2016年05月04日 (水曜日)
新築の自宅を廃墟に、自宅の直近に無断で携帯電話の基地局を設置、化学物質過敏症が電磁波過敏症を併発させるリスク
新築の自宅を建てた後に、近くに携帯電話の基地局を設置され、新宅を廃墟にせざるを得なくなるケースが起こっている。筆者はこれまでに、このようなケースを2件取材した。そして今月に3例目のケースに出会った。
携帯基地局のマイクロ波による人体影響は、頭痛、めまい、鼻血、精神錯乱、それに癌などが報告されている。電磁波による健康被害は、原発による影響、たとえば旧ソ連のチェルノブイリー原発事故の後に報告されている症状と極めて類似していることが明らかになっている。
症状が類似しているのは理由がある。原発の放射線も携帯電話の電磁波(マイクロ波)も、周波数が異なるだけで、互いに同じ仲間であるからだ。欧米では両者を区別しない。
これに対して日本では、両者を区別して、マイクロ波は電磁波の一種であるから安全だという誤った認識が広がっている。それを前提に、無線通信網を際限なく拡大する国策が進行している。
2016年04月11日 (月曜日)
電力自由化と連動したスマートメーター使用による人体影響、マイクロ波による発ガンの可能性
この4月から電力の供給が自由化された。これまでは地域ごとに電力供給を受ける電力会社が決められていたが、その垣根が撤廃されて、各戸が自分で電力会社を選択する制度となる。
この電力自由化に連動して浮上してきたある大問題がある。メディアでは報じられていないこともあって、ほとんどの人が認識していない問題である。
それは新しい電力会社との契約には、スマートメーターの設置が大前提になっている事実である。ウィキペディアによると、スマートメーターとは、「従来のアナログ式誘導型電力量計と異なり、電力をデジタルで計測し、メーター内に通信機能を持たせた次世代電力量計。ここでは、主に電気メーターをスマートメーターと呼んでいるが、ガスや水道などの同様の計測機も含むもの」である。
アナログの時代は、計測員が計測器の数値を確認していたが、電力自由化の流れのなかで、マイクロ波による測定システムが導入されようとしているのだ。
2016年03月16日 (水曜日)
小学校と保育園の近くに3つの携帯基地局、80メートルの地点に高圧電線も、埼玉県朝霞市の基地局問題
埼玉県朝霞市にせまい区域のなかに携帯電話の基地局が3局も設置されている場所がある。市街から離れた台という地区で、ここには朝霞第9小学校と白百合園という保育園がある。
基地局と学校の距離関係は、次の通りである。
【朝霞第9小学校】
KDDI局まで150メートル
SB局まで300メートル
不明の局まで80メートル
【白百合園】
KDDI局まで50メートル
SB局まで300メートル
不明の局まで10メートル
さらにこれら2つの学校から80メートルの地点を高圧電線が走っている。
この位置関係を見たとき、わたしは施設を移転するか、基地局を撤去しなければ、将来的に児童たちが取り返しのつかない健康被害を受ける可能性が高いと思った。
2016年02月01日 (月曜日)
携帯電話の電磁波問題とは何か、愚民政策の裏側で進行する安全性に関する「人体実験」まがい、懸念される10年後、あるいは20年後の人体影響
このところ携帯電話の基地局設置をめぐる住民と電話会社のトラブルが増えている。東京練馬区では、NTTドコモが2階の寝室のベランダから10メートルの地点に基地局を設置して問題になっている。
調布市でも昨年、民家が密集する住宅街の中にソフトバンクの基地局が設置され、大きな問題になった。幸いにこの基地局は撤去された。本稿で紹介しているYouTubeの動画は、撤去される前の時期に、わたしがインタビューした時のものである。
携帯電話の基地局をめぐる電磁波問題の基本情報を提供しておこう。
2015年11月06日 (金曜日)
癌患者の急増と携帯電話の普及率は同じ上昇線を描く、2011年には国際がん研究機関がマイクロ波に発癌性がある可能性を認定
The Hunffington Postの日本版が、5日に「育児中にがんと診断、年間5万6千人もいた」と題する記事を掲載した。
国立がん研究センター(東京)は4日、18歳未満の子どものいる国内のがん患者が年間約5万6千人発生しているとする初の推計結果を発表した。
2015年09月07日 (月曜日)
都市部は「電磁波地獄」、東京練馬区の住民らが携帯電話基地局の点在状況を示す地図を作成、約2キロ×2キロの範囲に約60基
【サマリー】練馬区で基地局の設置に反対する住民らが、基地局の設置状況をビジュアルに示す地図を作成した。それによると約2キロ×2キロの範囲に、少なくとも58基もの基地局が設置されていることが分かった。本当に新しい基地局が必要なのかを検証するための資料になりそうだ。
最近の基地局問題の特徴として、基地局の設置場所を提供する地権者がトラブルに巻き込まれていることである。地権者になることは、賃料収入を得られる反面、健康被害に対する損害賠償裁判の被告にされた場合、たとえ勝訴しても大きなリスクを背負うことになる。
2015年07月06日 (月曜日)
スマホなどのヘビーユーザーが受ける人体影響は深刻、携帯基地局近くの住民よりも高リスクか?
【サマリー】携帯電話基地局から放射される電磁波が人体に影響を及ぼすことはよく知られている。しかし、だからといって基地局から遠方で暮らしていれば安全ということにはならない。基地局が近くにない民家で、携帯電話をONにした状態で電磁波を測定したところ、基地局の近くよりも数値が高くなることが判明した。
2015年06月29日 (月曜日)
KDDIが公開討論への不参加を表明、係争を理由に荻野博士との直接対決を避ける、大阪府高槻市の携帯基地局問題で
大阪府高槻市で起きている携帯電話の基地局設置をめぐるKDDIと住民のトラブルで、KDDI側は住民らが提案している公開討論への参加を見合わせる決定を下した。6月23日付けで同社が住民の共同代表に送付した通知で、明らかになった。
この問題の発端は、2014年6月に、KDDIと協和エクシスが、高槻市大和で「KDDI携帯電話用無線設備設置のお知らせ」と題するチラシを配布し、その後、実際に基地局を設置したことである。基地局の設置場所が民家の至近距離だったために、住民たちの間で電磁波の人体影響を懸念する声があがり係争になった。KDDIが、基地局を稼働できない状態が続いている。
両者は話し合いを続けてきたが、解決にはいたらず、住民側は膠着(こうちゃく)状態を打開すべく、2015年5月になって、KDDIに対し、専門家による公開討論の開催を呼びかけた。公開討論を通じて、多角的な視点から電磁波による人体影響について考えようと意図したのである。
住民側は発言者として、電磁波研究の第一人者である荻野晃也博士を人選した。荻野氏もそれを承諾。これに対してKDDI側は公開討論への不参加を表明した。
2015年06月17日 (水曜日)
電磁波とは何か?「電磁波からいのちを守る全国ネット」が荻野晃也氏の講演をネット公開
「電磁波からいのちを守る全国ネット」が5月16日に主催したシンポジウム、「身近に潜む電磁波のリスクを考える」で行われた講演がYouTubeで公開された。今回、紹介するのは、荻野晃也氏による「電磁波とは何か?」と題する初心者向けの30分の講演。
荻野氏は、原子核物理学の専門家で、京都大学を退官した後、電磁波環境研究所を設立。著書に『汚染水はコントロールされていない―東電・規制委・政府の最新公表データを読み解く 』(第三書館)、『健康を脅かす電磁波』(緑風出版)などがある。
電磁波が人体に及ぼす影響は、巨大なIT利権がからんでいるために、日本のマスコミはほとんど報道しない。一方、欧米やインドなどでは、新世代の公害として警鐘が鳴らされ、携帯電話基地局などの設置を規制の動きが強まっている。
2015年06月04日 (木曜日)
あたらしいタイプの携帯基地局問題が浮上、地権者がマイクロ派の人体影響に気づき「撤去したいが、賃貸契約が壁に」
携帯電話の基地局設置をめぐる問題に新しいタイプのものが浮上してきた。
電話会社に基地局の設置場所を貸す地権者が、基地局稼働後にマイクロ派による人体影響を知り、撤去を申し入れても、契約書に明記された賃貸期間が終了していないことを理由に、電話会社が応じない問題だ。
プラバシーに配慮して問題が起きている地域は明かさないが、ここ数日で、MEDIA KOKUSYOに対して2件の情報提供があった。
2015年06月03日 (水曜日)
大阪府高槻市の住民グループがKDDIに公開討論を提案、携帯基地局の設置をめぐるトラブル
KDDIに対して携帯基地局の撤去を求めている大阪府高槻市の住民団体「携帯基地局設置に不安を持つ大和住民のグループ」が、KDDIに対して公開討論を求めていることが分かった。公開討論は、電磁波研究の第一人者・荻野晃也博士とKDDI側代表による直接討論という形を取る。
住民側の代表によると住民グループは、すでにKDDIに公開討論を申し入れており、現在、回答を待っている段階だという。
2015年05月27日 (水曜日)
大阪府高槻市でも基地局設置をめぐる対立、「携帯基地局設置に不安を持つ大和住民のグループ」がKDDIに撤去を求める
携帯電話の基地局設置をめぐる電話会社と住民とのトラブルが多発している。
世田谷区奥沢のケースはSFNで既報したが、大阪府高槻市でも類似したトラブルが起きていることが分かった。発端は、2014年6月にKDDIと協和エクシスが、高槻市大和で「KDDI携帯電話用無線設備設置のお知らせ」と題するチラシを配布し、その後、基地局を設置したことである。
幸いに、現在のところ稼働はされていない。
住民たちは、「携帯基地局設置に不安を持つ大和住民のグループ」を結成。KDDI側に対して、基地局の撤去を求め続けている。(詳細は後日)
KDDIと住民の間で過去に起きた携帯基地局設置をめぐるトラブルとしては、宮崎県延岡市のケースが有名だ。2006年に、KDDIが同市大貫5丁目にある3階建てアパートの屋上に基地局を設置したところ、周辺住民の間で「耳鳴り」や「頭鳴り」などの症状が広がった。さらに鼻血などの症状をもよおす住民も現れた。
健康被害はその後も広がり、2009年の末に大貫5丁目の住民30人がKDDIに対して基地局の操業停止を求める集団訴訟を起こした。弁護団は九州で水俣病などの公害事件に取り組んできた26名の辣腕弁護士で結成されたが、地裁、高裁では訴えが棄却された。現在、この裁判は最高裁に属している。
2015年05月14日 (木曜日)
5月16日(土)に電磁波問題を考えるシンポジウム、荻野晃也博士らが講演、LED・スマホ・携帯電話基地局・リニア・スカイツリーなどがテーマに
「身近に潜む電磁波のリスクを考える=LED、スマホ、リニア」と題するシンポジウムが、5月16日(土曜日)、13:30分から東京の板橋区立グリーンホールで開かれる。
これは、利便性の向上を最優先する国策の下で、新世代公害として水面下の問題になっている電磁波が人体に及ぼす影響などについて考えるために、「電磁波からいのちを守る全国ネット(荻野晃也代表)」が企画したものである。
参加費は資料代500円。事前予約の必要はない。
携帯電話の基地局設置により周辺住民が否応なしに受ける人体影響や、強引に基地局を設置してはばからない電話会社の方針に対する問題提起がなされるものと思われる。
海外では、基地局周辺で癌の発生率が突出して高いという疫学調査のデータ(ドイツなど)が出ているが、日本では、基地局設置が野放しになっており、電話会社と住民の間でトラブルが発生している。
ちなみにスカイツリーは、電磁波問題を考慮しないで、「開発」だけを先走った典型例である。スカイツリー周辺では、相対的にマイクロ波の数値が高いことが明らかになっている。
講師は、電磁波研究の第一人者・荻野晃也、環境ジャーナリストの加藤やすこ、市民団体ガウスネット代表・懸樋哲夫、環境ジャーナリスト・天笠啓祐の各氏。
シンポジウムの詳細は次のURLでアクセスできる。
http://tkuroyabu.net/wp-content
2015年05月08日 (金曜日)
増える携帯電話の基地局問題、追及は自粛傾向に、自宅から数メートルの所にアンテナを設置され癌になったケースも
携帯電話の基地局設置をめぐるトラブルが多発している。今年の2月から現在までの約3ヶ月の間に、わたしが把握した新ケースは3件になる。いずれもMedia Kokusyoへの情報提供により実態を掴んだ。
このうち東京都世田谷区奥沢のケースについては、既報した通りである。NTTドコモがマンションの屋上に基地局を設置しようとして、住民との間にトラブルが発生した。
同社は、2013年にも、奥沢からほど近い目黒区八雲で、住民の反対により基地局設置を断念している。NTTドコモが設置を計画していた場所は、老人ホームの屋上だった。
大阪市の男性からも、基地局をめぐる情報提供があった。現地へ足を運んで現場を確認していないので、電話会社の社名は明かさないが、住居からほんの数メートルの地点に基地局(冒頭写真参考)があり、家族が癌になったという内容の通報だった。
さらに大阪府の高槻市からも、基地局を設置されてトラブルになっているという通報があった。
2015年05月04日 (月曜日)
携帯電話の普及にともない増え続ける癌患者の増加、背景にマイクロ波が連動した複合汚染の可能性
国立がん研究センターが4月28日に発表した今年の「予測がん罹患数」は、982,100例(男性560,300例、女性421,800例)で、前年予想よりも約10万件増えた。原因として、同センターは、「高齢化とがん登録精度の向上が要因と考えられます。」と述べている。が、重要な原因はそれ以外にもある。
厚生省のデータによると、日本における癌患者の年次推移は、1996年から急激に増えて、以後、ゆるやかな増加傾向にある。
まったく指摘されていないが、これに連動するように上昇曲線を描いているのが、携帯電話の普及率である。総務省が公表しているデータ「移動体通信(携帯電話・PHS)の年度別人口普及率と契約数の推移」によると、携帯電話の普及率は、次のように上昇している。
1990年: 0.6%
1995年: 9.6%
2000年: 56.0%
2005年: 73.3%
2010年: 88.5%
2013年:101.7%
癌患者の増加を示す曲線と類似している。
携帯電話の普及率が増えると、それに伴い携帯基地局が増える。そこからは24時間、通信に使うマイクロ波が放射されるので、周辺の住民は否応なしに被曝することになる。
携帯電話の普及が始まったころは、マイクロ波に遺伝子毒性があることはほとんど指摘されていなかったが、その後、疫学調査などで、両者の関係が指摘されるようになった。そして2011年にWHOの外郭団体である国際癌研究機関がマイクロ波に発癌性がある可能性を認定した。
しかし、この時点では、特に都市部で携帯基地局が林立する状況が生まれていて、撤去自体が難しい状況になっていた。携帯基地局の撤去を求める裁判も提起されているが、いずれにも電話会社が勝訴して、撤去には至っていない。
もちろん携帯電話と携帯基地局が増えたことだけが、癌が増えた原因ではないが、重要な要素であることは疑いない。
2015年04月29日 (水曜日)
遺伝子毒性が指摘されている携帯電話の電磁波(3)、日本の基準値「1000μW/c㎡」に対して、EUは「0.1μW/c㎡」
さて、海外でマイクロ波の人体に対するリスクが懸念されている状況の下で、日本の総務省の方針を検証してみよう。まず、マイクロ波の規制値を国際比較してみる。
日本:1000μW/c㎡
カナダ:1000μW/c㎡
ロシア:100μW/c㎡
イタリア:10.0μW/c㎡m
スイス:6.6μW/c㎡
EU:0.1μW/c㎡(提言値)
ザルツブルグ市:0.0001μW/c㎡(目標値)
2015年04月27日 (月曜日)
遺伝子毒性が指摘されている携帯電話の電磁波(1)、基地局周辺の住民は無差別に1日24時間被曝
電磁波は肉眼で確認することもできなければ、臭覚を働かせて感じ取ることもできない。また、電磁波を被曝しても、体に痛みが走るわけではない。それはちょうど病院でレントゲン撮影を受けても、苦痛を伴わないのと同じ原理である。
が、それが電磁波=安全ということではない。むしろ電磁波の牙(きば)は見えにくく、無自覚のうちに肉体を蝕んでいくところに、恐ろしさがあるのだ。それを隠して携帯ビジネスに走るのは、「死の商人」の態度と評するいがいに表現のしようがない。
2015年04月24日 (金曜日)
東京都世田谷区でNTTドコモの基地局設置をめぐるトラブル、母親らがマイクロ波の人体影響を懸念
東京都世田谷区でNTTドコモの携帯電話基地局の設置をめぐり、同社と住民の間にトラブルが発生している。
基地局の設置が予定されているのは、世田谷区奥沢2丁目11番13号にあるマンションの屋上。工事を担当する会社が「工事のお知らせ」と題するチラシを配布したところ、子どもを持つ母親らから工事の中止を求める声があがった。
工事は4月22日から6月30日までの予定で行われる。現時点では、基地局の設置までには至っていないが、このまま工事が進められた場合、トラブルが拡大する可能性もある。
携帯基地局の設置を巡っては、全国各地でトラブルが発生している。訴訟になったケースもある。その背景には、携帯電話(スマフォ、無線PCなど)の通信に使われるマイクロ波による健康被害の報告例が多数存在するからだ。特に海外では、数多くの疫学調査が行われてきた。
もちろん、マイクロ波の安全性については肯定論もある。しかし、WHOの外郭団体であるIARC(国際癌研究機関)は、2011年5月30日にマイクロ波に発癌性がある可能性を認定している。リスクがあるとする説に立っているのだ。マイクロ波の遺伝子毒性を問題にしている
2015年03月17日 (火曜日)
携帯電話のSAR値の安全評価に新見解、被曝量が少なくてもガン化を促進、ドイツの大学が動物実験の結果を公表
携帯電話の説明書に明記されている「比吸収率SAR」とは、人体が電磁波に被曝した時、単位質量に吸収される仕事率(ワット)のことで、日本の場合、10 gの組織が6分間電磁波を浴びたときの許容値として2 W/kgを採用している。国ごとにSAR規制値がある。
携帯電話の機種ごとにSAR値は異なるので、SAR値は携帯電話購入のさいの重要な検討事項になる。とはいえ電磁波によるリスクの認識が浸透していない日本では、SAR値を考慮せずに機種を選んでいる人も少なくないが。
政府や企業から独立して電磁波に関する情報を提供しているニューヨークの『マイクロ波ニュース』(Microwave News )は、3月13日、SAR値の安全基準に疑問を呈する動物研究の結果を報じた。
タイトルは、『高周波のガン化促進:動物実験が波乱を起こす――ドイツのアレックス・レーヒルがUターンした』である。
実験の主導者は、低レベルの高周波曝露効果は偽科学であると長年にわたり主張してきた、ドイツJacobs大学のレーヒル教授。同氏は、この説を自ら覆したのである。
ネズミの子宮に発癌物質として知られるENUを投与した上、第3世代携帯電話の電磁波を放射し、SAR値と発癌の関係を調べ、リンパ腫はもちろんのこと、肝臓と肺の腫瘍も有意に増えることを見い出した。
2015年02月17日 (火曜日)
「身体の細胞は微弱な電気で動く」、電磁波に毒性がある理由、特定秘密保護法と基地局とスパイ活動
携帯電話やスマートフォン、それにワイヤレスPCの普及が進むにつれて、無線通信に使われる電磁波の危険性が指摘されるようになった。しかし、なぜ電磁波が危険なのかを知らない人が大半を占める。
多くの人々が理解していないこの問いに反応するかのように、『THE BIG ISSUE JAPAN 142』号で、北里研究所病院の宮田幹生名誉教授が次のように明快な答えを述べている。
身体の細胞は電気で、しかもごく微弱なもので動いているんですね。だから、電磁波が身体に影響しないわけがないんです。
電磁波は身体を酸化させるんですね。ですから酸化防止装置の少ない精子は、電磁波により死んでしまうことがわかっています。また、神経を変性させ、認知症、筋萎縮性測索硬化症などになるとの報告もあります。
身体の細胞が微弱な電気で制御されていることを知っていれば、電磁波が人体に影響を及ぼす原理は、小学生でも理解できる。
確かに人体には外界からの刺激に対して防御作用が備わっているが、それにもかかわらず、たとえば携帯電話の基地局の近くに住んでいる人が、1日24時間、365日、電磁波(マイクロ波)に被曝した場合、1年後、あるいは5年後、さらには10年後といった長期被曝の後に、防御の限界に達し、何らかの障害を背負うことになりかねない。
事実、携帯基地局の周辺で癌の発生率が高いことは、海外で行われた複数の疫学調査で明らかになっている。次に示すのは、ブラジルのミナス・メソディスト大学が行った疫学調査の例である。すでにMEDIA KOKUSYOで紹介したが、再録しておこう。
結論を先に言えば、基地局から半径500メートルの円周内で、癌のリスクが高くなることが分かった。1万人あたりの癌による死亡数と、基地局からの距離は、次のようになっている。明らかな関連が観察できる。
距離 100mまで:43.42人
距離 200 mまで:40.22 人
距離 300 mまで:37.12 人
距離 400 mまで:35.80 人
距離 500 mまで:34.76 人
距離 600 mまで:33.83 人
距離 700 mまで:33.80 人
距離 800 mまで:33.49 人
距離 900 mまで:33.21人
距離 1000mまで: 32.78人
全市 :32.12 人
参考: 携帯基地局から200メートル以内、発癌リスクが極めて高い、ブラジルの調査でも判明、日本では秘密保護法の施行で情報ブロックも
2015年02月01日 (日曜日)
原因不明の体調不良で苦しんでいませんか—その②
携帯基地局の地権者で、しかも基地局の真下に住んでいるOさんは、常に0.3〜0.6μW/c㎡ほどの強度のマイクロ波を浴びており、Oさんの知り合いによれば頭が錯乱しているという。
4〜5年前から白血病を患っているKさんの自宅の二階にある寝室からは、基地局が直視できる。著者が訪ねて行って基地局からのマイクロ波が健康によくないことを伝えても、そんなに危険なものなら、国が許可を出すはずがないと、何度説明をしても納得してもらえなかった。
この他にも携帯基地局(アンテナ)が発するマイクロ波によると見られる被害者を数多く取材している。【続きを読む】
2015年01月31日 (土曜日)
原因不明の体調不良で苦しんでいませんか—その①
以前は昼間の電車に乗ると、大半の人が俯いている異様さに驚いたが、近頃ではだいぶ慣れてきた。
携帯電話は1990年代の初頭から普及が始まり、1993年の3.2%から、わずか10年後の2003年には94.4%へ、そして20年後の2013年には95%にも達している。
それに伴い携帯電話で通話する際に欠かせない携帯電話基地局(アンテナ)も急増し、全国に網の目のように張り巡らされるようになってきた。【続きを読む】
2015年01月22日 (木曜日)
地下鉄の車両内で高い数値のマイクロ波を記録、EUの安全基準の約4倍、将来的に発癌のリスクが拡大
電車で通勤・通学する人々にとっては、歓迎すべからぬニュースである。が、それを避けて通ると将来、発癌という後悔しかねない事態を招きかねない。
地下鉄の車両内でマイクロ波の測定を行ったところ、人体に悪影響を及ぼすと推測させる数値が観測された。
1月21日、午後8時ごろ、地下鉄有楽町線の社内で、わたしは高周波電磁波の測定器を使って、マイクロ波を測定した。観測された数値(6分の平均)は、 1223.6mv/mだった。この数値を国際比較するために、「μW/c㎡」に変換すると、「0.397μW/c㎡」となる。
ちなみに測定時には、座席がすべて埋まっていた。立っている乗客が10人程度。その多くの人々がスマフォなどの通信機器を使っていた。観測場所は、車両のドア付近である。
観測された「0.397μW/c㎡」をどのように評価すべきだろうか。マイクロ派の規制値を国際比較することで検討してみよう。恐るべき実態が見えてくる。
2015年01月13日 (火曜日)
「黒書」が携帯電話、スマフォ、無線PCのリスクを知らせるチラシを無料で提供、携帯基地周辺で配布を
携帯電話や無線PCなどの通信に欠くことができないのが、基地局である。マイクロ波による人体影響を想定して、インドや欧米では、基地局の設置を規制する動きがある。特にインドのムンバイ市では、2013年1月に、市当局が約3200局の基地局を撤去の対象に指定した。
ところが日本では、基地局の設置に実質的に規制がない。電磁波の規制値をクリアーしていれば、自由に設置してもいいことになっている。その規制値は、たとえばオーストリアのザルツブルグ市に比較すると、1000万倍も緩やかなもので規制にはなっていない。箸にも棒にもかからない数値である。
こうした実態の背景に、ひとつには、IT関連の企業や業界団体、それに電話会社の労働組合からの莫大な政治献金がある。
自民党の政治資金団体・日本国民政治協会の政治資金収支報告書(2012年度分)によると、携帯電話3社(NTTドコモ・KDDI・ソフトバンク)のうち、NTTドコモとKDDIが政治献金を送っている。
■参考記事:携帯ビジネス関連の企業から、自民党の政治資金団体へ多額の献金、日本電機工業会から5000万円、ドコモから600万円、東芝から1400万円、2大政党制の影のカラクリ
改めて言うまでもなく、政治献金を提供するということは、政策の買収である。議会制民主主義の国では、やってはいけないことである。ところが日本では、自民党政治の下でそれが慣行化している。
かつて「エコノミック・アニマル」という言葉が流行したが、自社の収益を伸ばすために、住民の健康を犠牲にする企業の姿勢は、「エコノミック・アニマル」を通りこして、「死の商人」に等しい。
電磁波問題に関しては、国会議員もなかなか腰をあげないのが実態である。携帯電話や無線PCのヘビーユーザーが増えている状況の下で、これらの通信機器のリスクを口にすると、嫌われるからだ。大衆(特に若い世代)の支援を失いかねないからだ。ヘビーユーザーの大半は、「完全」と信じて、携帯電話を使いたい人々である。
「タバコはストレス解消になる」と言って、頑なに禁煙を拒否する心理と同じだ。
◇自由に配布できるチラシ
次にリンクしたのは、無線通信機器(携帯電話、無線PC,スマートフォンなど)や携帯基地局の安全性について考えるためのチラシである。特定の電話会社を名指していないので、修正することなくすべての基地局の周辺で配布できる。わたしを含めた制作者が著作権を放棄したので、誰でも自由に使うことができる。
表裏の両面を印刷して、基地局周辺や駅頭で配布することができる。
2015年01月12日 (月曜日)
NTTドコモのインド戦略に暗雲、背景に携帯基地局の設置を厳しく規制する動き
『東洋経済(電子版)』(1月10日)に、「NTTドコモの誤算、インド投資撤退に難航、投資先の通信会社は960億円の債務超過」と題する記事が掲載されている。インドにおける携帯ビジネスが当初の予想どおりにいかなくなり、撤退しようにも、撤退できなくなったというのだ。
インドの投資案件から撤退を決めていたNTTドコモが、退くに退けない状況に陥っている。懸案は2009年に行った投資だ。ドコモは現地の通信事業者であるタタ・サービシズリミテッド(以下、タタ社)に合計2670億円を出資し、株式の26.5%を保有している。
だが、厳しい競争環境に加えて、獲得した電波が割り当てられないという誤算続き。業績は赤字で、投資から5年で減損など2220億円もの関連損失を計上している。
実は、インドで携帯ビジネスを進めている企業は、NTTドコモに限らず、大きな壁に突き当たっている。現地を取材していないので、確定的なことは言えないが、その大きな背景には、日本では報じられていないある決定的な事情があるのだ。
結論を先に言えば、携帯基地局の設置が極めて厳しく規制されるようになったのだ。その背景については、MEDIA KOKUSYO(2014年11月28日)で紹介した次の記事に詳しい。
インドで携帯基地局の規制がはじまる
ムンバイ市が、学校、大学、孤児院の近くでの携帯基地局設置を禁止
インドで最も人口が多いムンバイ市は、2013年8月、学校、大学、孤児院、児童リハビリテーション施設、それに老人ホームから100メートル以内に携帯基地局を設置することを禁止した。同市は、学校や大学、それに病院などに設置されているアンテナを撤去するように命じた。
さらにムンバイ市は、マンションの最上階に住む全居住者の承諾と、マンション居住者全体の70%の承諾がない場合、住宅の屋根にアンテナを設置することを禁止した。
これにより法律に抵触する状態で設置されている3200の基地局の撤去が始まった。この政策は、もともと2013年1月に発案されたもの。(略)
ムンバイ市があるマハラシュトラ州の州政府は、2013年10月の中旬、放射線の規制値を10倍厳しくするかわりに、ムンバイ市の方針を採用しない試案を発表した。現在、州政府と市当局の交渉が続いている。(黒薮訳)
2015年01月07日 (水曜日)
2015年01月06日 (火曜日)
携帯基地局問題、解決への展望は地権者へ健康被害に対する損害賠償を求める勇気
携帯電話の基地局撤去を求める裁判は、九州を中心に全国で発生している。その大半は、住民が原告となって、電話会社に対し裁判を起こすオーソドックスな構図である。
次に示すのは、全国で最も基地局関連の裁判が多発している九州地区における訴訟の「足跡」である。
・沼山津裁判(熊本市)1997年
・御領裁判(熊本市)1998年
・三潴裁判(久留米市)2001年
・楡木裁判(熊本市)2001年
・春木裁判(別府市)2002年
・荘園裁判(別府市)2005年
・霧島裁判(霧島市)2005年
・延岡大貫裁判(延岡市)2009年
裁判の勝敗は、いずれも原告住民の敗訴である。電磁波による人体影響が医学的に立証されていないというのが、これまでの司法判断だった。
ただし、2009年に起こされた延岡大貫裁判(被告KDDI)では、基地局の周辺で健康被害が多発している事実は認定された。しかし、この裁判でも、医学的な立証が大きな壁として立ちはだかったのである。結果、今も住民たちは、基地局からの強い電磁波に被曝している
2014年12月30日 (火曜日)
KDDI基地局の操業停止を求める延岡大貫訴訟で原告が上告、原告団声明が司法を厳しく批判、「住民に苦痛と絶望を与えているのは裁判所」
KDDI基地局の稼働差し止めを求めた延岡大貫訴訟の原告団(岡田澄太原告団長)は、12月5日の控訴審敗訴(福岡高裁宮崎支部・田中哲朗裁判長)を受けて、地域住民を交えた今後の対応策を話し合い、19日に最高裁に上告した。
控訴審判決は、一審に続いて健康被害が発生していることは認めつつも、「科学的観点からの立証は不十分だと言わざるを得ない」という内容だった。
控訴審では、過去に起きた携帯基地局の稼働差し止めを求める3件の裁判で、いずれも被告の電話会社を勝訴させた前歴がある裁判長が担当するなど、電磁波問題とは別に、司法の公平性も問われていた。
12月5日の判決後に発表された原告団声明で岡田団長は、みずからの体験に照らし合わせて、日本の司法制度を次のように批判している。
2014年12月05日 (金曜日)
NTTドコモから自民党へ750万円の政治献金、最新の政治資金収支報告書で判明
総務省が公表した最新の政治資金収支報告書(2013年度分)によると、携帯ビジネスを行っている企業や、そのグループ会社から、自民党の政治資金団体・国民政治協会に対して、政治献金が行われていることが判明した。
電話会社からの政治献金は、2012年度の政治資金収支報告書でも確認されており、通信業界と自民党の癒着が進んでいる可能性が高い。
2013年度の政治資金収支報告書から、該当部分を紹介しよう。
NTTドコモ:700万円
NTTデータ:350万円
NTT都市開発:150万円
KDDI:300万円
ソフトバンクについては、記録が見あたらなかった。
2014年12月04日 (木曜日)
明日、携帯基地局の放射線による健康被害を問う延岡大貫訴訟の判決、司法の劣化を象徴する「事件」が頂点に
宮崎県延岡市の住民30人が、KDDIの基地局がまき散らしている放射線(マイクロ波)が原因で健康被害を受けたとして、KDDIに対して稼働停止を求めた裁判の控訴審判決が、明日(5日)、福岡高裁・宮崎支部で言い渡される。
この裁判は、2009年12月に提起されたもので、基地局問題を象徴する事件として、全国の注目を集めてきた。
第1審は原告の敗訴。原告が控訴していた。
勝敗について、結論を先に言えば、控訴審で原告が勝訴する確率は、限りなくゼロに近い。裁判の進行そのものが尋常ではなかったからだ。
そのために、皮肉にも電磁波問題だけではなくて、日本の司法制度が内包する「闇」も露呈することになった。
◇論理が破たんした地裁判決
周知のように携帯基地局から放射される放射線(マイクロ波)が人体に悪影響を及ぼすとする説は、年々、説得力を深めている。2011年には、WHOの外部団体である世界癌研究機関(IARC)が、マイクロ波に発癌性の可能性
があることを認定している。
実際、ドイツ、イスラエル、ブラジルなどで行われた疫学調査では、携帯基地局の周辺に住む人々の間で、癌が多発していることが分かった。
インドのムンバイ市では、最高裁の司法判断を背景に、3200の基地局が撤去の対象になっている。
こうした世界の動きを見据えると、当然、延岡大貫訴訟は原告を救済するのが常識だが、第1審では、健康被害の発生は、客観的な事実として司法認定されたものの、基地局の稼働中止はそのまま続けてもいいことになった。
司法がKDDIのビジネスを救済したのである。
裁判所がその根拠としたのは、俗にいう「ノセボ効果」による健康被害であるとの判断である。「ノセボ効果」とは、思い込みによって生じる症状のことである。判決は、次のように「ノセボ効果」を認定して、KDDIを勝訴させた。
原告らその他の住民の中には、反対運動などを通じて電磁波の危険性についての情報を得たことにより、電磁波の健康被害の不安を意識したことや、被告の対応に対して憤りを感じたことなどにより、もともとあった何らかの持病に基づく症状を明確に意識するようになったり、症状に関する意識が主観的に増幅されていき、重くとらえるようになった者がいる可能性がある。
健康被害という客観的な事実と、「ノセボ効果」を結びつけるには、科学的な根拠が不可欠であるが、判決文では、それが完全に欠落しているので、判決全体を通読した時、論理が完全に破たんしていることが分かる。「論文」としては、失格のレベルである。
それにもかかわらず判決は効力を持ち、現在も延岡市の原告を苦しめている。