四半世紀で中央紙は1000万部減、東京新聞社25社分の部数が消えた、急増する新聞を読まない人々、電車の車両内で調査
新聞崩壊が急速に進んでいる。1995年から2021年8月までの中央紙の発行部数(新聞販売店へ搬入された部数)の変化を調べたところ、この約26年のあいだに1000万部ほど新聞の部数が減ったことが分かった。これは発行部数が約40万部の東京新聞社が25社消えたに等しい。中央紙は、坂を転げ落ちるよう衰退している。
特に2015年ごろから、発行部数は激減している。かつて「読売1000万部」、「朝日800万部」などと言われていたが、今年8月の時点で、朝日新聞は約460万部、読売新聞は約700万部に落ち込んでいる。毎日新聞と日経新聞は、200万部を切り、産経新聞はまもなく100万部のラインを割り込む可能性が濃厚になっている。次に示すのは、中央紙の5年ごとの部数(日本ABC協会が発表する新聞の公称部数)と、2021年8月の部数である。
2021年1月度のABC部数、政府よりの右派2紙・読売と産経は前月差でABC部数増加、
2021年1月度のABC部数が明らかになった。それによると朝日は、前年同月差でマイナス43万部、読売新聞はマイナス58万部、毎日新聞はマイナス28万部と大幅な部数減となった。
しかし、前月差でみると右派で政府よりの2紙、読売と産経は、12月から1月にかけてABC部数を増やしている。新聞離れの時代にもかかわらず好調だ。新聞販売店向けの部数の場合、読売は約1万部、産経は約1500部ほどABC部数を増やしている。
1月部数の詳細は次の通りである。
1年間で214万部減る、東京新聞社が5社倒産に相当、日刊紙の総発行部数、7月度のABC部数、朝日は来月にも400万部台に転落の可能性
2020年7月度のABC部数が公表された。それによると新聞発行部数の急減にはまったく歯止めがかかっていない。
朝日新聞は、この1年で約44万部の減部数。500万部のラインまで約1万3000部となり、8月部数で400万部台に転落する可能性が高くなった。このひと月で、約4万4000部を減らしている。
読売新聞は、この1年間で48万部を減らした。1年以内に600万部台に後退する可能性が高い。
7月度の部数内訳は次の通りである。()内は、前年同月比。
2020年5月度のABC部数、朝日新聞は「500万部切れ」へカウントダウン、止まらぬ新聞発行部数の急落
2020年5月度のABC部数が明らかになった。コロナウィルスの影響なのか、中央紙各紙は大幅に部数を減らしている。
このうち朝日新聞は、この1年で約43万部の減部数となり、500万部切れが時間の問題となった。読売新聞も、年間で約40万部を減らした。毎日新聞は約19万部の減部数である。
詳細は次の通り。()内は、対前年同月差である。
ホテルで無料配布される新聞の購読料、「一度も集金したことはない」と元新聞販売店員、ABC部数の不正なかさ上げと残紙対策が目的か?
ホテルで無料配布される新聞の購読料、「一度も集金したことはない」と元新聞販売店員、ABC部数の不正なかさ上げと残紙対策が目的か?
ホテルやファミレスで無料配布されている新聞の卸代金が、少なくとも一部の地域では、無料になっていることが、新聞販売店の元専従の話で分かった。この元専従は、東京都内の販売店に勤務して、朝夕刊の配達を担当していた。
東京・江戸川区内にあるホテルに、朝刊45部、スポーツ報知5部、夕刊30部を配達していたという。ところが集金については、次のように話している。
ABC部数改ざんの恐るべき手口の全容、PC上で過去の読者を現在の読者として再登録して部数を水増し(1)
ABC部数は、俗にいう新聞の公称部数のことである。ただ、日本ABC協会は、ABC部数が公称であることを否定している。同協会のウェブサイトは、ABC部数について次のように説明している。
新聞や雑誌の広告料金は、部数によって決まります。ABC協会は、第三者として、部数を監査(公査)し認定しています。この認定された部数がABC部数です。対して、公称部数(自称部数)とは、ABC協会に参加していない発行社が自社発表しているもので、数倍から10倍以上の部数を自称している場合があります。合理的な広告活動を行うため、発行社の自称ではない、第三者が確認した信頼出来るデータであるABC部数をご利用ください。
この引用を読む限り、ABC部数は実配部数を反映している説明している。と、言うのも対比の論法を採用して、「ABC協会に参加していない発行社が自社発表している」部数は、「数倍から10倍以上の部数を自称している」場合があると述べることで、ABC協会に参加している新聞社の部数、すなわちABC部数は実配部数を反映していると仄めかしているからだ。
しかし、実際にはABC部数は残紙を含んでいるわけだから、実配部数を反映していない。しかも、その残紙量は尋常ではない。
ABC協会が定期的に部数の監査(公査)を実施しているにもかかわらず、なぜABC部数が実配部数を反映しないのか、その原因を探ってみよう。
結論を先に言えば、新聞社と販売店が徹底した残紙の隠蔽工作を行っているからにほかならない。しかし、この点に踏み込む前に、ABC協会の運営体制にふれておこう。
2019年度の世界新聞発行部数のランキング 日本、インド、中国が10位までを独占
世界新聞協会が公表している2019年度の「世界の新聞発行ランキング」によると、1位から10位を日本、インド、中国の新聞社が独占している。ランキングは次と通りである。ただし、日本の新聞社の部数には、残紙が含まれている。
読売(日本)8,115
朝日(日本)5,604
Dainik Bhaskar (インド) 4,321
cankao Xiaoxi (中国)3,746
Dainik jagran (インド)3,410
People's Daily (中国)3,180
The Times of India (インド)3,030
毎日(日本)2,370
malayala Manorama (インド)2,370
日経(日本)2,347
(黒薮注:このランキングは、ジャーナリズムの質のランキングではありません)
新聞没落が加速、読売が年間で約39万部の減部数、朝日は約33万部減、2018年7月度の新聞のABC部数
2018年7月度の新聞のABC部数が明らかになった。それによると、読売新聞が年間で約39万部を減らしたのを筆頭に、朝日新聞も約33万部の減部数、毎日新聞も約23万部の減部数と、軒並み大幅に部数を減らしている。新聞の没落に拍車がかかっている。
日刊紙全体でみると、1年間で162万部の減部数。地方紙は、中央紙ほど減部数を招いてはいないが、それでも低落傾向に変わりはない。
中央紙の部数は次の通りである。()は前年同月比である。
新聞の没落は止まらず、2015年12月度のABC部数、真村訴訟が暴いたABC部数に含まれる「押し紙」隠しの手段
2015年12月度のABC部数を紹介しよう。中央紙、ブロック紙、地方紙と、そのほか若干の諸紙をあわせた日刊新聞の発行部数は、38,504,441部で、前年同月比で、-715,131部である。
このうち中央紙では、朝日が約19万部、読売が約11万部減った。新聞ばなれが歯止めがかからない実態が明らかになった。中央紙の発行部数と、前年同月比(括弧内)は次の通りである。
朝日と読売の差が273万部に、朝日は41万部減、11月のABC部数
2015年11月度のABC部数によると、朝日新聞と読売新聞の発行部数の差が約273万部に開いた。中央各紙の発行部数と、対前年同月差(括弧内)は次の通りである。
朝日:6,634,445 (-408,199)
毎日:3,204,566 (-77,067)
読売:9,368,504 (+23,349)
日経:2,729,020 (-126)
産経:1,568,416 (-36,346)
新聞の発行部数が1年で100万部減少、地方紙3社分に相当、「文化のにない手」が紙メディアから電子メディアへ移動
2015年10月度のABC部数を紹介しよう。新聞の長期低落傾向に歯止めがかかる気配はない。この1年間で朝日、読売、毎日、産経、日経の中央紙5紙は、総計で発行部数を約72万部減らしている。
一方、地方紙・ブロック紙、それにABC調査の対象となっている若干の子供新聞や英字紙などは、総計で約25万部を失った。つまり1年の間に日本全体では、約100万部の新聞が減ったことになる。
中堅規模の地方紙が3社ほど姿を消した計算になる。文化のにない手、あるいはニュースの提供源が紙メディアから電子メディアにシフトチェンジしている現象を反映している。
朝日、読売、毎日の部数変動は次の通りである。()内は対前年同月差。
朝日は47万部減、読売は13万部減、長期低落傾向に歯止めはかからず、8月のABC部数
【サマリー】2015年8月度の新聞のABC部数が明らかになった。この1年で朝日は約47万部を減らし、読売は約13万部を減らした。新聞の長期低落傾向に歯止めがかかっていないことが分かった。
前年同月差は朝日が-65万部、読売が-58万部、2015年3月度のABC部数
2015年3月度のABC部数が明らかになった。それによると中央紙は、対前月差では、大きな変動はなかったものの、対前年同月差では、朝日新聞が約65万部、読売が58万部のマイナスとなった。
中央紙の販売部数は次の通りである。()内は、対前年同月差。
朝日新聞:6,801,032(-649,200)
毎日新聞:3,254,446(-67,296)
読売新聞:9,114,786(-576,151)
日経新聞:2,740,031(-28,588)
産経新聞:1,607,047(+17,800)
「新聞崩壊」2015年2月度の新聞のABC部数、前年同月差で朝日は約65万部、読売は63万部減、毎日はひと月で10万部減
2015年2月度の新聞のABC部数が明らかになった。中央紙の部数は次の通りである。()内は、前年同月差。
朝日:6,793,957 (-654,778)
読売:9,112,450 (-626,439)
毎日:3,254,115 (-69,926)
日経:2,735,255 (-41,657)
この一年間で、朝日は約65万部を減らし、読売は約63万部を減らした。
毎日は、前年同月差は約7万部の減だが、2月中に約10万6000部を減らしている。
かつて朝日は、800万部のメディアと言われていたが、600万部代に入った。
ただ、ABC部数には、俗にいう「押し紙」(偽装部数)が含まれていることがあるので、「ABC部数=実配部数」と考えると、広告主は広告戦略に支障をきたしかねない。
ABC部数にどの程度の「押し紙」が含まれているかについては、朝日をモデルに、MyNewsJapanが内部資料を基に、4月2日付け記事で綿密な検証を行っている。記事の途中から「会員限定」になるが、参考までに紹介しょう。
2014年11月度のABC部数、読売は年間で66万部減、朝日は48万部減
2014年11月度における新聞のABC部数が公表されている。わたしが注目していたのは、読売新聞と朝日新聞の部数増減だった。
まず、読売新聞のABC部数は、1年でどの程度変動したのだろうか?
2013年11月度部数:1000万7440部
2014年11月度部数:934万5155部
対前年同月差:66万285部減
ちなみに読売のウエブサイト「数字で見る読売新聞」は、現在(2015年1月15日)の時点でも、2013年11月の数字「1000万7440部」を表示している。「読売1000万部」へのこだわりのようだ。
これに対して朝日新聞の内訳は次の通りである。
10月度の新聞の公称部数、朝日が対前月差で19万部減、読売は12万部増
2014年10月度のABC部数が明らかになった。それによると、朝日新聞は、対前月差で-19万2642部で、読売新聞は+12万8489部だった。朝日は大幅に部数を減らしている。
対前年同月差は、朝日が-51万8764部、読売が-51万1522部である。
読売は、11月2日の「発刊140年」にあわせて拡販キャンペーン(新聞の無料配布など、冒頭の写真参照)を行った。その結果、約13万何部増えた。
◇毎日と産経は増部数
一方、毎日新聞は、対前月差で+3万1619部。産経新聞は、+7万1043部である。日経は、-2万9647部である。
地方紙については、大きな部数の変動はなかった。朝日、読売、毎日、産経、日経を除く日刊紙の対前月差は、-3289部だった。
中央紙のABC部数をまとめると次のようになる。
朝日:7,021,480(-19万2642)
読売:9,371,103(+12万8489)
毎日:3,328,281(+3万1619)
産経:1,671,465(+7万1043)
日経:2,737,373(-2万9647部)
急激に進む米国新聞の電子化、日本の新聞社と販売店は生き残れるのか
次に掲載するのは、米国のインターネット新聞『ハフィントン・ポスト』に掲載された全米主要紙の発行部数である。記事の日付は、2013年4月30日。データの出典はABC部数。米国のABC部数は、日本とは違って電子版(デジタル)の購読者を含んだ数字が表示される。
その背景には、 電子版のデータがなければ、ABC部数はマーケット戦略の道具にはならなくなっている事情があるようだ。
1. The Wall Street Journal — 2,378,827 (898,102 デジタルを含む)
2. The New York Times — 1,865,318 (1,133,923 デジタルを含む)
3. USA Today — 1,674,306 (249,900 デジタルを含む)
4. Los Angeles Times — 653,868 (177,720 デジタル、 43,275特別版を含む )
5. Daily News of New York — 516,165 (155,706デジタルを含む)
6. New York Post — 500,521 (200,571 デジタルを含む)
7. The Washington Post — 474,767 (42,313デジタル、 1,305 特別版を含む)
8. Chicago Sun-Times — 470,548 (77,660デジタル、 208,087 特別版を含む)
9. The Denver Post — 416,676 (192,805デジタル、 10,041 特別版を含む)
10. Chicago Tribune — 414,930 ( 46,785デジタルを含む)
ABC部数激減のイギリスの新聞、フィナンシャル・タイムズは前年比で-15.65%、ABC部数を反映しない日本の新聞
次に示すのは、イギリスにおける新聞の部数変動である。The Sunなどタブロイド判の大衆紙を含む。下記の引用は、The Sunを例に引くと、次のようなデータ構成になっている。
The Sun・・・新聞社名、2,258,359・・・2013年8月のABC部数、
(2,502,691)・・・2012年8月のABC部数、-9.76・・・対前年比
The Sun: 2,258,359(2,502,691)-9.76
Daily Mirror: 1,045,971(1,088,724)-3.93
Daily Star: 547,955(600,304) -8.72
Daily Record: 252,575(276,270)-8.58
Daily Mail: 1:802,083(1,914,126)-5.85
Daily Express: 530,631(550,502)-3.61
Daily Telegraph: 557,536(584,089)-4.55
The Times: 391,643 (407,720)-3.94
Financial Times: 236,281(280,124)-15.65
The Guardian: 189,646(204,271)-7.16
The Independent: 68,696(81,804)-16.02
i: 295,179 (281,530)4.85
イギリスの主要な新聞は、「i」を除いて、すべて部数を減らしている。しかも、なかには「Financial Times」(フィナンシャル・タイムズ)のように、前年比でマイナス15.65%にも達している新聞社もある。
これに対して日本の新聞の減部数率は、昨年の9月から今年の9月までの1年で、中央紙が4.16%、中央紙以外が4.59%である。
イギリスでは全般的に日本の新聞よりも早いスピードで新聞ばなれが進んでいる。しかし、日本のABC部数は必ずしも、実際に販売されている新聞の部数を正確に反映しているとは限らない。
年間減部数率は地方紙が4.59%、中央紙が4.16%、衰退を逆手に取った言論統制
新聞の公称部数を示す9月のABC部数によると、以下に示すように中央紙よりも、地方紙(ブロック紙・子ども新聞等を含む)の方がより部数を減らしている。減部数率が高い。
地方紙の総計部数:1566万9925部(対前月差は、7万2273部)
これに対して中央紙(朝日、読売、毎日、産経、日経)の総計部数は次の通りである。
中央紙の総計部数:2412万840部(対前月差は、3万4079部)
9月度の減部数率を整理すると次にようになる。
地方紙の減紙率:0.46%(対前月比)
中央紙の減紙率:0.14%(対前月比)
しかし、この1年の部数動向は、次に示すように、地方紙も中央紙もほどんど変わらない。
中央紙の減紙率 4.16%(対前年比)
地方紙の減紙率 4.59%(対前年比)
相対的に新聞産業の衰退が進んでいることを示している。
朝日バッシングの9月に読売が増やした部数はわずか8770部、9月のABC部数で判明、国民が見放したジャーナリズム
従軍慰安婦の問題で朝日新聞に対するバッシングが始まったのは、8月の下旬だった。この機に乗じて、読売新聞が「朝日叩き」のリーフレットをポスティングすると同時に、新聞拡販に乗り出したことは周知の事実である。
が、読売は肝心の購読者を増やすことに成功したのだろうか。次に示すのが9月のABC部数である。(括弧)内は対前月差。
【2014年9月ABC部数(読売朝刊)】
読売(北海道) 210,259(-535)
読売(東京) 5,684,468 (9,102)
読売(中部) 159,489(181)
読売(大阪) 2,293,649 (17)
読売(西部) 797,781(-139)
読売(北陸) 96,968(144)
読売(合計) 9,242,614 (8,770)
結論を先に言えば、読売新聞が9月中に増やした部数は、全国でたったの8770部だった。読売の9月のABC部数は、924万2614部であるから、その1000分の1に満たない。拡販戦略に失敗したと評するのが妥当だ。
一方、週刊誌や月刊誌が「読者ばなれ」を報じていた朝日新聞は、本当に部数を減らしたのだろうか?
駅のキオスクからも多量の売れ残り新聞を回収、その一方で読売の即売は2002年から6倍に増、
読売新聞の77万部減、本日(10日)発売の『週刊金曜日』で報道
本日(10月10日)発売の『週刊金曜日』が、読売新聞社の部数減について書いた記事(黒薮執筆)を掲載している。タイトルは、「昨年11月から77万部以上、部数減に歯止めなし」、「読売新聞が朝日叩きに熱心なわけ」。
この記事では、「押し紙」問題にも言及している。読売の「押し紙」については、司法判断が異なる2つの代表的な判例がある。
■読売の「押し紙」を認定した判例
読売と新聞販売店の間で起きた訴訟-真村訴訟で、2007年に福岡高裁(西理裁判長)は、読売の「押し紙」政策を認定した。判決の一部を引用してみよう。
このように、一方で定数(黒薮注:新聞の搬入部数)と実配数が異なることを(黒薮注:読売は)知りながら、あえて定数と実配数を一致させることをせず、定数だけをABC協会に報告して広告料計算の基礎としているという態度が見られるのであり、これは、自らの利益のためには定数と実配数の齟齬をある程度容認するかのような姿勢であると評されても仕方のないところである。
そうであれば、一審原告真村の虚偽報告を一方的に厳しく非難することは、上記のような自らの利益優先の態度と比較して身勝手のそしりを免れないものというべきである。
判決は2007年12月に、最高裁が上告を棄却するかたちで確定した。
■読売の「押し紙」を否認した判例
読売が新潮社(黒薮)に対して起こした裁判で、読売の「押し紙」が争点になった裁判(村上正敏裁判長)。東京地裁は読売に「押し紙」は存在しないと認定した。また、被告が証拠として提出した「押し紙」についての記述がある魚住昭氏の『メディアと権力』などの書籍には、記述の裏付けがないと認定した。
控訴審、上告審とも読売が勝訴した
新聞の発行部数、地方紙もブロック紙も低落傾向に、進む新聞ばなれ
読売新聞と朝日新聞のABC部数が激減している。特に読売は、昨年の11月を起点にすると、8月末までに約77万4000部も減らしている。
一方、地方紙やブロック紙のABC部数は、どのような実態になっているのだろうか。昨年の11月と今年の8月を比較してみよう。
まず、ブロック紙の部数変遷。
13年11月 14年8月 差異
北海道新聞 1,101,504 1,069,839 -31,665
中日新聞 2,633,677 2,531,163 -102,514
西日本新聞 727,008 710,365 -16,643
ブロック紙も同様にABC部数を減らしている。
8月のABC部数、朝日も読売も微減、朝日の「誤報」と部数変動は無関係、前年同月比は読売が-61万部、朝日が-30万部
日本ABC協会が公表した8月のABC部数によると、朝日新聞と読売新聞の8月の新聞部数の変動は、ほとんど変わらないことが分かった。両者の部数比較は次の通りである。
【8月の朝刊】
朝日:7,252,277部
読売:9,233,844部
【対前月差】
朝日:-14,589部
読売:-14,602部
【対前年同月比】
朝日:-303,582部
読売:-612,990部
【8月の夕刊】
朝日:2,360,526部
読売:3,079,110部
【対前月比】
朝日:-78,710部(販売店:-78,014部)
読売:-22,104部(販売店:-20,583部)
【対前年同月比】
朝日:-370,948部
読売:-273,575部
これらの数字から、従軍慰安婦問題の「誤報」で、朝日が部数を減らしているという週刊誌や月刊誌の報道が間違いであることが分かる。以下、解説である。
読売が朝日を批判するリーフレットとチラシをポスティング、朝日を上回る部数激減の歯止めになるか?
昨日(23日)、郵便ポストに『朝日「慰安婦」報道は何が問題なのか』と題するリーフレットと「読売新聞は真実を追求する公正な報道で信頼に応えます」と題するチラシがセットになって投函されていた。
読売の読者ではないわたしの自宅ポストにこれらのPR媒体が投函されたことから察して、全戸配布の結果ではないかと思われる。ただし、配布の範囲が一地方に限定したものなのか、全国的規模なのかは分からない。
『朝日「慰安婦」報道は何が問題なのか』は、サイズが「A4版」で19ページ。朝日報道を徹底批判した後、メディアが報道内容に責任を持つ重要性を訴えている。
一方、チラシも報道機関としての責任の重要性を強調し、次のように結んでいる。
今ほど、報道に誠実さが求められているときはありません。
読売新聞も過去に重大な誤報をしています。2012年にはiPS細胞をめぐり「日本人研究者が世界ではじめて臨床応用を行った」と誤った報道を行い、報道2日後に誤報であったことを紙面でお伝えし、おわびを掲載しました。報道に誤りがあったとき、さらには誤りを指摘されたときの迅速な対応が何よりも大切だと考えています。読売新聞は事実に忠実であること、そして誤りに対して誠実であることを読者の皆様にお誓いします。
読売の部数が10カ月で約77万4000部減、「数字で見る読売新聞」には10,007,440部と表示、部数減は朝日の比ではない
読売新聞のウエブサイトにある「数字で見る読売新聞」によると、同社の発行部数は、2014年9月23日の時点で、10,007,440部となっている。そしてこの数字を誇り、他紙に対する競争心を露呈させて、次のように述べている。
読売新聞は、イギリスの「ギネスブック」が認定した世界一の発行部数を誇り、日本を代表する高級紙です。 発行部数監査機関である日本ABC協会の報告では、2013年11月の朝刊部数は全国で1000万7440部で、全国紙第2位の新聞に約247万部、第3位紙に約667万部という大差をつけています。
読売自身が文中で記しているように、この「10,007,440部」という数字は、2013年11月時点のものである。つまり10カ月前の数字を現在も表示し続けているのだ。
朝日新聞がひと月で13万部減る、対前年比は朝日が-30万部、読売が-60万部、夕刊と少年少女新聞も不振
新聞の発行部数が大幅に減少する傾向に歯止めがかからない。7月のABC部数によると、朝日新聞がひと月で約13万部、読売が約3万1000部の減部数となった。これに対して毎日は約3000部増えている。
一方、「対前年同月差」は、読売が-約60万部、朝日が約-30万部などとなっている。少年少女新聞も部数を減らしている。
7月のABC部数「対前月差」は次の通りである。()内は販売部数。
朝日:-130,222部(7,266,866部)
毎日: +3,014部(3,305,207部)
読売: -31,309部(9,248,446部)
日経: +1,920部(2,772,945部)
産経: -3部(1,607,593部)
「対前年同月差」は次のようになっている。
朝日:-301,843部
毎日:- 64,588部
読売:-603,341部
日経: -26,930部
産経: -4,578部
毎日新聞の部数は2002年10月時点で約250万部だった、事実を裏付ける内部資料の解説
28日付けMEDIA KOKUSYOで紹介した資料(リンク)「朝刊 発証数の推移」の見方がよく分からないという問い合わせが次々と寄せられたので説明しておきたい。次の資料である。
結論を先に言えば、この資料は、2002年10月の時点で、一般的には「400万部の新聞」と思われていた毎日新聞の実配(売)部数-実際に宅配された新聞、あるいは売れた新聞)-が実は、約250万部しかなかった事実を示したものである。裏付け資料である。
歯止めがかからない読売の部数減、昨年11月から75万部減、実配部数をめぐる事実の認識方法に疑問
読売新聞の部数減が止まらない。7月のABC部数は、924万8,446部で、前月比で、-3万1309部である。ピークだった昨年の11月からの減部数は、75万8994部になる。
これは50万部規模の東京新聞一社分をはるかに超える。ここ数カ月の読売部数の変遷は次の通りである。
2013年10月 9,882,625
2013年11月 10,007,440
2013年12月 9,767,721
2014年1月 9,825,985
2014年2月 9,738,889
2014年3月 9,690,937
2014年4月 9,485,286
2014年5月 9,348,149
2014年6月 9,279,755
2014年7月 9,248,446
読売新聞のウエブサイト「読売新聞へようこそ」が、発行部数を10,007,440 部と表示、実際は9,279,755部
「読売新聞へようこそ」と題するウエブサイトにある「数字で見る読売新聞」と題するページに、読売は自社の発行部数を10,007,440 部と表示している。しかし、この数字は、昨年の11月のものである。
一方、「読売新聞広告ガイド」には、最新の数字、つまり2014年6月の部数、9,279,755部を表示している。
本来、読売は「読売新聞へようこそ」に、9,279,755部と表示すべきところを、7ケ月で失った72万7685万部を水増しして表示していることになる。
「読売1000万部」の看板を下ろしたくないために、「読売新聞へようこそ」に10,007,440 部と表示したのではないかと思われる。今後、いつまでこの数字を表示し続けるのか、MEDIA KOKUSYOで注視していきたい。