1. ジャーナリスト浅野健一氏による出版差し止めは妥当か? 『石ころの慟哭』をめぐる論争

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2026年04月17日 (金曜日)

ジャーナリスト浅野健一氏による出版差し止めは妥当か? 『石ころの慟哭』をめぐる論争

4月20日、あけび書房(岡林信一代表)が出版を予定している『石ころの慟哭 山上徹也・奈良地裁裁判の私記』について、ジャーナリストで元同志社大学教授の浅野健一氏が、出版差し止めの仮処分を裁判所に申し立てたことが分かった。申し立ての正確な理由は現時点では不明だが、浅野氏はFacebook上で、「あけび書房に提出した原稿(4回分)の盗用や、新聞・テレビの電子版記事、Facebook、noteなどに掲載された傍聴記を無断転載している」と主張している。

筆者は正確な事実関係を確認するため、浅野氏に対し、Facebook上で申立書を公開するよう要請した。これに対し浅野氏は、

「山下弁護士から入手し、個人情報をマスキングして公表します。少しお待ちください。」

と回答した。

一方、あけび書房の岡林代表は、Facebook上で次のように反論している。

「小社での本書の出版は浅野氏とはまったく無関係であり、同氏が出版取りやめや不買を呼びかける理由は何らありません。」

今後、筆者は浅野氏が申立書を公開した後、事件の詳細について検証を進める予定である。現時点では、双方から正確な事実関係が公開されていない。

◆書籍流通コード(ISBN)

なお、浅野氏は、あけび書房の事務所がバーチャルであるため、書籍出版社にとって命に等しい書籍流通コード(ISBN)の取得対象外であるとも述べている。この点についても今後検証する予定だが、少なくともISBN/日本図書コード使用規約には、そのような規定は確認されていない。言うまでもなく、あけび書房は実態のある出版社である。

また、ジャーナリストや研究者が司法判断を求める行為についても考えておきたい。筆力を持たない者が裁判に訴えるのであれば理解できるが、執筆を職業とする者が裁判に判断を委ねることの是非は議論の余地がある。読売新聞社の前例はあるものの、推奨できる方法ではない。少なくとも本人訴訟にすべきではないか?