
起きてはならないことが、起きてしまった。神奈川県真鶴町の町長選で、不祥事により辞任した前町長が再出馬して当選したのだ。開票結果は次の通りである。
当選 松本 一彦:1,493票
宇賀 かずあき: 1,405票
大塚 伸二:807票
森 あつひこ:136票
当選した松本一彦氏は、前町長である。2020年9月に行われた町長選(写真)の前に、選挙管理委員会から不正に選挙人名簿を持ち出し、選挙運動に利用したことが発覚して10月に辞任した。本人もそれを認めて謝罪した。
この問題を内部告発したのは、今回の町長選にも出馬した森あつひこ氏である。その森氏は、136票しか獲得できなかった。
事件の詳細は、「デジタル鹿砦社通信」の次の記事で報じた。
■すでに崩壊か、日本の議会制民主主義? 神奈川県真鶴町で「不正選挙」、松本一彦町長と選挙管理委員会の事務局長が選挙人名簿などを3人の候補者へ提供
不祥事で辞任した前町長が当選したのだから、今回は選挙に不正がなかったとすれば、真鶴町民の良識が問われることになりかねない。これが地方都市の民意レベルだと言ってしまえばそれまでだが、無知をまん延させてきた政治責任についても、今後、考えなければならない。
選挙で当選したとはいえ、今後、松本氏の刑事責任も問われる可能性がある。
一部の住民から、懲戒免職を受けた選挙管理委員会の事務局長が、今後、町政に関与するのではないかという不安の声も上がっている。松本氏が、事件を越した背景を知っているからだ。

情報公開制度が形骸化している。開示請求を受けた公的団体が、自分たちにとって不都合な情報は開示しない、あるいはたとえ開示しても、肝心な部分は黒塗りで公開することが半ば当たり前になってきた。
情報の透明化を求める世論が広がる一方で、情報を密室に閉じ込めてしまおうとする力も強まっている。その具体的な実態を最高裁事務総局に対する情報公開請求を例に紹介しよう。
◆「報告事件」とは何か?
2021年11月29日、筆者は最高裁事務総局から1通の通知書を受け取った。それは、筆者が同事務総局に対して開示を求めていた裁判官人事に関する文書類を開示しない決定通知だった。
今年の3月22日、筆者は次の文言の情報公開請求を申し立てた。
「裁判官の人事に関する文書の全タイトル。期間は、2018年4月から2021年2月。」
この情報公開請求の目的は、最高裁事務総局による「報告事件」についての調査である。「報告事件」というのは、最高裁事務総局が下級裁判所に対して審理内容の報告を求め、国策などにかかわる判決が下る可能性が浮上すると、担当裁判官を交代させることで、判決の方向性をコントロールする裁判を意味する。元裁判官らが、この種の制度が存在すると話しており、筆者は、その信ぴょう性を確認するために「報告事件」の調査を始めたのである。【続きはデジタル鹿砦社通信】
2021年12月14日 (火曜日)

新聞・広告関係者が新聞に折り折り込んで配布する広報紙や選挙公報を水増し発注させて、不正な折込手数料を得ている実態が、水面下の問題になっている。この詐欺的な手口は、何の制裁を受けることもなく続いてきた。新聞・広告関係者は、「知らぬ」「感知していない」で押し通りしてきた。
千葉県流山市の大野富生議員(NHK党)は、この問題について千葉県全域を対象に調査した。千葉県選挙管理委員会に対して情報公開請求を行ったのだ。請求した資料は、2019年7月21日に施行された参議院通常選挙の際に、千葉県選挙管理委員会が委託した選挙公報の新聞折り込み部数(委託部数)である。
請求を受けて千葉県は、折込委託部数が1,769,824部だったとする資料を公開した。ここから不正疑惑が深まった。
と、いうのも同じ時期の千葉県のABC部数は、1,562,908部しかなかったからだ。新聞折り込みを行っていない四街道市(22,515部)と白井市(13,737部)のABC部数を除くと、1,526,656部しかない。
ちなみにABC部数は新聞社が販売店に搬入している部数である。この部数に、千葉日報(ABC協会の非会員)の公称部数、約145,000部を加えると、千葉県下における新聞部数は、総計で1,671,656部ということになる。
以上のデータをまとめたのが次の表である。【続きはデジタル鹿砦社通信】
2021年12月08日 (水曜日)

電磁波の工業利用に歯止めがかからない。かつて電磁波問題といえば、高圧電線や変電所、あるいは携帯電話基地局の直近に住む住民が受ける人体影響の検証が主流を占めていた。家電からもれる電磁波も議論の的になっていた。
しかし、このところ電磁波問題の全体像が変化してきた。宇宙を飛行する無人の基地局が電磁波の放射源となり地球全体を汚染する時代の到来が秒読み段階に入り、その安全性を検証することが電磁波問題の新しい視点として登場した。従来とは比較にならないほど、広い視野が求められるようになってきたのだ。
本書はそんな時代を見据えて、電磁波による健康被害はいうまでもなく、プライバシーの危機なども総括的に捉え、新世代公害に警鐘を鳴らしている。
総務省は、「二〇三〇年から始まる6Gや高度化された5G「5GEvolution」では、ミリ波よりさらに周波数が高いテラヘルツ(周波数300GNz~3THz)を使って、地上、海、空、宇宙を繋ぐ技術開発と整備を同時に進める方針」を打ち出している。実際、電話会社はすでに、無人飛行機のテスト飛行を行っている。
利便性の観点からこうした動きを捉えると、バラ色の未来が待ち受けているかのように錯覚しかねないが、人類が経験したことのない強力な電磁波による人体や自然界への影響という点から未来を描くと、実は恐ろしいことが進行していることに気づく。スーパーシティ構想の実現や、子どもにタブレットを持たせることが豊かな未来へ繋がるとは限らない。逆に悲劇を生む可能性の方が高い。
もっとも懸念されるのは、電磁波の安全性を宣言できるだけのデータが集まっていないことである。見切り発車が繰り返されているのである。とりわけミリ波の研究は遅れていて、「現状では、リスク評価ができるだけの科学的な証拠すら存在しない」。
幸いに電磁波の工業利用に抗する動きもある。2000年12月、東京都多摩市は、5G規制条例を趣旨採択した。欧米では、たとえばオランダが「潜在的な健康リスクが調査されるまでミリ波を使用しないこと」を決めた。米国では、条例で5G基地局の設置を規制する自治体が増えている。
電磁波という新世代公害にストップをかける鍵を握るのは住民運動である。本書は、そのために必要な電磁波についての科学的知識を提供してくれる。

総務省は11月26日、2020年度分の政治資金収支報告書を公表した。それによると新聞業界が、自民党の清和政策研究会(安倍晋三代表)の議員を中心に146万円の政治献金を行っていることが分かった。
これらの政治献金の支出元は、日本新聞販売協会(日販協)の政治団体である日販協政治連盟である。日販協は新聞協会と連携して、再販制度を維持するロビー活動や新聞に対する軽減税率を適用させる活動の先頭に立ってきた団体である。両者は車の両輪関係にある。政治献金の詳細は次の通りである。(オレンジの背景で表示した議員は、清和政策研究会のメンバーである。)【続きはデジタル鹿砦社通信】

東洋人は、90歳を超えると約半数が前立腺がんになるといわれている。前立腺がんの患者は年々増えている。患者数はいまや胃がんを上回っている。
2019年の冬、わたしは『一流の前立腺がん患者になれ!』の著者である安江博さんを、茨城土浦市にあるつくば遺伝子研究所に訪ねたことがある。滋賀医科大付属病院事件を取材することが目的だった。これは、前立腺がん治療の著名な開発者・岡本圭生医師を病院から追放した事件で、当時、岡本医師の患者だった安江さんも影響を受けた。
わたしは事件の経緯だけではなく、前立腺がん治療そのものについても尋ねた。何を根拠として安江さんは、岡本医師の治療法を選択したのかを尋ねたのである。
◆◆
病院相互の「市場競争」の中で、インフォームドコンセントが常識となり、患者が自分で治療法を選択する時代になっている。しかし、それは逆説的に言えば、患者が治療法を主治医に委ねてしまった場合、病院の経済上のメリットを最優先た治療法へ誘導されかねないリスクを孕んでいる。軽々しく、
「前立腺を摘出してさっぱりしましょう」
などと言われてかねない。
医療界のこのあたりの事情にも詳しい遺伝子研究者の安江さんは、前立腺がんを告知された後、みずからの卓越した語学力を生かして、前立腺がんの治療に関する世界中の論文に目を通した。そしてどの治療が最も最適かを自分で見極めたのだ。
たどり着いた答が小線源治療を進化させたTen-Step法(岡本メッソド)だった。この治療法では、中間リスクの患者の7年後非再発率は99.1%である。ほぼがんを根治できる。
小線源治療は放射性物質を包み込んだカプセル状のシード線源を前立腺に埋め込んで、そこから放出される放射線でがん細胞を死滅させる治療法だ。1970年代に米国で誕生した。その後、岡本医師が改良を重ねてTen-Step法と呼ばれるものに進化させた。滋賀医科大が岡本医師を追放したのは、Ten-Step法の輝かしい業績に対する上司らの妬みだったのではないか?。
◆◆
本書は、安江さんがTen-Step法を選択するまでの足跡を記録したものである。それゆえに治療法や治療成績、メリットとデメリット、合併症など、前立腺がんのすべてが客観的に記述されている。さながら専門医学書を一般向けに分かりやすく書き換えた印象がある。しかも、患者がデータを読み解く祭に陥りやすい注意点などにも言及している。
たとえばある医科大病院におけるロボットを使った全摘手術の場合、非再発率は次のように公表されている。
低リスクの患者:95.5%
中間リスクの患者:82.5%
高リスクの患者:65%
しかし、手術後の平均観察期間が15.7カ月しかない。これでは正確なデータとは言えないのである。数字のトリックである。また、高リスクの患者を最初から手術しない治療方針にして、表向きの治療成績を上げるなどの例も紹介されている。
本書は、情報の客観性を極めて重視して執筆されている。このあたりの事情について、安江さんは次のように書いている。
「病院も学会も悪しき医局制度の因習により動いていることは、残念な事実です。そういった利権の渦巻く中で、医師は一定の同調圧力を受けながら患者の診察をしている、ということを知っておくべきでしょう。こういった背景の中から出される医療側の提案に対して、患者側の正確な判断が重要です。ここでのエンドポイントは患者の『命』です。自分で最適で、正確な判断をするためには、人任せにするのではなく、自分で情報を収集し、判断する必要があります」
本書は、前立腺がんの教科書であると同時に、現代医療との向き合い方の手引きである。
タイトル:『一流の前立腺がん患者になれ!』
著者:安江博
版元:鹿砦社

11月29日付けの「デジタル鹿砦社通信」に宮内庁と最高裁事務総局の問題点を指摘する記事を書いた。タイトルは、「最高裁長官、退官後に宮内庁参与へ、竹崎博允・元長官ら、『勤務実態』は闇の中、最高裁に関する2つの情報公開調査のレポート」である。
この記事の前半の概略は次の通りである。
①最高裁長官を退任した寺田逸郎氏と竹崎博允氏が、宮内庁参与に就任していたことが判明した。
②筆者は、宮内庁に対する情報公開請求を通じて、宮内庁参与には勤務実態がないことを突き止めた。宮内庁との雇用契約そのものがないのだ。
③が、それにもかかわらず宮内庁は宮内庁参与に対して金銭を提供している。記録上は6月と12月の年2回の金銭支払いである。
④その金銭額は公開されなかった。黒塗りになっていた。しかも、支払いを実施したことを裏付ける書面が現時点ではほとんど確認できない。金銭支払の起案日は公開されたが、決裁日と(支払い)施行日は、一部が空白になっている。記録がない。本ページ冒頭の表が、起案日、決裁日、施行日の一覧である。
◆◆
今後、わたしは宮内庁に対して、宮内庁参与らが発行した領収書が存在するかどうかを調査したいと考えている。かりに領収書が存在しないとすれば、支払額が黒塗りになっているわけだから、宮内庁に裏金作りの温床が存在することになる。制度そのものに欠陥があることになる。その意味で重要な調査である。
日本国憲法8条は、皇室関連の賜与に先立って、「国会の議決に基かなければならない」と決めている。と、なれば金銭の流れに不透明な箇所がないかどうかを調査することは重要なジャーナリズムの役割である。国民の権利である。
◆◆
ちなみにこの記事の後半では、最高裁事務総局による「報告事件」の存在を報告している。「報告事件」とは、最高裁が下級裁判所(高裁、地裁、家裁など)に対して、審理の情況を報告させる事件のことである。それにより、下級裁判所で国策の方向性と異なる判決が下される可能性が浮上すると、最高裁事務総局は人事権を発動して、裁判官を交代させるなどして、国策と整合した判決を導き出すことができる。
「報告事件」は、司法国家の恥部である。ずばり権力構造のトリックにほかならない。
裁判制度が民主国家、あるいは「自由主義」の仮面として機能することがあってはならない。

石棺のような窓のない建築物。出入口に配備された警備員。
外界とは厚い壁で隔てられ、通信手段は郵便だけに限定され、メールもファックスも通じない。
最高裁判所には不可解なグレーゾーンがある。その中で何が進行しているのか──。
今年に入って、わたしは最高裁の実態を調べるための一歩を踏み出した。情報公開制度を利用して、複数の「役所」から最高裁に関連する情報を入手した。
◆元最高裁長官らが退官後に宮内庁参与に
最高裁長官を退任した寺田逸郎氏と竹崎博允氏が、宮内庁参与に就任したことは、人事に関する新聞記事などから判明している。両氏とも安倍晋三内閣の時代に宮内庁参与の「職」を得ている。今後も「最高裁長官から宮内庁参与」へのコースが準備されていく可能性がある。
筆者は、情報公開請求により、元最高裁長官の寺田・竹崎の両氏と宮内庁の関係を調査した。
ちなみに宮内庁参与とは、天皇家の相談役である。宮内庁の説明によると、内庁参与は国家公務員ではないが、賜与(日本国語大辞典:〈しよ〉、 身分の高い人が下の者に、金品を与えること)というかたちで内廷費の中から相談料を受け取っている。
【内廷費】皇室経済法に基づき天皇及び内廷にある皇族[1]の日常の費用その他内廷諸費[2]に充当されるため支出される費用。より具体的には、第4条第1項の条文を根拠とする。(ウィキペディア)
情報公開請求の内容は、次の3項目である。
1、寺田逸郎宮内庁参与の就任から、2021年8月までの勤務実態を示す資料
2、竹崎博允(元宮内庁参与)の在任期間中の出勤実態を示す資料
3、宮内庁参与に対して内廷費から支給された経費が分かる文書。期間は、2011年度から2020年度の10年間
宮内庁によると、「1」と「2」に関連した資料(勤務実態に関するもの)は、存在しないとのことだった。宮内庁参与と宮内庁との間には雇用関係がないからというのがその理由だ。あくまでも、「陛下」から宮内庁参与にプライベートに相談をお願いする形式を取っているという。従って宮内庁が、宮内庁参与の勤務実態を把握することはできないという論理である。 【続きはデジタル鹿砦社通信】
2021年11月27日 (土曜日)

今年の10月4日に、自民党の金子恭之議員が総務大臣に就任した後、携帯電話の通信基地局をめぐる電話会社と住民の間のトラブルが深刻になっている。電話会社が住民の意思を無視して一方的に基地局を設置し、泣き寝入りのかたちで自宅から退避せざるを得ない人々が急増しているのだ。水面下で新しい社会問題が進行している。
金子総務大臣の就任とトラブルの急激な増加を裏付ける証拠はないが、少なくとも問題が深刻になっているのが実情である。
楽天モバイルの基地局設置をめぐるトラブルは、1年ほど前から次々と、「電磁波からいのちを守る全国ネット」へ持ち込まれてきたが、幸いにこれまでは住民側が基地局設置を嫌がった場合に限り、設置計画を中止することが多かった。ところが最近は、住民が反対しても、電話会社が強引に計画を断行する傾向が顕著になっている。
具体的な例は、デジタル鹿砦社通信に掲載した次の記事を参考にしてほしい。無線通信に使われるマイクロ波による人体への影響についても言及している。
【参考記事】5Gの時代へ、楽天モバイルの通信基地局をめぐる3件のトラブル、懸念されるマイクロ波の使用、体調不良や発癌の原因、軍事兵器にも転用のしろもの
◆◆
住民が基地局設置に反対すると電話会社は、「総務省の電波防護指針を守っているから絶対に安全です」と説明する。しかし、その総務省の電波防護指針は、欧州評議会の1万倍もゆるく設定されており、実態としてはまったく規制になっていない。次に示すのが、電波防護指針の国際比較である。
日本:1000μW/cm2
イタリア:10μW/cm2
スイス:9.5μW/cm2
パリ・6・6μW/cm2
欧州評議会:0.1μW/cm2(勧告値)
マイクロ波に遺伝子毒性があることが明らかになってきた結果、欧州では規制値を見直すようになったのである。
しかし、日本の総務省は、現在の規制値を1990年に設定した後、30年以上も更新していない。御用学者を使って、安全宣言を繰り返してきた。
その根拠として電話会社は、科学的な根拠がないと繰り返してきたが、既に動物実験でマイクロ波そのものには発がん性があることは立証されている。(アメリカの国立環境衛生科学研究所のNTP-米国国家毒性プログラム)の最終報告、2918年)
疫学調査も世界各地で行われており、基地局周辺に体調不良や癌が多いことが明らかになっている。しかし、総務省は耳を傾けようとはしない。電話会社の便宜を図っている。「予防原則」を優先して、基地局設置を規制する動きはない。
◆◆
わたしはあたかも自分の特権のように、好き勝手に基地局を設置して、住民が退去せざるをえない情況に追い込んでいる企業は、作業員も含めて、正常な人間性を喪失していると見ている。自分たちがやっている重大な行為の意味を理解していない。それはちょうど旧日本軍の731部隊が、平気で生態解剖実験を繰り返したのと同じ心理なのではないか。
集団になると狂暴になる。一人になるとなにもできないおとなしい人が、豹変してしまう。そこにわたしは社会病理を感じる。
【金子恭之事務所への問い合わせ】
携帯電話の通信基地局設置をめぐる電話会社と住民のトラブルを取材しているフリーライターです。貴殿が総務大臣に就任された後、トラブルが増えて、自宅から退去せざるを得なくなる住民が続出しています。
貴殿は、マイクロ波の安全性について、どのような見解をお持ちなのでしょうか。
参考までに、電波防護指針の国際比較を示しておきます。
日本:1000μW/cm2
イタリア:10μW/cm2
スイス:9.5μW/cm2
パリ・6・6μW/cm2
欧州評議会:0.1μW/cm2(勧告値)
被害が出た場合、貴殿はどう責任を取られるのでしょうか。今月中にご回答ください。

5Gの普及に伴って、通信基地局の設置をめぐるトラブルが急増している。通信に使われるマイクロ波による人体影響を懸念して、基地局の設置・稼働に反対する住民。これに対して、あくまでも基地局を設置・稼働させる方針を貫く電話会社。両者の対立が水面下の社会問題になっている。基地局が稼働した後、自宅からの退去を検討せざるを得なくなった家族もある。これはマスコミが報じない深刻な社会問題にほかならない。
◆沖縄県読谷村のケース、「命どぅ宝」
読谷村は沖縄本土の中部に位置している人口4万人の地区である。村の36%を米軍基地が占める。その読谷村で楽天モバイルと住民の間で紛争がおきている。今年4月、読谷村字高志保にある賃貸マンションの屋上に楽天モバイルが通信基地局を設置する計画を打ち出したところ、マンション住民と近隣住民らが反対運動を立ち上げた。
無線通信に使われるマイクロ波に安全性のリスクがあるからだ。総務省は、自ら定めた電波防護指針(規制値、1990年に制定)の安全性を宣言しているが、海外の動物実験や疫学調査で、マイクロ波に遺伝子に対する毒性などが指摘されるようになっている。またマイクロ波による神経系統などの攪乱が引き起こすと思われる体調不良も問題になっている。
その結果、たとえば欧州評議会は、マイクロ波について、日本の規制値に比べて1万倍も厳しい勧告値を設けている。
読谷村住民の反対の声を受けて楽天は一旦、計画を延期したが、10月の終わりになって、工事の再開を告知した。そして11月8日に、抗議に集まった住民たちの声を押し切って工事に着手したのである。【続きは「デジタル鹿砦社通信」】

「受動喫煙症」とは、第三者による煙草の煙によって引き起こさせる化学物質過敏症のことである。副流煙を避けるために、レストランなど公共の場で分煙措置が取られているのは周知の事実である。マンションの掲示板にも、煙草の煙に配慮するように注意書きが貼り出されていることが多い。「受動喫煙症」という言葉が、日常生活の中に入り込んできたのである。
しかし、ほとんど知られていないが、「受動喫煙症」という病名は、実は日本禁煙学会(作田学理事長)が独自に命名した病名で、国際疾病分類(ICD10)に含まれていない。公式には認められている病気ではない。従って、保険請求の対象にはならない。「そんな病気は存在しない」と言う医師も少なくない。
が、それにもかかわらず横浜副流煙裁判にみられるように、2017年に「受動喫煙症」と付された診断書を根拠とした高額訴訟が提起された。副流煙の被害者とされる家族が、隣人に対して「受動喫煙症」を根拠に4518万円の金銭支払いを請求したのである。請求は棄却された。
【関連記事】煙草を喫って4500万円、不当訴訟に対して「えん罪」被害者が損害賠償訴訟の提訴を表明、「スラップ訴訟と禁煙ファシズムに歯止めをかけたい」
日本禁煙学会の医師らは、この「受動喫煙症」についてどのように考えているのだろうか。患者が、「受動喫煙症」を立証する診断書を交付するように求めてきたとき、どう対処しているかを客観的に調査するために、筆者ら横浜副流煙裁判を取材してきた4人(黒薮哲哉、藤井敦子ら)は、98人の医師(若干看護士も含む)に問い合わせてみた。
98人の医師は、「受動喫煙症の診断可能な医療機関」(日本禁煙学会のウェブサイト)に登録されている。(2021年10月18日現在)
問い合わせは次の3点である。
①受動喫煙症の診断書を交付しているか?
②診断書を裁判に提出する方針はあるか?
③診断にあたっては、検査を実施するか?
ただし口頭でのやり取りなので、②や③の問い合わせに辿り着かなかった場合や、話が大きく逸れてしまった場合もある。【続きはデジタル鹿砦社通信】

新聞の凋落が進むなかで、販売店主らは現在の情況をどう見ているのだろうか。ここひと月ほどの期間に、筆者が接触した店主らから次のような声が上がっている。
①「押し紙」を排除して、自由増減にすれば、まだ当分の間は販売店経営を維持することができる。
「押し紙」(広義の残紙)が経営の負担になっている。かつては折込広告の受注が多かったので、「押し紙」があっても、折込広告の水増し収入で、「押し紙」の損害を相殺できていた。「押し紙」に対する補助金もあったので、少なくとも損害を最小限にすることができた。
が、今は情況が一変している。「押し紙」が販売店にとって大きな負担になり、自分の預金を切り崩して、新聞の仕入代金を支払っている店主が後を絶たない。
問題は、このような「対症療法」の繰り返しが、やがて経営破綻を招くことを認識していない店主が多いことである。景気がよかった時代から、遊興を繰り返してきたために金銭感覚が麻痺している人が多い.。
②「押し紙」問題の解決方法として裁判の提起を考えている店主は少数。
大半の店主は、「押し紙」裁判の提起を非常にハードルが高いと思っている。また、新聞社に対して異議を申し立てることについて、強い抵抗を感じている人が多い。裁判という発想そのものがない。このような感覚は、退任後も変わらない。
③販売店経営の大きな障害になっているのが再販制度である。
再販制度があるために、各販売店が自分の創意工夫で拡販活動を展開することができない。拡販活動は、常に新聞社の指示のもとでおこなわざるを得なくなっている。これからの時代は、販売店相互が自由に競争しなければ共倒れになる。競争することで販売網を維持することができる。それ以外に新聞業界が生き残る方法はない。
販売店は、拡販のノウハウそのものは持っている。
④新聞社の担当員が士気を失っている。
担当員は、新しい発想に乏しい。機械的に業務をこなしているような印象を受ける。新聞業界が凋落の途上なので、やる気をなくしているのではないか。
⑤紙面の質がよければ、部数を増やすことは可能。
紙面の質が悪いので販売店としても困っている。最近の新聞記者は取材などしていないのではないか。肝心な問題を取り上げない。しかも、新聞に掲載されるニュースは、インターネットにも掲載されることが多いので、「紙新聞」でしか読めない独自の情報がほとんどない。
