロベルト・トロバホ・エルナンデス。
AL PRESS代表(CEO)、世界ジャーナリスト会議(WJC)ラテンアメリカ・カリブ地域ディレクター。
No es que pensemos diferente –eso siempre ha existido–. Nefasto cuando nos dividimos en bandos que no se quieren entender, y se odian. Polarización es cuando ves a alguien que vota distinto y piensas: “Esa persona está equivocada, no hay nada que hablar”. En Colombia, esto se ha vuelto tan común que a veces parece que vivimos en dos países diferentes: el de “unos” y el de “otros”. Y en medio, muchos, han decidido que prefieren no meterse, no votar, no opinar. Total, ¿para qué?
Para entender cómo llegamos aquí, retrocedamos un poco. En los últimos años, Colombia ha pasado por momentos que nos han marcado. Uno de los más grandes fue el plebiscito de 2016 por los acuerdos de paz. Ese día, el país se dividió casi en dos: 50.2% votó por el “No” y 49.8% por el “Sí”. No fue solo un voto; fue como si cada lado viera al otro como el enemigo. Las redes sociales explotaron, las familias discutieron, y muchos empezamos a sentir que no había punto medio.
Desde entonces, cada elección, cada debate, parece seguir la misma receta. En las últimas elecciones presidenciales, vimos cómo los candidatos se convirtieron en símbolos: o estabas con uno o estabas contra él. Y no solo se trataba de elegir un presidente, sino de defender una forma de ver al país.
¿Te acuerdas de esas discusiones en X donde todo terminaba en bloqueos? El combustible de la polarización es la idea de que no hay grises, solo blancos y negros. Las redes sociales han echado leña al fuego. Cada vez que entras a X, Facebook, Instagram o Tiktok, el algoritmo te muestra lo que ya crees, y te hace sentir cómodo. Si sigues cuentas que critican a cierto político, adivina qué: te van a mostrar más de lo mismo. Y al otro lado, alguien está viendo el contenido opuesto. Así nos encerramos en burbujas donde unos piensan como nosotros, y los que no, ¡de malas!
La política en Colombia es como un partido de fútbol donde los equipos siempre empatan, pero todos terminan perdiendo. Según la Registraduría, en las elecciones de 2022, cerca del 46% de los colombianos no votaron. Y entre los jóvenes, la cifra es aún más alta. ¿Por qué? Muchos sienten que no hay diferencia: votando o no, las cosas no cambian. La corrupción sigue, y las promesas de campaña se quedan en el aire.
La polarización nos ha hecho sentir que participar es inútil, porque al final todo se reduce a pelear por un bando.
Y no es solo el abstencionismo. La polarización también nos ha quitado la capacidad de conversar. Es que, en lugar de hablar, peleamos. En vez de escuchar, juzgamos. Y así nos hemos ido alejando, de la política, y de los demás.
La polarización no es solo nuestra responsabilidad. Hay cosas más grandes en juego. Los medios de comunicación, muchas veces, amplifican las divisiones porque las noticias que generan clics son las que indignan y venden. Los politiqueros prefieren avivar el fuego de la división porque les conviene.
Colombia ha pasado por décadas de violencia, desigualdad y promesas rotas, y eso ha dejado cicatrices que no sanan de la noche a la mañana; pero podemos cambiar, si queremos. No se trata de ignorar nuestras diferencias –porque está bien no estar de acuerdo-. Hay que aprender a hablar sin pelear, a escuchar sin juzgar, y a recordar que, al final, todos queremos un país donde podamos vivir bien.
Vi un video en X que me dio esperanza. Era sobre un grupo de jóvenes, de barrios diferentes, que se juntaron para pintar un mural en su comunidad. Unos eran de izquierda, otros de derecha, y algunos no tenían ni idea de política. Pero ahí estaban, con latas de aerosol y risas, creando juntos. No resolvieron la polarización, pero dieron un paso: se miraron a los ojos, hablaron, y descubrieron que tenían más en común de lo que pensaban.
La polarización crece cuando no nos escuchamos. En X, es fácil bloquear a alguien que no piensa como uno. En la vida real, es más difícil, pero igual evitamos hablar con “el otro”. Necesitamos conversar con personas de diferentes posturas, sin pelear. No se trata de convencer, sino de encontrar puntos en común.
La polarización hace metástasis porque las historias que vemos en redes o en los medios, nos dividen: el héroe de un lado es el villano del otro. Necesitamos nuevas narrativas, historias que muestren a colombianos trabajando juntos, sin importar sus diferencias, para inspirar confianza.
Compartamos ideas, iniciativas, en redes sociales. Es un buen comienzo, una manera de pasar de la queja a la acción. Lo mejor de todo es que no necesitas ser un experto para hacerlas realidad. Cada paso cuenta para lograr volver a confiar.
Hay que hablarle a ese amigo que vota diferente, el vecino que siempre está discutiendo, el compañero que parece vivir en otro planeta político. La polarización nos ha hecho olvidar que detrás de cada opinión hay un ser humano, con sueños, miedos y ganas de un país mejor, igual que tú.
No te voy a pedir que cambies el mundo de un día para otro. Esto es como aprender a bailar: al principio tropiezas, pero con práctica, te sale natural. Vamos a hablar de cómo tener conversaciones sin terminar en pelea, cómo no caer en las trampas de las redes sociales, y cómo participar en tu comunidad sin sentir que estás perdiendo el tiempo.
Si alguna vez has intentado hablar de política con alguien que piensa diferente, sabes que es como meterse en una selva sin mapa. En dos minutos, están subiendo el volumen, sacando trapos sucios, y al final nadie se entiende. Pero, ¿y si te digo que se puede hablar sin pelear? No es fácil, pero es posible, y todo empieza con una palabra mágica: escuchar.
Escuchar no es solo quedarte callado mientras el otro habla. Es tratar de entender por qué piensa así, qué lo motiva, qué le preocupa. En Colombia, estamos tan acostumbrados a defendernos que olvidamos preguntar. La próxima vez que estés en una discusión, prueba esto: en lugar de contraatacar, haz una pregunta. Por ejemplo: “Oye, ¿por qué crees que ese candidato es la solución?” o “¿Qué te preocupa de lo que está pasando en el país?”. Suena simple, pero cambia el juego. La gente se siente escuchada, baja la guardia, y de repente estás conversando, no peleando.
Las redes sociales son como un megáfono de la polarización. En X, Facebook, Tiktok o Instagram, todo parece blanco o negro: o estás con uno o estás contra él. Y no es casualidad. Los algoritmos están diseñados para mostrarte lo que te indigna o en lo que ya crees, porque eso te mantiene enganchado. Si quieres confiar de nuevo, necesitas aprender a usar las redes sin que te usen a ti.
Sé crítico con lo que lees. Antes de compartir ese post que dice “¡Esto es la prueba de que X político es un desastre!”, pregúntate: ¿Quién lo escribió? ¿Hay fuentes confiables? ¿Es un titular diseñado para hacerte enojar? En Colombia, las noticias falsas vuelan, máxime en época de elecciones.
Sigue cuentas que te desafíen. Si solo sigues a los que piensan como tú, estás en una burbuja. Busca perfiles de personas o medios que no compartan tu visión, pero que sean respetuosos. No para pelear, sino para entender. Y cuando comentes, evita el sarcasmo o los ataques.
Confiar de nuevo no solo es hablar o navegar redes; es actuar. A veces, la mejor manera de confiar es entender. Pero no siempre es fácil hablar cara a cara con alguien que piensa diferente.
Se confía, escuchando, navegándose en redes con cabeza, opinándose con respeto. Habrá días en que te den ganas de mandar todo al carajo y bloquear a medio mundo en X. Pero cada vez que eliges escuchar en lugar de pelear, o participar en lugar de quejarte, estás construyendo confianza. No solo en los demás, sino en ti mismo, en tu capacidad de cambiar las cosas.
Lo que necesitamos es confiar en el poder de las pequeñas acciones. ¿Cómo lideramos el cambio? Ahora viene la parte práctica. Porque soñar está bueno, pero actuar es mejor.
Usa tu voz (y tus redes): Las redes sociales son una herramienta poderosa. ¿Tienes algo que decir? ¡Dilo! Crea contenido que hagas pensar a otros: un video sobre un problema en el barrio, un tuit para compartir tus ideas, o un live en Instagram para hablar de lo que te preocupa. Pero hazlo con respeto, buscando construir, no destruir. La confianza se gana escuchando, no gritando.
Educa y vota: Si no votaste en las últimas elecciones, no te sientas mal, pero haz que la próxima sea diferente. Infórmate sobre los candidatos, sus propuestas, y cómo afectan tu vida. Habla con tus amigos y motívalos a votar también. Imagina si todos los jóvenes votáramos: seríamos una fuerza imparable.
Construye puentes: La polarización nos tiene divididos, pero tú puedes cambiar eso. Busca a alguien que piense diferente a ti –ese amigo que siempre vota por el candidato que tú no soportas– y hablen. No para pelear, sino para entenderse. Pregúntale por qué piensa así, qué le preocupa, qué sueña para Colombia. Esas conversaciones son el primer paso para volver a confiar.
Imagínate una Colombia donde la gente no solo proteste, sino que proponen. Un país donde, en vez de pelear en redes sociales por quién tiene la razón, construyamos soluciones juntos. Un país donde confiamos los unos en los otros, donde los barrios se transforman porque los jóvenes lideran con el corazón y con ideas frescas. Esa Colombia es posible, y empieza contigo.
Sé que a veces parece que el mundo está en nuestra contra. La economía está dura, las oportunidades no llegan, y las noticias son pésimas. Pero también sé que los colombianos somos resilientes. Somos los que bailamos en medio de la tormenta, los que hacemos reír a los demás, aunque estemos dolidos, los que siempre encontramos una forma de salir adelante. Ese es nuestro poder, y es el poder que puede transformar este país. Así que, haz algo, por pequeño que sea.
La confianza se recupera, se logra, paso a paso, conversando. Escucha y confía; detrás de las diferencias, hay colombianos como tú, y yo, soñando con un país mejor.

弁護士・江上武幸(文責)福岡佐賀押し紙弁護団
9月9日(火)午後1時10分、福岡地裁902号法廷において、西日本新聞佐賀販売店の押し紙訴訟判決が言い渡されました。残念ながら、懸念していたとおり敗訴判決でした。
長崎県販売店の地裁担当裁判官の交代については、2024年12月26日(木)投稿の「西日本新聞福岡地裁敗訴判決のお知らせ」で報告したとおりです。今回の佐賀県販売店の地裁担当裁判官の交代についても、2025年8月1日(金)投稿の「佐賀県西日本新聞店押し紙訴訟裁判官交代について」で疑念を表明していたところです。
今回の敗訴判決を言い渡した三井教匡裁判長は、既報のとおり福岡地裁久留米支部に在籍していた当時、読売新聞販売店の地位保全仮処分決定を下した裁判官であり、押し紙問題については十分理解している裁判官です。そのため、一縷の期待を寄せていましたが、結果は敗訴判決でした。判決文が届き次第、内容を精査し、詳細をご報告いたします。
原告のH氏とともに、判決言い渡し数分前に法廷へ入り、原告席に着席して裁判官の入廷を待ちました。傍聴席には、西日本新聞の社員がおよそ20名、ばらばらに座っていました。
やがて三井裁判長を含む3名の裁判官が裁判官席に着席しましたが、三井裁判長は正面を見据えたまま無言でした。静かな緊張感に包まれる中、しばらくしてから三井裁判長は、
「原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。」
と、原告敗訴の判決を言い渡しました。
裁判官も西日本新聞の社員たちも、言葉を発することなく席を立ち、法廷を後にしました。H氏からは、販売局長ら面識のある社員が多数来ていたと聞き、最後に二人で法廷を出ました。
これまでの敗訴判決の言い渡しとは異なり、何とも不思議な静かな雰囲気に包まれた判決言い渡しでした。
裁判所は、一般の民事事件で見られるような和解の勧試も勧告も行いませんでした。淡々と審理を進め、販売店敗訴の判決を言い渡して事件を終結させました。司法の力で押し紙をなくそうとする気概や気迫は、裁判官からは全く感じられませんでした。
押し紙が許されない社会悪であることは、新聞社の社員はもちろん、裁判官も十分認識しています。押し紙問題は司法の力によってしか解決できないことも、彼らは理解しているはずです。
私は、厳しい表情で敗訴判決を言い渡す三井裁判官と、勝訴にもかかわらず喜びを微塵も表さない西日本新聞の社員たちを見ながら、法廷にいた全員が「このような販売店敗訴判決が続くことが、日本の司法にとって本当に良いのだろうか」と複雑な思いにかられているのを感じました。
司法に絶望することなく、福岡高裁で押し紙問題の解決に向けて真摯に取り組んでくれる裁判官と出会えることを強く期待しています。
2025年09月09日 (火曜日)

千葉県流山市で実施された2025年7月の参院選をめぐり、朝日新聞販売店(ASA)で選挙公報の配布数が水増しされていた疑惑が浮上した。これを受け、大野富男元市議(NHK党)は、折込部数の算定方法を厳格化するよう求める陳情書を提出した。陳情書は9月4日、市公式サイトで公開されている。
◆背景と経緯
大野元市議は2020年ごろから「広報ながれやま」などの折込媒体に関して、新聞販売店への搬入部数と実際のABC部数に大きな乖離がある点を追及してきた。たとえば、次のような実態が確認されている。
•2020年4月時点のABC部数:36,836部(販売店に届いた新聞部数の総数)
•2021年2月の搬入部数:「広報ながれやま」55,238部(販売店に届いた『広報ながれやま』の総数)
これらのデータを根拠に、最大で約1万8000部が水増しされていた実態があぶりだされた。
さらに、2025年7月12日に折込配布された参院選選挙公報についても、販売店の現場で未開封の束が残っていることを大野氏自身が確認・撮影した。筆者の立ち会いのもとで、販売店責任者からも選挙公報が「大量に余った」との証言を得た。
◆陳情のポイント
大野元市議は、今回の問題を井崎義治(いざき よしはる)市長が掲げる「『1円まで活かす市政』に反する」として、次の対応を求めている。
(陳情理由)
2025年7月執行の参議院選挙にかかわる選挙公報の折込委託手数料は委託先事業者が各販売店の部数を集計し、流山市選挙管理委員会に報告していますが、その部数について一般に使用されている(販売店の)折込定数では、配達されなかった、予備紙(又は押し紙)が含まれている為、実際の配達部数と大きく異なる為、流山市にとっては、余分に手数料を支払う事になります。
折込定数ではなく、月末に発行した領収書の部数を示す「発証数」を基に集計し従来の対応からより実態に近い数字で対応するべきです。それが出来なければ、流山市が掲げてきた、1円まで
活かす市政に反する事になります。そして同時に、販売店に、7月13日、14日に大量の選挙公報が余った事について、調査するべきです。
(陳情項目)
1 選挙公報折込業務委託手数料の基となる部数について、「折込定数」ではなく「発証数」に基づく部数で対応すること。
2 7月12日(日付指定)朝刊折込業務完了後に、一部の販売店で選挙公報が大量に余り、廃棄予定として、山積みになっていた件について委託先事業者に調査を要求する事。
具体的には、①何部余ったのか。②何故大量に余ったのか。③大量に余る事が事前に予想出来なかったのか。④今後の業務委託手配時に大量に余る事を未然に防ぐ事が出来るのか。
【YouTube動画】動画で見る参院選・選挙公報の水増し現場、税金の騙し取りもお咎めなし、新聞人は「知らぬ、存ぜぬ」

2025年7月度のABC部数が明らかになった。それによると、読売新聞は前年同月比で約43万部減、毎日新聞は約27万部減と、大幅な減少に歯止めがかからない状況となっている。
中央紙(朝日、毎日、読売、日経、産経)の合計では、前年同月比で約96万部の減少となった。これは、発行部数28万5千部の京都新聞規模の新聞社が3社ほど消えたのに等しい規模である。
中央紙の発行部数と減少数(前年同月比)
地方紙も発行部数を減らしている。地元に根付いているため中央紙ほどの急落は見られないが、減少傾向に歯止めはかかっていない。次の表は主要な地方紙の2025年7月と2013年12月の発行部数を比較したものである。
◆なぜ、「押し紙」がジャーナリズムの問題なのか?
なお、ABC部数には「押し紙」が含まれているため、減部数がそのまま購読者数の減少を示すわけではない。新聞販売店の経営悪化により「押し紙」の負担に耐えられず、販売網を維持するために新聞社側が「押し紙」を減らした結果も影響している可能性がある。実際には、購読者離れと「押し紙」削減の両方がABC部数を引き下げていると考えられる。
「押し紙」は莫大な販売収入を新聞社にもたらしてきた。たとえば、毎日新聞の場合、2002年度の内部資料に基づく試算では、年間で259億円に達していたとされる。
参考記事:国策としての「押し紙」問題の放置と黙認、毎日新聞の内部資料「発証数の推移」から不正な販売収入を試算、年間で259億円に
公権力(政府や公正取引委員会)が、「押し紙」を黙認したり、逆にメスを入れることをほのめかせば、簡単に新聞の紙面内容に介入できる構図になっている。不正な金額が莫大だから、それが可能になるのだ。
「押し紙」問題を放置したまま新聞ジャーナリズムの再生を語っても、まったく意味をなさないゆえんにほかならない。

「香害」は、横浜副流煙裁判を通じてクローズアップされた。それ以前にも『週刊金曜日』など一部メディアがこの問題を取り上げてきたが、横浜副流煙裁判の中で、「香害を訴える人々のなかに、かなりの割合で精神疾患の人が含まれている」という新しい視点が浮上したのである。
さらに、「香害」が誘発するとされる化学物質過敏症については、従来「不治の病で治療法がない」との説が定着していたが、平久美子医師や舩越典子医師が完治例を報告した。こうして「香害」について再考する必要性が浮上したのである。
◆結果がかけ離れた2つのアンケート結果
「香害」は、市民運動体が主に問題を指摘し、メディアを通じて広く認識されるようになった。その際にひとつの根拠として用いられたのが、アンケート調査である。もちろん学術研究も存在するが、その多くもアンケートに依拠する傾向がある。
たとえば、環境ジャーナリスト・加藤やすこ氏による調査がある。『週刊金曜日』(2024年2月9日)の特集記事「その香り、移しているかもしれません」では、加藤氏が実施したアンケートの結果が紹介されている。
それによれば、回答者600人のうち「家の中に入る人や近隣からの移香・残留によって家の中が汚染される」と答えた人が90.7%に上った。
しかし、このアンケートは「香害」を問題視している人々に配布されたもので、筆者自身もその対象者の一人であった。
調査を主催したのが「香害」に抗議する市民団体であったため、必然的に回答者も「香害」に悩む人が多数を占める。その結果、このような高い数値が示された可能性が高い。ファクトチェックが欠落しており、常識的に考えて妥当とは言い難い数字である。
一方で、「香害をなくす連絡会」(日本消費者連盟)と、超党派の地方議員による「香害をなくす議員の会」も独自に調査を行っている。共同通信(8月20日付)は、その結果を次のように紹介している。
衣料品の洗剤や柔軟剤に含まれる香料の人工化学物質によって小中学生の10.1%が、学校で頭痛や吐き気などの症状に陥った経験があることが20日、学術団体や消費者団体などの調査で分かった。
◆体調不良の原因をすべて「香害」に結び付けた可能性
加藤氏の調査では90.7%、一方「香害をなくす連絡会」の調査では10.1%と、類似したテーマでありながら結果に大きな隔たりがあるのである。
われわれは、その原因を考える必要があるのではないか。筆者の推測だが、回答者が「公害」についてのアンケートだと意識していたため、体調不良の原因をすべて「香害」に結び付けた可能性が高い。しかし、頭痛、吐き気、目まいなどは、化学物質を吸い込まなくても現れることが多い。「香害」が原因と断定する根拠はない。
「香害」が存在すること自体は紛れもない事実である。しかし、その客観的な被害の程度については、より慎重な検証が求められる。まして医師が「香害」を診断する際、患者の自己申告のみに依存する状況は避けなければならない。この点が横浜副流煙裁判を通じて浮き彫りになったのである。そうした意味でも、同裁判は重要な意義を持っていた。
客観的な事実を把握しない限り、問題の解決はありえない。

「押し紙」裁判における発行本社の主張は、もはやパターン化している。それはおおむね次のような内容である。新聞社は、販売店が注文した部数に応じて新聞を搬入しているにすぎず、販売店が実際に配達している部数は知らない。したがって残紙は押し売りの結果ではないので、損害賠償に応じる義務はない、というのである。
しかし、新聞社は販売店の実配部数を把握している。実際、最近の「押し紙」裁判では、厳密な意味での「押し紙」(押し売りが立証できる新聞部数)は存在しないとされる一方で、大量の新聞が残紙になっている事実は認定されるケースが多い。さらに、新聞社の中には、販売店が配達している実配部数を把握していることを示す内部資料を保有しているところもある。
たとえば、朝日新聞、毎日新聞、産経新聞、西日本新聞などがその例である。
【参考記事】朝日新聞の偽装部数は200万部(28%)、実売は10年で3割減って510万部に――2014年度、社内資料より判明
【参考記事】国策としての「押し紙」問題の放置と黙認、毎日新聞の内部資料「発証数の推移」から不正な販売収入を試算、年間で259億円に
【シリーズ産経の残紙1】「反共メディア」の裏面、産経新聞の内部資料を入手、大阪府の広域における「押し紙」の実態を暴露、残紙率は28%
【参考記事】「押し紙」の決定的証拠、西日本新聞の内部資料を公開、佐賀県下の販売店ごとの「押し紙」部数が判明
◆「押し紙」の何が問題なのか?
新聞社は、日本ABC協会や広告代理店に自社の部数を報告している。その部数の中には「押し紙」も含まれている。その結果、折込媒体の配布部数が水増し状態になっている。
特に選挙公報などの公共の折込媒体は、ABC部数に準じて配布枚数を決める商慣行がある。そのため、新聞社が販売店の実配部数を知りながら水増しした部数を関係機関に報告する行為は、詐欺に該当する可能性が高い。
それにもかかわらず、誰もこの商慣行に苦言を呈さない。公的機関も黙認している。その黙認によって「押し紙」制度は維持され、新聞社が莫大な利益を得る構図が温存されているのである。
これでは新聞社として公権力に対峙できるはずがない。

9月1日発売の『ZAITEN』(財界展望新社)は、「朝日新聞『選挙公報』折込で“水増し発覚”」と題する記事を掲載している。執筆は黒薮哲哉で、7月20日に実施された参院選に向けて税金で制作された千葉県版の選挙公報が、「押し紙」とともに廃棄されていた事実を報じたものだ。詳細は同誌をご覧いただきたい。
◆毎日新聞、年間で259億円の「押し紙」収入
筆者が「押し紙」問題を重視するのは、不正に得られる金額が莫大だからである。たとえば毎日新聞では、「押し紙」による不正収入が年間約259億円に上ると推計されている。これは2004年に外部へ流出した内部資料「朝刊 発証数の推移」をもとに試算されたものだ。データ自体は古いが、今日の状況はさらに深刻化している可能性が高いといえる。
【参考記事】「押し紙」を排除した場合、毎日新聞の販売収入は年間で259億円減
◆「押し紙」が黙認されている背景と構造
本来、不正収入が明らかになれば、公正取引委員会や捜査機関が調査に乗り出すべきだ。しかし、日本において「押し紙」が摘発された例はほとんどない。
その理由について筆者は、「政府や権力側が『押し紙』を容認することで新聞社の弱みを握り、結果として紙面内容に暗黙の影響力を及ぼしているのではないか」と仮説を立てる。つまり「押し紙」は単なる販売上の不正にとどまらず、新聞ジャーナリズムの独立性を骨抜きにする構造的問題なのである。不正金額が尋常ではないから、それが可能になるのだ。
弁護士の中には、今だに「押し紙」は1部も存在しないと豪語してきた者がいるが、大変な見当違いである。
2025年08月27日 (水曜日)

選挙公報など、税金で制作された新聞折込媒体を新聞社系の印刷会社が印刷するケースが少なからず存在する。既報のとおり、首都圏の1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)は、いずれもこのケースに該当する。当然、新聞折込の方法を採用すると、「押し紙」がある場合、その部数に応じて折込媒体も廃棄されていることになる。
【参考記事】参院選選挙公報、首都圏で新聞社系が印刷を独占 神奈川新聞は1億4000万円で落札
神奈川県に続き、東京都、千葉県、埼玉県についてもこの問題を検証してみよう。結論を先に言えば、
これら3つの自治体で配布された参院選の選挙公報の印刷を請け負ったのは、毎日新聞グループの東日印刷(株)である。
ただし、千葉については筆者が千葉県選挙管理委員会に問い合わせて判明したことであり、書面による裏付けは入手していない。埼玉県と東京都については、公文書や調査会社の資料など書面による裏付けがある。
入札額は、東京都が1億5204万円、埼玉県が3408万7401円である。このうち東京都のケースでは、東京都選挙管理委員会によれば、印刷作業に(株)読売プリントメディアも加わったとのことである。
なお、選挙公報の配布方法については、千葉県で新聞折込が行われたことが確認されている。社長の西川光昭氏(写真)は、元社会部警視庁記者クラブのキャップである。
【参考記事】動画で見る参院選・選挙公報の水増し現場 税金の騙し取りもお咎めなし 新聞人は「知らぬ、存ぜぬ」

8月20日に東京高裁が判決を下した横浜副流煙事件「反訴」の判決をめぐって、日本禁煙学会の会員である「またも会」(アカウント名)が世論を誘導するとんでもない策略を展開している。判決が認定した作田学理事長による医師法20条違反(無診療による診断書交付を禁止)の認定が行われていないかのような誤解を生む投稿をツイッター上で展開しているのだ。
既報したように、この判決で東京高裁は、作田医師による医師法20条違反を認定した。判決の主旨は、作田医師による医師法20条違反は認定するが、それにより藤井さんが損害を被ったわけではないので、金銭請求は棄却するというものである。ここでいう損害とは、この裁判の争点だった「訴権の濫用」の有無である。
◆◆
「またも会」の手口は、ネット上に判決文を提示する際に、あるテクニックを使って、読者が判決の主旨を誤解して、「医師法20条違反」はなかったかのように誘導する操作である。もっともその操作を意図的にやってのか、それとも偶然なのかはわからないが、偶然にしては、あまりにも低い確率のことが実現された。
そのテクニックに言及するために、まず作田医師の不法行為を認定すると同時に、藤井夫妻の請求を棄却した判決の箇所を引用しよう。「またも会」のツイート上には、この箇所の記述であるテクニックが施されているのだ。読者は、青文字と赤文字で表示した箇所に注意してほしい。文脈が変わる箇所である。
(2)被被告人作田に対する請求について
ア 控訴人は、被控訴人作田による本件診断書①、②の作成交付について、①記載内容の違法性、②無診察の違法(医師法20条違反)、③作成目的の違法がある旨を主張する。
被被告人作田において、被控訴人A子を診察しないで同人についての診断書を作成したことは、医師による診断書作成における医師法20条の規律に反するといい得るものであり、また、被控訴人将登に喫煙を辞めさせるために診断書を作成したことは、診断書作成経過や、その内容の妥当性等も関連し、診断書の趣旨・目的を逸脱すると言う余地もあると言うことができるものの、このことから直ちに、控訴人らの不法行為の被侵害利益に足りる得る利益が侵害されたということはできない。
作田医師が医師法20条には違反したが、藤井夫妻に経済的な損害は与えていないとする主旨の記述である。
ところが「またも会」がXにアップしたスクリーンショットは次のように表示されている。少なくとも筆者をはじめ複数の知人のスマホ上では、次のように表示された。
全文を書き起こしてみると次のようになっている。
(2)被被告人作田に対する請求について
ア 控訴人は、被控訴人作田による本件診断書①、②の作成交付について、①記載内容の違法性、②無診察の違法(医師法20条違反)、③作成目的の違法がある旨を主張する。
被被告人作田において、被控訴人A子を診察しないで同人についての診断書を作成したことは、医師による診断書作成における医師法20条の規律すると言えないことは前記アのとおりであるし、PM2.5測定モニターを交付することを含め、被控訴人作田において、これらの行為を、別件訴訟に根拠がないことを知りながら、別件訴訟の維持のために行ったとうかがわせる事情もない。
ウ したがって、控訴人らの被控訴人に対する損害賠償はいずれも理由がない
この記述は、作田医師による医師法20条違反はなかったことになっている。赤の箇所から以下が画面上で、すり替わって表示されているのだ。
厳密にいえば、判決文の6ページの下から9行目を切り取り、7ページの8行目以下を張り付けた形になっているのだ。繰り返しになるが、それが意図的に行われたかどうは分らない。参考までに、わたしが実験的に偽造したものを下、提示しておこう。上のスクリンショットと同じ構成になる。
スマホではなく、PCで表示しても同じ画面が表示されたが、つなぎ目のカーソルと併せると境界線がみえる。しかし、カソールを操作しながら文面を読み人はおとんどいないだろう。
◆◆
なぜ、X上の表示でこのような現象が起きたのか。Xに複数の図面をアップした場合、最初に表示される枚数が決まっており、それを超えた枚数については、画面をクリックしてはじめて表示される。したがって「またも会」の投稿では画面をクリックすれば全文が読める。このような方法により、公文書を偽造したのではないという言い訳は一応は可能になる。
しかし、画面をクリックしない限り、読者を誤解に導く可能性が高い。従ってまったく問題がないとは言えない。
筆者が「書面内容」に違和感を感じたのは、事前に判決の全文を読んでいたからである。作田医師による医師法20条違反を否定する記述は、どこにも見当たらなかったことを記憶していたからである。
このような「またも会」の投稿を、仲間と思われる人々が拡散した。その中には、元毎日新聞の有名なジャーナリストも含まれている。画面をクリックして全文を表示できれば、判決の主旨を真逆に解釈する危険性があっても、法的に問題はないのか改めて調査したい。

執筆者:執筆者:ロベルト・トロバホ・エルナンデス
コロンビアは現在、危機的な局面に直面している。政治的分極化、治安の悪化、経済危機、そして公的機関への不信感が重なり、深刻な困難をもたらしている。この状況を乗り越えるためには、強固で統一された未来志向のリーダーシップが求められている。
政治的分極化は、扇動的な言辞と合意形成の欠如によって一層深まり、社会の分断を加速させている。
このような状況下において、2026年の大統領選挙はコロンビアの進路を左右する重大な契機である。候補者の中でも、元国家監査長官カルロス・フェリペ・コルドーバ・ララルテは、豊富な経験、具体的な政策提案、分断を回避する姿勢を兼ね備えた人物として浮上し、コロンビア再建の担い手として期待されている。
分極化を映し出した言論が広がる中で、カルロス・フェリペ「パイプ」コルドーバ(黒薮注:「パイプ」は、カルロス・フェリペ・コルドーバ・ララルテ候補のニックネーム)は調和を重視する姿勢が際立っている。2018年から2022年まで監査院長を務めた彼は、人工知能と高度な分析を駆使して腐敗と闘い、国家のために51兆7,000億ペソ以上を回収した。この成果に加え、750件を超える未完成の公共事業を整理・終結させ、公共財源を効率的かつ透明性をもって管理する能力を示した。
パイプ・コルドーバは分断ではなく団結を志向している。過激な言辞で国を分断してきた指導者たちとは対照的に、彼は尊重、堅実さ、そして行動に基づくリーダーシップを掲げる。「コロンビアを再生する」という彼のメッセージは、対立する相手を攻撃するのではなく、国が直面する喫緊の課題に対し実践的な解決策を提示することに重点を置いている。この姿勢は、彼が多様な政治的・社会的セクターをつなぐ架け橋となり得る候補者であることを示している。
パイプ・コルドーバの提案は、コロンビアが抱える主要課題に対し、実践的であり、かつ成果を重視するアプローチを示している。主な取り組みは以下の通りである。
経済回復と税負担の軽減 彼は付加価値税(VAT)を19%から7%に引き下げ、法人所得税を22〜24%へ削減する構造的な税制改革を掲げている。これにより国民の手元に資金を戻し、国内消費を活性化し、雇用を創出する投資を呼び込む狙いである。さらに、45以上の公共機関を統合し、大規模な解雇を回避しながら、90〜100兆ペソの節約を目指す。監査院で数兆ペソを回収した経験が、国家資源の最適化に対する彼の実績を裏付けている。
安全保障:強硬かつ技術的アプローチ 安全保障においては、犯罪組織に対する「ゼロ・トレランス(徹底排除の方針)」政策を掲げ、武装解除、収監、または治安部隊との対峙という三つの選択肢を提示する。ナイブ・ブケレ(黒薮注:エルサルバドルの大統領で、急進的な犯罪対策を断行している)のモデルを参照しつつも、コロンビアの現実に即した政策を採用する。具体的には、受刑者が自らの収容費を労働によって賄う自給自足型のメガ刑務所を建設する構想を持つ。また、ドローン、顔認証カメラ、人工知能、各種センサーを導入し、治安部隊の増強と並行して監視体制を強化する方針である。
腐敗との戦い 腐敗はコロンビアに長く根を下ろした悪弊であり、パイプ・コルドーバはその克服において確かな実績を積んできた。監査長官在任中には、未完成の公共事業から24兆5,000億ペソを回収し、ヒドロイトゥアンゴ事件(黒薮注:2018年に建設中だったた大型水力発電ダムで起きた大災害。)では4兆3,000億ペソを取り戻した。彼の提案には、人工知能をはじめとする先端技術の活用によって、公共財の管理を透明化する仕組みが盛り込まれている。
社会危機への対応 食料不安に苦しむ1,600万人の国民に対処するため、パイプ・コルドーバは食料緊急事態の宣言と、コミュニティ食堂の強化を訴えている。保健分野では、予防に重点を置き、スマートブレスレットや遠隔でのバイタルサイン監視(黒薮注:モニタリングを通じた遠隔医療制度)といった施策を推進する方針だ。これは、母親が適切な医療を受けられずに命を落としたという個人的な経験に基づく発想である。
インフラと教育 パイプ・コルドーバは、ブエナベンチュラと内陸部を結ぶ鉄道網の欠如を厳しく批判し、国内外の民間投資を呼び込み、経済を活性化させるインフラプロジェクトの推進を提案する。教育においては、大学への公平なアクセスを保障し、若者が学業を中断しないようICETEXを含む教育政策の抜本的な見直しを主張している。
リーダーとしての資質 カルロス・フェリペ「パイプ」コルドーバは、2026年にコロンビアが必要とする大統領となり得る人物である。監査官としての経験、分極化を回避する姿勢、政治的セクター間を橋渡しする能力は、国を効果的に回復へ導くリーダーの資質を証明している。他の候補者が分断の道に陥る中、彼は団結、信頼、具体的行動に基づくプロジェクトを提唱し、党派を超えたリーダーシップを体現している。
腐敗対策、安全保障、そして保健分野におけるテクノロジーの重視は、21世紀の課題に即した現代的なビジョンを示す。また、国民の生活に寄り添い共感する姿勢は、彼を親しみやすい指導者として位置づけている。
結び パイプ・コルドーバは、空虚な約束や不毛な分裂に疲弊した国民の希望を実現する候補者である。確かな実績、実践的な解決への意志、そして二極化に抗う姿勢によって信頼を勝ち取り、コロンビアをより豊かで安全な未来へと導くことができる存在だ。
現在の危機が必要とするのは、約束するだけでなく実行するリーダー、分断ではなく団結を築くリーダー、即興ではなく計画に基づくリーダーである。カルロス・フェリペ「パイプ」コルドーバは、その経験、提案、そして調和を重んじる姿勢によって、まさにそのリーダーとなる可能性を持つ。彼が描く「安全・経済・制度への信頼を優先する国家」のビジョンは、コロンビア再生の明確な道筋を示している。
2026年、コロンビア国民は新たな未来を選ぶ機会を手にする。成果を重視し、団結を掲げるリーダーが存在するからこそ、我々は胸を張って言える――「私はコロンビアを信頼する」と。
筆者紹介
ロベルト・トロバホ・エルナンデス。
AL PRESS代表(CEO)、世界ジャーナリスト会議(WJC)ラテンアメリカ・カリブ地域ディレクター。
Colombia atraviesa momentos críticos. La polarización política, el deterioro de la seguridad, la crisis económica y la desconfianza en las instituciones han generado un panorama desafiante que exige un liderazgo sólido, unificador y con visión de futuro.
La polarización política, exacerbada por discursos incendiarios y una falta de consenso entre sectores, ha fragmentado a la sociedad colombiana.
En este contexto, las elecciones presidenciales de 2026 representan una oportunidad crucial para cambiar el rumbo de Colombia. Entre los precandidatos, Carlos Felipe Córdoba Larrarte, excontralor general de la República, emerge como una figura que combina experiencia, propuestas concretas y un enfoque no polarizante, proyectándose como un líder capaz de lograr una recuperación efectiva para Colombia.
En medio de un panorama donde la polarización ha dominado el debate público, Carlos Felipe “Pipe” Córdoba se destaca por su enfoque conciliador. Su trayectoria como excontralor general (2018-2022) le permitió recuperar más de 51,7 billones de pesos para el Estado, gracias al uso de inteligencia artificial y analítica avanzada para combatir la corrupción. Este logro, sumado a la finalización de más de 750 obras inconclusas, demuestra su capacidad para gestionar recursos públicos con eficiencia y transparencia.
Pipe Córdoba no busca dividir, sino unir. A diferencia de líderes que han polarizado al país con discursos incendiarios, Pipe propone un liderazgo basado en el respeto, la firmeza y la acción. Su mensaje de “recuperar a Colombia” no se centra en atacar a sus oponentes, sino en ofrecer soluciones prácticas para los problemas más urgentes del país. Esta postura lo muestra como un candidato que puede tender puentes entre sectores políticos y sociales.
Las propuestas de Pipe Córdoba abordan los principales desafíos de Colombia con un enfoque práctico y basado en resultados. A continuación, se destacan sus iniciativas más relevantes:
Recuperación Económica y Alivio Fiscal Pipe Córdoba propone una reforma tributaria estructural que reduzca el IVA del 19% al 7% y baje el impuesto de renta empresarial a un rango de 22-24%. Es decir: “plata en el bolsillo” de los colombianos, estimular el consumo interno y atraer inversiones para generar empleo. Además, plantea fusionar más de 45 entidades públicas, ahorrando entre 90 y 100 billones de pesos sin recurrir a despidos masivos. Su experiencia en la Contraloría General, donde recuperó billones de pesos, respalda su capacidad para optimizar los recursos del Estado.
Seguridad con Firmeza y Tecnología En materia de seguridad, Pipe Córdoba aboga por una política de “cero tolerancias” con los grupos criminales, proponiendo tres caminos: desmovilización, cárcel o enfrentamiento con la Fuerza Pública. Inspirado en el modelo de Nayib Bukele, pero adaptado al contexto colombiano, quiere construir megacárceles autosostenibles donde los presos trabajan para costear su estadía, sin vulnerar derechos humanos. También propone incorporar drones, cámaras de reconocimiento facial, inteligencia artificial y sensores para fortalecer la vigilancia, de la mano con el aumento de la fuerza pública.
Lucha contra la Corrupción, La corrupción ha sido un flagelo histórico en Colombia, y Pipe Córdoba tiene un historial probado en este frente. Durante su gestión como Contralor, recuperó más de 24,5 billones de pesos en obras inconclusas y 4,3 billones en el caso de Hidroituango. Su propuesta incluye el uso intensivo de tecnología, como inteligencia artificial, para garantizar la transparencia en el manejo de los recursos públicos.
Atención a la Crisis Social Para abordar la inseguridad alimentaria que afecta a 16 millones de colombianos, Pipe Córdoba propone declarar una emergencia alimentaria y fortalecer los comedores comunitarios. En salud, su enfoque se centra en la tecnología preventiva, con iniciativas como manillas inteligentes y monitoreo remoto de signos vitales, inspirados en su experiencia personal tras la pérdida de su madre por falta de atención médica oportuna.
Infraestructura y Educación Pipe Córdoba critica la ausencia de trenes de cercanías y de carga que conecten regiones como Buenaventura con el interior del país. Propone incentivar la inversión privada nacional e internacional para desarrollar proyectos de infraestructura que impulsen la economía. En educación, aboga por garantizar el acceso a la universidad y revisar políticas como las del Icetex para evitar que los jóvenes abandonen sus estudios.
Felipe “Pipe” Córdoba tiene el potencial de ser el presidente que Colombia necesita en 2026. Su experiencia como Contralor, su enfoque no polarizante y su capacidad para tender puentes entre sectores políticos lo convierten en un líder idóneo para liderar una recuperación efectiva. A diferencia de otros candidatos que caen en la polarización, Pipe Córdoba ofrece un proyecto basado en la unidad, la confianza y la acción concreta; mostrando un liderazgo que trasciende los intereses partidistas. Su énfasis en la tecnología, tanto en la lucha contra la corrupción como en la seguridad y la salud, refleja una visión moderna y adaptada a los desafíos del siglo XXI. Y su capacidad para conectarse con las necesidades de los colombianos lo posiciona como un líder empático y cercano.
Pipe Córdoba es el candidato que representa la esperanza de un país cansado de promesas vacías y divisiones estériles. Su trayectoria de resultados, su enfoque en soluciones prácticas y su rechazo a la polarización lo convierten en una figura que puede inspirar confianza y liderar a Colombia hacia un futuro más próspero y seguro.
La crisis actual exige un liderazgo que no solo prometa, sino que cumpla; que no divida, sino que una; que no improvise, sino que planifique. Carlos Felipe “Pipe” Córdoba, con su experiencia, sus propuestas concretas y su enfoque no polarizante, tiene el potencial de ser ese líder. Su visión de un país donde la seguridad, la economía y la confianza en las instituciones sean prioridades ofrece un camino claro hacia la recuperación de Colombia.
En 2026, los colombianos tendrán la oportunidad de elegir un futuro diferente. Con un líder como Pipe Córdoba, que ha demostrado resultados tangibles y que apuesta por la unidad, podemos decir con convicción: Yo sí confío en Colombia.

執筆者:弁護士 江上武幸(福岡・佐賀押し紙弁護団、文責)2025年8月21日
井戸謙一・樋口英明両元裁判官が今年6月に旬報社から共著『司法が原発を止める』を刊行されました。これを契機に、司法の独立・裁判官の独立をめぐる議論が再び活発化しています。
*瀬木比呂志元裁判官が『絶望の裁判所』(講談社)を刊行したのは2014年2月、生田輝雄元裁判官が『最高裁に「安保法」違憲を出させる方法』(三五館)を刊行したのは2016年5月です。なお、岡口基一元裁判官は現在もFacebookで最新状況を発信し続けています。
押し紙裁判においても、審理途中で不可解な裁判官交代があったり、販売店側の敗訴判決に類似性・同一性が認められることなどから、最高裁事務総局による報告事件指定がなされているのではないかとの疑念があります。
憲法76条3項は「すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される」と定め、81条は「最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するか否かを決定する権限を有する終審裁判所である」と規定しています。
このように、日本国憲法は裁判官の独立と違憲立法審査権を明確に定めていますが、実際に裁判の場で法令の無効を宣言するには、裁判官に相当の勇気が求められるのが現実です。
裁判官の独立を妨げる圧力や、さまざまなしがらみについて、少し考えてみたいと思います。
◆『新しい憲法のはなし』
私は憲法学者・故丸山健先生の教えを受けた者ですが、日本国憲法は当時も今も世界の最先端を行く憲法だと考えています。日本人300万人、アジア諸国民2000万人もの尊い命を奪った先の大戦の反省に立ち、国民主権・基本的人権の尊重・平和主義の三原則を掲げ、前文で「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意する」と宣言した日本国憲法は、「押し付け憲法」などと軽々しく呼べるものではありません。
旧文部省は新制中学生向けに『新しい憲法のはなし』と題する社会科教科書を制作し、将来を担う子どもたちに日本国憲法の精神を身につけさせようとしました。
しかし、冷戦の始まりと朝鮮戦争の勃発を受け、アメリカは日本の民主化政策を転換し、再軍備を進めることになりました。ところが、憲法第9条は武力放棄を定めているため、A級戦犯を釈放し、憲法改正を党是とする政党を設立させ、「押し付け憲法」というレッテルを貼ることで新憲法の精神が日本国民に根付かないように仕向けました。
その結果、日本国民は共通の価値観・倫理観・道徳観を十分に形成できないまま今日に至っています。
世界を見渡しても、外国軍が平時に駐留し続けている国は日本以外に例がありません。戦後80年が経過してもなお、アメリカの影響下から脱しきれない日本の政治の貧困が「失われた30年」を生み出したといっても過言ではありません。
しかし、ネット社会の普及により、日本が真の意味で独立国とはいえないことが徐々に明らかになり、若者はそのような不甲斐ない国をつくってきた旧来型政治家に見切りをつけ、大胆な変革を掲げる新興政党の指導者に期待を寄せているように見えます。
日本の司法もまた、その根幹はアメリカの影響下に置かれてきました。その一例を、以下の出来事から見てみたいと思います。
◆砂川事件
1957年(昭和32年)、米軍立川基地への立ち入りをめぐり学生らが逮捕・起訴される事件が発生しました。いわゆる砂川事件と呼ばれる米軍基地反対運動です。東京地裁は1959年(昭和34年)3月、政府による米軍駐留の容認は戦力不保持を定めた憲法に違反するとして無罪判決を言い渡しました。この判決は裁判長の名をとって「伊達判決」と呼ばれています。伊達判決を受け、法務省幹部(検察)と最高裁は大慌てしました。なぜなら、日米安保条約はアメリカによる日本支配の法的根拠であり、その条約を憲法違反と判断した地裁判決を看過することはできなかったからです。
検察は高裁を飛ばし最高裁へ跳躍上告しました。当時の最高裁長官・田中耕太郎氏は、駐日アメリカ大使ダグラス・マッカーサー2世や公使らと非公式に会談し、伊達判決は誤りであると述べ、破棄差戻しを約束しました。
最高裁は同年12月16日、大法廷において一審判決を破棄し、東京地裁に差戻しを命じました。差戻し審を担当したのは、後に最高裁事務総長・最高裁判事となる岸盛一氏です。岸氏は、青年法律家協会所属の裁判官を排除する、いわゆる「ブルーパージ」の実務を担った裁判官としても知られています。
なお、田中耕太郎氏は、砂川事件差戻し判決の翌年1960年(昭和35年)、アメリカの支持を得て国際司法裁判所判事選挙に立候補し、同裁判所の判事に任命されています。
*田中耕太郎氏の経歴等は、必要に応じて各自ご確認ください。
最高裁が伊達判決を破棄・差戻しするために考案した法理論は、後に「統治行為論」と呼ばれるものです。
記
「安保条約の如き、主権国としての我が国の存立の基礎に重大な関係を持つ高度の政治性を有するものが、違憲であるか否かの法的判断は、純司法的機能を使命とする司法裁判所の審査に原則としてなじまない性質のものであり、それが一見極めて明白に違憲無効であると認められない限りは、裁判所の司法審査権の範囲外にあると解するを相当とする。」
「安保条約(またはこれに基づく政府の行為)が違憲であるか否かが、本件のように(行政協定に伴う刑事特別法第2条が違憲であるか)前提問題となっている場合においても、これに対する司法裁判所の審査権は前項と同様である。」
「安保条約(およびこれに基づくアメリカ合衆国軍隊の駐留)は、憲法第九条、第九八条第二項および前文の趣旨に反して違憲無効であることが一見極めて明白であるとは認められない。行政協定は特に国会の承認を経ていないが違憲無効とは認められない。」
この最高裁大法廷判決以降、日米安保条約に基づく米軍の駐留や軍人・軍属、基地に関する訴訟において、裁判官が安保条約の違憲判断を示すことは事実上できなくなりました。
私は、ある裁判官から「沖縄県の裁判官人事は福岡高裁を経由せず、最高裁事務総局が直接行っている」と聞いたことがあります。その理由は、沖縄で発生する米軍関係事件において安保条約違憲判決を出す裁判官が現れることを防ぐため、とのことでした。
◆大阪空港騒音訴訟
二番目の事例は大阪空港騒音訴訟です。
1969年、大阪空港周辺の住民は、航空機の騒音・振動による被害を理由に、午後9時以降の夜間飛行差止めと損害賠償を求めて国を提訴しました。
1974年、大阪地裁は午後10時以降の飛行禁止と過去分の損害賠償を認め、大阪高裁も1975年に午後9時以降の飛行禁止と将来分の損害賠償を認める全面勝訴判決を言い渡しました。
この上告審は、刑法学の権威である団藤重光元東大教授が所属する第一小法廷に係属し、1978年5月に結審、その秋に判決が予定されていました。ところが同年7月、国から大法廷への回付申請があり、 岸上裁判長が岡原昌男最高裁長官に相談していたところ、村上朝一前最高裁長官から電話が入り、大法廷への回付が決まったのです。
上告から6年余り経過した1981年12月、最高裁大法廷は大阪高裁判決を破棄し、夜間飛行差止め請求を却下、過去の損害賠償のみを認める判決を下しました。
この重大な経緯は、龍谷大学に保管されていた団藤重光教授の日記に記されており、2023年4月15日放送のNHK番組『誰のための司法か~団藤重光 最高裁・事件ノート』で初めて公にされました。
◆裁判官の独立を脅かす構造
原発訴訟や諫早湾干拓事業開門訴訟など、国政の根幹に触れる裁判については、担当裁判官に対し、様々な形で干渉・情報収集・人事配置による圧力が及んでいるとしても不思議ではありません。
近年では三人合議体においても、経験年数や年齢差、上下関係などの影響で自由闊達な議論が難しくなっていると言われます。黒い法服の裁判官3人が、裁判長を先頭に一列で廊下を移動する姿は、裁判官間の序列を象徴する異様な光景です。
私自身、大阪高裁での読売新聞販売店押し紙訴訟控訴審判決の際、代理人席に着席する前に裁判長が「控訴棄却」を告げ、陪席裁判官とともに退廷してしまった経験があります。その高圧的な態度に私は唖然としました。
また、西日本新聞長崎販売店押し紙訴訟判決(福岡高裁)では、前の2件の判決では型どおりの「本件控訴を棄却する」とだけ告げたのに対し、私どもの事件では「主文1」と言ってから棄却を告げるという、いたずらのようなやり方でした。私は一瞬勝訴かと思いましたが、すぐに肩透かしをくらった形で、不快感を覚えました。
◆裁判官人事と独立の限界
高裁裁判長クラスは65歳定年に近い年齢が多く、私より10歳ほど若い世代です。私の同期には最高裁長官や高裁長官になった者もいますが、結局はそうした裁判官を生み出してしまったのが私たちの世代でもあります。
現在はウェブ裁判が普及し、画面上では裁判官も代理人も当事者も同じ目線の高さで映し出されます。そろそろ、法廷においても裁判官席を弁護人席や傍聴席と同じ高さに設置する時代に移行すべきではないでしょうか。
憲法は裁判官の独立を保障していますが、下級裁判所裁判官は最高裁が指名した名簿に基づき内閣が任命し、任期は10年と定められています。したがって、裁判官志望者は任命や再任を意識し、無意識のうちにも最高裁の顔色を窺う傾向が生じます。
1971年には23期司法修習生のうち裁判官希望者7名が任官を拒否される事件が発生しました。理由説明を求めた坂口徳雄修習生は罷免され、さらに宮本康昭裁判官の再任拒否や、青法協加入裁判官への脱退工作によって、憲法擁護派裁判官は急速に減少しました。これは最高裁事務総局と司法研修所当局による「ブルーパージ」とされ、司法の独立を内部から踏みにじる暴挙でした。この時、司法の自律は実質的に崩壊したといえるでしょう。
私たち29期修習生はその6年後に司法研修を受けました。東大紛争を知る最後の世代でもありましたが、1971年のブルーパージの影響で、裁判官・検察官志望と弁護士志望が憲法三原則について腹を割って議論する空気は失われていました。
それでも、実務修習の1年間は同じ釜の飯を食う関係が築かれ、進路が分かれても同期の法曹として対等なつきあいが続きました。
ところが、その後、法曹養成制度は大きく変質しました。ロースクール設置、司法試験制度の変更、修習期間の短縮、給費制廃止、さらに弁護士事務所の法人化や宣伝自由化など、日本の風土にはなじまないアメリカ型の司法制度が導入されたのです。
これはアメリカの年次報告書に基づく司法制度改革要求を、日本が無条件に受け入れた結果でした。そして今では、それが誤りであったことを多くの人が認識するようになっていると思います。
次回の投稿では、アメリカの年次報告書に基づく司法制度改革が日本の司法界をどのように変質させたのか、その感想を述べたいと思います。

執筆者:ロベルト・トロバホ・エルナンデス
変貌し続ける地政学の舞台で、アメリカのドナルド・トランプ大統領がロシアのウラジーミル・プーチン大統領、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領、そして複数のヨーロッパ指導者らと行った最近の会談は、世界の注目を集めている。
これらの首脳会談は、過去10年にわたって続くロシアとウクライナの戦争に終止符を打とうとする大胆かつ物議を醸す試みといえる。
では、これらの会談は何を意味するのか。和平への進展から私たちは何を期待できるのか。そして何よりも、ウクライナ、ヨーロッパ、さらには国際秩序にとって、どのような点が重要となるのか。
本稿では、会談の内容とその意味合い、さらに紛争の行方を左右しうる合意の可能性を探っていく。
◆終わりが見通せない紛争
ロシアが2014年にクリミアを併合し、その後ドンバス地方の分離主義勢力を支援して以来、ウクライナでの戦争は国際的な緊張の焦点となってきた。2022年の大規模侵攻は事態を壊滅的な段階へと押し上げ、数千の命が奪われ、都市は破壊され、かつてない人道危機が生じた。
現在、ロシアはウクライナ領のおよそ20%を支配している。しかしウクライナの抵抗と西側諸国の支援により、その進軍は当初の計画ほど順調には進んでいない。
とはいえ、人命や経済の犠牲は両国にとって限界に達しつつあり、外交的解決を求める圧力は日増しに高まっている。
こうした中、第2期政権をスタートさせたばかりのトランプ大統領は、自らを「調停者」と位置づけた。彼は2024年の大統領選挙で戦争終結を公約しており、今回の外交的動きはその延長にある。ただし、その手法は期待と同時に疑念も呼んでいる。停戦に対する姿勢の変化や、一部でロシア寄りに見える立場が議論の的となっているのだ。
◆トランプとプーチン、初めての直接会談
2025年8月15日、トランプ大統領はアラスカ州アンカレッジのエルメンドルフ=リチャードソン統合基地でプーチン大統領と会談した。これは第2期政権発足後、両首脳にとって初の本格的な会談であり、ウクライナ戦争をめぐる重要な節目となった。
トランプは会談を「非常に生産的」で「大きな前進があった」と評したが、停戦に関する具体的な合意には至らなかった。一方プーチンは、あらゆる合意はロシアの利益に沿う包括的なものでなければならないと主張し、その中にはクリミアやドンバスなど占領地域の承認も含まれている。
また、ゼレンスキー大統領が会談から外されたことはウクライナやヨーロッパで強い批判を招いた。多くの人々は、トランプがウクライナの利益を軽視し、プーチンの要求を受け入れるのではないかと懸念している。さらに、トランプがプーチンを「文字通りレッドカーペット」で迎えたことは、クレムリンの外交的勝利と受け止められ、国際舞台でプーチンの立場を正当化する戦略とみられた。
そして何よりも、トランプの言う「前進」が具体的に示されなかったため、この会談が平和への一歩だったのか、それとも単なる政治的パフォーマンスにすぎなかったのか、世界中で憶測を呼ぶこととなった。
◆安全保障の保証を求めて
8月15日の「アラスカ会談」から3日後の8月18日、ホワイトハウスで異例の会合が開かれた。トランプ大統領は、ウクライナのゼレンスキー大統領に加え、英国のキア・スターマー首相、フランスのエマニュエル・マクロン大統領、ドイツのフリードリヒ・メルツ首相、イタリアのジョルジャ・メローニ首相、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長、フィンランドのアレクサンデル・スタッブ大統領、そしてNATOのマルク・ルッテ事務総長らヨーロッパの指導者団を迎えた。この会合は「アラスカ会談」で欧州が蚊帳の外に置かれることへの懸念に応える形で緊急に設定された。
今回の雰囲気は、2025年2月のトランプ=ゼレンスキー会談よりもはるかに和やかだった。当時はウクライナ大統領が米国への「感謝」を十分に示さなかったと批判を浴びたが、今回はゼレンスキーが妻オレナからメラニア・トランプへの手紙を託すなど、外交的な配慮を見せた。欧州の指導者たちもトランプのリーダーシップを称賛しつつ、停戦の必要性やウクライナへの強固な安全保障の保証を強調した。
議論の焦点は安全保障の確約だった。ゼレンスキーは今後のロシア侵略を防ぐために「実効性ある保証」が不可欠だと訴え、欧州諸国もこれを支持。NATO条約第5条(「一国への攻撃は全加盟国への攻撃と見なす」)に類似した仕組みを提案した。トランプも大きな態度の変化を見せ、米軍を平和維持部隊として派遣する可能性を排除しなかった。これはゼレンスキーに一定の譲歩を促す余地を作るものともなり得る。
ただし、トランプが「停戦よりもまず和平合意を優先すべきだ」と主張し、ロシアの立場に歩調を合わせたため、欧州同盟国との間には摩擦も生じた。
◆交渉のテーブルにあるものは?
こうしたやりとりを経て、トランプ、プーチン、ゼレンスキーによる三者会談の可能性が浮上した。これはトランプが主導して進めている構想である。
彼は、まずプーチンとゼレンスキーの二者会談を実現させ、その後に自身も加わる三者会談を開く計画を公表した。クレムリンは公式に確認していないが、ゼレンスキーは「真剣な交渉の枠組みが整うのであれば」プーチンとの会談に応じる意向を示した。
しかし和平への道には依然として大きな障害が横たわっている。
◆領土問題のジレンマ
ロシアはクリミアやドンバスの一部地域の支配を手放さない姿勢を崩していない。一方、ウクライナは武力で奪われた領土を譲ることは到底受け入れられない立場だ。トランプは過去に「ウクライナが一部領土を放棄せざるを得ない可能性」に言及したことがあり、この発言はキエフや欧州で強い反発を招いた。領土放棄を前提とする合意は、将来ロシアがさらなる領土拡大を狙う危険な前例となりかねない。
◆安全保障の確約
ウクライナも欧州各国も、今後の侵略から国を守るために強固な安全保障が不可欠だと主張している。NATO条約第5条に似たモデルは魅力的だが、ロシアはNATOの影響拡大を脅威と見なし強く反発している。トランプは米国と欧州が共同で保証を与える可能性に言及したが、ワシントンがどこまで関与する意思を持つのかは依然として不透明である。
◆停戦をめぐる対立
交渉を始める前に停戦を行うべきかどうかが大きな争点となっている。ゼレンスキーと欧州の指導者たちは「停戦こそが対話の前提条件だ」と主張する一方、トランプとプーチンは「まず包括的な和平合意を優先すべきだ」との立場を取っている。この溝は進展を妨げる要因となり、特にロシアが戦場で優位にあると自認している場合、姿勢が一層硬化する恐れがある。
◆各当事者の思惑
プーチンは、占領地域の支配を固めると同時に、東欧におけるNATOの影響力を弱めようとしている。ゼレンスキーにとって最重要課題は、ウクライナが主権国家として存続可能であり続けることだ。欧州の指導者たちは、ロシアに過度に有利な合意が大陸全体の安全保障を不安定化させることを懸念している。
一方、トランプは「成功した仲介者」としてのイメージを打ち出したい意向が強い。しかし、過去に繰り返されてきた方針転換の経歴が、彼が長期的に一貫した関与を維持できるのかという疑念を生んでいる。
◆シナリオの行方
和平プロセスは大きく3つの方向に分かれる可能性がある。
楽観的シナリオ:交渉による合意
停戦や安全保障の保証をめぐる対立を克服できれば、限定的な領土譲歩と強固な安全保障を組み合わせた合意に至る可能性がある。たとえば、ウクライナがクリミアの喪失を認める代わりに、NATOによる安全保障やロシアの不侵略の約束を得るといった形だ。トランプにとっては外交的勝利となり、国際的な立場を強化できる。ただし、プーチンが過大な要求を控えること、ゼレンスキーが国民の反発を抑えながら領土損失を受け入れる覚悟を持てるかが鍵となる。
中間的シナリオ:一時的な停戦
包括的な合意に至らずとも、暫定的な停戦が実現すれば、捕虜交換や人道支援の提供など限定的な進展が期待できる。ただし、明確な和平合意を伴わなければ、この停戦は脆弱であり、軍事的優位を感じた側が再び戦闘を再開するリスクが残る。
悲観的シナリオ:膠着またはエスカレーション
交渉が完全に停滞すれば、戦争は膠着状態に陥るか、あるいは逆に激化する可能性がある。この場合、和平は遠のき、人道危機はさらに深刻化する恐れがある。
◆トランプ:仲介者か、それとも攪乱者か
このプロセスにおけるトランプの役割は中心的だが、そのアプローチは賛否を呼んでいる。
プラスの面では、プーチンやゼレンスキーと直接対話し、さらに欧州の指導者たちを招集する姿勢は、外交の行き詰まりを打破する可能性を秘めた大胆なリーダーシップの表れといえる。
しかし一方で、停戦に対する立場の変化やプーチンへの接近が強調されることで、「公正な合意」よりも「迅速な合意」を優先するのではないかという懸念も根強い。欧州の指導者たちは米国をNATOの利益に沿わせ続けようと懸命であり、ゼレンスキーもワシントンの支援を失わないよう、より融和的な姿勢を取るようになっている。
◆見通しはどうか?
トランプが主導した一連の会談は、ウクライナ戦争解決を模索するうえで重要な転換点となった。ロシアとウクライナ首脳による直接交渉の可能性を開いたものの、停戦、領土問題、安全保障の保証といった課題は依然として大きな障害として残っている。
このプロセスの成否は、ロシアの要求、ウクライナの必要、ヨーロッパの利益という三者のバランスを取れるかどうか、そして「仲介者としてのトランプ」という不確実性を克服できるかにかかっている。
ウクライナ戦争は単なる地域紛争ではなく、国際秩序そのものへの挑戦である。その解決は今後数十年にわたり世界に影響を及ぼすだろう。世界は今、希望と警戒心を抱きながら、この外交努力がウクライナに安堵を、ヨーロッパに安定をもたらす結末へとつながることを期待している。しかし、地政学の盤上は常に動いており、次の一手が情勢を一変させる可能性を秘めている。
筆者紹介
ロベルト・トロバホ・エルナンデス。
AL PRESS代表(CEO)、世界ジャーナリスト会議(WJC)ラテンアメリカ・カリブ地域ディレクター。
【出典】Paz o Poder
En un mundo donde la geopolítica parece un tablero de ajedrez en constante movimiento, las recientes reuniones del presidente de Estados Unidos, Donald Trump, con el líder ruso Vladimir Putin, el presidente ucraniano Volodímir Zelensky y varios líderes europeos han captado la atención global.
Estas cumbres representan un intento audaz —y controvertido— de avanzar hacia la resolución de un conflicto que ha marcado a fuego la última década: la guerra entre Rusia y Ucrania.
Pero, ¿qué significan estas reuniones? ¿Qué podemos esperar de un posible proceso de paz? Y, sobre todo, ¿qué está en juego para Ucrania, Europa y el orden internacional?
A continuación, exploremos estos encuentros, sus implicaciones y las posibles trayectorias hacia un acuerdo que podría cambiar el rumbo del conflicto.
Conflicto que no da tregua
Desde que Rusia anexó Crimea en 2014 y apoyó a los separatistas en el Donbás, la guerra en Ucrania ha sido un punto de tensión global. La invasión a gran escala de 2022 elevó el conflicto a un nivel devastador, con miles de vidas perdidas, ciudades destruidas y una crisis humanitaria sin precedentes.
Rusia controla actualmente alrededor del 20% del territorio ucraniano, aunque su avance ha sido más lento de lo previsto gracias a la resistencia ucraniana y el respaldo occidental.
Sin embargo, el costo humano y económico para ambas partes es insostenible, y la presión por encontrar una solución diplomática crece día a día.
En este escenario, Donald Trump, recién iniciado su segundo mandato, ha asumido el rol de mediador autoproclamado. Durante su campaña presidencial de 2024, prometió poner fin a la guerra, y sus recientes movimientos diplomáticos reflejan ese compromiso. Empero, su enfoque ha generado tanta esperanza como escepticismo, especialmente por su cambio de postura sobre la necesidad de un alto el fuego y su aparente alineación con algunos puntos de vista rusos.
Trump y Putin cara a cara
El 15 de agosto de 2025, Trump se reunió con Vladimir Putin en la Base Conjunta Elmendorf-Richardson en Anchorage, Alaska. Esta fue la primera reunión significativa entre ambos líderes desde el inicio del segundo mandato de Trump, y marcó un momento clave en los esfuerzos por abordar la guerra en Ucrania.
Según Trump, la cumbre fue “extremadamente productiva” y se lograron “grandes avances”, aunque no se llegó a un acuerdo concreto sobre un alto el fuego. Putin, por su parte, mantuvo su postura de que cualquier acuerdo debe ser integral y alineado con los intereses de Moscú, lo que incluye el reconocimiento de los territorios ocupados, como Crimea y el Donbás.
El encuentro no estuvo exento de controversia. La exclusión de Volodímir Zelensky de la cumbre generó críticas tanto en Ucrania como en Europa, donde muchos temían que Trump pudiera ceder a las demandas de Putin sin considerar los intereses ucranianos. Además, la cálida recepción que Trump ofreció a Putin —descrita como una “alfombra roja” literal— fue vista por algunos como un golpe diplomático del Kremlin, legitimando su posición en el escenario internacional.
La falta de detalles concretos sobre los “avances” mencionados por Trump dejó al mundo especulando sobre si estas conversaciones fueron un paso hacia la paz o simplemente una maniobra para fortalecer la imagen de ambos líderes mundiales.
Búsqueda de garantías
Tres días después, el 18 de agosto, la Casa Blanca fue escenario de una reunión sin precedentes. Trump recibió a Volodímir Zelensky junto a una delegación de líderes europeos, incluidos el primer ministro británico Keir Starmer, el presidente francés Emmanuel Macron, el canciller alemán Friedrich Merz, la primera ministra italiana Giorgia Meloni, la presidenta de la Comisión Europea Úrsula von der Leyen, el presidente finlandés Alexander Stubb y el secretario general de la OTAN, Mark Rutte. Este encuentro, descrito como una respuesta urgente a la cumbre de Alaska, reflejó la preocupación de Europa por no quedar al margen de las negociaciones.
El tono de la reunión fue notablemente más cordial que el encuentro anterior entre Trump y Zelensky en febrero de 2025, cuando el líder ucraniano fue criticado por no mostrar suficiente “gratitud” por la ayuda estadounidense. Esta vez, Zelensky llegó con un gesto diplomático: una carta de su esposa, Olena Zelenska, para Melania Trump, buscando suavizar las tensiones. Los líderes europeos, por su parte, elogiaron el liderazgo de Trump, aunque no sin subrayar sus propias prioridades, como la necesidad de un alto fuego y garantías de seguridad robustas para Ucrania.
Un punto central de la discusión fue el tema de las garantías de seguridad. Zelensky insistió en que cualquier acuerdo debe incluir “garantías reales” para evitar futuras agresiones rusas, una postura respaldada por los líderes europeos, quienes propusieron un modelo similar al Artículo 5 de la OTAN, que considera un ataque a un miembro como un ataque a todos. Trump, en un giro significativo, no descartó la posibilidad de enviar tropas estadounidenses a Ucrania para mantener la paz, una idea que podría facilitar que Zelensky aceptara ciertas concesiones.
Sin embargo, su rechazo a priorizar un alto el fuego inmediato, alineándose con la postura rusa de que un acuerdo de paz debe preceder a cualquier cese de hostilidades, generó fricciones con los aliados europeos.
¿Qué está sobre la mesa?
Las reuniones han abierto la puerta a una posible cumbre trilateral entre Trump, Putin y Zelensky, una idea que el presidente estadounidense ha promovido activamente.
Trump anunció que ya está organizando un encuentro bilateral entre Putin y Zelensky, seguido de una reunión trilateral en la que él participaría.
Aunque el Kremlin no ha confirmado oficialmente esta iniciativa, Zelensky expresó su disposición de reunirse con Putin, siempre que se garantice un marco de negociación serio.
Sin embargo, las perspectivas de paz enfrentan varios obstáculos clave:
El dilema territorial: Rusia insiste en mantener el control de Crimea y partes del Donbás, mientras que Ucrania considera inaceptable ceder territorio conquistado por la fuerza. Trump ha insinuado en el pasado que Ucrania podría tener que renunciar a ciertos territorios, una idea que genera rechazo tanto en Kiev como en Europa. Cualquier acuerdo que implique pérdidas territoriales para Ucrania podría sentar un precedente peligroso, incentivando a Rusia a buscar más conquistas en el futuro.
Garantías de seguridad: Tanto Ucrania como los líderes europeos han enfatizado la necesidad de garantías robustas para proteger a Ucrania de futuras agresiones. La propuesta de un modelo similar al Artículo 5 de la OTAN es atractiva, pero enfrenta resistencia por parte de Rusia, que ve cualquier expansión de la influencia de la OTAN como una amenaza directa. Trump ha sugerido que Estados Unidos y Europa coordinarían estas garantías, pero no ha aclarado hasta qué punto Washington estaría dispuesto a comprometerse.
El alto el fuego: La divergencia sobre la necesidad de un alto el fuego previo a las negociaciones es un punto crítico. Mientras Zelensky y los líderes europeos insisten en que un cese de hostilidades es esencial para crear un entorno propicio para las conversaciones, Trump y Putin parecen favorecer un acuerdo de paz integral primero. Esta diferencia podría retrasar cualquier progreso significativo, especialmente si Rusia percibe que tiene ventaja en el campo de batalla.
La figura de Trump es central en este proceso, pero su enfoque ha generado tanto admiración como preocupación. Por un lado, su disposición a dialogar directamente con Putin y Zelensky, ya convocar a líderes europeos, demuestra un liderazgo audaz que podría romper el estancamiento diplomático.
Por otro, su cambio de postura sobre el alto el fuego y su aparente cercanía con Putin han generado temores de que pueda priorizar un acuerdo rápido sobre uno justo. Los líderes europeos, conscientes de esta dinámica, han intensificado sus esfuerzos para mantener a Estados Unidos alineados con los intereses de la OTAN, mientras que Zelensky ha adoptado un tono más conciliador para asegurar el apoyo de Washington.
¿Y entonces?
Las reuniones de Trump con Putin, Zelensky y los líderes europeos representan un momento crucial en la búsqueda de una solución a la guerra en Ucrania. Aunque han abierto la puerta a negociaciones directas entre los líderes de Rusia y Ucrania, las diferencias sobre el alto el fuego, el territorio y las garantías de seguridad siguen siendo obstáculos formidables.
El éxito de este proceso dependerá de la capacidad de las partes para encontrar un equilibrio entre las demandas de Rusia, las necesidades de Ucrania y los intereses de Europa, todo mientras se navega por la imprevisibilidad de Trump como mediador.
Este proceso es un recordatorio de que la paz, aunque deseado, rara vez es sencillo. La guerra en Ucrania no es solo un conflicto regional, sino un desafío al orden internacional, y su resolución tendrá repercusiones que se sentirán durante décadas. Por ahora, el mundo observa con esperanza y cautela, esperando que estas conversaciones conduzcan a un desenlace que traiga alivio a Ucrania y estabilidad a Europa. Pero, como siempre en la geopolítica, el tablero sigue en movimiento, y el próximo movimiento podría cambiarlo todo.










