11月26日、明治大学のリバティタワーで「メディア現場から秘密保護法に異議あり」と題するリレートーク集会が開かれた。発言者は岸井成格、太田昌克、島洋子、鳥越 俊太郎、早野透、金平茂紀の各氏。
11月21日付けで、わたしは最高裁に対して次のような情報公開を請求した。
平成22年(受)第1529号事件(上告人・読売新聞社・他 被上告人・黒薮哲哉)を担当した調査官の氏名が特定できる文書。
わたしが対象とした裁判は、読売新聞社(西部本社)と同社の江崎徹志法務室長など3人の社員が、ウエブサイト「新聞販売黒書(現・MEDIA KOKUSYO)」の記事で名誉を毀損されたとして、2230万円のお金を支払うことなどを求めた事件である。
◇年間4000件、本当に審理しているのか?
地裁と高裁はわたしの勝訴だった。しかし、最高裁が読売を逆転勝訴させることを決定して、高裁判決を差し戻した。これを受けて東京高裁の加藤新太郎裁判長は、110万円のお金を支払うように命じた。
最高裁で本当に上告事件が検証されているのかという疑いをわたしが持つようになったのは、年間の上告(上告受理申立を含む)件数が4000件を超える事実を知ってからだ。
4000件の処理件数に対して、実質的に判決を書いている調査官の数は、50名に満たない。2011年度の場合は、補佐人を含めても42人しかいない。4000件を単純に42人に割り当てると、ひとりあたりの担当件数は、95件になる。
最高裁に提出される裁判関連の資料は膨大な量になる。となれば常識的には、1人の調査官が年間に95件もの事件を処理するのは不可能だ。
以上のことを前提とすると、上告事件の一部は審理しないで、棄却していると考えるのが自然だ。ただし印紙代は請求している。
◇伊方原発訴訟の調査官を公開できず
そこでわたしは試しに伊方原発訴訟を担当した最高裁の調査官の氏名を公表するように、最高裁に対して情報公開請求を行った。結果は、予測した通り、最高裁は開示することができなかった。この時点で、わたしの推理の裏付けが一歩進んだのである。
ちなみに最高裁調査官リストにある綿引万里子判事は、2001年2月にスタートした読売新聞の連載「裁く」を単行本化した『ドキュメント裁判官』(中公新書)の第4章「夫婦裁判官物語」に登場している。夫の綿引稔裁判官は、ジャーナリスト・烏賀陽弘道氏を被告するオリコン裁判で、実質的な誤審を下したことで有名。
11月21日、東京日比谷公園野音で秘密保護法の廃案をめざす大集会 が開かれた。 参加者1万人が銀座と国会請願デモを行った。
26日に特別秘密保護法が衆議院を通過した。
この法案が浮上した背景に、橋本内閣の時代から本格化した構想改革=新自由主義の導入と、軍事大国化の国策があることは明らかだ。民主党も含めて政権党の基本方針となってきたこれら2つの柱が行き着いた先が、戦前の治安維持法に匹敵する特別秘密保護法の登場である。
なぜ、政府は特別秘密保護法に異常なこだわりをみせるのだろうか。まず、第一に言えるのは、構造改革=新自由主義を導入した結果、顕著になってきた社会的な矛盾や人々の不満を警察権力によって取り締まる必要性に迫られていることである。力による「社会秩序」の維持である。
現在、非正規社員は全体の約4割を占める。それに加えて消費税率のアップ、福祉と農業の切り捨て、TPPの導入など、国民の生活がますます圧迫されている。その一方で大企業のために、法人税が大幅に減税されている。
これでは国民の不満が爆発しかねない。それを押さえ込むための方策の大きな柱として、「治安維持」を目的とした公安警察主導の特別秘密保護法が浮上したのである。住民運動が世界的な規模で台頭してくる中で、日本の支配層が危機感を強めている証である。
ちなみに住民がいだく不満の「押さえ込み」方法としては、警察による力の政策ではなく、別のモデルもある。それが心の教育(道徳教育)である。安倍首相は第1次内閣の時代には、心の教育の具体策として「美しい国プロジェクト」と呼ばれる愛国心を育てるプロジェクトを立ち上げている。そして現政権になってからも、再び道徳教育の導入を図ろうとしている。
愛国心を育てることで、デモや住民運動から疎遠になるように世論誘導しよという意図が見え透いている。
つまり特別秘密保護法も心(道徳)の教育の奨励も、実は新自由主義体制の防衛という同じ目的の下で策定されているのである。
◇軍事大国化
特別秘密保護法のもうひとつの柱は、米軍との協同作戦を前提とした「秘密」の共有である。そのことはマスコミも報道している。しかし、「米軍との協同作戦」が具体的に何を意味するのかは、ほとんど報道されていない。
結論を先に言えば、日本企業が生産の拠点を海外へ移し、ビジネスの国境が消えた状況下で、軍事力による企業の防衛を米軍と協同で行うことを意味する。 表向きは、海外派兵は「国際貢献」ということになっているが、中身は多国籍企業を政変や住民運動から「防衛」するのが目的である。
このような多国籍企業と自国の軍隊の関係が典型的に現れたのが、前世紀までのラテンアメリカである。ここ半世紀ほどのあいだに米軍は次の地域に軍事介入を行っている。いずれのケースも米国の多国籍企業、特にUFCなどの果実会社の権益が絡んでいた。?????? (UFC=United Fruit Company)
■1954年グアテマラ
■1961年 キューバ
■1964年 ブラジル
■1965年 ドミニカ共和国
■1971年 ボリビア
■1973年 チリ
■1979年?ニカラグア内戦
■1980年?エルサルバドル内戦
■1983年 グレナダ
■1989年 パナマ
■2002年 コロンビア
1973年のチリの軍事クーデターについては、日本でもよく知られている。表向きはピノチェット将軍によるクーデターということになっているが、そのバックにCIAがいたことは歴史の共通認識となっている。
当時のチリはイギリスの議会制度を導入した南米の先進国だった。1970年に世界で始めて、選挙による左翼政権を誕生させたのである。政権についたアジェンデ大統領は、外国資本の銅山を国有化した。これに怒った米国が、アジェンデ政権を倒す策動に出て、資本家によるストライキなどが繰り返された。
しかし、73年の大統領選挙でアジェンデが再選され、政権の転覆が不可能であることが明らかになった。そこでCIAが選んだ最後の手段が軍事クーデターだった。
日米関係や特別秘密保護法について考えるとき、こうした歴史の事実にも目を向けるべきだろう。米軍が海外で何をやってきたかという事実の検証である。 それを知れば米軍との協同歩調がいかに危険であるかが見えてくる。
日本における戦後70年の民主主義など、簡単に吹っ飛んでしまいかねない。
ここに来て特別秘密保護法に疑問を呈する報道がようやく盛んになったが、だれが構造改革=新自由主義や軍事大国化を煽ってきたのだろうか。その最大の張本人は、読売などのマスコミではなかったか?
秘密保護法に反対する集会が各地で行われている。わたしが在住する埼玉県朝霞市でも、25日、弁護士を講師に招いて学習会が行われた。会場は満員だったが、若い人の姿がなく、集会としては異様な感じがした。ネット世代が社会問題に対して関心を示さなくなった最大の原因は、日本のメディア(マスコミ)にある。
秘密保護法が成立した場合、MEDIA KOKUSYOの中心的なテーマである携帯基地局問題と「押し紙」問題の報道は、どのようなリスクを孕むのだろうか。
次に紹介するのは、「特定秘密に関する法案の概要」の別表である。ここには、何が「秘密」に該当し、「秘密保護」の対象になるかが定義されている。定義そのものが抽象的なのは、適応範囲が自由に拡大できることを意味している。
このうち携帯基地局に関連した取材を行ったり、住民運動に参加した場合に、適用されると思われるものは、識別番号「一ヘ」と「四イ」である。次のように述べている。
■防衛の用に供する通信網の構成又は通信の方法
■テロリズムによる被害の発生若しくは拡大の防止(以下この号において「テロリズムの防止」という。)のための措置又はこれに関する計画若しくは研究
◇携帯基地局問題
災害にそなえ国策として、政府が積極的に携帯基地局の普及をバックアップしていることは周知の事実である。その携帯基地局がテロの標的になるリスクがあると判断されたならば、基地局に関する情報は秘密保護の対象になる。
秘密保護法が存在しない現在の段階ですら、総務省は基地局に関する情報は一切開示していない。街中に立っている基地局が、どの電話会社の所有なのかすら秘密になっている。その理由を問いただすと、必ず「テロ活動の防止」という答えが返ってくる。
秘密保護法が成立すると、基地局に関する取材により、懲役10年以下の判決を受ける可能性がある。住民運動の団体も同じリスクにさらされる。総務省に対して、たとえば、しかじかの基地局の所有会社、周波数、出力などの開示を求めたら逮捕・懲罰の対象になる。
電話会社にとって、これほど都合がいい法律はない。秘密保護法の成立で、携帯基地局は自由にどこにでも設置できるようになる。
◇「押し紙」問題
一方、「押し紙」問題はどのような扱いになるのだろうか。予測される具体的な適用の方法は、今後、検証する必要があるが、わたしが不気味に感じているのは、新聞販売網そのものに警察組織が食い込んでいる事実である。
念を押すまでもなく、秘密保護法を主導しているのは、警察(厳密には公安警察)である。その警察が「防犯協力」を理由に新聞販売店と共働している事実は、ほとんど知られていないが、重大視する必要がある。
具体例を示そう。MEDIA KOKUSYOで繰り返し報じてきたが、読売防犯協力会の存在である。
周知のように新聞販売店は、早朝から操業する。午前2時には店舗に明かりが入り、遅くても4時には配達員たちが街へくりだす。そこで新聞配達員に防犯の協力を依頼しているというが、表向きの名目のようだ。販売店が「準派出所」で配達員が「準警官」である。
事実、読売防犯協力会の活動骨子は次のようになっている。
(1)配達・集金時に街の様子に目を配り、不審人物などを積極的に通報する
(2)警察署・交番と連携し、折り込みチラシやミニコミ紙などで防犯情報を発信する
(3)「こども110番の家」に登録、独居高齢者を見守るなど弱者の安全確保に努める
(4)警察、行政、自治会などとのつながりを深め、地域に防犯活動の輪を広げる
防犯活動そのものは頭から否定すべきものではないが、これが悪用されると、新聞販売網が、警察のスパイ網として機能しかねない。
秘密保護法の運用に際しては、行政機関の職員に対する「適正評価」が行われる。秘密を扱う人物として「適正」か否かを評価するのだ。それに先立って対象者に関する情報収集活動が行われることは言うまでもない。
こうした状況の下で、たとえば新聞販売店の定員が、集金先の○○さん宅を訪問して、たまたま携帯基地局の設置に反対する住民たちが集まっている場面を目撃したとする。するとこの販売店員は、防犯協力の骨子にある「(1)配達・集金時に街の様子に目を配り、不審人物などを積極的に通報する」を実行することになりかねない。
新聞の販売網に警察が入り込むことは、危険きわまりない。民間人が民間人を監視して、警察に情報提供することにもなりかねない。 ? ちなみに読売防犯協力会と覚書を交わしているのは、次の警察である。数字は、覚書を交わした日付。
高知県警 2005年11月2日
福井県警 2005年11月9日
香川県警 2005年12月9日
岡山県警 2005年12月14日
警視庁 2005年12月26日
鳥取県警 2005年12月28日
愛媛県警 2006年1月16日
徳島県警 2006年1月31日
群馬県警 2006年2月14日
島根県警 2006年2月21日
宮城県警 2006年2月27日
静岡県警 2006年3月3日
広島県警 2006年3月13日
兵庫県警 2006年3月15日
栃木県警 2006年3月23日
和歌山県警 2006年5月1日
滋賀県警 2006年6月7日
福岡県警 2006年6月7日
山口県警 2006年6月12日
長崎県警 2006年6月13日
茨城県警 2006年6月14日
宮崎県警 2006年6月19日
熊本県警 2006年6月29日
京都府警 2006年6月30日
鹿児島県警 2006年7月6日
千葉県警 2006年7月12日
山梨県警 2006年7月12日
大分県警 2006年7月18日
長野県警 2006年7月31日
福島県警 2006年8月1日
佐賀県警 2006年8月1日
大阪府警 2006年8月4日
青森県警 2006年8月11日
秋田県警 2006年8月31日
神奈川県警 2006年9月1日
埼玉県警 2006年9月14日
山形県警 2006年9月27日
富山県警 2006年9月29日
岩手県警 2006年10月2日
石川県警 2006年10月10日
三重県警 2006年10月10日
愛知県警 2006年10月16日
岐阜県警 2006年10月17日
奈良県警 2006年10月17日
北海道警 2006年10月19日
新潟県警※ 2003年3月26日
沖縄県警 2008年6月12日
2013年11月22日 (金曜日)
老人ホーム「グランダ八雲・目黒」(東京都目黒区八雲)の屋上に携帯基地局を設置する計画を進めていたNTTドコモが、10月の中旬に中止を決定して、目黒区役所に報告していたことが分かった。しかし、住民に対しては通知しておらず、企業コンプライアンスを疑問視する声が広がっている。
ドコモと住民の間に基地局の設置をめぐる係争が持ち上がったのは昨年の秋だった。しかし、住民側の合意が得られなかったために、基地局を設置する計画は、ペンディングになっていた。
ところがNTTドコモは7月ごろから、再び設置に向けて動き始め、8月のお盆明けに、基地局を設置することを住民に通知した。これに怒った住民たちは、本格的な反対運動を展開するために、「携帯電話基地局設置に反対する八雲町住民の会」を結成して、住民運動に乗り出した。
電磁波問題の専門家を招いて、電磁波についての学習会を2度開催した。学習会への参加を呼びかけるために、宣伝カーも走らせた。基地局問題で住民側が宣伝カーを使った例は、わたしが取材した範囲では、はじめてである。
◇区議たちの活躍
「住民の会」は、基地局の設置を規制する条例制定を区議会に提案した。これを受けて保守系から革新系まで党派を超えた議員がトラブルの解決へ動きはじめた。そして、非公式の話として、NTTドコモが10月31日までに、計画を断念することを条件に、条例の陳情を取り下げるという案が浮上した。
しかし、住民たちはこれを拒否。基地局の設置計画が中止になるまでは、条例案を取り下げない方針を貫いた。
進展がないまま11月に入った。住民たちは、非公式の話として、NTTドコモが計画を中止したことを議員を通じて知った。そこで電話でNTTドコモに問い合わせたところ、計画を断念したことを告げられたのである。
その際、住民側はNTTドコモに、計画の中止を住民に知らせるチラシを配布するように要請した。しかし、ドコモはこれを拒否した。
「計画中止はウソではないか」と不信感をいだいた「住民の会」は、代表が区役所へ足を運んで、事実関係を確認した。その結果、10月9日の4時半ごろNTTドコモ大田分室の担当部長が目黒区役所に現れ、都市計画課の課長と係長に面談し、計画の中止を報告していたことが分かった。
次に紹介するのは、「守る会」が情報公開制度を利用して入手したNTTドコモと目黒区都市計画課の面談を記録したメモである。タイトルは、「NTTドコモ携帯電話基地局現況について」となっている。
(「NTTドコモ携帯電話基地局現況について」=ここをクリック)
◇新たな内容証明を送付
基地局の設置問題は決着したが「守る会」は、NTTドコモが同会宛に計画中止を通知しなかったことを問題視している。11月19日には、同会の協同代表3人の名前で、改めて通知を求める内容証明を送付した。
なお、条例については、議員との約束を尊重して一旦取り下げたが、再提出される可能性も残されている。「守る会」の中には、幼児を持つ人々も多く、電磁波が子供に与える人体影響を考えたとき、これ以上、基地局を設置させないことが不可欠であるからだ。
個人こじんの考えや心情が微妙に異なるために、とかく住民運動はまとまりにくいと言われている。しかし、目黒区のケースでは、「基地局を立てさせない」という共通した目標で住民が一致した。それが勝因となった。
■冒頭写真:長野県木曽町の基地局近くで現れた奇形のナスビ。本文とは関係ありません。
特定秘密保護法が成立する公算が日増しに強くなっている。この法案については、メディア関係者の間から強い反対の声が上がっているが、新聞が自社の紙面でキャンペーンを張って法案の通過に抵抗する動きはみられない。
これはある意味では不思議な現象である。2006年に新聞特殊指定の撤廃案を公取委が持ち出したとき、新聞各紙は大キャンペーンを張ってこれに反対した。自分たちの既得権を守るために、自社メディアを使ったのである。
ところが特定秘密保護法については、法案に反対する立場を表明して、それにそった記事や社説を書くことはあっても、特殊指定問題のときのような熱烈な姿勢は見られない。
読売に至っては、19日付けの紙面で「特定秘密 みんな賛成へ」「自公、法案修正受け入れ」と題する次のような記事を掲載している。
機密情報を漏えいした公務員らの罰則を強化する特定秘密保護法案をめぐり、自民、公明両党は18日、特定秘密の指定などに首相の関与を強めるとしたみんなの党の要求をうけ入れることを決めた。
この書き出し部分を読む限りでは、特定秘密保護法案が「機密情報を漏えいした公務員らの罰則を強化する」法律としか解釈できず、多くの識者が問題にしている同法が秘める戦前の治安維持法的な性格にはまったく言及していない。政府広報とまったく同じ視点である。
なぜ、新聞は特殊指定問題のときのような大キャンペーンを張らないのだろうか。秘密保護法案が成立すれば、ジャーナリズム活動が骨抜きにされるにもかかわらず、自粛しながら同法を批判するのだろうか?
◆「新聞や書籍を軽減対象とすべきだ」
この疑問を考えるヒントは、読売の次の主張にある。
軽減税率 政治の責任で導入の決断急げ(11月14日付・読売社説)
消費税率を2015年10月に予定通り10%に引き上げるならば、低所得層など国民の負担を和らげる対策が不可欠だ。 ? 政府と自民、公明の与党は、生活必需品などの税率を低く抑える軽減税率の導入を決断すべきである。早期に制度設計に着手することが求められよう。
(略)
?? 日本も食料品に加え、新聞や書籍を軽減対象とすべきだ。
政府自民党は、秘密保護法案と軽減税率の問題を同時進行させることで、メディアをコントロールしているのだ。その結果、新聞はいうまでもなく、新聞社と系列関係にあるテレビ局も、反秘密保護法のキャンペーンを張れない。
◆「押し紙」にも消費税
毎日新聞社の元常務取締役・河内孝氏の著書『新聞社?破綻したビジネスモデル』(新潮新書)によると、消費税が5%から8%になった場合、新聞各社の追加負担は次の通りになる。
朝日 90億3400万円
読売 108億6400万円 ?
毎日 42億6400万円 ?
産経 22億1800万円 ???????????
?(04年度ABC部数で計算)
念を押すまでもなく、消費税は新聞の「押し紙」にもかかってくる。「押し紙」が3割と見積もっても、その負担額は莫大な額になる。
新聞関係者は、編集部門と販売部門はそれぞれ独立しているので、販売政策が紙面内容に影響を及ぼすことはないと主張してきたが、新聞社経営が破綻しても、ジャーナリズム活動を優先するとは考えられない。事実、秘密保護法の報道を自粛している。ジャーナリズムの死活問題であるにもかかわらず大胆なキャンペーンを張らない。
◆記者クラブの面々にとっては・・・・
さらに特筆しておかなければならないのは、たとえ秘密保護法が成立したとしても、官庁から情報を受け取り、それを基に記事を書いている記者クラブの記者にとっては、特別な支障はきたさないという点である。
もっとも影響を受けるのは、調査報道に徹している新聞記者とフリーランス・ライターである。さらにウエブサイトを発表媒体にしている「市民記者」である。
たとえばわたしの場合は、携帯電話の基地局問題を取材しているが、基地局に関する情報が秘密に指定される可能性が極めて高い。と、いうのも、通信網に関する情報を漏らせば、テロ活動に悪用されるという口実が成り立つからだ。
現に秘密保護法がない現在の段階でも、基地局情報はほとんどが非開示になっている。わたしはそれがどのような法律に基づいているのを知らないが、総務省は基地局に関する情報の公開を阻みつづけてきた。
秘密保護法が成立すると、基地局の撤去を求める運動や報道が処罰の対象になり、電話会社が自由に基地局を設置できるようになる公算が強い。
◆安倍の体質を見抜けなかった?
ここにきて秘密保護法に反対するマスコミ関係者が急増している。それ自体は歓迎すべきことだが、わたしがふに落ちないのは、この中には、小泉内閣によって本格化し、安倍政権へと受け継がれた構造改革と軍事大国化の国策を支援してきた人がかなり多く含まれている点である。言うまでもなく新聞とテレビは、構造改革と軍事大国化の応援団だった。その延長線上に、秘密保護法や改憲が待ち構えていることを推測できなかったようだ。
安倍の体質を見抜くのが、あまりにも遅かったのでは・・・・彼が戦前の道徳教育まがいの「美しい国プロジェクト」を提唱したころから、危険な兆候は見えていたはずだが。
MEDIA KOKUSYOで発生している不具合が、修理後に解消されているかどうかを調査した結果を報告します。不具合の実態については、12日付けの記事で公表しました。リンク先は次の通りです。
依然として、「2」と「3」のトラブルが一部で続いていることが分かりました。参考までに、トラブルの実態を説明した12日付けの記事から該当部分を引用しておきます。
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◆吉竹幸則(フリージャーナリスト・元朝日新聞記者)
それから数か月。編集局次長が突然、支局を訪ねて来ました。編集局長が「豊田に行く」と約束した手前、代わりにその下の局次長を来させたのかも知れません。局次長に経過を説明すると、私の言い分もそれなりに分かってくれたようでもありました。
その後、しばらくしてのことです。局次長から、支局に電話がありました。「ちょっと内緒で名古屋に来てもらいたい」との呼び出しです。「名古屋本社に寄らず、直接近くの寿司屋に来るように」と、指示されました。
寿司屋で落ち合い、ビールを飲みながらの話です。局次長は「いろいろあったが、社会部長は、編集局以外に異動させることにした。二度と編集局には戻さない。君はそれをもって了としてもらいたい」と、切り出しました。ただ、「部長は、朝日にとって異能分子、貴重な人材でもある。編集以外でどう高く処遇しても、目をつぶってもらいたい」とも付け加えたのです。
私にとって部長の人事・処遇など、どうでもいいことです。とにかく名古屋を去ってくれれば、十分です。問題は河口堰報道。尋ねると、「あまり騒がず、新部長のもとで粛々と再開すればいい」という話でした。
◇新聞社の「異能分子」?政界工作者
局次長が口にした「異能分子」とは、記者として培った人脈を、「報道」目的以外の経営に資する社業に生かし、活動する人物を指すことは、朝日社内の常識でした。私も駆け出し時代、東京本社の新社屋を建てるための国有地払い下げに、「異能分子」が活躍したというウワサは聞いていました。
ただ、せっかく築地に国有地を確保しても、それまでの有楽町より地下鉄の駅は遠く、記者のタクシー利用が増大。その経費が月に億単位で膨れ上がっていました。朝日の「異能分子」が、築地を通る地下鉄新線、新駅の早期開業を各方面に働きかけているというウワサも、政治記者時代、耳にはしていたのです。
しかし、私も含め政治記者は、我関せず。周囲を見渡しても、そんな動きをしている「異能分子」は見当たらず、無頓着。果たして本当に「異能分子」が駅の早期開業を働きかけていたかも、不明です。
ただ、こう言っては叱られるかも知れませんが、新駅での「異能活動」があったにしても、なかっても所詮、些細な問題に過ぎません。新聞業界にもいろいろ弱みはあります。「ジャーナリズムの使命・役割りは権力監視」と、常に表向きは威勢がいい建前を口にします。でも、実は裏では権力に頼りたいもっと大きな問題、逆に触られたくない問題も多々あるのです。
◇「異能活動」がジャーナリズムを堕落させた
このブロクの主宰者の黒薮哲哉氏は、長く「押し紙・積み紙」とも言われる新聞の偽装部数について、追及しています。広告が主な収入源である新聞業界では、その基礎となる部数が命です。そこに偽装があるとしたら…。
経営の根幹にかかわる問題です。口を封じたいから、読売は黒薮氏にいくつもの訴訟を仕掛けたのでしょう。でも、本当に読売を始め新聞業界が恐いのは、黒薮氏の報道が波及して、公正取引委員会が動く事態なのです。
再販制度の維持にも、新聞業界は長年腐心しています。今でも契約時の景品など、過当競争が業界体質です。もし、曲がりなりにも定価販売が維持されている再販制度まで廃止されるとしたら…。これを廃止するか否かの権限を握るのは公取委です。
また、新聞社は系列テレビ局の株を握り、グループ企業化しているところも多いのですが、この電波の許認可権を持つのは総務省です。実は、この当時、TBSとテレビ朝日で系列の地方局がねじれていて、再編が大きな懸案事項でした。ねじれの解消には、地方局を系列に合わせて増やす以外にありません。そのための様々な働きかけを必要としたはずです。
このほか、捜査当局や税務当局との関係など数え出すと、きりがありません。権限を握る省庁の官僚と、背後で操る政治家…。新聞業界に弱みがある限り、こうした権力者と関係を結び、円満にことを収める仲立ち役の異能分子に頼りたい誘惑に、経営者は駆られることになります。
もちろん、新聞社も私企業です。経営の安定は大事であり、それが健全な報道活動に繋がります。だから私も、すべての異能活動を悪と決め付けるつもりはありません。ただ、越えてはならない1線はあります。異能活動の道具に、人々の「知る権利」を使うことです。
経営を安定させるのは、人々の「知る権利」を守るためです。それを権力者との取り引きの道具に使い、「知る権利」を侵害するなら、本末転倒です。こんなことを続けている限り、権力に借りを作ります。健全なジャーナリスト活動に基づき、権力監視し、人々の「知る権利」に応えることなど到底出来ないのです。
黒薮氏は、偽装部数問題を追及し続ける理由として、「新聞業界に恥部があり、そこを権力につけ込まれるなら、健全な報道活動は出来ない。新聞業界に弱みを作らせないためにも、その追及は欠かせない」と、説明しています。私も同感です。何より、越えてはならない1線を守り、権力に出来る限り借りを作らないことが、ジャーナリズムの基本でなくてはなりません。
◇河口堰報道を止めた事実の裏に何が?
この部長は、先にも記したようにリクルート事件の追及などで、世間からその頃、「調査報道の神様」などともてはやされていました。官僚や政治家の不祥事、弱みも他の記者以上に良く知っていました。「弱み」と「弱み」と取り引きして、なかったことにする…。局次長が言うように、部長が本当に「異能分子」であったとしたら、あり得ないことではなかったかも知れません。
ただ、もともと調査報道記者は、「ミイラ取りがミイラになる」危険と背中合わせです。情報を取りたければ、「虎穴に入らずんば、虎児を得ず」です。一方、ミイラの方は、様々な手段を使い、記者の取り込みを図ります。
狐と狸の化かし合い…。それが調査報道取材です。部長同様、調査報道経験の長い私も親しい官僚・政治家は多数いました。取り引きを持ちかけられたことも、実は何度もありましたが、きっぱり断りました。
だから部長も、調査報道に長く携わっているだけで「異能分子」と疑われてはたまらないでしょう。「異能活動」は、人事同様、すべて密室で行われます。局次長は、この部長を「異能分子」と呼んだのは、私のこの耳で聞きましたが、私は、この部長を「異能分子」と呼ばわりしたり、人々の「知る権利」を取り引きに使ったと決めつけるだけの証拠はありません。
ただ、プライドの高い朝日の記者で、自ら「異能分子」を買って出る輩は稀です。局次長が言ったように、部長が本当に「異能分子」だったとしたら、後ろ盾の経営幹部にとって離し難い存在ではあったでしょう。
サンゴ事件の責任から逃れ、この人物が復活するには、単に批判者やライバルがどんな経緯にせよ、スキャンダルで潰れただけでは盤石とは言えません。社業、つまり経営成績に結びつく貢献が不可欠です。そのための私兵も必要だったはずです。
部長が約束されたとする「名古屋の編集局長にしてやる」との経営幹部の密約も、それが目的だったとしたら、あり得ないことではないかも知れません。
私の河口堰報道を止めた経過は、報道機関の日常とあまりにもかけ離れていたことだけは間違いありません。その裏で何があったか…。局次長なら、当時ヒラ記者の私以上に多くの社内の裏情報を持っていたと思います。部長が「異能分子」であり、河口堰報道を止めたのも「異能活動」の一環だとしたら、多くの点で、辻褄は合って来ます。
局次長のこの言葉は、私を妙に納得させたことだけは確かでした。ただ、何度も言っておきますが、部長が本当に「異能分子」で、河口堰の記事を止めたのは、「異能活動」に利用するためだったとする証拠は何もありません。私には、そう決めつけるつもりはありません。
◇朝日という組織の壁
果たして局次長の言葉を素直に信じていいのか。私も少しは迷いました。何しろ「名古屋の編集局長を約束された」と広言しているような部長です。どんなに他のポストで処遇されようと、編集局から追放されて、おとなしく引き下がるような人物ではないことも、多くの社内の人物は知っていました。
「お前を人身御供にするような約束を、会社は部長としているはずだ」と、私にそっと教えてくれる人もいない訳でもなかったです。しかし、私は編集局を追放されるような事を何もした覚えがありません。万一、そんな約束があったとしても、部長を納得させる一時の方便だろうと、その時は、それほど気にも止めなかったです。
私は第一、個人的興味や趣味で、河口堰を取材した訳ではありません。「朝日記者」を名乗っての取材なら、私の知り得た事実は、「知る権利」を持つ読者のものであり、協力者が世間に知らせたい事柄です。
記者の責務、読者や協力者への責任上も、一刻でも早く河口堰報道が出来ればいい。報道が陽の目を見たら、私の評価は不動となり、飛ばしたくても、飛ばしようがなくなります。「すべてはそれから」と、その話を了解したのです。
何より局次長の約束は、「河口堰報道は、あまり騒がず、新部長のもとで粛々と再開すればいい」です。後任の新部長は、東京社会部の部長代理。私とも親しく、東京でこの報道のことで私が相談し、一旦は報道を許し、潰された内情も一番よく知る当事者の一人です。
私はこの人事を知った時、やっとこれでそれほど心配せずともすむと、小躍りしました。私が取材した長良川河口堰での官僚の際限ないウソ、利権目当てにしゃにむに無駄な公共事業に突き進む事実……そのすべて報道出来る。そう思うと先に光明が見えました。しかし、朝日という組織は、実はそう甘いものではなかったのです。
申し訳ありません。ここまで書いて来たところで、また今回も紙数が尽きました。取材したすべての事実が報道出来るはずの約束が、どのようにして反故にされて行ったか。次回はこの点を詳しく報告して行きたいと思います。ぜひ次回もご愛読頂ければ幸いです。
≪筆者紹介≫ 吉竹幸則(よしたけ・ゆきのり)
フリージャーナリスト。元朝日新聞記者。名古屋本社社会部で、警察、司法、調査報道などを担当。東京本社政治部で、首相番、自民党サブキャップ、遊軍、内政キャップを歴任。無駄な公共事業・長良川河口堰のウソを暴く報道を朝日から止められ、記者の職を剥奪され、名古屋本社広報室長を経て、ブラ勤に至る。記者の「報道実現権」を主張、朝日相手の不当差別訴訟は、戦前同様の報道規制に道を開く裁判所のデッチ上げ判決で敗訴に至る。その経過を描き、国民の「知る権利」の危機を訴える「報道弾圧」(東京図書出版)著者。
◆吉竹幸則(フリージャーナリスト・元朝日新聞記者)
維新・橋下氏の出自差別報道の痛手も癒えないまま、朝日から出向で再建を託された週刊朝日編集長の解任・懲戒解雇処分が伝えられています。朝日OBとしては、情けない限りです。
伝えられる週刊誌報道が事実に近いとしたら、上司の立場を利用した行為は、人として、まして社会的弱者を慮ることが職業的倫理であるはずのジャーナリストなら絶対にあってはならないことです。
私が朝日を批判するのは、現役時代の恨みつらみが原因ではありません。戦前回帰の風潮が強くなっている今の社会・政治状況からも、権力の監視役が是非とも必要です。これからも朝日の役割りは大きいはずです。真っ当なジャーナリズムとして再生してもらわなければなりません。しかし、現状を見ると、その道がいかに遠いか、改めて感じざるを得ません。
組織の末端が腐り、様々な不祥事が続発するのは、必ずと言っていいほどトップが腐っている時です。私は役所や企業を相手にした多くの調査報道で、嫌と言うほどそのことを見て来ました。しかもトップが腐っていた組織では、その頃育った社員により、その後何年、何十年と不祥事が繰り返される傾向にあります。
そんな組織でも建前では立派なことを言います。しかし、本音、つまり言っていることとやっていることは違っています。トップが腐敗していると、中堅、末端社員に至るまで不満がうっ積します。幹部が建前で倫理観の順守を言っても、組織には根付いていないのです。
残念ながら、国の官僚、政治家もさることながら、朝日もそうした組織の一つだったと言わざるを得ません。問題を起こした週刊朝日二人の編集長は、私より1世代若く、私が上司による報道弾圧・人事差別に苦しんでいた頃、まだ若手記者だった人たちです。現経営陣になって少しは改善されたようではありますが、朝日の長い歴史の中でも、最も派閥体質の強かった時期とも言えるでしょう。
◇朝日に不祥事が続出する理由
当時の幹部もジャーナリズムの使命とか倫理は格調高く語り、記者には念入りなジャーナリスト教育も行っていました。しかし、それは建前。仏作って魂入れず、なのです。建前で話す立派な言葉も乾かぬうちに、幹部自ら倫理・使命とは程遠い派閥抗争にうつつをぬかし、力の論理に走っていては、若い記者の心に響くはずもありません。
言葉を操るのがジャーナリストです。とすれば、言葉についての責任は一般人以上に重く、言行一致は最低限の倫理であるべきです。しかし、前回のこの欄http://www.kokusyo.jp/?p=3539で掲載した私への当時の名古屋編集局長の手紙が典型的な例の一つです。幹部が口にする言葉とやっていることのあまりの落差…。組織としての背筋が通らず、ジャーナリズムとしての組織原理が根底から崩れていました。
これも先の本欄に書いた通り、記者が警察の裏金情報を持って来ても、「取り引きに使え」と指示した人物が取締役、この程度の手紙しか書けない人物が編集局長……。露骨な派閥人事が横行していた時代です。幹部が「人々の知る権利・報道の自由が大事だ」と口にしても、本気で聞く記者はいません。
今の朝日の中堅幹部は、ジャーナリストとして最もその資質を磨かなければならない大事な時期に、こんな幹部のお説教を鼻白む思いで聞いて育った人たちです。本来のジャーナリストとしての倫理観が育っていなかったとしても当然ではないでしょうか。その後遺症が不祥事続発の原因だとしたら、本人だけの責任にし、トカゲの尻尾切りをしてみても組織全体が再生するはずもありません。
根元を絶つには、いかに苦しいことでもタブーを作らないことです。かつてのトップ・幹部の責任に及ぼうとも、徹底的な事実に基づく検証を行い、膿を出し尽くす過程が避けて通れません。しかし、今の朝日にその覚悟があるようには見えません。
◇過去を検証する意義
「公共事業は諸悪の根源」のこのシリーズも、今回で8回目になりました。私がこうした過去のことを書くのも、朝日の中でいかに言行一致がないがしろにされて来たかの実例だからです。過去の検証を朝日がしないなら、私が事実を明らかにする以外にありません。
現役時代、私に対し、「自分だけきれいごとを言って……」との批判が社内からあったことはよく承知しています。でも、「きれいごと」かどうかは別として、朝日自ら紙面で、他企業、役所に対し、手厳しいお説教を垂れてきたように、検証作業なくして、朝日もジャーナリズム本来の使命・倫理に根底に立ち戻ることは出来ないと、私は思っています。
負の部分・連鎖を断ち切ってこそ不祥事もなくなります。言行一致のジャーナリズム本来の姿勢、組織の姿を取り戻するには、それが一里塚になると信じて疑いません。
また、前置きが長くなりました。今回は、私が名古屋編集局長に送った直訴文に対し、先の手紙通り鼻をくくった回答を返し、大阪の局長に栄転した後の1993年の出来事を報告して行きたいと思います。
◇1000兆円の借金大国に?事実が立証した編集方針の誤り
「このまま無駄な公共事業の典型・長良川河口堰の運用を許すなら、国・地方の財政を危機に陥れる。将来の超高齢化社会の到来で、この国が立ちいかなくなるのではないか…」。私が局長に対し、誠心誠意訴えたのはこのことでした。
当時の訴えが的を得ていたことは、その後のバブル崩壊で、「景気対策」の名の下に、河口堰同様の無駄な公共事業を乱発。今、この国が1000兆円を超える借金を抱え、青息吐息の状態になっていることからも証明されていると思っています。しかし、財政破綻に国の官僚が責任を取っていないのと同様、朝日も、記事を止めたことに対して責任を取ろうとする幹部はいません。
記者の仕事とは何か。私は、今ある現実を取材し、将来の危機を察知し、世間に知らせることで、問題を未然に防ぐことだと思っています。何故、あの時河口堰報道を止めたのか?。今でも、当時の局長の顔を想い出すたびに虫唾が走ります。
この時も、私は局長の手紙に対する反論は、いくらでも書けました。でも、もはや名古屋の局長でもなく、この程度の文面しか書けない人物相手に、論争を続けても無駄。その暇も気力もありませんでした。
1993年正月になって、後任の新局長が赴任していました。この人物に問題点を改めて訴え、報道・組織の是正をお願いする以外にないと思ったのです。でも、本当に出来るのか。実は多くの不安要因がありました。
何よりこの局長は、東京本社学芸部長から2階級特進、異例の抜擢での就任だったからです。河口堰報道を止めている社会部長が、「自分に名古屋編集局長のポストを約束した」と、その名を口にした例の経営幹部は、この新局長とも近い仲とのウワサがありました。
通常、名古屋編集局長は、東京編集局次長の中でも将来の取締役として嘱望される人物がなることが多かったのです。しかし、この局長は学芸部長時代も部下の評価が高かった訳でもなく、在任中に大きな実績があったとも聞いていません。
これもこれまでのこの欄で何回か触れました。社会部長と親しい例の幹部は、名古屋の社会部長、編集局長、局次長、代表も歴任、取締役になってからも、名古屋編集局の幹部人事を遠隔操縦しているとのウワサが絶えませんでした。この人物なら、何らかの意図で自分の息のかかった人物を、思い通りに局長に据えることは朝飯前だったはずです。
もちろん、人事は密室。この人事が幹部の私的意図で行われたとか、局長が本当に幹部の息のかかった人物であったとか、断定出来る証拠はありませんし、私も、そうと決めつけるつもりなど毛頭ありません。
ただ当時、私が河口堰報道の再開を周囲に強く働きかけていたこともあり、社会部内で部長の言動・行動に部員の不満・疑問の声が高まっていました。この局長の就任は、前局長の方針を引き継ぎ社会部長を擁護するため。つまり、河口堰報道を止めるための対策人事としか、私には思えなかったのです。少なくとも周囲も「なぜ」と、いぶかる謎の人事だったことだけは間違いありません。
◇本音と建前の使い分ける朝日の空気
新局長が就任すると、恒例の管内支局・通信局回りの予定も組まれました。私はその時に新局長に河口堰報道について話をしようと待ち受けていました。しかし、前局長が豊田訪問を見送ったのと同様、新局長視察は案の定、「豊田」だけが日程から飛ばされていました。
しかしその後、愛知県内の通信会議の予定がありました。長く本社に居た私のような記者は別でも、支局、通信局勤務経験が長い地方の記者は、局長・部長など本社の編集幹部とふだん親しく話す機会はあまりありません。通信会議は、1年か2年に一度、一緒にホテルなどで会議を開き、夜、懇親会で親睦を深める会です。
朝日では昔、地方にサムライ記者が多くいました。気に入らない部長を酔っ払ったと見せかけ、ぶん殴るという武勇伝も懇親会では絶えなかったのです。私が新人で地方支局に配属された1970年代は、誰をどうぶん殴るかのリスト・シナリオまで、支局・通信局を駆け回っていました。
だから、部長連中はこの会議が近づくと戦々恐々。何しろ記者にぶん殴られる部長が出たら、殴った記者が咎められることはありません。むしろ、殴られた部長はなぜ部下から評判が悪いかが問題とされ、編集局長からも罰点がつく時代でした。
ジャーナリズムの使命・倫理とか舌を噛む難しい話をしなくてもいいのです。こうした朝日独特の酔っ払い文化が何にもまして、管理職の理不尽な横暴を止め、朝日がジャーナリズムとしての道を踏み外さない歯止めとして働いていました。
でもこの頃は、すでに派閥人事の横行は地方まで及んでいました。サムライは定年で徐々に減っただけでなく、地方からも飛ばされ、数も少なくなっていました。もともと酔っ払いは、心優しい人たちです。酒の勢いを借りて徒党を組んでこそ力が出ます。一人、二人では何も出来ないのです。
当時の通信会議は、もう上司にゴマをする記者も多くいる、何処の企業にでもあるありきたりの宴会になっていました。でも、局長から遠ざけられていた私は、この機会をとらえて話すしかありません。そのチャンスを虎視眈々と狙っていました。
宴会は、新局長の「忌憚ない意見を、どんどん聞きたい」との挨拶から始まりました。本音と建前の使い分けは、朝日の得意技。内面はともかく、幹部になると、太っ腹なところを部下に見せるのも、この組織の習わしでした。
局長の前には、記者が入れ替り立ち替り来て、にこやかに酒を注ぎ去って行きます。私は本社勤務が長かったこともあり、この会議に出るのも10数年ぶり。ウワサでは聞いてはいましたが、様変わりした雰囲気に隔世の感がしました。
◇報道自粛を突破できない「ノミの心臓」
そんな記者の局長への挨拶回りが、一通り終わった時です。局長の前に人が絶えたのを見計らい、私は「豊田には来ていただけませんでしたが……」と、酔っぱらったふりをして銚子を持ち、局長の前に進み出ました。
「河口堰報道はこれ以上待てない」と、話を向けました。そうすると、先程の「忌憚ない意見をどしどし…」はどこへやら。局長は「酒の席だ。詳しいことを言われても……」と、最初から逃げ腰です。
「今やらないと、大きな禍根を残す」と、説得しました。局長はさらに逃げようとしたので、「今、忌憚なく、何でも話せと言われたのでは……。名古屋では河口堰報道は重要課題であることは、当然赴任前に勉強されて来たのでしょう」と、酒癖の悪さと見せかけ、強引に引き止めました。
そんなこんなで「俺も、河口堰報道に関心がある」との言質をやっとのことで、取り付けたのです。でも、「詳しい資料を見ないと……」と、局長はまた逃げ腰。「それではぜひ、豊田に来ていただきたい。酒の入らない席で、説明させて下さい」と、説き伏せました。
大勢の記者がいる席です。「忌憚ない意見を」と言った手前もあり、あまりみっともない姿も見せられなかったのでしょう。「この前の視察日程では、忙しく豊田を組み入れられなかった。ぜひ近いうち行かせてもらう」と言わせて、局長を解放しました。
ただ、後で聞いた話では、「なぜ、あいつを私と話させた。途中で誰かが割って入り、私から引き離さなかったのか」と、側近はえらい剣幕で怒られたという話です。案の定、約束したにも関わらず、その後も局長が、豊田に現れることは、一度もありませんでした。
そんな無駄な時間を過ごすうち、その年ももう3月。人事・査定の季節がまた廻って来ていました。蓋を開くと、査定は前年から2ランク落ちて、「標準」のC。前回のこの欄に書いたように、部長が「俺の言うことを聞いていれば間違いない」と電話してきた前年は、最高ランクのAでした。
少し自慢に聞こえたらお許し下さい。私は大きな特ダネを書いた時にもらえる編集局長賞の受賞は、それまで9回を数えていました。部長賞、努力賞を入れると50回以上です。ですから査定は、AかBが大半。標準のC査定など駆け出し記者以降は、一度もありません。それまでの昇格も、同期に比べて早い方だったのです。
この1年間も、地方版記事の出稿は一日100行以上を維持。社会面への特ダネ出稿も、他の支局長・通信局長より群を抜いていました。地方版が埋まらず苦労している担当の責任者からも常々感謝されていました。最初の評価は、この責任者によるものです。尋ねると、「私はそんな査定はしていない。部長が後で変えたのかな」と答えました。
◇記者としては無能力な者が現場記者を勤評する愚
この頃から社員への管理を厳しくしていた朝日では、「成果主義」と称し、仕事の成果をより重視した査定と、昇格制度を導入していました。しかし、部長は査定で私を懐柔出来ないなら、逆に報復に出たとしか、私には思えませんでした。
「能力・成果に応じた昇給」は、世の中の風潮。でも、朝日の「成果主義」とは、所詮この程度です。とっくに次長相当の4級へ昇格していい時期でした。しかし、それもなく、処遇は同期より大幅に遅れをとり始めていました。
ただ部長や編集局長に不満を言っても、これまでの経過からも取り合わないのは、目に見えています。「金のことで、もめた」と、面白おかしく伝わるのも不愉快です。そのままにしておきましたが、報道弾圧・報復の道具に、査定まで使う…。朝日はそんな組織になり果てていました。(続く)
≪筆者紹介≫ 吉竹幸則(よしたけ・ゆきのり)
フリージャーナリスト。元朝日新聞記者。名古屋本社社会部で、警察、司法、調査報道などを担当。東京本社政治部で、首相番、自民党サブキャップ、遊軍、内政キャップを歴任。無駄な公共事業・長良川河口堰のウソを暴く報道を朝日から止められ、記者の職を剥奪され、名古屋本社広報室長を経て、ブラ勤に至る。記者の「報道実現権」を主張、朝日相手の不当差別訴訟は、戦前同様の報道規制に道を開く裁判所のデッチ上げ判決で敗訴に至る。その経過を描き、国民の「知る権利」の危機を訴える「報道弾圧」(東京図書出版)著者。
「メディア黒書」にたびたび不具合が発生している問題について、読者のみな様に報告しておきます。最後に「メディア黒書」の修理が実施されたのは10月30日です。現在は、一応正常に機能していると思われますが、念のために有料会員の方は、ログインできるかどうか、あるいは会員限定画面にアクセスできるか否かを試していただくようにお願いします。
そのために本日は、有料画面の設定にしました。
不具合が解消されていない場合は、電話(048?464?1413)かEメール(xxmwg240@ybb.ne.jp)までお知らせ下さい。
■不具合の推定原因
メディア黒書に繰り返し不具合が発生するようになったのは、昨年の秋からです。新サイトがオープンした後のことです。
結論を先に言えば、原因はいずれか次の3が推定されます。
?サイトを構築したプログラマーの職能不足
?サーバーと何者かが共働して、「メディア黒書」を妨害している可能性
?第3者による外部からの「メディア黒書」攻撃
?の可能性は極めて低いと思われます。と、いうのも「メディア黒書」を構築したのは、一定のステータスがある上場企業で、幅広くネットビジネスを展開しており、ITの優秀な専門家がいないはずがないからです。
?の場合は、通信傍受法を根拠とした破壊活動である可能性があります。
?の場合は、単なる嫌がらせ、ゲーム感覚で破壊活動を実施しているものと思われます。
■被害の実態
1、昨年の秋に、一部の有料会員の登録が2重になるトラブルが数件発生しました。その後も今年の夏ごろまで同じトラブルが断続的に発生しました。
2、有料会員が、有料画面にアクセスすると、「この文章の続きは会員にのみ提供されています。購読契約が終了しています」という通知が表示されるようになりました。
しかし、「メディア黒書」は、有料会員が自分で退会手続きを取らない限り、自動解約されないシステムになっています。それにもかかわらず「購読契約が終了しています」と表示されること自体が異常な不具合です。何者かが、この通知文を入力しない限り、このような通知は表示されません。
ちなみに「購読契約が終了しています」と表示されるにもかかわらず、クレジットカードからの課金は発生していました。該当者に対しては、通知しました。通知しなければ、「詐欺」ということにされかねません。
3、有料会員の登録手続きを行うと、一番最後のプロセスで、「ご注文が完了しませんでした」と表示される不具合が発生しました。しかし、実際には登録は完了していました。そのために登録した本人は、登録に失敗したと認識しているのに、実際にはクレジットカードから課金される状況が発生しました。
ある時期からこのようにサイトが「改ざん構築」され、4人の登録者が被害にあいました。
このケースも、読者には、登録に失敗したと通知しておきながら、クレジットカードから課金するわけですから、「詐欺」とみなされかねません。
4、「メディア黒書」の管理画面のうち、記事を編集するセクションが完全に消えたことがあります。サイトを構築した会社に調査していただいたところ、何者かがサイトにアクセスして削除したことは判明しましたが、犯人を特定することはできませんでした。
5、「メディア黒書」のトップページにある書籍紹介の欄(下記PDF)に掲載していた拙著書『新聞の危機と偽装部数』(花伝社)のリンク先が、別の本にされていた。
6、読者が「お問あわせ」から発信したメールが、知らないうちに、MEDIA KOKUSYOに届かなくなっていた。
有料読者のみな様は、不具合等が発生してる場合、わたしまでお知らせ下さい。もちろん不正な金銭請求が発生している場合は返金します。MEDIA KOKUSYOの側でも、定期的に課金状況を確認していきますが、読者サイドでも不具合を発見された場合は、お知らせ下さい。
何者かがMEDIA KOKUSYOをかく乱する目的は、言論妨害にあることは明らかです。犯人は言論を敵視し、言論活動では対抗できない者と推測されます。そうであれば、ますます今後、真実の報道を強化する必要があります。
■このところMEDIA KOKUSYOにたくさんの情報が寄せられています。その中には、弁護士懲戒請求を申し立てたところ、警察にパソコンを押収されたといったものも含まれています。情報提供に対して対応が遅れていますが、順次、事実関係を調査していきます。
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2013年11月10日 (日曜日)
食材の偽装が次々と発覚する中、今度は新聞の「偽装」が明るみになり、刑事告訴に発展する事態になっていることがわかった。ブランド品の買取や販売を事業とする(株)バースデーが、発注した折込チラシを物流過程で65万枚も「中抜き」され、約250万円をだまし取られたとして、11月1日付で広告代理店アルファ・トレンドを大阪府警天満署へ刑事告訴したのである。
バースデーの有田社長は、「アルファ社は綿密に計算したうえで同じ手口を繰り返していた」と憤る。同社は別のクリニック経営の広告主からも昨年、この“折り込め詐欺”で刑事告訴された(不起訴)が、今回は十分な証拠がある。
こうしたチラシ枚数の偽装は、新聞の公称部数の偽装と表裏の関係にあることから業界の闇として隠されてきたが、にわかに刑事事件として浮上した。被害はどこまで拡大しているのか。告訴した有田社長に、「だましの手口」を語ってもらった。(告訴状はPDFダウンロード可)
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◇1年足らずで250万円の被害
◇PR戦略にも重大影響か?
◇新聞の公称部数の偽装が根底に
◇別の広告主も刑事告訴に踏み切っていた
◇大阪府警が捜査しない不思議
◇アルファ社とマー読宣は沈黙
