2015年05月06日 (水曜日)

新聞やテレビを通じて政治を監視しても、だれが根底で政策の方向性を決めているのかが明確に見えてこない。輪郭が浮上しない。これに対してインターネットを駆使すると、政策決定のプロセスを読み取るデータが現れる。

日本人の多くが認識していない問題のひとつに、選挙で選ばれていない人々が、内閣設置の委員会などに参加して、直接に政策を方向付ける役割を担っている事実がある。日本に構造改革=新自由主義を導入しようとしているのは、保守系の政治家と官僚だけではない。彼らと関係が深い人々までが、政策の策定にかかわっているのである。

国会議員の人数が少ないことも、こうした問題を引き起こす原因であるが、政府が恣意的に政策の方向性をコントロールすることを意図して、有識者らにそのためのアリバイ的な役割を求めている可能性も否定できない。

たとえば新自由主義の教育改革を推進している安倍内閣の管轄下には、教育再生実行会議がある。ここに名を連ねている「有識者」は次の通りである。

漆紫穂子 (品川女子学院校長)
大竹美喜 (アフラック創業者)
尾﨑正直 (高知県知事)
貝ノ瀨滋 (政策研究大学院大学客員教授)

加戸守行 (前愛媛県知事)
蒲島郁夫 (熊本県知事)
鎌田 薫 (早稲田大学総長)
川合眞紀 (東京大学教授、理化学研究所理事長特別補佐)

河野達信 (岩国市立高森小学校教諭、前全日本教職員連盟委員長)
佐々木喜一 (成基コミュニティグループ代表)
鈴木高弘 (専修大学附属高等学校理事・前校長、NPO法人老楽塾理事長)
曽野綾子 (作家)

武田美保 (スポーツ/教育コメンテーター)
佃和夫 (三菱重工業株式会社相談役)
向井千秋 (東京理科大学副学長、日本学術会議副会長)
八木秀次 (麗澤大学教授)
山内昌之 (東京大学名誉教授、明治大学特任教授)

アフラックや三菱重工の企業関係者までが、教育再生会議に参加しているのである。

◆安保法制懇

憲法改正を目指している「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会有識者」(安保法制懇)も例外ではない。安保法制懇は、内閣総理大臣が開催し、「必要に応じ、関係者の出席を求めることができる」。ここでも選挙で選ばれていない人々が堂々と政策の方向づけにかかわっているのである。

安保法制懇の有識者は次の通りである。さすがに企業関係者は少ないが、政治思想のバランスを考慮した公平な人選とは思えない。

岩間陽子(政策研究大学院大学教授)
岡崎久彦(特定非営利活動法人岡崎研究所所長・理事長)
葛西敬之(東海旅客鉄道株式会社代表取締役会長)
北岡伸一(国際大学学長・政策研究大学院大学教授

坂元一哉(大阪大学大学院教授)
佐瀬昌盛(防衛大学校名誉教授)
佐藤謙(公益財団法人世界平和研究所理事長)(元防衛事務次官)
田中明彦(独立行政法人国際協力機構理事長)

中西寛(京都大学大学院教授)
西修(駒澤大学名誉教授)
西元徹也(公益社団法人隊友会会長)(元統合幕僚会議議長)
細谷雄一(慶應義塾大学教授)

村瀬信也(上智大学教授)
柳井俊二(国際海洋法裁判所長)(元外務事務次官)

2015年05月05日 (火曜日)

1990年代の半ばから日本の財界が政界に対して一貫して求めてきたのは、構造改革=新自由主義の導入だった。現在、安倍内閣の下で進行しているドラスチックな構造改革に決定的な影響力を持っているのは、次のグループである。

■経済財政諮問会議

■日本経済再生本部

■規制改革会議

■国家戦略特別区域諮問会議

これらのグループの特徴は、安倍首相が「長」を務めていることである。また、日本経済再生本部を除くグループの中に、政治家以外の人々、具体的には財界の代表や識者が多数加わっていることである。

選挙で選ばれた国会議員が政策の方向性を決めるのであれば問題はないが、財界や識者の意向が政策に反映される仕組みになっている。以下、経済財政諮問会議、規制改革会議、それに国家戦略特別区域諮問会議を構成するメンバーのうち、選挙で選ばれていない人々の氏名を明記しておこう。

■経済財政諮問会議

黒田東彦(日本銀行総裁)
伊藤元重(東京大学大学院経済学研究科教授)
榊原定征(東レ株式会社 取締役会長)
高橋進 (日本総合研究所理事長)
新浪剛史 (サントリーホールディングス株式会社 代表取締役社長)

■規制改革会議

安念潤司 (中央大学法科大学院教授)
浦野光人 (株式会社ニチレイ代表取締役会長)
大崎貞和 (株式会社野村総合研究所主席研究員)
大田弘子 (政策研究大学院大学教授)

岡素之 (住友商事株式会社相談役)
翁百合 (株式会社日本総合研究所理事)
金丸恭文 (フューチャーアーキテクト株式会社代表取締役会長兼社長)
佐久間総一郎 (新日鐵住金株式会社常務取締役)

佐々木かをり (株式会社イー・ウーマン代表取締役社長)
滝久雄 (株式会社ぐるなび代表取締役会長)
鶴光太郎 (慶応義塾大学大学院商学研究科教授)
長谷川幸洋 (東京新聞・中日新聞論説副主幹)

林いづみ( 永代総合法律事務所弁護士)
松村敏弘 (東京大学社会科学研究所教授)
森下竜一( アンジェスMG株式会社取締役)

■国家戦略特別区域諮問会議

秋池玲子 (ボストンコンサルティンググループ、シニア・パートナー&マネージング・ディレクター)
坂根正弘 (株式会社小松製作所相談役)
坂村健 (東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授)
竹中平蔵 (慶應義塾大学総合政策学部教授)
八田達夫 (アジア成長研究所所長)

2015年05月05日 (火曜日)

 1990年代の半ばから日本の財界が政界に対して一貫して求めてきたのは、構造改革=新自由主義の導入だった。現在、安倍内閣の下で進行しているドラスチックな有識者議員 秋池 玲子 ボストンコンサルティンググループ
シニア・パートナー&マネージング・ディレクター
同 坂根 正弘 株式会社小松製作所相談役
同 坂村 健 東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授
同 竹中 平蔵 慶應義塾大学総合政策学部教授
同 八田 達夫 アジア成長研究所所長構造改革に決定的な影響を持っているのは、次のグループである。

■経済財政諮問会議

■日本経済再生本部

■規制改革会議

■国家戦略特別区域諮問会議

これらのグループの特徴は、安倍首相が「長」を務めていることである。また、日本経済再生本部を除くグループの中に、政治家以外の人々、具体的には財界の代表や識者が多数加わっていることである。

選挙で選ばれた国会議員が政策の原案を作成するのであれば問題はないが、財界や識者の意向が政策に反映される仕組みになっている。以下、経済財政諮問会議、規制改革会議、それに国家戦略特別区域諮問会議を構成するメンバーのうち、選挙で選ばれていない人々の氏名を明記しておこう。

■経済財政諮問会議

黒田東彦(日本銀行総裁)
伊藤元重(東京大学大学院経済学研究科教授)
榊原定征(東レ株式会社 取締役会長)
高橋進 (日本総合研究所理事長)
新浪剛史 (サントリーホールディングス株式会社 代表取締役社長)

■規制改革会議

安念潤司 (中央大学法科大学院教授)
浦野光人 (株式会社ニチレイ代表取締役会長)
大崎貞和 (株式会社野村総合研究所主席研究員)
大田弘子 (政策研究大学院大学教授)

岡素之 (住友商事株式会社相談役)
翁百合 (株式会社日本総合研究所理事)
金丸恭文 (フューチャーアーキテクト株式会社代表取締役会長兼社長)
佐久間総一郎 (新日鐵住金株式会社常務取締役)

佐々木かをり (株式会社イー・ウーマン代表取締役社長)
滝久雄 (株式会社ぐるなび代表取締役会長)
鶴光太郎 (慶応義塾大学大学院商学研究科教授)
長谷川幸洋 (東京新聞・中日新聞論説副主幹)

林いづみ( 永代総合法律事務所弁護士)
松村敏弘 (東京大学社会科学研究所教授)
森下竜一( アンジェスMG株式会社取締役)

■国家戦略特別区域諮問会議

秋池玲子 (ボストンコンサルティンググループ、シニア・パートナー&マネージング・ディレクター)
坂根正弘 (株式会社小松製作所相談役)
坂村健 (東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授)
竹中平蔵 (慶應義塾大学総合政策学部教授)
八田達夫 (アジア成長研究所所長)

2015年05月04日 (月曜日)

国立がん研究センターが4月28日に発表した今年の「予測がん罹患数」は、982,100例(男性560,300例、女性421,800例)で、前年予想よりも約10万件増えた。原因として、同センターは、「高齢化とがん登録精度の向上が要因と考えられます。」と述べている。が、重要な原因はそれ以外にもある。

厚生省のデータによると、日本における癌患者の年次推移は、1996年から急激に増えて、以後、ゆるやかな増加傾向にある。

まったく指摘されていないが、これに連動するように上昇曲線を描いているのが、携帯電話の普及率である。総務省が公表しているデータ「移動体通信(携帯電話・PHS)の年度別人口普及率と契約数の推移」によると、携帯電話の普及率は、次のように上昇している。

1990年:  0.6%
1995年:  9.6%
2000年: 56.0%
2005年: 73.3%
2010年: 88.5%
2013年:101.7%

癌患者の増加を示す曲線と類似している。
携帯電話の普及率が増えると、それに伴い携帯基地局が増える。そこからは24時間、通信に使うマイクロ波が放射されるので、周辺の住民は否応なしに被曝することになる。

携帯電話の普及が始まったころは、マイクロ波に遺伝子毒性があることはほとんど指摘されていなかったが、その後、疫学調査などで、両者の関係が指摘されるようになった。そして2011年にWHOの外郭団体である国際癌研究機関がマイクロ波に発癌性がある可能性を認定した。

しかし、この時点では、特に都市部で携帯基地局が林立する状況が生まれていて、撤去自体が難しい状況になっていた。携帯基地局の撤去を求める裁判も提起されているが、いずれにも電話会社が勝訴して、撤去には至っていない。

もちろん携帯電話と携帯基地局が増えたことだけが、癌が増えた原因ではないが、重要な要素であることは疑いない。

◆ドイツの疫学調査

参考までに、ドイツとブラジルで行われた疫学調査の結果を紹介しておこう。

まず、最初に紹介するのは、ドイツの医師団たちが、1993年から2004年までの期間に、特定の団体から資金提供を受けずにナイラ市で行った疫学調査である。対象は、調査期間中に住所を変更しなかった約1000人の通院患者。マイクロ波の発生源である基地局は2局。最初の基地局は、93年に設置され、その後、97年に別の基地局が設置された。

医師たちは被験者の患者を、基地局から400メートル以内に住んでいるグループ(仮にA地区)と、400メートルよりも外側に住んでいるグループ(3地区)に分類した。そして2つの地区の発癌率を比較したのである。その結果、次のことが明らかになった。

最初の5年については、癌の発症率に大きな違いはなかったが、99年から04の5年間でA地区の住民の発症率が、B地区に比べて3.38倍になった。

しかも、発癌の年齢も低くなっている。たとえば乳癌の平均発症年齢は、A地区が50.8歳で、B地区は69.9歳だった。約20歳も早い。ちなみにドイツ全体の平均は、63歳である。

◆ブラジルの疫学調査

最近の疫学調査としては、2011年にブラジルのミナス・ジェライス州大学が発表したものがある。この調査でも、携帯基地局の周辺に住んでいる住民の癌による死亡率が、それ以外の地域の住民の癌による死亡率に比べて高い傾向があることが分かった。

リサーチの目的は、癌と携帯電磁波の因果関係を疫学的に調査することである。基礎データとして使われたのは、次の資料である。

1、市が管理している癌による死亡データ。

2、国の電波局が保管している携帯基地局のデータ。

3、国勢調査のデータ。

2006年12月までに、ミナス・ジェライス州大学があるベロオリゾンテ市では、856の基地局が設置された。(電磁波の密度は、最大で40.78μW/cm2。最小で0.04μW/cm2。)

1996年から2006年までに癌で死亡したと確認できたのは、7191人。1998年の約780人については、死亡時の住所が確認できなかったので、調査の対象外とした。

癌による死亡率は、基地局から500メートル以内の地域では、1万人当たり34.76人だった。他の地域では、この数字よりも減少する。

癌による死亡率(累積)が最も高かったのは、中央・南区の1000人あたり5.83人だった。ここには市全体の基地局の39・6%(2006年)が集中していた。

逆に最も低かったのは、バレイロ区の1000人あたり2.05人だった。 この地区の基地局は、全体の5.37%。ちなみに基地局の密集率が、バレイロ区よりも低い区も存在した。

◆複合汚染の視点

複合汚染というのは、汚染物質の相互作用が、相乗的な汚染をもたらすことである。マイクロ波と発癌の関係を考える際にも、複合汚染の視点が不可欠に
なる。

その複合汚染とはなにか?

分かりやすい例としては、子宮頸(けい)癌の発症に関する説がある。子宮頸癌の原因がHPV(ヒト・パピローマ・ウィルス)の感染であることはよく知らているが、HPVに「感染した人全員がかならず子宮頸癌になるわけではない。たとえば感染した状態で、ある環境因子にさらされて、DNAがダメージを受けるなどの条件が重なった場合、発癌リスクが高くなる」(利部輝雄著『性感染症』)のである。

地球上には数え切れない環境因子が存在する。事実、米国のケミカル・アブストラクト・サービス(CAS)が登録する新しい化学物質の数は、一日で優に1万件を超える。こうした状況の下では、複合の因子が連鎖したときに人体に及ぼす影響を検証することは極めて難しい。

人体はひとそれぞれに外界から異なった影響を受けており、厳密に言えば外界の変化に応じて、身体も変化している。静止状態にはならない。ひとつの変化が次の変化を引き起こす運動の法則が働いているのだ。従って体質も個々人により微妙に異なる。同じ強度のマイクロ波に被曝しても、人によりリアクションが異なるゆえんにほかならない。

研究室での動物実験の結果は、必要以上に過信すべきではない。参考になっても、絶対的なものではない。と、いうのも実験装置の中の環境と、実際の環境は異なるだけではなくて、モルモットと人間の体質も異なっているからだ。と、なれば何を最も重視すべきなのだろうか。

それは実際に住民の間に健康被害が広がっている事実である。それが、公害に対峙する原点だ。その意味では、携帯基地局の周辺で、健康被害が発生している事実を指摘した疫学調査の結果は極めて大切な意味を持つ。疫学調査で公害の医学的な根拠を特定できるわけではないが、公害の対策を取るうえで、最も重視すべき要素にほかならない。

2015年05月01日 (金曜日)

安倍首相が29日に米国の上下両院合同会議で演説した。その中で、安保関連法案を「この夏までに、成就させます」と約束した。

自民党が構想している軍事大国とは、具体的にどのようなものなのだろうか。
同党が2013年6月4日に公表した「新『防衛計画の大綱』策定に関する提言」を紹介しよう。

そこには自衛隊を米軍のパートナーとすることを前提とした、軍事国家の未来像が描かれている。軍事大国化の口実になっているのは、中国や北朝鮮の脅威、国際舞台でのテロの多発などである。

提言は、「安全保障政策の基盤となる重要課題」について、次のように述べている。

「『国防軍』の設置を始め、わが国における国防の基本理念を明確にするための『憲法改正』や『国家安全保障基本法の制定』、総理の強いリーダーシップの下で外交・防衛政策を推進するための官邸の司令塔機能としての『国家安全保障会議』(日本版NSC)の設置、日米同盟の抜本的強化の観点からの集団的自衛権などの法的基盤の整備や日米ガイドラインの見直しなどへの早急な取り組みが求められている。」

具体的には、

1,国防軍の設置
2,憲法改正
3,国家安全保障基本法の制定
4,国家安全保障会議(日本版NSC)の設置
5,日米ガイドラインの見直し

これらの項目の中には、すでに実現しているものもある。

このうち国防軍を設置するにあたっては、「内閣総理大臣を最高指揮官として定める」という。これは、純粋な軍事政権とはいわないまでも、軍事政権に近いスタイルである。

また、国家安全保障会議の設置に際しては、情報保全のために、秘密保護法を制定するとも述べている。秘密保護法が、日米共同作戦を前提とした安保関連法のひとつであることを如実に示している。

◆防衛型から攻撃型へ

改めていうまでもなく自衛隊は、元々、防衛を主要な任務とする「軍隊」だった。しかし、提言は、「動的防衛力」へ体質を改善する方向性を打ち出している。「動的防衛力」とは、部隊の移動能力を向上させることで、先制攻撃ができる能力のことである。端的に言えば、海兵隊に類似した攻撃スタイルである。実際、提言は、次のように述べている。

「島嶼防衛を念頭に、緊急事態における初動対処、事態の推移に応じた迅速な増援、海洋からの強襲着上陸による島嶼奪回等を可能とするため、自衛隊に『海兵隊的機能』を付与する。」

こうした「改革」を進める背景として、複数の理由が提示されているが、グローバリゼーションの中で、多国籍企業の防衛部隊としての海外派兵が「必要悪」として浮上している状況を考えると、自衛隊「改革」の最大の目的もこのあたりに存在するといえるだろう。

実際、提言は、「邦人保護・在外邦人輸送能力の強化」と題する節で次のように述べている。

「邦人保護の観点から、在外邦人に対する自衛隊による陸上輸送を可能とするための法改正を速やかに実現する。また、派遣国までの輸送を始め、迅速な部隊派遣に即応し得る態勢を確保する。さらに、陸上輸送中の邦人の安全を確実に担保し得るよう、必要な機材・装備の充実を図るとともに、任務遂行のための武器使用権限付与についての検討を加速し、検討結果を踏まえ必要な対応をとる。」

これが軍事大国化の最大の目的、あるいは本音の部分である。米国と役割分担をして、多国籍企業の防衛体制を構築しようというのが、自民党の提言である。そのために本来は防衛部隊であるはずの自衛隊の「打撃力」強化についても、次のように提言している。

「現在、打撃力については米国に依存している状態にあるが、このような役割分担については、現在の安全保障環境に照らしてその適否を再検討し、ガイドライン協議等を通じ整理する必要がある。

とりわけ『ミサイルの脅威』に対する抑止力を強化する観点から、わが国独自の打撃力(策源地[後方支援基地]攻撃能力)の保持について検討を開始し、速やかに結論を得る。」

国籍が異なる軍隊が連携して戦争するわけだから、事前の訓練が必要になることは言うまでもない。具体策として提言は、「グアム等における日米共同訓練場の整備を検討する」と述べている。

◆自衛隊員の確保

しかし、問題は予算と人員をどう確保するかである。医療・福祉を切り捨ててるなど、財政支出を抑制し、「小さな政府」を目指している政府であるが、自民党の提言は、軍事大国化については、大盤振る舞いを奨励している。

たとえば「自衛隊の人員・装備・予算の大幅な拡充」と題する節で次のように述べている。

「厳しさを増す安全保障環境に対応し得る防衛力の量的、質的増強を図るため、自衛隊の人員(充足率の向上を含む)・装備・予算を継続的に大幅に拡充する。
持続的かつ安定的な自衛隊の活動を可能とするため、常備自衛官と予備自衛官の果たす役割を十分に勘案し、海上及び航空自衛隊における予備自衛官の制度の見直しを含め、実効性のある「予備自衛官制度」を実現する。」

驚くべきことに、自衛官が退官した後の就職まで面倒を見るという。退官した自衛官を受け入れた企業に対して「税制優遇等の施策を検討し、必要な措置をとる」というのだ。

現職の自衛隊員の処遇についても、次のように述べている。

「隊舎・宿舎の整備や老朽化した施設の建て替えなど、自衛隊員の職場環境の改善を推進する。また、国内外で厳しい任務を遂行している自衛隊員と家族の絆の維持を支援するため、留守家族支援等を含めた自衛隊員の処遇の一層の改善を図る。

さらに、即応態勢を求められる自衛隊員の職務の特性に鑑み、宿舎料については格別の配慮を行うとともに、自衛隊員が退職した後の給付の拡充等の検討を推進し、各種任務に対する献身的な働きに報いる。」

自民党の提言を読むだけで、同党が描いている自衛隊の未来像は、軍縮とは正反対の方向であることが分かる。
■「新『防衛計画の大綱』策定に係わる提言」

2015年04月30日 (木曜日)

◆吉竹幸則(フリージャーナリスト・元朝日新聞記者、秘密保護法違憲訴訟原告)

テレビ朝日は、「報道ステーション」コメンテーター、古賀茂明氏の発言問題を受け、「コメンテーターとの意思疎通、信頼関係構築の不足」が原因として、4月28日、6人の社内処分を発表した。

自民の呼び出しに、のこのこ出ていったのがテレ朝だ。「コメンテーター室」の新設は、その意向を汲み、コメンテーターの選別・発言に、経営陣の関与を強め、自己規制する狙いが透けて見える。

そもそも権力の手におえない奔放な無手勝流こそ、ジャーナリズムの真骨頂だ。捨てるなら、権力と闘う手段を自ら放棄し、武装解除するジャーナリズムとしての自殺に等しい。この日、テレビ局が時の権力に屈し、「報道の自由」をなくした転換点として長く後世に記録されることを、私は何より恐れる。

◆自民党によるジャーナリズムへの介入

古賀発言を受けて、テレ朝が28日、明らかにした今後の対策は、①コメンテーターと番組スタッフとの意思疎通を強化するコメンテーター室の新設。人選や出演の助言を行う②コメンテーターの発言について、視聴者から意見をもらうシステムの構築③ゲストコメンテーターとの信頼関係の構築。

ゲストコメンテーター出演依頼では、番組内容を理解してもらい、日常的な信頼関係強化に努め、編成やコメント項目について丁寧に説明-の3点だ。

その前の17日、自民党本部では党情報通信戦略調査会(会長・川崎二郎元厚生労働相)が開かれている。「2つの案件とも真実が曲げられた放送がされた疑いがある」と、放送法を盾に「やらせ」問題でのNHKの堂元光副会長とともに呼び出しを受け、のこのこ出ていったのは、テレビ朝日の福田俊男専務だ。

もともとの自民の狙いは、テレ朝にあったのは、疑いの余地はないだろう。しかし、ジャーナリズムなら番組内容について、説明すべきは視聴者・国民に対してであり、時の権力者ではない。

拒否するのが、本来のジャーナリズムであり、ジャーナリストの気概でもある。万一、出て行ったとしても、自民から何を聞かれ、どう答えたのか。権力を笠にきた圧力めいたものはなかったのか。具体的に視聴者に明らかにしてこそ、最低限のジャーナリズムの責任・見識と言うものだ。

しかし、福田氏は記者に囲まれても、そのような内容を視聴者にほとんど具体的に説明するでもなく、党本部を去った。

◆古賀茂明氏の降板の舞台裏

昨年7月4日の安倍首相の「首相動静」がある。「18時55分 テレビ朝日早河洋会長、吉田慎一社長、幻冬舎の見城徹社長。▽21時4分 私邸着」。つまり、2時間の会食である。

見城氏は、テレ朝の放送番組審議会委員長でもある。社長を務める幻冬舎では「約束の日 安倍晋三試論」を刊行して総裁選前から応援団を務め、安倍氏とはかねてからきわめて親しい関係が伝えられていた人物だ。

報道現場はともかく早河会長体制のテレ朝で、見城氏を番審の委員長に据えた時から、報ステでの古賀氏の排除も、コメンテーターの選別強化も予想された結果ではなかったかと、私には映る。

実は、フリージャーナリストによる特定秘密保護法違憲訴訟原告団では、テレ朝処分発表の前日の28日、古賀氏をメインゲストに招いて講演会を東京で開いた。

原告の一人でもある私は、古賀氏の前座として30分足らず、話す機会を得た。その場で私は、古賀氏がなぜこうまで安倍政権から嫌われ、狙われるかについて触れた。その内容の一部を、ここに紹介する。

◆腐敗の実態を知る古賀茂明氏

理由の一つ目は、安倍政権が進める最大政策課題、集団的自衛権、原発再稼働にとって、最大の障害になる人物の一人であることだ。

古賀氏は、官僚を長く務め、政治家・官僚が、何を秘密にするか、その裏の裏、腐敗の内情をよく知っている。普通、天下りのエサを与え、口封じする。しかし、古賀氏には通じない。集団的自衛権、原発再稼働の裏にうごめく官僚・政治家の手の内、狙い…。それを常々テレビで語られることを、安倍政権がいかに苦々しく感じているか、想像に難くない。
二つ目は、憲法改正を最大目標とする安倍氏にとって、古賀氏は今後の政権戦略にとって、大きな障害になることだ。

古賀氏は 「改革はするが、戦争はしない」と、第4極の勢力出現の必要性を近年口にしている。利権まみれで1000兆円も借金が積み上がったこの国で、腐敗した官僚と既得権を排する、行政改革は多くの国民の支持が集まる。小泉人気、かつての民主党による政権交代、維新・橋下氏の誕生もすべてその流れに乗っている。

◆第4極「改革はするが、戦争をしない」

民主による行革の失速・失敗、失望で誕生した安倍人気もその流れの中にある。しかし、安倍氏は行革を口にしても、本気でやる気は感じられない。政権目標が集団的自衛権容認を憲法改正につなげ、米国と手を携えて、日本を「戦争の出来る国」にすることにある以上、既得権層とも妥協、自民の中の政権基盤確立を優先してきた。実際、防衛予算が増えただけでなく、公共事業予算も大幅増。行革の成果はほとんど上がっていないのが実情だ。

だからこそ、安倍政権は、「既得権層の排除・行革の徹底」と憲法9条改正をセットに訴える「維新」を補完勢力として取り込みを図る。その看板を借りることで、国会で改憲に必要な3分の2の議席を確保、改憲に慎重な「公明」をけん制、両天秤にかけつつ、改憲実現を目指すのが基本的な政権戦略だ。

だが、各種世論調査の結果を冷静に見直してみたい。おしなべて憲法9条の改正には、慎重派の方が賛成派を上回る。行革には依然、国民の強い支持がある。つまり。古賀氏の言う第4極「改革はするが、戦争をしない」との政策を支持する国民が一番多いのが現状だ。

しかし、古賀氏の言う第4極の政策を明確に打ち出す政党が不在なのが、この国の政治にとって最大の不幸なのだ。もはや行革で民主はあてにならないし、改憲か護憲も不明。自民は既得権者との関係は切れない。かといって維新に投票すれば、改憲に拍車がかかる。共産や社民は護憲の受け皿になっても、行革では期待は持てない…。

こんな有権者が多いことが低投票率の原因であり、その低投票率に支えられて、得票が低くても小選挙区制にも助けられ、大幅議席増。相対的自民圧勝で安倍人気が健在なように見えているのが、今の政権の実態である。

もし、「維新」の看板「既得権者のしがらみを持たない行革の推進」を、第4極も明確に打ち出し、改憲反対もセットにすれば、これまでの維新に向かっていた票や、改憲に慎重で棄権していた無党派層が、どれくらい第4極に流れるか。

安倍氏にとって、最大の脅威であり、結果次第で安倍氏の改憲構想は根底から覆る。第4極に有力な候補者が集まり、大きく育つ前に、古賀氏の芽を摘んでおきたい…。安倍氏がそう考えていても、何の不思議もない。

◆久米宏氏と古館伊知郎氏の違い

そもそも、報ステは久米宏氏がキャスターを務めたテレ朝の看板番組「ニュースステーション」を引き継いで、2004年にスタートした。久米氏の頃は、番組でコメンテーターと交わす会話について、一切事前の打ち合わせをしなかったことも知られている。「何を聞かれるか分からない」と、出演者は緊張を強いられた。しかし、その分、その時々に応じた変幻自在、自由な発言が出来た。

丁々発止、久米氏に聞かれてとっさに出る言葉こそ、その人の本音であり、自然に出た新鮮な驚きがあった。時々脱線もするが、そんなドキドキのハプニングもこの「ニュースステーション」の人気を支えていた。

もし、古賀氏が「テレビ朝日の早河会長、古舘プロジェクトの佐藤会長の意向で私(の出演)は今日が最後」と、番組で発言したら、久米氏なら、どう対応したか。少し想像してみた。

久米「いゃー、困ったな(笑い)。そんなことを今日、古賀さんが突然言い出すとは、思いもしませんでしたよ」

古賀「いつも、この番組は事前の打ち合わせなんか、していないではないですか」

久米「ひゃー…、これはこれは…、古賀さんに1本取られましたね。私も実は、古賀さんが今日限りと言うのは残念だし、何故そうなったのかと…」

古賀「なぜ、そうなったのですか」

この後、久米氏なら、「今日限りになった」理由を多少のオブラートに包みつつも、自分の知る限りのことなら話したと思う。それがジャーナリストとして当然のことであり、久米氏なら、その程度の意地は持っていたはずだ。少なくとも古舘キャスターのように「今の話は承伏できません」とは、言わなかったのではないか。

実はお行儀のいいメディアほど、権力にとって御しやすいものはないのだ。 シナリオのない無手勝流であってこそ、ジャーナリズムは、権力の規制から逃れられる。
視聴者に知らせなければならないものは、もちろん伝える。権力側が文句をつけてくれば、「いゃ、打ち合わせになかったものですから。まあ、この番組はいつも打ち合わせをしていませんから」といけシャーシャー、あるいはのらりくらり…。そうしていれば、相手もまともに追及出来ない。
それでも相手が強権発動してくれば、その時はその時だ。「権力による露骨な報道介入」と、それまでの経過を洗いざらい明らかにして、視聴者・国民を味方につけ闘えばいいのだ。

◆言論統制の行き着く先

戦前も、ジャーナリストの多くはそれなりの意地は持っていた。しかし、戦前の記録を読み返せば、日増しに軍部の監視・検閲が強まり、すべて放送はシナリオを作らせられ、シナリオ一言一句通り読まない限り、放送させてもらえなかった。国民に知らさなければならないものが伝わらず、国民は実相を知らないまま悲惨な戦争へとはまり込んだ。
今回、テレ朝が示した改革案で、コメンテーター室が新設されれば、ますます人選に経営側の関与が強まる。コメント内容についても、「意思疎通」や「信頼関係の構築」「番組内容を理解してもらう」などの名目で、シナリオらしいものが出来上がり、タガがはめられることとなる。

視聴者から意見をもらうシステムの構築も掲げるが、報道内容を細かくチェックしているのが、今の安倍政権だ。ネット右翼によるテレビ局への間断ない苦情攻撃もある。結局、その大きな声に耳を傾けることになりかねない。

「ジャーナリズムの使命は、権力監視である」と、多くのジャーナリストは語る。しかし、安倍首相にきわめて近い見城氏を番組審議会の委員長に据え、一つ一つの番組内容を監視。権力側に傾斜しているのが、今の早河会長-見城番審委員長体制のテレ朝だ。

最初から、「権力監視」をするつもりもなければ、人々の「知る権利」に応えることも念頭にない。自民の意向を斟酌し、経営側を通じ、わざわざ報道現場へ権力の介入のしやすい体制を作ったのが、今回のコメンテーター室の新設と言えるのかもしれない。

テレ朝は、誰の顔を見て、報道するのか。視聴者か。それとも権力者なのか。ジャーナリズム、ジャーナリストなら、依拠すべきは、権力でなく国民のはず。まだまだ、報ステには、ニュースステーション時代からの視聴者の期待も大きい。このままでは、確実に報ステもテレ朝も死ぬ。私はテレ朝の現場関係者に、経営陣の圧力をはねのけるジャーナリストとしての覚悟・自覚を求めたい。

≪筆者紹介≫ 吉竹幸則(よしたけ・ゆきのり)
フリージャーナリスト。元朝日新聞記者。名古屋本社社会部で、警察、司法、調査報道などを担当。東京本社政治部で、首相番、自民党サブキャップ、遊軍、内政キャップを歴任。無駄な公共事業・長良川河口堰のウソを暴く報道を朝日から止められ、記者の職を剥奪され、名古屋本社広報室長を経て、ブラ勤に至る。記者の「報道実現権」を主張、朝日相手の不当差別訴訟は、戦前同様の報道規制に道を開く裁判所のデッチ上げ判決で敗訴に至る。その経過を描き、国民の「知る権利」の危機を訴える「報道弾圧」(東京図書出版)著者。ブロクは「「MEDIA KOKUSHO」→「吉竹ジャーナル」

2015年04月29日 (水曜日)

さて、海外でマイクロ波の人体に対するリスクが懸念されている状況の下で、日本の総務省の方針を検証してみよう。まず、マイクロ波の規制値を国際比較してみる。

日本:1000μW/c㎡

カナダ:1000μW/c㎡

ロシア:100μW/c㎡

イタリア:10.0μW/c㎡m

スイス:6.6μW/c㎡

EU:0.1μW/c㎡(提言値)

ザルツブルグ市:0.0001μW/c㎡(目標値)

読者は、「μW/cm(マイクロワット・パーセンチ)」という用語にこだわらずに、著しい数値の違いに注目してほしい。日本の基準値「1000」、に対して、EUは「0.1」、ザルツブルグ市は「0.0001」である。

しかし、EUの数値でさえも安全とはいえないとする専門家の報告もある。たとえば世界の著名な研究者がまとめた「バイオイニシアチブ報告・2012年度版」は、次のようにマイクロ波の危険性を指摘している。

「2007年以降、携帯電話基地局レベルのRFR(無線周波数電磁波)に関する5つの新しい研究が、0.001μW/c㎡から0.05μW/c㎡よりも低い強度範囲で、子どもや若者の頭痛、集中困難、行動問題、成人の睡眠障害、頭痛、集中困難を報告している 。」(監修:荻野晃也、訳:加藤やすこ)

日本の基準値である1000μW/c㎡は、箸にも棒にもかからない数値である。

なにがこのように著しい数値の違いを生むのだろうか。結論を先に言えば、枝葉末節はあるにしろ、マイクロ波に遺伝子毒性が「ある」とする立場を取るのか、それとも「ない」とする立場を取るのかで、数値の違いが生じるのだ。

◇「熱作用」と「非熱作用」

マイクロ波による人体影響は、「熱作用」と「非熱作用」という分類もできる。「熱作用」とは、加熱のことである。マイクロ波を使う電子レンジにより食品を加熱することが出来るが、その際に生じる現象が加熱作用である。

当然、人間が電子レンジのマイクロ波で照射されたら、「調理」されたのと同じ状態になる。こうした状況を避けるために設置された基準値が日本の総務省が決めた1000μW/c㎡である。

これに対して「非熱作用」とは、「熱作用」以外の影響を言う。その代表格は既に述べたように遺伝子に対する毒性である。遺伝子毒性は、バイオイニシアチブ報告でも判明したように、極めて弱いマイクロ波でも生じる。

それゆえにマイクロ波に「非熱作用」があることを前提に、基準を定めれば、
ザルツブルグ市の0.0001μW/c㎡のように低い目標値になる。「非熱作用」がないことを前提に基準を定めれば、日本のように1000μW/c㎡といった数値になるのだ。

◇安全基準のトリック

しかし、実際に日本の電話会社が1000μW/c㎡レベルのマイクロ波をまき散らしているかといえば、これも事実に反している。例外はあるにしても、1W/c㎡を下回るかなり低い数値で操業しているのが事実である。

その上で低い数値を逆手にとって、自社のPRに利用したりする。たとえば
1W/c㎡で操業して、「弊社は総務省の基準の1000分の1で操業していますから、絶対に安全です」などと宣伝する。

しかし、マイクロ波に「非熱作用(遺伝子毒性)」があるとすれば、ザルツブルグ市の0.0001μW/c㎡あたりを基準にしなければ、健康被害が生じるリスクがあることになる。たとえ1W/c㎡であっても、安全とは限らないのである。

改めて言うまでもなく、発癌などの被害が発生した時期は、特定のしようがなく、裁判で損害賠償を求めても、勝ち目はない。

2015年04月29日 (水曜日)

 「最高裁をただす市民の会」(志岐武彦代表)が、28日に本格的なウエブサイトを立ち上げた。これは、同会の公式サイトで、小沢一郎議員を起訴相当議決により法廷に立たせた東京第5検察審査会に関する疑惑を検証するための記事や内部資料(PDF)を多量に収録している。

インターネット上の資料庫、あるいは図書館として機能する。無料サイトなのでだれでも資料にアクセスすることができる。

また、小沢事件に関連して、志岐氏と森裕子元参議院議員の間で争われた名誉毀損裁判に関する記事と資料(PDF)も公開している。

ちなみにこの裁判では、志岐氏が勝訴している。森氏が請求した500万円の金銭支払いと、志岐氏の言論活動の制限は棄却された。

さらに同ウエブサイトは、今後、「押し紙」裁判や「志岐VS森」裁判に関連して起きている係争に関する資料についても公開し、記録として永久保存する方針だ。長期にわたる検証の道具となる。

◇住民が司法の監視役

「最高裁をただす市民の会」が緊急にこのようなウエブサイトを立ち上げた背景には、言論を萎縮させる攻撃が強まっている事情があるようだ。幸いに裁判で使われた資料は公開が認められている。その意味で、裁判資料は裏付けがあり資料価値が高い。

住民サイドから日本の司法について考える意義について、同会の志岐代表は次のように語っている。

「日本の司法は病的な状態にある。国民が知りえない不正な方法で、政治権力を維持する構造的仕組みがあるように見受けられる。私達は調査結果を国会議員、会計検査院、メディアに持ち込み、再調査、追及するようお願いしたが、彼らは一向に動かなかった。 やむを得ず、私達は『最高裁をただす市民の会』を立上げ、この司法の由々しき問題を多くの国民に直接伝えていくこととした」

同会のウエブサイトは次のURLでアクセスできる。

■ウエブサイト「最高裁をただす市民の会」

2015年04月28日 (火曜日)

電磁波について語ると、白装束集団を連想する人々が少なくないが、これはマスコミによって仕掛けられた世論誘導の影響である。電磁波の危険性を指摘する人々と白装束集団を混同させることで、電磁波をめぐる科学にダメージを与えることを意図したものである。

電磁波には、ガンマ線、X線、マイクロ波など様々な種類があるが、これらは何を基準に分類されているのだろうか。結論を先に言えば、それは電波の波打ちの頻度である。1秒間に打つ波の頻度、つまり周波数の違いにより、電磁波は分類され、ヘルツという単位で表記される。

波打ちの頻度が多ければ多いほど、周波数が高いことになる。少なければ少ないほど周波数が低いことになる。

たとえば電力会社が供給する電気の周波数は、東日本で50ヘルツ(一秒に50回)、西日本では60ヘルツ(一秒に60回)である。一方、携帯電話(第3世代)の周波数は、2000MHz(メガヘルツ)である。これは一秒間に20億回の波打ちが発生することを意味している。この領域の電磁波は、マイクロ波という呼び方で分類されている。

さらにガンマ線の周波数は、およそ「10の19乗」である。

従来から、ガンマ線やX線など極めて周波数の高い電磁波は、電離放射線と呼ばれている。荻野晃也博士によれば、「エネルギーが高く、分子や原子を構成する電子を『バラバラに離してしまう(「電離」といいます)』」(荻野晃也著、『携帯電話基地局の真実』)電離作用を伴うからだ。それが遺伝子を傷つけたりする。

これに対して、赤外線、マイクロ波、低周波電磁波など、ガンマ線やX線に比べるとはるかにエネルギーが低い電磁波は、電離作用を伴わないので非電離放射線と呼ばれる。

現在、電離放射線に遺伝子に対する毒性があることを否定する研究者はいない。それはすでに定説となっている。

これに対してマイクロ波など非電離放射線の毒性については論争がある。既に述べたように、すべての種類の電磁波が人体に悪影響を及ぼすという考えが有力になってきたが、現在の時点では論争に決着が着いているわけではない。

たとえば日本の総務省は、非電離放射線を安全と位置付けているが、意外なことに電話会社は、必ずしもそうとは限らない。たとえばNTTドコモは、投資家に対しては、ホームページの「(12)無線通信による健康への悪影響に対する懸念が広まることがあり得ること」の項で次のような見解を公表している。

「研究や調査が進むなか、当社グループは積極的に無線通信の安全性を確認しようと努めておりますが、更なる調査や研究が、電波と健康問題に関連性がないことを示す保証はありません」

■出典:NTTドコモのウエブサイト

マイクロ波により基地局周辺の住民がどのような影響を受けるのかは、現段階では、最終結論は出ていない。しかし、総務省の規制値(ザルツブルグ市の目標値0.0001 μW/ cm2 に対して、日本の総務省は1000 μW/ cm2 )さえ守っていれば、自由に「人体実験」が出来る状況になっている。

電話会社は法律を守っている限り、どこにでも携帯基地局を設置すること認められている。司法もそれを容認してきた。モルモットになるのは住民である。
しかし、海外には、マイクロ波の危険性を示す研究や疫学調査がすでに多数存在する。予防原則の立場からすれば、基地局の設置には、厳しい規制を課す必要がある。【続】

2015年04月28日 (火曜日)

2013年7月に行われた参議院議員選挙で、落選した森裕子氏の政治資金収支報告書(総務省の管理、2014年公開の2013年度分)を紹介しよう。

収入の総額は1880万2774円である。個人献金のほかに、「改革フォーラム21(川島智太郎)」から、80万円の献金を受けている。

■川島智太郎氏のウエブサイト

また、パーティーやセミナー関連の収入が597万円ある。詳細は次の通りである。

6月26日・『日本を破壊する5つの罠』出版記念パーティー:504万円

10月23日・森ゆうこと語るin福岡:20万円

11月12日・森ゆうこと語るin横浜:73万円

森氏は2013年7月に議員職を失った後、旭化成の元役員で『最高裁の罠』(K&Kプレス)の著者・志岐武彦氏に対して500万円の損害賠償と、言論活動の一部制限を請求する名誉毀損裁判を起こした。国会議員が一市民を法廷に立たせたことで関心を呼んだが、敗訴した。

裁判では、小沢一郎氏に対して起訴相当議決を下した東京第5検察審査会の捏造報告書を、だれが外部へ流出させたかが検証される見込みだったが、この争点については審理することなく結審、判決に至った経緯がある。当然、今後のジャーナリズムの「宿題」として残っている。

その後、森氏は2014年12月に行われた第47回衆議院議員選挙に新潟5区から出馬したが、国会議員への復帰はならなかった。

ちなみに小沢検審に連座した捏造報告書に関する森氏と志岐氏の論争は、未だに決着していない。絶対にあいまいにしてはいけない問題だけに、さらなる検証を要する。

■森裕子氏の政治資金収支報告書 

2015年04月27日 (月曜日)

  電磁波は肉眼で確認することもできなければ、臭覚を働かせて感じ取ることもできない。また、電磁波を被曝しても、体に痛みが走るわけではない。それはちょうど病院でレントゲン撮影を受けても、苦痛を伴わないのと同じ原理である。

 が、それが電磁波=安全ということではない。むしろ電磁波の牙(きば)は見えにくく、無自覚のうちに肉体を蝕んでいくところに、恐ろしさがあるのだ。それを隠して携帯ビジネスに走るのは、「死の商人」の態度と評するいがいに表現のしようがない。

 改めて言うまでもなく、日常生活の中でもっとも身近に潜む電磁波問題とは、携帯電話・スマートフォン・無線PCの電磁波(以下、マイクロ波)である。とはいえ、これらの通信機器と電磁波について考える時、2つの観点を考慮する必要がある。

 まず、第1に通信機器そのものから発せられるマイクロ波である。携帯電話やスマートフォンの使用者が脳腫瘍になるリスクが高いことは、ほぼ定説となっている。頭部に通信機器を接近させて使うからだ。

 日本のマスコミは、この問題をほとんど報じないが、欧米では当たり前に報道され、携帯電話がもたらす脳腫瘍のリスクは、常識として住民の間に定着している。

  第2に問題になるのは、これらの通信機器を機能せさるためにのシステムである基地局から発せられるマイクロ波の危険性である。特に問題になるのは、通信機器と脳腫瘍の問題ではなくて、むしろこちらの方である。

 と、いうのもリスクを承知の上で通信機器などを使うかどうかは、自己責任の要素が強いからだ。携帯電話を使い続けて脳腫瘍になっても、ある意味では、自業自得である。

 しかし、基地局問題には別の側面がある。基地局が設置されてしまえば、その近隣に住む人々は無差別に、1日に24時間、マイクロ波を被曝し続けることになるからだ。携帯電話を使わない幼児までも被曝する。

 確かに基地局からのマイクロ波は、相対的には微弱だが、5年間、あるいは10年間、さらには20年間といった長期に渡って被曝した場合、どのような人体影響が現れるのかは、まだよく分かっていない。ドイツやブラジルで行われた疫学調査では、基地局周辺の住民が癌になる割合が飛躍的に高いことが分かっている。

 日本でも基地局周辺で鼻血やめまいなどの健康被害が多発して、裁判になったケースもある。

◆電磁波とは何か?

 そもそも電磁波とは何だろうか。最低限必要な範囲で、電磁波の正体を説明しておこう。

 電磁波の「電」とは電気のことである。その電気が空間に放たれたものが電波である。しかし、電気や電波には、その影響が及ぶ領域がある。炎に手を近づけていくと、熱を感じる領域があるように、電気や電波にも、影響が及ぶ範囲がある。この領域を「電場」という。

  電波は、われわれの生活に利便性をもたらした。携帯電話で通話できるのも、携帯電話の末端と携帯基地局が電波で結ばれるからにほかならない。

  ただ、電波による交信で欠くことができないものがある。それはアンテナである。電波はアンテナから発せられ、アンテナで受け止められる。それゆえに携帯電話の普及には、携帯基地局の設置が絶対的に必要になるのだ。

  次に電磁波の「磁」について考えてみよう。「磁」は何を意味するのだろうか。「磁」とは磁気、あるいは磁場を意味する。磁石が鉄を引き寄せることは周知であるが、その際に働く吸引力が「磁気」で、磁気が及ぶ範囲のことを「磁場」という。

 電流が流れると、その周りには「電場」と「磁場」が発生する。電磁波とは、電気によって生じる「電場」と「磁場」を伴った波のことである。あるいは電波の形状と性質をより厳密に描写した言葉ということになる。

 従って単純に電磁波=電波と理解しても許容範囲である。枝葉末節にこだわりすぎて、物事を複雑に解釈すると、かえって電磁波問題を理解する妨げになりかねない。

 電磁波問題とは、人体が電磁波(電波)を被曝し続けたときに生じる被害を公害の観点から指摘することである。広義に捉えれば、電磁波による人体影響だけではなく、生態系への影響も電磁波問題の範疇(はんちゅう)に入る。

◆原発のガンマ線から携帯電話のマイクロ波まで

 電磁波はエネルギーが低いものでは、家電機器などから漏れる「低周波電磁波」がある。また高いものでは、レントゲンのエックス線や原発のガンマ線など、さまざまな種類がある。従来は、ガンマ線やエックス線などエネルギーが高いものについては、遺伝子に対する毒性があると考えられてきたが、最近では全ての電磁波に毒性があるという見解が主流になってきた。

  このあたりの事情について、電磁波研究の第一人者である荻野晃也博士は、『携帯電話基地局の真実』の中で次のように述べている。

 「これらの電磁波のうちで、原爆の被爆者・被曝者などの研究から、『電離放射線(黒薮注:電離放射線とは、ガンマ線やX線を指す。詳しくは後述する。)が特に発癌の危険性が高い』と思われてきたのです。ところが、最近の研究の進展で『電磁波全体が危険な可能性』があり、『共通した遺伝的毒性を示す』と考えられるようになってきたのが、現在の『電磁波問題』の本質だといってよいでしょう」

 また、北里大学の名誉教授・宮田幹夫氏らがまとめた『生体と電磁波』にも、次のような記述がある。

「エックス線もガンマ線も電磁波である。人工の電磁波に比べてエネルギーが非常に大きいため、物質への浸透性が強く、生体へのダメージも非常に大きい。しかし、極低周波から超高周波まで、人工電磁波も生体へのダメージは大きく、身近にある場合は障害を生じる。放射線と電磁波はメカニズムが異なるが、同じように体内にフリーラジカルを生産し、DNAを破損してがんの原因を作る点では、同じような環境汚染源としてみることができる」
                              
  広島と長崎に投下された原爆の影響で、癌や白血病が増えたこともあって、かねてからガンマ線と癌の関係は定説となってきたが、実はマイクロ波など他の種類の電磁波でも、遺伝子に対する毒性が指摘され始めているのである。

  従って原発のガンマ線は危険だが、携帯電話のマイクロ波は安全とする考えは完全に間違っている。むしろ後者の方が、日本の津津浦々まで闖入(ちんにゅう)しているのである。

2015年04月27日 (月曜日)

 経済同友会は23日、「国家戦略特区を問い直す~特区のキーワードは“実験場”と“失敗の容認”~」と題する提言を発表した。

  これは安倍内閣が設置した国家戦略特区における新自由主義=構造改革の「実験」が足踏みしていることに対して、苦言を呈したものである。容赦なく規制緩和を押し進めるように提言している。

 ちなみに国家戦略特区は、次の地域である。

東京圏(東京都・神奈川県、千葉県成田市)

関西圏(京都府・大阪府・兵庫県)
沖縄県
新潟市
養父市
福岡市

  特区での集中取組期間は2015年度の末までだが、「特区の進捗は総じて遅いと言わざるを得ない」というのが経済同友会の見方である。具体的には、次のように苦言を呈している。

「現時点では、「目指す姿」の実現にはほど遠く、ようやく2合目辺
りまで来たというのが我々の実感である。東京オリンピック・パラリンピッ
クへの取り組みで都市としての景観は大きく変わるであろうが、世界に比し
て優位なビジネス環境を創りあげることに再度焦点を当てた取り組みの強化
が必要である。」

◆財界の不満とは規制緩和の足踏み

 新自由主義=構造改革とは、グローバリゼーションの下で、大企業の国際競争力を高めるために、企業の税負担を軽減し、労働法制を改悪するなど、規制緩和を押し進める政策で、橋本内閣の時代に本格的にスタートした。

具体的には省庁を再編し、医療や福祉を切り捨てるなど「小さな政府」を目指すことを基本方針としている。副次的には、多国籍企業の日本進出を想定して、国際業務ができる弁護士を増やしたり、大学を職業専門学校へ変質させるなどのハーモニーゼーションを前提としたさまざまな「改革」を含む。

 法科大学院や裁判員制度もそのひとつである。

 「ムダづか いをはぶく」という表現は聞こえはいいが、要するに税負担を嫌う大企業への配慮である。そのために「小さな政府」を目指す。その一方で消費税を段階的に引き上げてきた。「小さな政府」の対局として浮上するのが、新市場である。公共サービスという新市場を企業に提供することになる。

 国家戦略特区における政府の方針で経済同友会が不満を表明しているのは、
規制緩和の足踏みである。もたもたせずに、迅速に規制緩和を進めるように提言しているのである。たとえば、

「日本の特区に最先端技術を持ち込めば、先行的に実証実験が行えて、実用
化できるということになれば、世界中から独創的な技術を持つ企業と人材が
集まる。資金も集まり、対日直接投資の拠点となり得る。さらに世界に向け
て情報発信できる。特区の窓を世界に向けて開けることが必要である。

「特区は岩盤規制により今までできなかったことを試せるチャレンジの場のはずである。もし失敗や弊害が生じたとしても、その原因が分かれば将来の取り組みの糧となる。まずは失敗を恐れずチャレンジすることが重要である。」

◆新しくて実は古いアベノミックス

 改めて言うまでもなく、国家戦略特区での「実験」がスムーズに進まないのは、新自由主義=構造改革の矛盾が吹き出しているからである。非正規社員の割合が全体の約4割になり、大企業の社員を除いて、大半のサラリーマンの収入は実質的に下がっている。

  アベノミックスの恩恵を受けたのは、株式投資をしている一部の層だけである。

 テレビは盛んに、創意と工夫により起業すれば、だれでも豊かな未来を手にできるかのような幻想が振りまいているが、「敗者」になる確率の方が格段に高く、しかも、「敗者」に救済措置は準備されていない。

 アメリカン・ドリームの嘘と同じである。

 新自由主義=構造改革の矛盾は顕著になっていて、「改革」が進まないのは、ある意味では当然だ。このまま「改革」を続ければ、安倍内閣の死活問題になりかねない。だから足踏みしているのである。

 自民党は、小泉構造改革が生んだ弊害により、政権の座を追われた過去の失敗を自覚している。それゆえに安倍内閣は、発足当初は、財政支出の抑制をあきらめ、アベノミックスで公共事業の金をばらまいたのである。

 これは橋本内閣が新自由主義=構造改革の断行で、国民の反発を受け、その後に誕生した小渕内閣が、公共事業の金をばらまいたのと、まったく同じパターンである。斬新な政策でもなんでもない。

 やむなく財政支出を増やした後、安倍内閣は再び「新自由主義=構造改革」をスタートさせたが、思惑通りには進んでいないようだ。それが経済同友会の苦言として露呈した。

■国家戦略特区を問い直す~特区のキーワードは“実験場”と“失敗の容認”