1. 携帯電話の基地局問題

携帯電話の基地局問題に関連する記事

2019年01月31日 (木曜日)

5Gの導入で懸念される健康被害の拡大、道路沿線の住民は深刻、メディアは報道自粛、背景に巨大利権

今年の夏から5Gの導入がはじまる。5Gといえば、中国のHuaweiを連想する人も多いのではないか。はからずも米中関係の悪化の中でHuaweiの幹部が逮捕され、それを機に同社の社名や事業内容を把握したひとも多い。

改めていうまでもなく、5Gとは第5世代無線通信システムのことである。「G」という文字が付されているために、通信システムに使われる電磁波の周波数(エネルギー)が5GHz(ギガヘルツ)と勘違いしている人も多いよううだが、第5世代無線通信システムでは28GHz(ギガヘルツ)が使われる。

携帯電話が急激に普及した2000年ごろは、第2世代無線通信システムで2GHzが主流をしめていた。第5世代無線通信システムでは、その14倍にもなる28GHz(ギガヘルツ)が使われる。極めて電磁波のエネルギーが高く、危険という声が専門家の間であがっているのだ。

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イタリアの裁判所、健康・環境・教育を担当する各大臣に携帯電話のマイクロ波の危険性を知らせるキャンペーンの実施を命じる

米国のMicrowave News などの報道によると、イタリアのラツィオ州の裁判所は、健康・環境・教育を担当する各大臣に対して、携帯電話による健康リスクを知らせるキャンペーンを始めるように命じる決定を下した。

この決定は昨年の11月に下されていたが、それが明らかになったのは、1月16日。裁判所の公文書によると、キャンペーンは7月16日までに開始されなければならない。【続きはウェブマガジン】

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2018年11月21日 (水曜日)

「スマホ1時間以上の利用で正答率が低下」、河北新報が報じるもマイクロ波の影響については言及なし

河北新報が「スマホ1時間以上の利用で学習に影響 宮城県公立高調査、正答率の低下顕著に」(20日付け)と題する記事を掲載している。

宮城県教委は19日、県内の公立高1、2年生を対象にした2018年度学力状況調査結果をまとめた。スマートフォンや携帯電話の使用時間が平日1時間以上になると、学力が低下する傾向が浮き彫りになった。県教委は「インターネットへの依存的傾向が学習や生活に影響を及ぼしている」と注意を呼び掛けている。(略)

「30分以上1時間未満」と答えた生徒の正答率は国語63.1%、数学55.3%、英語57.6%。「5時間以上」の生徒の正答率は国語47.3%、数学24.1%、英語35.9%にとどまった。1時間以上になると使用時間が長くなるにつれ、各教科で正答率が低下した。 ■出典

この記事の問題は、スマートフォンや携帯電話を使うことによって、家庭学習の時間が割かれ、その結果、正答率が低下するのか、それともこれらの通信器機から放射されるマイクロ波が脳に影響を及ぼすことが原因で、正答率が低下するのかに言及していないことである。

おそらく編集者にそういう視点がまったくないのだろう。

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2018年11月05日 (月曜日)

アメリカの国立環境衛生科学研究所のNTP(米国国家毒性プログラム)の最終報告、心臓の腫瘍、マイクロ波と癌の関係は明白と結論

携帯電話(スマホ)で使われる電磁波と発癌の関係を指摘する最新の研究結果が公表された。1日付けのMWN(Micro wave News)によると、アメリカの国立環境衛生科学研究所は、2月に発表したNTP(米国国家毒性プログラム)の最終報告を修正し、動物実験でマイクロ波と癌の関係が明白になったと発表した。

NTPは10年に渡る長期プロジェクトで、予算も3000万ドル。最大級のプロジェクトである。

修正された最終報告によると、動物実験の期間である2年間に、オスのラットの心臓に悪性腫瘍が増えたことを示す明確な証拠が得られたという。一方、マイクロ波を放射しなかった実験群のラットでは、心臓の腫瘍は発生しなかった。

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2018年10月29日 (月曜日)

悪性脳腫瘍20年で3.5倍の増、背景に携帯電話(スマホ)の普及、米国MWNが報じる

5G(第5世代移動通信システム)の準備が着々と進んでいる。これが構築されると大量のデータを短時間でやり取りすることが可能になる。当然、スマホで視聴する動画の質も従来よりも格段によくなると期待されている。

5Gに関するメディア報道をみると、5Gの登場によって、われわれはとてつもない利便性を手に入れることができるかのような印象を受ける。それは真実なのだろうか。利便性の裏側には、負の側面があることが多いものなのだが。

米国の『マイクロウエーブ・ニュース』(電子)は、英国で携帯電話のマイクロ波が原因と思われる脳腫瘍が、ここ20年から30年の間に急増していることを伝えている。指摘されている脳腫瘍はグリオブラストーマという悪性のものである。

大脳前頭葉と頭頂葉での発癌頻度は、1995年を起点として、2014年には、3・4倍に増えている。その他の脳部位でも、若干増えている。■出典

 

脳腫瘍以外の癌も相対的に増えている。特に、若い人が癌になるケースが目立つ。当然、マイクロ波との関係を考察してみなければならない。

筆者は、電磁波問題を取材している関係で、時々、マイクロ波を測定する。近くに携帯電話の基地局がなくても、スマホで通話すると、マイクロ波の密度は急にあがる。少なくとも、EUの提言値(0.01μW/cm2(室内)の10倍ぐらい、瞬間的には100倍ぐらいになることもある。

つまりたとえ自宅近くに基地局がなくても、スマホを使っていれば、マイクロ波に被曝するのだ。電車の車内などは、受動喫煙と同じ原理の状態になっている。本来、公共の空間では、煙草と同じように、スマホの使用を禁止すべきだろう。

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2018年09月08日 (土曜日)

マイクロ波の規制基準がダブルスタンダードになっている本当の理由、水面下での新兵器開発、軍事産業とマイクロ波(1)

スマホなどの通信に使われるマイクロ波の規制基準がダブルスタンダードになっている理由はなにか?。マイクロ波の規制値は、実質的に2つ存在するのだ。しかも、それは日本だけの話ではない。世界中のほとんどの国が、おそらく故意にダブルスタンダードを採用しているのだ。

筆者はその理由を延々と考えてきたが、最近、極めて単純な理由であることに気づいた。その答えを紹介する前に、ダブルスタンダードの実態を、国際比較をしながら紹介しよう。

まず、各国が定めている規制値である。

日本:1000μW/cm2

米国:1000μW/cm2

カナダ:1000μW/cm2 

スウェーデン:900μW/cm2

ノルウェー:900μW/cm2

デンマーク:900μW/cm2

オランダ:900μW/cm2

フランス:900μW/cm2

英国:900μW/cm2

ドイツ:900μW/cm2

ベルギー:225μW/cm2

大半の国がおおよそ900μW/cm2ぐらいを規制値としている。ちなみに数値が大きくなるほどエネルギーが強く、危険度が増す。

国家の規制値に対してEUの提言値と「バイオイニシアチブ報告・2012」の提言は、次のようになっている。

EU:0.1μW/cm2 (屋内は、0.01μW/cm2)

バイオイニシアティブ報告:0.001μW/cm2~0.05μW/cm2よりも低い強度でも人体影響がある。

こうした状況の下で、ヨーロッパでは国家が定めた規制値と各自治体が独自に定めた規制値がある。これ自体不思議なことだ。

スマホを使った実際の通話では、どの程度の強度のマイクロ波が必要なのだろうか。筆者が取材したり、実際に測定した体験からすれば、0.01W/cm2程度で十分に会話できる。それゆえに各国が定めた異常にあまい基準値を不思議に感じてきた。

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2018年09月05日 (水曜日)

マイクロ波を利用した武器はすでに実用の段階に、脳に大きなダメージの可能性、米ニューヨーク・タイムズが報道

CNNがマイクロ波による人身攻撃に関する記事を掲載している。タイトルは、「米外交官狙った正体不明の『音響攻撃』、原因はマイクロ波か」。

キューバなどに駐在する米国の外交官らが、身体の不調を訴え、原因がマイクロ波による攻撃だったとの見方が浮上したとする記事である。■出典

マイクロ波というのは、携帯電話やスマホの通信に使われる電波(電磁波)のことである。

実は、CNNの記事の情報源となっているのは、9月1日付けのNYT(ニューヨーク・タイムズ)の記事である。■出典

この記事では、マイクロ派を利用した武器がすでに実用の段階に入っており、米国はいうまでもなく、ロシア、中国、ヨーロッパ諸国も、新型武器の技術をもっている可能性を指摘している。まるでSFの世界だが、NYTは極めてリアルな問題提起をしている。

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2018年08月27日 (月曜日)

電磁波や化学物質など新世代公害の透明な牙(きば)、水面下で広がる被害とマスコミの重い責任

新世紀公害が水面下で急激に広がっている。静岡県に別荘マンションを持つ理学博士のAさんが言う。

「わたしが知らないうちに、マンションの理事会が電気会社から要請を受け、スマートメータ(電磁波による遠隔操作による電気料金の計測器)の設置を受け入れていました。電磁波によるリスクがあることを理事たちにいくら説明しても、電磁波が何であるかすらも分かっていません」

Aさんは筆者が取材対象にしている研究者である。

「前には、携帯電話の基地局を屋上に設置したいという電話会社の要請を理事会が受け入れてしまいました」

実際、Aさんの別荘マンションに携帯電話の基地局は設置され、今もそのままだという。Aさんは、初歩的で常識的な科学の知識を大半の住民が知らない事実を前に、絶望的な気持ちになるという。無知の恐ろしさを痛感している。

かつて公害といえば、工場排水が引き起こす中毒であったり、工場煤煙が原因の喘息など、誰の目にも見える被害だったが、新世代の公害は、意識的にその実体を学習しなければ認識できない。被害が浮上する時期も分からない。ここに問題の深刻さが潜んでいるのだ。

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2018年07月10日 (火曜日)

ヨーロッパでWi-Fiを規制する動きが加速、背景に否定できなくなったマイクロ波による発癌などのリスク、日本では報道もタブー

マイクロ波による人体影響を考慮して、ヨーロッパでWi-Fiを規制する動きが広がっている。サイゾー(CYZO Inc.)のウエブサイトが、9日に報じた。

マイクロ波は、放射線(電磁波)の一種で、スマホやワイヤレスPCのほか、電磁レンジでも使われている。WHOの外郭団体である国際がん研究機関(IARC)は、2011年5月、マイクロ波に発癌性がある可能性を認定している。マイクロ波を24時間発している基地局周辺に住む住民の間で、癌の発症率が高いことも、海外の疫学調査で明らかになっている。

【参考記事】携帯電話のマイクロ波と発ガンの関係、ドイツやブラジルの疫学調査で危険性が顕著に、問題多い日本の安全基準

ところが日本では、マイクロ波による人体影響は、ほとんど報じられていない。それどころか国策として、マイクロ波を利用した無線通信網の整備が進んでいる。その結果、Wi-Fiが公立学校まで、普及しているのが実態だ。

マイクロ波の危険性を大半の人がまったく知らないのが実態だ。しかし、欧米では、いよいよその危険性が否定できなくなってきたのである。その結果、次のようなことが起こった。

Wi-Fi規制の動きは徐々に広がりを見せ、今ではベルギー、スペイン、イスラエル、オーストラリア、イタリア、スイス、ドイツ、オーストリア、インド、フィンランド、キプロスなども追随している。

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2018年06月30日 (土曜日)

今世紀最大の公害-電磁波、癌など人体影響の高いリスク、懸念される長期被曝

今世紀に深刻化が予想されている公害のひとつが電磁波である。携帯電話、スマートメーター、自動運転車、リニア新幹線、兵器・・・あらゆるところで電磁波利用が進んでいるが、その高い健康リスクは報じられない。マスコミの広告主である産業界の権益に著しく反するからだ。その結果、大半の人は何も知らないまま、毎日、大量の電磁波を被曝している。

問題は、5年先、10年先、あるいは15年先。危険性を知った時には、癌になっている、といった悲劇と向き合うはめに。

次のバックナンバーは2017年12月18日 に掲載した。

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2018年06月01日 (金曜日)

通勤時の鉄道車両内で多量のマイクロ波被曝、高まる発癌のリスク、懸念される長期の人体影響

携帯電話の基地局から発せられるマイクロ波(電磁波、あるいは放射線の一種)が、周辺住民に健康被害を及ぼしている問題が指摘されるようになって約4半世紀になる。頭痛、めまい、耳鳴りなど比較的マイナーな症状はいうまでもなく、ドイツやブラジルなど海外での疫学調査では、高い癌の発症率も明らかになっている。

ところが最近、米国ではマイクロ波の人体影響を否定する世論誘導が始まっている。たとえば、当初、マイクロ波に警鐘を鳴らしていたアメリカの国立環境衛生科学研究所が、180度見解を変更するなどの動きが見られる。産業界への配慮のようだ。

【参考記事】米国立環境衛生科学研究所によるマイクロ波の安全性に関する研究結果、高リスクを否定、背景にアップルやグーグル、軍事産業の権益

日本の情況はどうなっているのだろうか。結論を先に言えば、大半の人が何も知らされていないのが実態だ。NHKをはじめマスコミの責任にほかならない。週刊誌と月刊誌は若干報道しているが。

マイクロ波の規制値は、μW/c㎡ (マイクロワット・パー・ 平方センチメートル)という単位で表示される。次に紹介するのは、EUの基準である。

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2018年02月19日 (月曜日)

米国立環境衛生科学研究所によるマイクロ波の安全性に関する研究結果、高リスクを否定、背景にアップルやグーグル、軍事産業の権益

このところ携帯電話の基地局設置をめぐるトラブルが増えている。今年に入ってから、筆者のところに2件の相談があった。このうち1件は、早々に解決した。相談件数の増加は、マイクロ波の危険性が否定できなくなった証にほかならない。

マイクロ波に遺伝子毒性がある可能性については、2011年にWHOの外郭団体・国際癌研究機構がそれを認定している。日本の総務省は、マイクロ波の遺伝子毒性を否定しているが、それほど簡単に否定できるものではない。むしろ疫学調査では、両者の因果関係は明らかである。

マイクロ波の安全基準については、各国の政府レベルとそれ以外の行政区との間で大きな開きがある。その理由については後述するとして、まず、実際の規制値を紹介しよう。

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2017年11月30日 (木曜日)

携帯電話の基地局周辺での相対的に高い発癌率、日本では報じられない電磁波問題、

国会で森友・加計事件の追及が再会されたとたんに、朝鮮がミサイルを発射した。その前には、力士による暴行事件があり、メディアはミサイルと暴行に関するニュースのオンパレードとなった。特にテレビはこうした傾向が顕著になっている。読者は、笑みを浮かべた麻生副総理の顔を想像するのではないだろうか。

報道人にニュースを選ぶ職能がないのか、それとも別の事情があるのか?報道の読みとり方について創価大学の元教授・故新井直之氏は、次のような貴重な指摘をしている。

新聞社や放送局の性格を見て行くためには、ある事実をどのように報道しているか、を見るとともに、どのようなニュースについて伝えていないか、を見ることが重要になってくる。ジャーナリズムを批評するときに欠くことができない視点は、「どのような記事を載せているか」ではなく、「どのような記事を載せていないか」なのである。

日本のメディアが最も報道を控えている重要テーマのひとつに、電磁波問題がある。読者は、高圧電線や携帯電話の基地局の近くに住んでいるひとが癌になった例を聞いたことがないだろうか?筆者は取材で、乳ガンや子宮癌が多い事実を掴んでいる。白血病の例も把握している。

携帯電話の基地局から発せられるマイクロ波と癌の関係を裏付ける疫学調査は、過去にイスラエル、ドイツ、ブラジルなどで実地されている。次に紹介するのは、ブラジルの例である。以前にメディア黒書で紹介したものだが、再度、紹介しておこう。

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2017年07月19日 (水曜日)

第5世代移動通信システム に東電が参入、懸念される高周波電磁波による人体影響

「G5」とは、第5世代移動通信システム のことである。携帯電話は1990年代から普及がはじまり、世代が進むごとに「進化」してきた。最初は電話機能だけだったが、静止画や動画が送れるようになり、通信のスピードもどんどん上がっていった。そしていま、本格的にG5導入への動きが始まった。

こうした動きに東電が便乗しよとしているのを読者はご存じだろうか。「5Gの基地局を設置する場所として、電力を送る鉄塔を貸し出す事業に本格的に乗り出す方針」(NHKニュース)を固めたという。

しかし、この計画に関して、日本のメディアがほどんど報じない重大問題がある。それは電磁波による人体影響である。欧米では当たり前に報じられている電磁波のリスクが、おそらくは大口広告主である電話・電気・電力関連の企業への配慮から、日本ではほとんど報じられていない。

国民は重大なリスクに晒される。

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2017年07月12日 (水曜日)

小池知事の電磁波問題に対する驚くべき無知ぶり、懸念されるLEDやスマホによる人体影響

東京都の小池知事が「家庭内の白熱電球を発光ダイオード(LED)電球と無償で交換する事業の受け付けを始めた」という。

小池百合子知事は都庁でセレモニーを開催し、歌手のピコ太郎さんと共に取り組みの推進を呼び掛けた。

ピコ太郎さんはセレモニーで「私の家の電球も(LED電球に)替えようと思う」とあいさつ。ピコ太郎さんと交換手順を説明した小池知事は「交換することで家の中の電気がどうなっているか、もう一度点検してほしい」と話した。

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2017年02月11日 (土曜日)

日本人の3%~5・7%が電磁波過敏症、早稲田大学応用脳科学研究所「生活環境と健康研究会」が公表

2月7日付け京都新聞が、電磁波過敏症について、早稲田大学応用脳科学研究所「生活環境と健康研究会」が公表した結果を紹介している。それによると電磁波過敏症の有症率は、日本人の場合3%から5.7%である。

この数字は、10万人の都市であれば、3000人から5700人に相当する。100万人の都市であれば、3万人から5万7000人である。想像以上に大きな数字だ。かなり多くのひとが電磁波過敏症になっている可能性を示唆している。

症状は多種多様で、京都新聞が紹介しているものは、極度の疲労、集中困難、憂鬱、発疹、頭痛、耳鳴り、などである。

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2017年01月17日 (火曜日)

化学物質過敏症の人々のサロン「はなちゃんカフェ」がオープン、情報交換と支援の場、東京目黒区

東京都目黒区の女性が、化学物質過敏症の人々が集う場を設置した。この女性は、自宅のフローリングのフロアマニキュア剥離作業が原因で、強度の化学物質過敏症になり、離職(元銀行員)を余儀なくされた。作業中に多量の化学物質に被曝したのが原因である。

その際、自宅で飼っていた猫も、血を吐くなどの異変に見舞われた。この猫の名前に由来して、集いの場は、「はなちゃんカフェ」と名づけられた。

一般的にはあまり知られていないが、人体にダメージを与える量の化学物質に被曝すると、化学物質過敏症になるリスクが生じる。たとえば、1995年の地下鉄サリン事件の際に、サリンに被曝したひとの中には、化学物質過敏症になって、現在も苦しんでいる人々がいるという。

一旦、化学物質過敏症になると、電磁波にも過敏になる。その原因は分からないが、事実として、筆者が取材してきた電磁波過敏症の人々の中には、発症前に電磁波過敏症になっていた人も少なくない。

われわれの身の回りでは、刻々と化学物質が増えている。米国のケミカルアブストラクトサービスが付番する新しい化学物質は、年間で100万件にもなるという。これらの化学物質が相互作用でどのような人体影響を及ぼすかは、ほとんど分かっていない。化学物質による被曝は、他人事ではなくなってきたのである。

「はなちゃんカフェ」に参加する資格があるのは、病院で化学物質過敏症と診断された人と、その家族である。カフェには、化学物質過敏症や電磁波過敏症に関する100冊を超える図書も揃っている。入会は無料。

詳細は、次のウエブサイトで。

■はなちゃんカフェのウエブサイト

【参考記事】化学物質過敏症から電磁波過敏症へ、東京目黒区で浮上している基地局問題で注目されるKDDIの「患者」対応

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2016年12月10日 (土曜日)

携帯基地局の直近で1メートルの奇形タンポポ、冬にもかかわらず黄色い花、人類に対する自然界の警鐘

携帯電話の基地局から約20メートルの地点で、筆者は「狂い咲き」の奇形タンポポを発見した。発見地点は、朝霞市岡3丁目11-1 。城山公園の近くにあるファミリーレストラン「ガスト」の駐車場だ。鉢に植えてあったものが、何者かに引き抜かれ、地面に横たわっているのを発見した。少し枯れていた。

基地局を所有する電話会社の名前は、コンタクトを取った後、メディア黒書で公表する。当然、基地局の撤去を要求する。

奇形タンポポは、全長1メートルほど。冬にもかかわらず黄色い花を付けている。

筆者は、奇形タンポポを元通りに直立にしてから、写真を撮った。それから発見場所の証拠を残すために、奇形タンポポと近景をビデオ撮影した。

「ガスト」の許可を得て奇形タンポポを自宅に持ち帰り、翌日、撮影の日付を立証するために、新聞をそばに置いて、再び写真撮影をした。

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2016年11月22日 (火曜日)

NTTドコモ、高齢の弱者に配慮せずに基地局を稼働、東京都板橋区小豆沢の携帯基地局問題

東京都板橋区の小豆沢で起きているNTTドコモの携帯電話の基地局設置をめぐるトラブルは、住民たちの撤去要求にもかかわらず、すでに稼働しているようだ。住民側がNTTドコモに基地局の稼働を確認したという。

今後、訴訟が起こされる可能性もある。

既報したように、基地局の設置に最も強く反対しているのは、基地局が設置されたビルの直近にある高齢者マンションの住民らである。このマンションは板橋区の福祉施設で、住民の大半は経済的にはあまり恵まれない人々である。

マイクロ波を遮るシールドクロスを購入しようにも、その資金がない。

今後、1日24時間、人生の幕を閉じる日まで、基地局直近からマイクロ波に被曝することになる。

反対運動を進めようにも、高齢による体力の衰えが大きな障害になっている。つまりNTTドコモの強引なやりかたに対して、正面から対峙できない弱者なのだ。働きざかりの人々が反対運動を展開するのとは状況が異なる。

たしかに、この地域には携帯電話が通じにくい場所があり、そこの住む住民の一部は、基地局の稼働を歓迎しているという複雑な事情もある。

だからと言って人命にかかわるリスクがある携帯電話・基地局を、十分な話し合いを経ることなしに、一方的に稼働させてもいいという論理にはならない。これではエコノミック・アニマルである。近くには、高齢者住宅だけではなく、児童施設もあり、基地局の稼働により、不特定多数の人々がマイクロ波を被曝することになるからだ。

その影響が、10年後、あるいは20年後にどう浮上するのか、誰も分からない。影響が表れても、マイクロ波との因果関係を立証できるとは限らない。

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2016年11月20日 (日曜日)

板橋区小豆沢でNTTドコモが基地局稼働の可能性、電磁波の数値が17倍に、NTTドコモへ天下りした面々のリストを公開

東京都板橋区小豆沢の住民とNTTドコモの間で持ちあがっている携帯電話の基地局問題は、新局面をむかえた。10月30日にNTTドコモを招いて住民が開いた説明会で、住民側は基地局の設置計画の中止を要請していたが、NTTドコモがそれを拒否して基地局を稼働させた可能性が生じている。

住民側は基地局の周辺で断続的に測定を続けてきたが、説明会の前は、200mV/mぐらいの数値だったが、現在では、高いところでは3500mV/mを超える数値に上がっている。

ただ、電磁波の数値は、変化の幅が大きいので、断定的なことはいえない。もし、NTTドコモがすでに基地局を稼働させているとすれば、住民にそれを通知していないわけだから、極めて不誠実な態度と言わなければならない。

同社は、練馬区でも住民の反対を押しきって、基地局を稼働させている。

ここには「予防原則」で住民の命を守るのか、それとも金銭欲を優先するのかという倫理上の問題がある。

ちなみにNTTグループには、これまで多人数の官僚が天下りしている。次に示すのが、そのリストである。(出典はソフトバンク)

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2016年11月16日 (水曜日)

化学物質過敏症から電磁波過敏症へ、東京目黒区で浮上している基地局問題で注目されるKDDIの「患者」対応

今年の8月に、早稲田大応用脳科学研究所の研究グループ(代表:北條祥子尚絅学院大名誉教授)が、日本人の3.0~4.6%に電磁波過敏症の症状が観察できるという研究結果を発表した。その引き金はなにか?

従来から化学物質過敏症になると、電磁波過敏症を併発しやすいと言われてきた。筆者は研究者ではないので、断定的な事は言えないが、これまでの取材結果を見る限り、顕著にそういう傾向がある。

たとえば拙著『電磁波に苦しむ人々』(花伝社)で取り上げた塩田永さんという男性は、青年期に水道配管の仕事に従事したことがあり、その際に接着剤を多量に吸い込んでいる。後に重度の電磁波過敏症を発症し、携帯電話の「圏内」に住めなくなり、山間部にある「圏外」の村に引っ越した。

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2016年11月10日 (木曜日)

NTTドコモの下請け会社・ミライト(株)の社員が虚偽の説明、「オーストリアは2005年にザルツブルグ規制を失効させた」

オーストリアのザルツブルグ市が定めているマイクロ波(携帯電話の通信に使われている)の目標値が、「2005年に失効した」という嘘の説明を、電話会社の社員があちこちで住民にふれ回っているらしいことが分かった。

マイクロ波の規制値や目標値、それに提言値は、地域により大きな差がある。ひとつの例を示すと、次のような数値の違いがある。

日本:1000 μW/c㎡ (マイクロワット・パー・ 平方センチメートル)

EU:0.1μW/c㎡【提言値】(室内は0.01μW/c㎡)

ザルツブルグ市:0.0001μW/c㎡【室内目標値】

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2016年11月02日 (水曜日)

電磁波問題と複合汚染、電磁波単独ではリスク評価はできない

このところ携帯電話の基地局設置をめぐり、電話会社と住民がトラブルになるケースが急激に増えている。その背景には、電磁波による人体影響が情報として人々の間に浸透しはじめている事情があるようだ。

メディア黒書で既報したように、日本人の3.0~4.6%が電磁波過敏症になっているという調査結果を、早稲田大応用脳科学研究所の研究グループがこの8月に発表した。

■<電磁過敏症>日本人の3.0~4.6%に症状

数値を見ると少ないようにも感じられるが、たとえば電磁波過敏症の比率が4%とすると、10万都市であれば4000人が電磁波過敏症になっている試算になる。しかし、その大半は、恐らく自分が電磁波過敏症であるという自覚がない。体調不良になっても、なにか別の原因があると考えて、病院を転々とする。

しかし、それにもかかわらず電磁波と健康に関する情報は広がっており、その結果、電話会社とのトラブルが多発しているようだ。

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2016年10月31日 (月曜日)

NTTドコモが住民に対して説明会、住民の命よりも企業の利益を優先、基地局設置工事の続行を宣言

NTTドコモと東京板橋区小豆沢の住民たちの間で起きている携帯基地局の設置をめぐるトラブルで、NTTドコモ側は、30日、住民説明会を開いた。当初、NTTドコモ側は、戸別に1対1で説明をする方針だったが、住民たちの要望に応えて、団体での説明に応じた。

筆者は、住民側からの要請に応じて、説明会に参加した。

NTTドコモ側の説明には事実と違っていることや、「企業秘密」を理由に大事なことを説明しない場面もままあった。動画に撮影しているので、準備ができしだいにインターネットで公開したい。利潤の追求しか頭にない、電話会社の論理がよく分かる。

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2016年10月25日 (火曜日)

高齢者施設の直近に設置した携帯電話基地局をめぐり、NTTドコモと住民がトラブル

東京都板橋区の小豆沢で、NTTドコモと住民の間で携帯電話の基地局設置をめぐり、トラブルが発生している。基地局は、すでに設置が完了しており、機械類の調節が行われた後、稼働する予定になっていた。

ところが周辺住民が基地局から放射されるマイクロ波の危険性を知って、反対運動をはじめた。23日の日曜日には、基地局近くの集会所で、電磁波問題の専門家らを講師に学習会が開かれ、約30名の住民が参加した。

特に基地局が設置されている賃貸マンションから20メートルの地点にある区立高齢者住宅(けやき苑)の住民たちが不安を訴えている。けやき苑の住民の一部は、ベランダ側からマイクロ波の直撃を受けることになる。

また、基地局から約150メートルの地点には児童施設があり、幼児たちもマイクロ波の直撃を受けることになる。

NTTドコモは、練馬区でも住民との間でトラブルを起こしている。過去には、目黒区や世田谷区でも、住民パワーの前に基地局の設置を断念した経緯もある。

マイクロ波の危険性が認知されるにつれて、分譲マンションへの設置はかなりハードルが高くなっており、反対運動が起きにくい賃貸マンションや老人ホームが狙われるケースが増えている。

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2016年08月30日 (火曜日)

日本人の3.0~4.6%が電磁波過敏症、早稲田大応用脳科学研究所の研究グループが発表

電磁波過敏症が電波による客観的なリアクションであることを裏付ける研究結果が発表された。

早稲田大応用脳科学研究所の研究グループ(代表:北條祥子尚絅学院大名誉教授)がまとめた研究結果で、日本人の3.0~4.6%が電磁波過敏症の症状を訴えているという結論をだした。

この数字は、1万人あたり300人から460人、10万人都市であれば、3000人から4600人が電磁波過敏症になっている計算になる。

以下、河北新報の記事を紹介しよう。

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2016年07月21日 (木曜日)

増え続ける電磁波過敏症と生活圏の縮小、「ユビキタス社会」の中で進行する弱者切り捨てとプロパガンダ

「ユビキタス社会」という言葉をウィキペディアは、次のように説明している。

「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」がコンピューターネットワークを初めとしたネットワークにつながることにより、様々なサービスが提供され人々の生活をより豊かにする社会である。

「いつでも、どこでも」とはパソコンによってネットワークにつながるだけでなく、携帯情報端末をはじめ屋外や電車・自動車等、あらゆる時間・場所でネットワークにつながる事であり、「何でも、誰でも」とはパソコン同士だけでなく家電等のあらゆる物を含めて、物と物、人と物、人と人がつながることである。

IT技術の発達がもたらす利便性を象徴する内容である。「ユビキタス社会」の方向付けは、すでに国策として定着しており、数年前までは民主党や共産党の議員らが国会の場でも、電磁波にはリスクがあるとの観点から、一定の規制を求める動きをみせていたが、最近は沈黙してしまった。

ユビキタス社会の波にかき消されてしまったのである。

その結果、雨後の竹の子のように、日本列島のいたるところに携帯基地局が設置され、地下鉄車内の「優先席」でも、メールの交信ができるようになった。知らないうちに、自宅にスマートメーターが設置されていることに住民が気づいて、トラブルになるケースも増えている。

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2016年07月06日 (水曜日)

携帯電話のマイクロ波と発ガンの関係、ドイツやブラジルの疫学調査で危険性が顕著に、問題多い日本の安全基準

携帯電話やスマホの通信に使われるマイクロ波による人体影響が否定できなくなっている状況のもと、市民団体ガウスネットは、9日(土)に東京板橋区で「科学技術依存社会を考える」と題するシンポジウムを開く。詳細は次の通りである。

■「科学技術依存社会を考える」の案内

◇マイクロ波と発ガン

WHOの傘下にあるIARC(国際がん研究機関)は、2011年5月31日、マイクロ波に発癌の可能性があると発表した。

IARCは、化学物質やウイルス、それに放射線など約800種の発癌性リスクについて、次のように分類している。

 「1」発癌性がある
 「2A」おそらく発癌性がある
 「2B」発癌性の可能性がある
 「3」発癌性の分類ができない
 「4」おそらく発癌性はない

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2016年06月29日 (水曜日)

東京中野区でKDDIの携帯基地局設置をめぐるトラブル、発ガンなど懸念されるマイクロ波による人体影響

このところ電話会社による携帯電話基地局の設置をめぐるトラブルが多発している。6月25日、東京中野区2丁目にあるマンション、「ライオンズシティ中野ファースト」の屋上に、KDDIが基地局を設置する計画を承認する決定を、同マンションの理事会が下した。これに対して、近隣の住民らから激しい怒りの声があがっている。

反対派の住民らは、基地局設置に反対する「2丁目の環境を守る会」を結成。250名の署名を集めて、KDDIに対しても交渉を申し入れていたが、「ライオンズシティ中野ファースト」の理事会の決定により、基地局の設置が決まった。

KDDIは昨年から今年にかけて、東京豊島区でも住民とのトラブルに巻き込まれた。豊島区のケースでは、基地局が設置された後、近隣住民が鼻血や不眠などの健康被害を訴えるようになり、撤去を求める声があがった。結局、KDDIと住民は基地局を別の場所に移すことで合意した。

しかし、たとえ基地局を移転させても、今度は移転先の住民が携帯基地局のマイクロ波に24時間被曝するので、根本的な解決にはならない。最悪の場合は、住民の間に対立を招く事態にもなりかねない。

幸か不幸か、中野区のケースはまだ計画の段階だ。反対派の住民たちは、今後、弁護士の支援を得ながらKDDIと「ライオンズシティ中野ファースト」の理事会と交渉を進めていく方針だという。訴訟になる可能性もある。

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2016年06月02日 (木曜日)

携帯電話のマイクロ波とラットの発癌に正の相関が見つかる、米国政府のNTPが実験結果を公表

携帯電話に使われる電磁波のリスクに警鐘を鳴らす情報が米国から飛び込んできた。米国政府が取り組んでいるNTP(National Toxicology Program、毒物研究事業)で、携帯電話などが発している電磁波にラットを被曝させたところ、オスのみに腫瘍が発生することが判明したのだ。

日本語のサマリーは、次のように実験結果を報告している。

この2年間の研究は、何千匹ものラットに2年間毎日、一定量の電磁波を照射した。電磁波をまったく当てないコントロールグループも、同期間養育した。被曝したラットの2ないし3%が脳に神経膠腫を生じ、1ないし6%が心臓に神経鞘腫を発現した。

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