2015年03月02日 (月曜日)

YouTube上の動画を携帯電話で視聴するためのサイトTUBEFIREが著作権を侵害しているとして、レコード会社など31社が、同サービスを運営するミュージックゲート社(穂口雄右代表)に約2億3千万円の損害賠償などを求めた裁判が昨年の12月17日、東京地裁で和解した。

被告・ミュジックゲート社の代表は、キャンディーズの大ヒット曲、「春一番」・「微笑がえし」などを手がけた著名な作曲家・穂口雄右氏である。

主な和解内容は、被告の権利侵害を認定する代りに、原告は損害賠償を請求しない、など。しかし、原告のレコード会社らが10,431個分のファイルが違法にダウンロードされたと主張したにもかかわらず、実際には121個しか確認できなかった上に、「ダウンロード」と「ファイル変換」を混同し、勘違いしていたことが判明、請求額は「0円」となった。前代未聞の滑稽(こっけい)な決着となった。

(参照:和解条項の全文PDF)

裁判を終えた被告の穂口氏に裁判の全容を詳しく語ってもらった。

―――裁判が終わってどのような気持ちですか。

穂口 : なにか、物足りないような寂しいような気持ちです。判決になっても一審でのこちらの勝利はほぼ確定しているような状況だったので、和解で終了したことをある種残念に感じています。

実は当方は、裁判がスタートしてからほどなくして原告の間違いのすべてを発見していました。したがって、根が楽天的な私の裁判中の気分は、原告には申し訳なくも完全に見下ろし状態で、原告の間違いを指摘するタイミングを見ながら裁判を楽しんでいました。
―――TUBEFIRE(チューブファイアー)とはどのようなサービスですか。

穂口:TUBEFIREはYouTubeで公開されている動画ファイルを、従来型携帯端末でも視聴できるようにブラウザ経由でファイル変換を提供するサービスです。ファイル変換技術に秀でた弊社スタッフの希望によりスタートしたサービスです。

YouTubeの提供しているファイル形式では従来型携帯端末での視聴はできません。そこでTUBEFIREではYouTubeの動画を従来型携帯端末でも視聴できるようにしたところに存在意義がありました。したがって、従来型携帯端末のシェアーが減少している現在ではTUBEFIREの存在意義は低下しています。

―――現在、TUBEFIREのサービスは中止されていますが、提訴される前の時期には、どの程度の利用がありましたか?

穂口:ピークでは月間200万アクセスを記録しています。
―――何を理由にレコード会社(音楽出版社を含む)31社から提訴されたのですか?
穂口 : アクセス数が膨大に膨らんだため、回線の負荷を軽減するための一時的キャッシュが不可欠になり、著作権法第47条の5のいわゆる「プロバイダー制限責任条項」に基づきキャッシュを生成したところ、原告はTUBEFIREが著作権法第47条の5に従って運用されていることを知らずに、このキャッシュの事実を頼りとして提訴しました。著作権法に違反しているというわけです。

(参照:著作権法第47条の5PDF)

そこで、当方が「著作権保護システム」を装備して運用していると反論したところ、原告らは「そんなことは信じられない」と反論してきたので、当方から「著作権保護システム」のすべてのプログラムを裁判所に提出しました。すると原告らは「著作権保護システム」への反論が出来なくなり、その後は、論点を微妙にずらして時間稼ぎを試みていた印象です。

◇提訴の根拠は著作権法第47条の5

―――裁判の争点を教えてください。
穂口: この裁判の重要な争点は次の通りです。

1、TUBEFIREによるキャッシュが著作権法第47条の5を適用するケースか否か。
(裁判所の心証開示では、今のところ該当しないと考えていると開示)

2、原告が提出した約10000ファイルを記載したエクセル表の信憑性。
(裁判所の心証開示では、証拠として採用できないと考えていると開示)

3、原告が提出したmp3データ121ファイルの証拠価値。
(裁判所の心証開示では、今のところ121の侵害はあったと考えていると開示)

4、TUBEFIREの「著作権保護システム」の有効性。
(裁判所の心証開示では、この点には触れていません)

5、YouTubeのhtmlソースを解析して、利用者がYouTubeから直接ダウンロード出来るように紹介する行為が著作権侵害に当たるか否か。
(裁判所の心証開示では、今のところ侵害には当たらないと考えていると開示)

特に約10000ファイルの侵害の根拠として原告が提出したエクセルリストは間違いも多く、また、原告らが提出した担当者の陳述書内容と食い違っていたため、裁判を継続すると担当者の証人尋問に及ぶ可能性が高く、原告らは、この証人尋問で陳述書通りの証言を行った場合に偽証罪を問われる可能性があることを恐れたものと推察できます。事実、裁判所は心証開示の場で、和解が不調に終った場合の証人尋問の可能性を明言していました。

◇裁判官が驚いて「これだけですか?」

―――レコード会社は穂口さんの著作権違反を立証するためにどのような証拠を提出しましたか?

穂口: 前記のとおり、原告が当初拠り所としたのは、外注によって調査したハッカー的行為によるエクセルリストだけでした。これは、ハッカー的なプログラムを用いてTUBEFIREにアクセスし、TUBEFIREの反応の違いからキャッシュの有る無しを判断し、この結果をエクセルに記載した表です。そして当方は、このリストが間違いだらけであることを提訴から約1ヶ月後には完全に把握していました。

そこで、当方が「原告が10000ファイル以上の違法ファイルをダウンロード出来たと主張するなら、その実ファイルを提出するように」と反論したところ、原告は法廷では「証拠はあるので提出する」と明言しておきながら、2ヶ月後に提出してきた実ファイルは121だけでした。これには裁判官も驚いて「これだけですか?」と原告に念を押すと、原告は「はい、これだけです」と証言しました。ここでほぼ勝負ありの山場でした。

その他にも原告らは、ミュージックゲートの他のサービスのページのコピーなどを持ち出し、なんとか心証を得ようともがいていましたが、そのどれもが当方の反論によって論破され、最後に当方からエクセルリストと関連の陳述書の間違い、矛盾を指摘されてしどろもどろになり、その後の原告らは防戦一方といった体たらくでした。

◇「ダウンロード」と「ファイル転換」の違い

―――この裁判を理解するためには、どうしてもファイルの「ダウンロード」と「ファイル変換」の違いを明確にする必要があるわけですが、両者の違いを説明していただけるでしょうか?

穂口:いわゆる「音楽著作物の違法ダウンロードサイト」とは、他人の著作物を、権利者の許可を得ないで、自ら送信可能化(ファイルをHDDなどに複製してネットで送信できるようにする行為)をして、公衆回線を通じて著作権保護を一切施さずに不特定多数にダウンロードさせるサービスです。またこの場合のダウンロードファイルは、そのほとんどが音楽ファイルですから、著作権保護システムを装備するとサービスそのものが成り立ちません。

一方、「ファイル変換サービス」は、ファイル形式を解析して別の形式のファイルに変換するサービスです。その中でもTUBEFIREはYouTubeがすでに送信可能化を完了し、公衆回線上でYouTubeからダウンロード可能なファイルが、すでに利用者によってダウンローされているファイルに限って、ファイル変換と変換後のファイルの取得を可能にするサービスです。ちなみに、著作権者が公開を禁止した動画はYouTubeから削除されYouTubeからのダウンロードは不可になります。

またYouTubeがストリーミング専用動画として公開しているファイルもTUBEFIRE でファイル変換を行うことは出来ません。そしてご承知の通り、YouTubeの人気動画は音楽動画だけではありません。したがって、原告が著作権を持つ動画をYouTubeから削除しても、YouTubeおよびTUBEFIREのサービスは充分に成立します。

◇ほぼ完璧な著作権保護システム

―――TUBEFIREの著作権保護システムについて教えてください。

穂口 : TUBEFIRE の著作権保護システムの特徴は、YouTubeの動画公開情報と密接に連携して動作します。まずはじめに、TUBEFIREにファイル変換をリクエストするには、利用者がすでにYouTubeの動画IDを知っている必要があります。なぜならTUBEFIREを利用するにはYouTubeで公開されている動画IDにアクセスした上で、YouTubeのURL上に「fire」の文字を追加しなければならないからです。したがって、この段階でYouTubeから削除された動画は対象外になります。

次に、利用者が第一段階をクリアーしてTUBEFIREにファイル変換をリクエストすると、TUBEFIREの「著作権保護システム」が作動してYouTubeにアクセスし、変換リクエストをされた動画が実際にYouTubeに公開されているか否かを再度確認し、この時点でYouTubeから削除されていればTUBEFIREでのファイル変換は不許可となり終了します。

YouTubeでの公開が確認できた場合には「利用者が著作権侵害をしないことを誓約して」変換開始ボタンをクリックすると当該のYouTube動画IDに該当する動画のファイル変換がスタートします。変換には数10分から数時間かかるケースもあることから、ここで大概の利用者はTUBEFIREにメールアドレスを登録してTUBEFIREからの連絡を待ちます。

ファイル変換が完了するとTUBEFIREは利用者に自動メールを送信し、メールを受け取った利用者は再度TUBEFIREにアクセスして変換済みファイルを受け取るリクエストをします。TUBEFIREはここでもリクエストを受けた変換済みファイルの元となるYouTube動画がYouTubeで公開されているか否かを確認し、YouTubeから削除されていた場合にはTUBEFIREからのファイルの取得は不可となりTUBEFIREは終了します。

YouTubeでの公開が確認された場合には再度「利用者が著作権侵害をしないことを誓約して」ファイル受取りのボタンをクリックすることで、利用者はTUBEFIREから変換済みファイルを受け取ることが出来ます。

つまり、TUBEFIREを利用してYouTube動画を変換するためには、

1、予めYouTubeにアクセスして希望する動画のURLを確認取得する。

2、YouTubeのURLに「fire」の文字を追加してTUBEFIREにアクセスする。

3、TUBEFIREはYouTube動画の公開を確認しYouTubeで削除されていれば変換は不可。

4、3で可の場合利用者は「著作権侵害をしないことを誓約」、変換がスタート。

5、個々の利用者当てに固有のメールアドレスで変換完了を通知。

6、受取りリクエストを受けてTUBEFIREは再度YouTubeでの動画存在を確認。

7、当該動画がYouTubeから削除されていた場合にはリクエストを拒否して終了。

8、7で公開が確認された場合には再度「著作権侵害をしないことを誓約」を要求。

9.利用者が再度「著作権侵害をしないことを誓約」して受取りボタンをクリック。

以上のように、TUBEFIREはYouTubeと連動した何段階もの「著作権保護システム」を装備して運用していました。【続】

2015年02月28日 (土曜日)

 キューバの『プレンサ・ラティナー』紙(電子)の報道によると、米国とキューバの国交回復へ向けた2回目の会議が、ワシントンで現地時間の27日、午前9時から始まった。

これは1月22日にハバナで開かれた最初の会議に続くものである。

最大の争点は、米国がキューバに対して続けてきた「テロ支援国家」認定を解除するかどうかである。「テロ支援国家」認定が、50年にわたる経済封鎖の根拠になってきたからである。また、同じ理由で世界銀行(WB)などの金融機関から、融資が受けられない状態が続いてきたからだ。

しかし、米国は、国交回復交渉と「テロ支援国家」解除の問題は別とする立場を取っている。

二つ目の争点は、CISの金融部門が不在になっている問題をどう処理するのか、という点である。

【注】CIS (Cuban Interests Section、キューバの在外公館で1977年からワシントンに設置されている。一方、ハバナには米国の在外公館がある。将来は、それぞれキューバ大使館、米国大使館に生まれ変わる可能性が高い。)

さらに大使館を開いた場合に必要となる外交官の行動規則についても話し合われる見込み。

米国が国交正常化を進める方向へ歩み始めた背景には、1999年のベネズエラ革命を皮切りに、ラテンアメリカ諸国で次々と中道左派、あるいは左派の政権が誕生して、カストロ政権の孤立が解消し、南北アメリカの政治地図が塗り変わった事情がある。さらに中国などが、ラテンアメリカで経済的な影響力を強めている背景もありそうだ。

一方、米国の経済界もキューバに新市場を求めている。単にオバマ大統領の「善意」で国交回復へ動き始めたわけではない。

2015年02月27日 (金曜日)

昨年の12月に施行された特定秘密保護法の違憲無効確認と施行差止などを求める訴訟が、全国ですでに5件起きていることが分かった。舞台は、東京地裁、横浜地裁、静岡地裁、それに広島地裁である。

本サイトでも既報したように、特定秘密保護法は、もともと日本が軍事大国化する中で、米軍と自衛隊の共同作戦の際に生じる秘密事項を保持するための法的根拠を得る目的で浮上してきた。しかし、いざフタをあけてみると、秘密指定の権限をもつ行政機関が次に示す19省庁にも広がっていた。

(1)国家安全保障会議 (2)内閣官房 (3)内閣府 (4)国家公安委員会 (5)金融庁 (6)総務省(7)消防庁 (8)法務省 (9)公安審査委員会 (10)公安調査庁 (11)外務省 (12)財務省 (13)厚生労働省 (14)経済産業省 (15)資源エネルギー庁 (16)海上保安庁 (17)原子力規制委員会 (18)防衛省 (19)警察庁

◇口頭弁論を開かずに判決

最初に違憲訴訟が起こされたのは、静岡地裁だった。特定秘密保護法が国会で成立した2013年12月から2ヶ月後、2014年2月に藤森克美弁護士が1人で起こした訴訟である。

この訴訟では罪刑法定主義と弁護権の侵害が争点になっている。しかし、村野裕二判長が、早々と第2回口頭弁論で近々の結審をほのめかしたために、原告の藤森弁護士は、裁判官忌避を申し立てた。

※罪刑法定主義
どのような行為が犯罪とされ,いかなる刑罰が科せられるか,犯罪と刑罰の具体的内容が事前の立法によって規定されていなければならないという刑法上の原則。(出典:ブリタニカ国際大百科事典)

静岡地裁に続いて、東京地裁でも、2014年3月に違憲訴訟が提起された。原告は、フリーランスのジャーナリスト、カメラマン、映画監督、編集者など43名。この訴訟で原告は、同法が取材活動の自由を侵害する危険性を問題視している。

横浜地裁では、2014年7に市民運動に参加している人々が違憲訴訟を起こした。13人の原告は、この法律が市民運動を抑圧することなどを危惧している。

広島地裁でも、2014年12月、個人訴訟が提起された。原告の会社員は訴状で「秘密の妥当性などをチエックする独立した監視機関の設置が明示されておらず、官僚による情報操作が可能」と指摘している。

なお、『東京新聞』によると、既に棄却された個人による違憲訴訟が1件(横浜地裁)ある。この裁判では、口頭弁論を開かずに判決が下された。

特定秘密保護法を危険視する声が各方面から上がっているだけに、今後、違憲訴訟が増える可能性もある。

2015年02月26日 (木曜日)

鳩山由紀夫・元首相が、19日、沖縄県庁で翁長(おなが)雄志知事と会談したあと、名護市の辺野古を訪れ、政権の座にあった2010年当時、対米政策を転換したことに対して、住民に謝罪していたことが分かった。

この日、鳩山氏はスーツにネクタイ姿で、米軍基地の設置に反対する住民たちが集う現場を訪れた。住民たちの「鳩山さんがきたぞ」、「激励にきたぞ」という歓声と手拍子に迎えられ、マイクを手にすると、

「みなさん、連日ご苦労様でございます」

と、挨拶を切り出した。

鳩山氏は、普天間基地を少なくとも県外へ移設する公約をかかげて2009年9月、首相に就任した。翌年1月の名護市長選挙では、基地移設反対派の稲嶺進現市長を支援した。しかし、米国の猛反発にあい、普天間基地の県外移設という公約の実現を断念した経緯がある。

鳩山氏は、首相の時代に公約を反故にしたことについて、

「わたしに対してみなさまが、さまざまなご感情を持っておられることはよく存じております。総理時代に最低でも県外へ、できれば国外へと申し上げたことが、実現できなかったことが本当に悔しいですが、申し訳なく思っています。ただ、この思いは、総理を辞めた後も、実は変わっておりません。それだけに沖縄のみな様方の総意の気持ちに従いながら、反省の中で行動を起こしてまいりたい、そう思っております。」

と、述べた。また、米軍の抑止力を肯定したことについては、次のように謝罪した。

「自分の信念を曲げて、抑止力という言葉を使ってしまいました。申し訳なく思っております。従って撤回をいたします」

2015年02月25日 (水曜日)

新聞の発行部数がわずか1年の間に激減していることが分かった。
新聞の発行部数を調査する日本ABC協会が発表した2014年度下期(6月~12月)における新聞の発行部数一覧によると、中央紙各紙の部数は次の通りである。()内は対前年差(2013年度下期)。

朝日新聞:710万1074部(-44万2107部

読売新聞:926万3986部(-60万4530部

毎日新聞:329万8779部(-5万1587部

日経新聞:275万534部(-2万5585部

産経新聞:161万5209部(-2316部

 ■2014年度下期の新聞発行部数一覧PDF

朝日は、約44万部を失った。読売は約60万部を失った。

プラスに転じた社はない。

しかし、ABC部数は、実際に配達されている部数を正確に反映しているわけではない。配達されないまま新聞販売店で一時保管され、古紙として回収される「押し紙」、あるいは「残紙」もABC部数に含まれている。そのためにこれらの不透明な部数を整理すれば、必然的にABC部数も減じる。

今回の調査で明らかになった新聞部数の激減傾向が、不透明な部数を整理した結果なのか、それとも読者離れの結果なのかは分からない。

◇低落する新聞広告の媒体価値

新聞業界が衰退に向かっているにもかかわらず、紙面広告の出稿量はほぼ横ばいが続いている。これは新聞広告の媒体価値が落ちるに伴って、価格も落ちていることを意味している。広告主をつなぎ止めるために、価格を落とさざるを得なくなっているのだ。

「押し紙」や残紙が存在するために、実配部数が不透明なので、広告主企業は、マーケティング戦略として新聞広告を採用した場合、誤算に見舞われることがある。たとえば30万人の新聞読者を想定し、それを前提に戦略を決定したにもかかわらず、実際には15万部の新聞しか読者に届いていなければ、期待通りのPR効果は得られない。

戦略は失敗する。

さらに新聞広告は、アクセス解析ができない欠点もある。どのような層が広告に関心を示しているのかを把握できない。これでは科学的なデータに基づいた戦略はとれない。

インターネット広告が増えて、新聞広告が衰退しているゆえんである。

不透明な新聞の発行部数。これを改めなければ、新聞の「没落」を止めることはできない。

2015年02月24日 (火曜日)

 京都新聞社の販売店が、配達部数を超える新聞の仕入れを強制されたとして起こしていた裁判が、1月に和解していたことが分かった。京都新聞社側が店主に和解金、300万円を支払った。

裁判を起こしていた店主は、1988年から2店舗を経営していたが、過剰な新聞部数(「押し紙」)の卸代金を負担できなくなり2011年に自主廃業に追い込まれた。買い取りを強いられていた新聞部数は、廃業前には搬入される新聞の2割を超えていた。

たとえば同年の1月の場合、販売店への新聞の搬入部数は約6000部だったが、このうちの約1550部が過剰になっていた。これらの新聞は、包装を解かないまま、トラックで回収されていた。

「押し紙」とは、新聞社が新聞販売店に搬入する新聞のうち過剰になっているものを意味する。たとえば2000部を配達している販売店に、3000部を搬入すれば、差異の1000部が「押し紙」である。「押し紙」に対しても、新聞社は卸代金を請求する。

それゆえに「押し売り」のニュアンスで「押し紙」と言う。

日本の新聞業界には、「押し紙」が慣行化しており、水面下の社会問題になってきた。現在も解決には至っていない。

新聞社は「押し紙」で、販売収入を増やすだけではなくて、新聞の公称部数をかさ上げすることで、紙面広告の価格を押し上げる。そのために広告主企業からも批判の声があがっている。環境問題の観点から、紙資源のムダとの批判もある。

裁判を終えた販売店主は、和解金300万円に納得しておらず、「こんなことになるのであれば、現役の時に裁判を起こしておくべきだった」と裁判所に対する不信感を露わにしている。

一方、京都新聞社は、「(和解は)裁判所からの提案で、この件については、何も申し上げることはございません」と、話している。

2015年02月23日 (月曜日)

教育や医療、福祉サービスなど人間としての基本的権利は、本来、憲法で保障されているはずだ。貧乏だから学校で学べないとか、病院や介護施設に入所できないといった実態があってはならない。が、新自由主義=構造改革を導入した結果、これらの最低条件すらも奪い去られようとしている。

裁判を受ける権利についても、すでに経済力の差が判決を決めかねない状態になっている。正義と金が結合しはじめている。かつて日弁連は、弁護士報酬を定めていた。たとえば、一般法律相談料の場合は、「30分ごとに5000円以上2万5000円以下」だった。

ところが、小泉内閣が押し進めた司法制度改革の結果、2004年4月から弁護士報酬が自由化された。その結果、勝率の高い弁護士事務所が設定する弁護士報酬が高騰している。

次に示すのは、「人権派」「無罪請負人」として有名な法律事務所ヒロナカ(弘中 惇一郎弁護士)のウエブサイトに掲載されている費用体系である。

1. 一般民事訴訟
   着手金:(1)原告の代理人となる場合 係争金額の5%
       (2)被告の代理人となる場合 係争金額の8%

    ただし、着手金の最低金額を30万円とする。
  成功報酬:(1)原告の代理人となる場合 獲得金額の10%
       (2)被告の代理人となる場合 防御金額の7%

    を基準とする。
   
   なお、事件がきわめて難解な場合には50%の範囲での増額、訴訟物価格が高額な場合(1億円を超える場合)、及び簡易な場合には50%の範囲で減額があることとし、これについては、協議の上決定する。

  ただし、報道名誉毀損事件 原告側については
  着手金:実費以外なし
  成功報酬:実費を加えて獲得金額の50%とすることもある。

さらに、日当は、「片道2時間以上の地方へ出張の場合 1日5~10万円」で、相談料は、1時間3万円である。尋常な額といえるだろうか?。詳細は、次の通りである。

 ■法律事務所ヒロナカの弁護士費用

 ■(旧)日本弁護士連合会報酬等基準

◇日弁連の政治団体から政治献金

わたしが興味を惹かれたのは、報道関連の名誉毀損事件では原告側の着手金が「実費以外なし」で、成功報酬が「実費を加えて獲得金額の50%とすることもある」と記されていることである。つまり名誉毀損裁判を起こしやすい環境を準備しているのだ。

高額の名誉毀損裁判が増えている背景ではないだろうか?

また、被告の弁護を引き受ける時の着手金については、「被告の代理人となる場合 係争金額の8%」と明記されている。この基準にそくして、たとえば1億円の名誉毀損裁判を起こされた被告の場合を想定してみると、着手金だけで800万円にもなる。これでは被告は、勝訴しても多大な損害を被る。

このところSLAPP(高額の恫喝訴訟)が増えている背景に、新自由主義=構造改革の中で行われた司法制度改革があるようだ。政治家と日弁連の責任は重い。

なお、日弁連の政治団体・日本弁護士政治連盟から、国会議員に政治献金が支出されている。2013年度は次の通りである。

◇献金先の議員と政党

藤田幸久(民主):5万円
北神圭朗(民主):5万円
世耕弘成(自民):10万円

溝手顕正(自民):5万円
衛藤晟一(自民):5万円
川上義博(民主):5万円

小川勝也(民主):10万円
鈴木寛(民主):10万円
米山隆一 (維新):10万円

林芳正(自民):10万円
いそざき陽輔(自民):5万円
松野信夫(民主):10万円

岡崎トミ子(民主):10万円
吉田はるみ(民主):5万円
大河原雅子(民主):10万円

島村宜伸(自民):10万円
古川俊治(自民):10万円
水野けんいち(みんな):10万円

谷ひろゆき(民主):5万円
山本一太(自民):10万円
辻泰弘(民主):10万円

宇田こうせい(減税日本):10万円
愛知治郎(自民):10万円
森まさこ(自民):10万円

公明党東京都本部:10万円
公明党埼玉県本部:10万円
公明党大阪府本部:5万円
公明党京都府本部:5万円
公明党神奈川県本部:10万円
公明党愛知県本部:10万
公明党香川県本部:5万円円

政治資金収支報告書PDF

2015年02月21日 (土曜日)

 なぜ、特定秘密保護法がジャーナリズム活動やブログによる情報発信、それに住民運動などを骨抜きにしてしまう危険性を秘めているのだろうか。第3章の執筆者・林克明氏は、同法の22条を柱に据えて説明している。22条は、この法律が海外からも、「平成の治安維持法」と評価されていることに配慮して、次のように述べている。

(第1項)この法律の適用にあたっては、これを拡張して解釈して、国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあってはならず、国民の知る権利の保障に資する報道又は取材の自由に十分に配慮しなければならない。

この条文を受けて、下記の第2項で、「出版又は報道の業務に従事する者の取材行為については」例外にすると「言い訳」している。

(第2項)出版又は報道の業務に従事する者の取材行為については、専ら公益を図る目的を有し、かつ、法令違反又は著しく不当な方法によるものと認められない限りは、これを正当な業務による行為とするものとする。

が、問題は「出版又は報道の業務に従事する者」の定義である。フリーランスのジャーナリストや編集者、カメラマンは、「出版又は報道の業務に従事する者」に含まれるのか?。あるいはブロガーは、これに該当するのか?。さらには住民運動の機関紙を制作する者はどうなのか?

森雅子・内閣府特例大臣(当時)は、フリーランスも「出版又は報道の業務に従事する者」に含まれると、国会答弁している。しかし、フリーランスに対する露骨な差別は、昔から存在していた。

本書で林氏は、豊富な具体例を紹介している。

たとえば鉄道事故を取材していたフリージャーナリストが、ある事故について警察に問い合わせたところ、「自称記者には対処しません」と言われた。それまでは取材に応じていたが、ある日を境に拒否されるようになったという。警察に足を運び、原因を探ったところ、TWITTERで警察を批判したことが原因らしいことが分かった。

つまり「出版又は報道の業務に従事する者」であるかどうかを判断するのは、特定秘密保護法を手に入れた警察の側なのだ。

◇われらが「島」

さらに第22条2項には、別の重大問題もある。取材活動を正当と認めるための条件が付されている点である。しかもその条件は、恣意的な拡大解釈を可能にするものである。次の箇所だ。

 専ら公益を図る目的を有し、かつ、法令違反又は著しく不当な方法によるものと認められない限り(取材活動は正当)

改めて言うまでもなく、取材活動に公益性があり、法令を遵守し、不当な取材方法ではないと判断するのは、特定秘密保護法を運用する側である。たとえば、外務省による中東への渡航中止勧告を無視して、現地に入り、特定秘密情報に指定されている問題を暴けば、第22条による「特別救済」は対象外になる。

第22条は、どうにでも解釈できる「ざる法」の典型にほかならない。

もちろんジャーナリズムの代表的な手法である潜入取材などはできなくなる。真実を知ることができない状況は、長い目でみれば、国益を損なう。日本を脱出する人が増えるのは確実だ。その結果、われらが「島」はますます欧米から取り残され、孤立することになる。

2015年02月20日 (金曜日)

『秘密保護法』の第2章は、足立昌勝・関東大学名誉教授の執筆である。足立氏は、秘密保護法に連動して共謀罪と盗聴法が果たす負の役割についても、認識する必要性を訴えている。
共謀罪について足立氏は、次のように言う。

人が殺人をしようとした場合、計画から始まり、準備し、実行し、結果を発生させます。計画を除いたそれらは、予備・未遂・即遂という犯罪にあたりますが、それぞれは個別の犯罪というより一連の動きであり、一つのものとしてとらえたうえで判断を下すというのが常識的な解釈でした。

ところが共謀罪が適用されると、「犯罪の実行行為がなくても2人以上で話し合うなどすると処罰される」ことになる。

たとえば原発による土壌汚染についてのデータが特定秘密に指定されたと仮定する。しかし、土壌汚染は住民の生命に直接かかわる問題なので、データの入手が必要と判断したジャーナリストAが、雑誌の編集者Bにこのデータを入手する方法について相談を持ちかけたとする。

この時点で、2人の会話が警察に傍受されていれば、共謀の証拠となり、2人に対して「共謀罪」が適用されてしまう。傍受(盗聴)を警察が合法的に実行するためには、盗聴を合法化する法律が必要になる。特定秘密保護法と共謀罪、それに盗聴法が整合性をもった3点セットになっているゆえんである。

さらに次のような事情もある。
周知のように特定秘密保護法を運用するためには、公務員など情報を管理する立場の人々が、管理者としての適正があるか否かを「審査」しなければならない。たとえば防衛省にスパイが潜り込んでいれば、防衛秘密が外部へもれかねないからだ。

そこで情報管理を担当する人々の「適正検査」が行われる。これを担当するのは、公安警察だと言われている。

具体的にどのような方法で「適正検査」を実施するのか?。結論を先に言えば、それは身元調査である。監視カメラなどを使った個人情報の収集、スパイを使った聞き込み、さらには盗聴である。実際、特定秘密保護法と連動して、盗聴法も改悪され、その運用範囲が大幅に広がっている。

◇野中広務氏の「転身」

盗聴法が最初に成立したのは、1999年である。この年、小渕内閣の下で、日本の軍事大国化につながる重要法案が矢継ぎ早に成立した。前年に再販制度という新聞社の既得権を政治家に守ってもらった新聞・テレビは何の抵抗もしなかった。

成立した法案は、周辺事態法、盗聴法、国旗・国家法、改正住民基本台帳法である。後にこれらの法律は、特定秘密保護法の運用と連動してくる。

さらに後年、テロ特措法(2001年)と有事関連3法(「武力攻撃事態法」「自衛隊法改正」「安全保障会議設置法改正」2003年)が成立している。これらの延長戦上に特定秘密保護法があるのだ。

辺見庸氏は、『私たちはどのような時代に生きているか』の中で、野中氏が官房長官だった1999年の通常国会を指して、次のように述べている。

1999年の諸問題は、もちろん、ここに至る長いプロセスがあって、突然に降ってわいてきたわけではないのですから、結果だけを論じることはできないのです。ともあれ、僕としては99年問題の重大性を最大限強調したい。年表で言えば、ここはいちばん太いゴチックにしておかないとまずい。

当時の小渕内閣の官房長官は、現在、憲法9条の重要性を訴えている野中広務氏である。

わたしは、考え方を変えるのが悪いと言っているのではない。大きな影響力を持つ人物でありながら、それまで自分が指揮した政策のどこが誤っていたのかを公にしていないから問題なのだ。

野中氏の「転身」を受け入れる側も、寛大すぎるのではないか?周辺事態法、盗聴法、国旗・国家法、改正住民基本台帳法といった法律が、すべて特定秘密保護法に連動している事実を見据えるとき、野中氏の責任は重い。

2015年02月19日 (木曜日)

『特定秘密保護法』(集英社新書、宇都宮健児、堀敏明、足立昌勝、林克明著)の第1章(堀敏明弁護士の執筆)に、特定秘密保護法を根拠に逮捕された場合の裁判についての記述がある。

周知のように特定秘密保護法の秘密情報は、次に示す19の行政機関の長によって指定される。

①国家安全保障会議 ②内閣官房 ③内閣府 ④国家公安委員会 ⑤金融庁 ⑥総務省⑦消防庁 ⑧法務省 ⑨公安審査委員会 ⑩公安調査庁 ⑪外務省 ⑫財務省 ⑬厚生労働省⑭経済産業省 ⑮資源エネルギー庁 ⑯海上保安庁 ⑰原子力規制委員会 ⑱防衛省 ⑲警察庁

もともとこの法律は、軍事大国化の下で、必然的に不可欠になる米軍と自衛隊の共同作戦の際に生じる秘密事項を保持する法的根拠を得るために打ち出された。しかし、いざ蓋をあけてみると、秘密指定の権限をもつ行政機関が19省庁に広がり、しかも、拡大解釈で国に不都合な情報のほとんどが秘密指定できるようになっている。たとえば、原発に関する情報・・・・

しかも、何が特定秘密情報に指定されているのかは公表されない。秘密である。と、なれば当然、特定秘密保護法の容疑で逮捕された場合、問題となるのは、警察に拘束された者に対して、どのような特定秘密情報が原因で逮捕されたかを伝えられないことだ。かくて逮捕状を示された瞬間、

「えっ、どうしてわたしが」

と、自問することになる。

通常の刑事裁判のプロセスについて堀弁護士は、次のように述べている。

「刑事裁判の出発的は、検察官作成の起訴状です(刑事訴訟法256条)。起訴状には、被告人の氏名など被告人を特定する事項、公訴事実(検察官が起訴した犯罪事実)、罪名だけを書くことになっています。また、公訴事実については『できる限り日時、場所及び方法を以て罪となるべき事実を特定してこれをしなければならない』として、検察官にその証明すべき犯罪事実を明示し、被告人に十分な防御活動ができるよう争点の明確化を求めています。」

ところが特定秘密保護法を根拠とした裁判では、検察がどのような公訴事実を問題にしているのかを、逮捕された本人はもとより、弁護士も、第3者も知ることができない。一方、裁判官は、次のような対処を求められる。

「インカメラ審理(裁判官だけが証拠を閲覧できる)の導入も検討されているようですが、この方法では、裁判官が特定秘密に該当すると判断した場合には、その情報が被告人や弁護人に開示されることはありません」

◇事実の共通認識を避ける愚法

さて、公訴事実が被告人と弁護士に知らされない状況の下で、裁判は成立するのだろうか?たしかに形式だけの裁判であれば可能だ。

しかし、刑事裁判の究極目的が真実の検証と「罪の償い」にあるとすれば、その目的からは完全に逸脱してしまう。思考の原点は、事実の確認と認識であるから、問題となっている事実の中身が不明では、問題解決への道は一歩も進まない。

普通、空想の世界と現実の世界には、ギャップがある。それを埋め合わせるのが、事実の検証作業なのだ。

日本には、こうした思考プロセスを無視した現象がいたるところにある。

たとえば、ある新聞社の実配部数(実際に配達している部数)が400万部しかないのに、800万部あるという誤った認識を前提に、新聞業界のありかをいくら議論しても、なんの解決にもならない。時間の無駄である。肺に癌ができている客観的事実があるのに、肺炎という誤った前提で治療を続けても、効果はあがらない。医療費の浪費である。

事実が何であるかを、さまざな角度から検証し、コミュニケーションをはかり、事実の共通認識を獲得しなければ、議論は一歩も進まない。特定秘密保護法を根拠にした裁判では、そのプロセスを完全に無視するわけだから、軍事裁判、でっち上げ裁判と同じである。

わたしは事実の共通認識を経ずに執筆した判決文がどのようなものになるのか、暗い好奇心を抱いている。おそらく論理が破たんした支離滅裂なものになるのではないか。第一、特定秘密情報を知っている検察官と、知らない被告の主張の整合性、あるいは議論の噛み合いを、判決文でどう表現するのだろか。不可能だ。議論の土俵そのものが最初から公平ではない。

また、訴因となった特定秘密情報が何であるかを判決の中には、明記できないわけだから、第3者が読めば、意味不明瞭になる可能性が高い。このような裁判が、憲法で保障された裁判を受ける権利に反していることは論を待たない。

2015年02月17日 (火曜日)

携帯電話やスマートフォン、それにワイヤレスPCの普及が進むにつれて、無線通信に使われる電磁波の危険性が指摘されるようになった。しかし、なぜ電磁波が危険なのかを知らない人が大半を占める。

多くの人々が理解していないこの問いに反応するかのように、『THE BIG ISSUE  JAPAN 142』号で、北里研究所病院の宮田幹生名誉教授が次のように明快な答えを述べている。

 身体の細胞は電気で、しかもごく微弱なもので動いているんですね。だから、電磁波が身体に影響しないわけがないんです。

 電磁波は身体を酸化させるんですね。ですから酸化防止装置の少ない精子は、電磁波により死んでしまうことがわかっています。また、神経を変性させ、認知症、筋萎縮性測索硬化症などになるとの報告もあります。

身体の細胞が微弱な電気で制御されていることを知っていれば、電磁波が人体に影響を及ぼす原理は、小学生でも理解できる。

確かに人体には外界からの刺激に対して防御作用が備わっているが、それにもかかわらず、たとえば携帯電話の基地局の近くに住んでいる人が、1日24時間、365日、電磁波(マイクロ波)に被曝した場合、1年後、あるいは5年後、さらには10年後といった長期被曝の後に、防御の限界に達し、何らかの障害を背負うことになりかねない。

事実、携帯基地局の周辺で癌の発生率が高いことは、海外で行われた複数の疫学調査で明らかになっている。次に示すのは、ブラジルのミナス・メソディスト大学が行った疫学調査の例である。すでにMEDIA KOKUSYOで紹介したが、再録しておこう。

結論を先に言えば、基地局から半径500メートルの円周内で、癌のリスクが高くなることが分かった。1万人あたりの癌による死亡数と、基地局からの距離は、次のようになっている。明らかな関連が観察できる。

距離 100mまで:43.42人
距離 200 mまで:40.22 人
距離 300 mまで:37.12 人
距離 400 mまで:35.80 人
距離 500 mまで:34.76 人
距離 600 mまで:33.83 人
距離 700 mまで:33.80 人
距離 800 mまで:33.49 人
距離 900 mまで:33.21人
距離 1000mまで: 32.78人
全市        :32.12 人

 参考: 携帯基地局から200メートル以内、発癌リスクが極めて高い、ブラジルの調査でも判明、日本では秘密保護法の施行で情報ブロックも

◇若年性アルツハイマーの予備軍?

欧米では電磁波が人体に及ぼす影響は、常識として定着し、未成年に対して使用制限などの措置を取っている国(フランス、イギリスなど)もあるが、日本は実質的に規制がない。日本と欧米の違いは、携帯電話に使われるマイクロ波の規制値を比較すると、そのことが一目瞭然だ。

日本:1000μW/m2

EU:0.1μW/m2(提言値) 室内は、0.01W/m2

日本の規制値は、EUよりも1万倍も緩い。規制にはなっていない。しかも、幼児までが携帯電話やスマートフォンを使っている。あるいはオモチャにしている。幼児の「ヘビーユーザー」の中から、若くして癌、白血病、アルツハイマー、パーキンソン病などを発症する者が多発する可能性が高い。

余談になるが、最近、LED照明の危険性も指摘されはじめている。

参考:危険が指摘され始めたLED照明(ブルーライト)による人体影響、理学博士・渡邉建氏インタビュー① 

参考:危険が指摘され始めたLED照明(ブルーライト)による人体影響、理学博士・渡邉建氏インタビュー② 

◇特定秘密保護法と携帯基地局

政府は、なぜ、携帯基地局の設置を規制しないのだろうか。
最近、私はある仮説を検討している。日本から携帯電話の「圏外」をなくすことで、国家が国民ひとりひとりの位置情報を把握しようという意図があるのではないだろうか。周知のように、携帯電話を所持していれば位置情報を把握することができる。

基地局の設置を規制しない背景には、日本の軍事大国化に伴うスパイ網の構築という課題がある。

安倍内閣は、「愚民政策」を背景に特定秘密保護法を筆頭に軍事立法の整備を進めているが、公安警察が個人情報、特に左翼関係者の位置情報を把握するためには、日本から「圏外」をなくす必要がある。そこで補助金を支給してまで、僻地に携帯基地局を設置しているのではないだろうか?

こうした推測が正しければ、携帯基地局に関する情報は、すでに特定秘密情報に指定されている可能性が高い。

2015年02月16日 (月曜日)

イスラム国報道でメディアの自主規制が露骨になっている。それが高じて、タブーになった領域もある。その典型例は、後藤健二氏と湯川遥菜氏をめぐる事件の背景である。真実は何か?

両氏が巻き込まれたテロ行為に対する批判と追悼とは別に、どのような経緯で事件に巻き込まれたのか、事実を明らかにしなければならないが、多くのメディアがこの作業に尻込みしている。

その背景に最高罰・禁固10年の特定秘密保護法の存在があるのではないか?同法は、基本的には軍事立法であるから、軍事に関連する情報の大半は特定秘密に指定されている可能性が高い。したがって日本政府が「人道支援」を行った紛争地帯で起きた誘拐・殺人事件を検証すると、日本政府や有志連合との接点が浮上してくる可能性がある。

まして湯川氏の場合は、(株)民間軍事会社の設立者である。単なる戦争マニアではない。同社の顧問には、自民党の元茨城県議が就任しているありさまだ。湯川氏と元航空幕僚長・田母神俊雄氏の懇意な関係を示す写真も多数存在する。

 参考:湯川氏と田母神氏の写真

ちなみに安部内閣は、昨年の4月に閣議決定により、武器輸出を原則禁止から、条件付きで認めることを取り決めた。こうした軍事大国化の流れの中で、民間企業が海外の紛争地帯で、戦争ビジネスを展開できる温床ができあがったのである。

したがって湯川氏に関する真実に迫ると、特定秘密保護法に抵触する可能性が出てくる。メディアが報道を自粛して、湯川氏を単なるテロの被害者としてしか報じないゆえんではないか。

◇米軍も不可能な救出を後藤氏ができるのか?

後藤氏についても、優れた戦場ジャーナリストという報道に終始している感がある。しかし、湯川氏を救出するためのスケジュールに不自然な点があることが、一部のブログで指摘されている。次のブログである。

■後藤健二の疑惑 - マスコミが正確に報道しない湯川遥菜との関係

わたしはこのブログの内容を全面的に肯定するわけではないが、少なくとも次の箇所は、調査する必要があると考えている。

昨夜(1/20)のテレビ報道を見ていると、後藤健二は、湯川遥菜が8月にシリアでイスラム国に拘束された件について、自身が責任を感じており、イスラム国に潜入して身柄を救出する準備を進め、10月下旬にそれを実行している。

10月22日にトルコに向かい、23日にトルコのコーディネーターに電話をかけ、24日に国境の町で接触し、25日に国境を越えてイスラム国の首都であるラッカに向かっている。帰国予定は10月29日だった。29日に帰国ということは、28日にイスタンブールから飛行機に乗らなくてはいけない。

テレビ報道でのトルコのコーディネーターの証言だと、27日になっても帰らなかった場合、家族を含めた5件の連絡先に電話を入れてくれと後藤健二に頼まれ、本人の携帯電話を直に渡されたと言っていた。ここから察知できることは、後藤健二による湯川遥菜救出の行動がきわめて短期の計画だったということだ。25日に国境を越えてシリアに潜入し、27日には再び国境を超えてトルコに戻っていなくてはいけない。

2泊3日の行程。つまり、後藤健二は何も事前に情報のないままイスラム国(ラッカ)に入ったのではなくて、イスラム国側のコーディネーターの手引きに従い、イスラム国側との打ち合わせに従って、本人の主観からすれば、湯川遥菜の身柄を引き取りに行ったのだ。現地で時間をかけて捜索するのではなく、調整した約束どおりに素早く身柄を引き取って戻ってくる予定だったのだ。

2泊3日の予定でイスラム国に入ったとすれば、「イスラム国側のコーディネーターの手引きに従い、イスラム国側との打ち合わせに従って、本人の主観からすれば、湯川遥菜の身柄を引き取りに行った」可能性が高い。

日本政府が当時、イスラム国とどのような折衝をしていたのかは、外務省所管の独立行政法人「JICA」に勤務する後藤氏の妻に、イスラム国から身代金の要求があったことなどを除いて、ほとんど公表されていないが、このあたりの事情に関する情報も特定秘密に指定されている可能性がある。

湯川氏の居場所があらかじめ分かっていたから、あるいは湯川氏のもとに案内してもらう事前約束があったから、2箔3日の予定になったのではないか。まったく未知の土地で、米軍ですら探し出せない「捕虜」を1日で救出するのは不可能だ。

わたしは後藤氏が誰かから依頼されて、湯川氏を引取りに行った可能性が高いと考えている。単独の行動ではない。誰が後藤氏を、イスラム国へ送り込んだのかを解明する必要がある。しかし、その前に安倍内閣が昨年末に施行した特定秘密保護法の壁が立ちはだかっている。情報開示を求めると、逮捕されかねない。